5.8. Red Hat サポートへの診断データの提供
OpenShift Container Platform の問題を調査する際に、Red Hat サポートは診断データをサポートケースにアップロードするよう依頼する可能性があります。ファイルは、Red Hat カスタマーポータルからサポートケースにアップロードするか、または redhat-support-tool
コマンドを使用して OpenShift Container Platform クラスターから直接アップロードできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
- Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
- 既存の Red Hat サポートケース ID がある。
手順
Red Hat カスタマーポータルから既存の Red Hat サポートケースに診断データをアップロードします。
oc debug node/<node_name>
コマンドを使用して OpenShift Container Platform ノードで組み込まれている診断ファイルを連結し、出力をファイルにリダイレクトします。以下の例では、/host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz
をデバッグコンテナーから/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz
にコピーします。$ oc debug node/my-cluster-node -- bash -c 'cat /host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz' > /var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz 1
- 1
- デバッグコンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。連結のためにターゲットファイルを指定する際に、デバッグコンテナーの root ディレクトリー (/host
を含む) から絶対パスを参照します。
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.9 クラスターノードは変更できず、Operator を使用してクラスターの変更を適用します。
scp
を使用してクラスターノードからファイルを転送することは推奨されず、ノードには accessed のテイントのマークが付けられます。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この状態では、scp core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>:<file_path> <local_path>
を実行してノードから診断ファイルをコピーすることができます。- https://access.redhat.com/support/cases/ 内の既存のサポートケースに移動します。
- Attach files を選択し、プロンプトに従ってファイルをアップロードします。
OpenShift Container Platform クラスターから直接診断データを既存の Red Hat サポートケースにアップロードします。
クラスターノードの一覧を取得します。
$ oc get nodes
ターゲットノードのデバッグセッションに入ります。この手順は、
<node_name>-debug
というデバッグ Pod をインスタンス化します。$ oc debug node/my-cluster-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.9 クラスターノードは変更できず、Operator を使用してクラスターの変更を適用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されず、ノードは accessed のテイントのマークが付けられます。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。redhat-support-tool
を実行するために必要なバイナリーを含むtoolbox
コンテナーを起動します。# toolbox
注記既存の
toolbox
Pod がすでに実行されている場合、toolbox
コマンドは以下を出力します:'toolbox-' already exists.Trying to start…
.問題が発生するのを回避するには、podman rm toolbox-
で実行中の toolbox コンテナーを削除し、新規の toolbox コンテナーを生成します。redhat-support-tool
を実行して、直接デバッグ Pod から既存の Red Hat サポートケースにファイルを添付します。この例では、サポートケース ID '01234567' とサンプルのファイルパス/host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz
を使用します。# redhat-support-tool addattachment -c 01234567 /host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz 1
- 1
- toolbox コンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。redhat-support-tool
コマンドでアップロードするファイルを指定する場合は、toolbox コンテナーの root ディレクトリー (/host/
を含む) から絶対パスを参照します。