23.3. MetalLB アドレスプールの設定


クラスター管理者は、アドレスプールを追加、変更、および削除できます。MetalLB Operator は、アドレスプールカスタムリソースを使用して、MetalLB がサービスに割り当てることのできる IP アドレスを設定します。

23.3.1. アドレスプールのカスタムリソースについて

アドレスプールカスタムリソースのフィールドは、以下の表で説明されています。

表23.1 MetalLB アドレスプールのカスタムリソース
フィールド説明

metadata.name

string

アドレスプールの名前を指定します。サービスを追加する場合は、metallb.universe.tf/address-pool アノテーションにこのプール名を指定して、特定のプールから IP アドレスを選択できます。ドキュメント全体で、doc-examplesilver、および gold の名前が使用されます。

metadata.namespace

string

アドレスプールの namespace を指定します。MetalLB Operator が使用するものと同じ namespace を指定します。

spec.protocol

string

ロードバランサー IP アドレスをピアノードに通知するためのプロトコルを指定します。サポートされている値は layer2 のみです。

spec.autoAssign

boolean

オプション: MetalLB がこのプールから IP アドレスを自動的に割り当てるかどうかを指定します。metallb.universe.tf/address-pool アノテーションを使用してこのプールから IP アドレスを明示的に要求する場合は、false を指定します。デフォルト値は true です。

spec.addresses

array

サービスに割り当てる MetalLB の IP アドレスの一覧を指定します。1 つのプールに複数の範囲を指定できます。CIDR 表記で各範囲を指定するか、開始および終了の IP アドレスをハイフンで区切って指定します。

23.3.2. アドレスプールの設定

クラスター管理者は、クラスターにアドレスプールを追加して、MetaLLB がロードバランサーサービスに割り当てることのできる IP アドレスを制御できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. 以下の例のような内容で、addresspool.yaml などのファイルを作成します。

    apiVersion: metallb.io/v1alpha1
    kind: AddressPool
    metadata:
      namespace: metallb-system
      name: doc-example
    spec:
      protocol: layer2
      addresses:
      - 203.0.113.1-203.0.113.10
      - 203.0.113.65-203.0.113.75
  2. アドレスプールの設定を適用します。

    $ oc apply -f addresspool.yaml

検証

  • アドレスプールを表示します。

    $ oc describe -n metallb-system addresspool doc-example

    出力例

    Name:         doc-example
    Namespace:    metallb-system
    Labels:       <none>
    Annotations:  <none>
    API Version:  metallb.io/v1alpha1
    Kind:         AddressPool
    Metadata:
      ...
    Spec:
      Addresses:
        203.0.113.1-203.0.113.10
        203.0.113.65-203.0.113.75
      Auto Assign:  true
      Protocol:     layer2
    Events:         <none>

doc-example などのアドレスプール名と IP アドレス範囲が出力に表示されることを確認します。

23.3.3. アドレスプールの設定例

23.3.3.1. 例: IPv4 および CIDR 範囲

CIDR 表記で IP アドレスの範囲を指定できます。CIDR 表記と、ハイフンを使用する表記を組み合わせて下層と上限を分けることができます。

apiVersion: metallb.io/v1beta1
kind: AddressPool
metadata:
  name: doc-example-cidr
  namespace: metallb-system
spec:
  protocol: layer2
  addresses:
  - 192.168.100.0/24
  - 192.168.200.0/24
  - 192.168.255.1-192.168.255.5

23.3.3.2. 例: IP アドレスの予約

MetalLB がプールから IP アドレスを自動的に割り当てないように autoAssign フィールドを false に設定できます。サービスを追加する場合は、プールから特定の IP アドレスを要求するか、またはそのプールから任意の IP アドレスを要求するためにアノテーションでプール名を指定できます。

apiVersion: metallb.io/v1beta1
kind: AddressPool
metadata:
  name: doc-example-reserved
  namespace: metallb-system
spec:
  protocol: layer2
  addresses:
  - 10.0.100.0/28
  autoAssign: false

23.3.3.3. 例: IPv6 アドレスプール

IPv6 を使用するアドレスプールを追加できます。以下の例は、1 つの IPv6 範囲を示しています。ただし、複数の IPv4 の例と同様に、addresses 一覧で複数の範囲を指定できます。

apiVersion: metallb.io/v1beta1
kind: AddressPool
metadata:
  name: doc-example-ipv6
  namespace: metallb-system
spec:
  protocol: layer2
  addresses:
  - 2002:2:2::1-2002:2:2::100

23.3.4. 次のステップ

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