4.6. Knative サービスへのアクセスの設定


4.6.1. Knative サービスの JSON Web Token 認証の設定

OpenShift Serverless には現在、ユーザー定義の承認機能がありません。ユーザー定義の承認をデプロイメントに追加するには、OpenShift Serverless を Red Hat OpenShift Service Mesh と統合してから、Knative サービスの JSON Web Token (JWT) 認証とサイドカーインジェクションを設定する必要があります。

4.6.2. Service Mesh 2.x での JSON Web トークン認証の使用

Service Mesh 2.x と OpenShift Serverless を使用して、Knative サービスで JSON Web Token (JWT) 認証を使用できます。これを行うには、ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーであるアプリケーション namespace に認証要求とポリシーを作成する必要があります。サービスのサイドカーインジェクションも有効にする必要があります。

4.6.2.1. Service Mesh 2.x および OpenShift Serverless の JSON Web トークン認証の設定

重要

knative-serving および knative-serving-ingress などのシステム namespace の Pod へのサイドカー挿入の追加は、Kourier が有効化されている場合はサポートされません。

これらの namespace の Pod にサイドカーの挿入が必要な場合は、サービスメッシュと OpenShift Serverless のネイティブに統合に関する OpenShift Serverless のドキュメントを参照してください。

前提条件

  • OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Red Hat OpenShift Service Mesh をクラスターにインストールしました。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。
  • OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。

手順

  1. sidecar.istio.io/inject="true" アノテーションをサービスに追加します。

    サービスの例

    apiVersion: serving.knative.dev/v1
    kind: Service
    metadata:
      name: <service_name>
    spec:
      template:
        metadata:
          annotations:
            sidecar.istio.io/inject: "true" 1
            sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" 2
    ...

    1
    sidecar.istio.io/inject="true" アノテーションを追加します。
    2
    OpenShift Serverless バージョン 1.14.0 以降では、HTTP プローブをデフォルトで Knative サービスの readiness プローブとして使用することから、Knative サービスでアノテーション sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" を設定する必要があります。
  2. Service リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>
  3. ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーである各サーバーレスアプリケーション namespace に RequestAuthentication リソースを作成します。

    apiVersion: security.istio.io/v1beta1
    kind: RequestAuthentication
    metadata:
      name: jwt-example
      namespace: <namespace>
    spec:
      jwtRules:
      - issuer: testing@secure.istio.io
        jwksUri: https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.8/security/tools/jwt/samples/jwks.json
  4. RequestAuthentication リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>
  5. 以下の AuthorizationPolicy リソースを作成して、ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーである各サーバーレスアプリケーション namespace のシステム Pod からの RequestAuthenticaton リソースへのアクセスを許可します。

    apiVersion: security.istio.io/v1beta1
    kind: AuthorizationPolicy
    metadata:
      name: allowlist-by-paths
      namespace: <namespace>
    spec:
      action: ALLOW
      rules:
      - to:
        - operation:
            paths:
            - /metrics 1
            - /healthz 2
    1
    システム Pod でメトリクスを収集するためのアプリケーションのパス。
    2
    システム Pod でプローブするアプリケーションのパス。
  6. AuthorizationPolicy リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>
  7. ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーであるサーバーレスアプリケーション namespace ごとに、以下の AuthorizationPolicy リソースを作成します。

    apiVersion: security.istio.io/v1beta1
    kind: AuthorizationPolicy
    metadata:
      name: require-jwt
      namespace: <namespace>
    spec:
      action: ALLOW
      rules:
      - from:
        - source:
           requestPrincipals: ["testing@secure.istio.io/testing@secure.istio.io"]
  8. AuthorizationPolicy リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>

検証

  1. curl 要求を使用して Knative サービス URL を取得しようとすると、これは拒否されます。

    コマンドの例

    $ curl http://hello-example-1-default.apps.mycluster.example.com/

    出力例

    RBAC: access denied

  2. 有効な JWT で要求を確認します。

    1. 有効な JWT トークンを取得します。

      $ TOKEN=$(curl https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.8/security/tools/jwt/samples/demo.jwt -s) && echo "$TOKEN" | cut -d '.' -f2 - | base64 --decode -
    2. curl 要求ヘッダーで有効なトークンを使用してサービスにアクセスします。

      $ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN"  http://hello-example-1-default.apps.example.com

      これで要求が許可されます。

      出力例

      Hello OpenShift!

4.6.3. Service Mesh 1.x での JSON Web トークン認証の使用

Service Mesh 1.x と OpenShift Serverless を使用して、Knative サービスで JSON Web Token (JWT) 認証を使用できます。これを行うには、ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーであるアプリケーション namespace にポリシーを作成する必要があります。サービスのサイドカーインジェクションも有効にする必要があります。

4.6.3.1. Service Mesh 1.x および OpenShift Serverless の JSON Web トークン認証の設定

重要

knative-serving および knative-serving-ingress などのシステム namespace の Pod へのサイドカー挿入の追加は、Kourier が有効化されている場合はサポートされません。

これらの namespace の Pod にサイドカーの挿入が必要な場合は、サービスメッシュと OpenShift Serverless のネイティブに統合に関する OpenShift Serverless のドキュメントを参照してください。

前提条件

  • OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Red Hat OpenShift Service Mesh をクラスターにインストールしました。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。
  • OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。

手順

  1. sidecar.istio.io/inject="true" アノテーションをサービスに追加します。

    サービスの例

    apiVersion: serving.knative.dev/v1
    kind: Service
    metadata:
      name: <service_name>
    spec:
      template:
        metadata:
          annotations:
            sidecar.istio.io/inject: "true" 1
            sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" 2
    ...

    1
    sidecar.istio.io/inject="true" アノテーションを追加します。
    2
    OpenShift Serverless バージョン 1.14.0 以降では、HTTP プローブをデフォルトで Knative サービスの readiness プローブとして使用することから、Knative サービスでアノテーション sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" を設定する必要があります。
  2. Service リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>
  3. 有効な JSON Web Tokens (JWT) の要求のみを許可する ServiceMeshMemberRoll オブジェクトのメンバーであるサーバーレスアプリケーション namespace でポリシーを作成します。

    重要

    パスの /metrics および /healthz は、knative-serving namespace のシステム Pod からアクセスされるため、excludedPaths に組み込まれる必要があります。

    apiVersion: authentication.istio.io/v1alpha1
    kind: Policy
    metadata:
      name: default
      namespace: <namespace>
    spec:
      origins:
      - jwt:
          issuer: testing@secure.istio.io
          jwksUri: "https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.6/security/tools/jwt/samples/jwks.json"
          triggerRules:
          - excludedPaths:
            - prefix: /metrics 1
            - prefix: /healthz 2
      principalBinding: USE_ORIGIN
    1
    システム Pod でメトリクスを収集するためのアプリケーションのパス。
    2
    システム Pod でプローブするアプリケーションのパス。
  4. Policy リソースを適用します。

    $ oc apply -f <filename>

検証

  1. curl 要求を使用して Knative サービス URL を取得しようとすると、これは拒否されます。

    $ curl http://hello-example-default.apps.mycluster.example.com/

    出力例

    Origin authentication failed.

  2. 有効な JWT で要求を確認します。

    1. 有効な JWT トークンを取得します。

      $ TOKEN=$(curl https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.6/security/tools/jwt/samples/demo.jwt -s) && echo "$TOKEN" | cut -d '.' -f2 - | base64 --decode -
    2. curl 要求ヘッダーで有効なトークンを使用してサービスにアクセスします。

      $ curl http://hello-example-default.apps.mycluster.example.com/ -H "Authorization: Bearer $TOKEN"

      これで要求が許可されます。

      出力例

      Hello OpenShift!

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