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4.6. バージョン付けされていないクラスタータスクおよびバージョン付けされたクラスタータスクの管理

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クラスター管理者は、Red Hat OpenShift Pipelines Operator をインストールすると、バージョン付けされたクラスタータスク(VCT) およびバージョン付けされていないクラスタータスク (NVCT) として知られるそれぞれのデフォルトクラスタータスクのバリアントが作成されます。たとえば、Red Hat OpenShift Pipelines Operator v1.7 をインストールすると、buildah-1-7-0 VCT および buildah NVCT が作成されます。

NVCT と VCT の両方は、paramsworkspaces、および steps など、同じメタデータ、動作、仕様を持ちます。ただし、それらを無効にするか、Operator をアップグレードすると、動作が異なります。

4.6.1. バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクの違い

バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクでは、命名規則が異なります。また、Red Hat OpenShift Pipelines Operator はそれらを異なる方法でアップグレードします。

表4.5 バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクの違い
 バージョン付けされていないクラスタータスクバージョン付けされたクラスタータスク

命名法

NVCT には、クラスタータスクの名前のみが含まれます。たとえば、Operator v1.7 でインストールされた Buildah の NVCT の名前は buildah です。

VCT には、クラスタータスクの名前の後にバージョンが接尾辞として含まれます。たとえば、Operator v1.7 でインストールされた Buildah の VCT の名前は buildah-1-7-0 です。

アップグレード

Operator をアップグレードすると、最新の変更でバージョン付けされていないクラスタータスクを更新します。NVCT の名前は変更されません。

Operator をアップグレードすると、最新バージョンの VCT をインストールし、以前のバージョンを保持します。VCT の最新バージョンは、アップグレードされた Operator に対応します。たとえば、Operator 1.7 をインストールすると buildah-1-7-0 がインストールされ、buildah-1-6-0 は保持されます。

4.6.2. バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクの長所と短所

バージョン付けされていないクラスタータスクまたはバージョン付けされたクラスタータスクを実稼働環境で標準として導入する前に、クラスター管理者はその長所と短所を検討する場合があります。

表4.6 バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクの長所と短所
クラスタータスクメリットデメリット

バージョン付けされていないクラスタータスク (NVCT)

  • 最新の更新およびバグ修正でパイプラインをデプロイする場合は、NVCT を使用します。
  • Operator をアップグレードすると、バージョン付けされていないクラスタータスクがアップグレードされます。これは、複数のバージョン付けされたクラスタータスクよりも少ないリソースを消費します。

NVCT を使用するパイプラインをデプロイする場合、自動的にアップグレードされたクラスタータスクが後方互換性を持たない場合、Operator のアップグレード後にそれらが破損する可能性があります。

バージョン付けされたクラスタータスク (VCT)

  • 実稼働で安定したパイプラインが重要視される場合は、VCT を使用します。
  • 新しいバージョンのクラスタータスクがインストールされた後でも、以前のバージョンはクラスターで保持されます。以前のクラスタータスクを引き続き使用できます。
  • 以前のバージョンのクラスタータスクを引き続き使用する場合は、最新の機能と重要なセキュリティー更新が欠落している可能性があります。
  • 動作していない以前のバージョンのクラスタータスクがクラスターリソースを消費します。
  • アップグレードされると、Operator は以前の VCT を管理できません。oc delete clustertask コマンドを使用して、以前の VCT を手動で削除できますが、復元することはできません。

4.6.3. バージョン付けされていないクラスタータスクとバージョン付けされたクラスタータスクの無効化

クラスター管理者は、Pipeline Operator がインストールしたクラスタータスクを無効にできます。

手順

  1. バージョン付けされていないクラスタータスクおよび最新のバージョン付けされたクラスタータスクをすべて削除するには、TektonConfig カスタムリソース定義 (CRD) を編集し、spec.addon.paramsclusterTasks パラメーターを false に設定します。

    TektonConfig CR の例

    apiVersion: operator.tekton.dev/v1alpha1
    kind: TektonConfig
    metadata:
      name: config
    spec:
      params:
      - name: createRbacResource
        value: "false"
      profile: all
      targetNamespace: openshift-pipelines
      addon:
        params:
        - name: clusterTasks
          value: "false"
    ...

    クラスタータスクを無効にすると、Operator はすべてのバージョン付けされていないクラスタータスクおよび最新バージョンのバージョン付けされたクラスタータスクだけをクラスターから削除します。

    注記

    クラスタータスクを再度有効にすると、バージョン付けされていないクラスタータスクがインストールされます。

  2. オプション: バージョン付けされたクラスタータスクの以前のバージョンを削除するには、以下のいずれかの方法を使用します。

    1. 以前のバージョン付けされたクラスタータスクを個別に削除するには、oc delete clustertask コマンドの後にバージョン付けされたクラスタータスクの名前を使用します。以下に例を示します。

      $ oc delete clustertask buildah-1-6-0
    2. 以前のバージョンの Operator によって作成されたバージョン付けされたクラスタータスクをすべて削除するには、対応するインストーラーセットを削除できます。以下に例を示します。

      $ oc delete tektoninstallerset versioned-clustertask-1-6-k98as
      注意

      古いバージョン付けされたクラスタータスクを削除する場合は、これを復元できません。Operator の現行バージョンが作成したバージョン付けされたクラスタータスクおよびバージョン付けされていないクラスタータスクのみを復元できます。

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