4.7. OADP の高度な特徴と機能
このドキュメントでは、OpenShift API for Data Protection (OADP) の高度な特徴と機能に関する情報を提供します。
4.7.1. 同一クラスター上での異なる Kubernetes API バージョンの操作
4.7.1.1. クラスター上の Kubernetes API グループバージョンの一覧表示
ソースクラスターは複数のバージョンの API を提供する場合があり、これらのバージョンの 1 つが優先 API バージョンになります。たとえば、Example
という名前の API を持つソースクラスターは、example.com/v1
および example.com/v1beta2
API グループで使用できる場合があります。
Velero を使用してそのようなソースクラスターをバックアップおよび復元する場合、Velero は、Kubernetes API の優先バージョンを使用するリソースのバージョンのみをバックアップします。
上記の例では、example.com/v1
が優先 API である場合、Velero は example.com/v1
を使用するリソースのバージョンのみをバックアップします。さらに、Velero がターゲットクラスターでリソースを復元するには、ターゲットクラスターで使用可能な API リソースのセットに example.com/v1
が登録されている必要があります。
したがって、ターゲットクラスター上で Kubernetes API グループバージョンのリストを生成して、優先 API バージョンが使用可能な API リソースのセットに登録されていることを確認する必要があります。
手順
- 以下のコマンドを入力します。
$ oc api-resources
4.7.1.2. API グループバージョンの有効化について
デフォルトでは、Velero は Kubernetes API の優先バージョンを使用するリソースのみをバックアップします。ただし、Velero には、この制限を克服する機能 (Enable API Group Versions) も含まれています。ソースクラスターでこの機能を有効にすると、Velero は優先バージョンだけでなく、クラスターでサポートされている すべての Kubernetes API グループバージョンをバックアップします。バージョンがバックアップ .tar ファイルに保存されると、目的のクラスターで復元できるようになります。
たとえば、Example
という名前の API を持つソースクラスターが、example.com/v1
および example.com/v1beta2
API グループで使用でき、example.com/v1
が優先 API だとします。
Enable API Group Versions 機能を有効にしないと、Velero は Example
の優先 API グループバージョン (example.com/v1
) のみをバックアップします。この機能を有効にすると、Velero は example.com/v1beta2
もバックアップします。
宛先クラスターで Enable API Group Versions 機能が有効になっている場合、Velero は、API グループバージョンの優先順位に基づいて、復元するバージョンを選択します。
Enable API Group Versions はまだベータ版です。
Velero は次のアルゴリズムを使用して API バージョンに優先順位を割り当てます。この場合、1
は優先順位が最も高くなります。
- 宛先 クラスターの優先バージョン
- source_ クラスターの優先バージョン
- Kubernetes バージョンの優先順位が最も高い共通の非優先サポート対象バージョン
4.7.1.3. Enable API Group Versions の使用
Velero の Enable API Group Versions 機能を使用して、優先バージョンだけでなく、クラスターでサポートされている すべての Kubernetes API グループバージョンをバックアップできます。
Enable API Group Versions はまだベータ版です。
手順
-
EnableAPIGroupVersions
機能フラグを設定します。
apiVersion: oadp.openshift.io/vialpha1 kind: DataProtectionApplication ... spec: configuration: velero: featureFlags: - EnableAPIGroupVersions