15.7. 独自の SR-IOV インフラストラクチャーを使用した OpenStack へのクラスターのインストール
OpenShift Container Platform 4.9 では、ユーザーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーで実行され、Single-root Input/Output Virtualization (SR-IOV) ネットワークを使用してコンピュートマシンを実行するクラスターを Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールできます。
独自のインフラストラクチャーを使用することで、クラスターを既存のインフラストラクチャーおよび変更と統合できます。このプロセスでは、インストーラーでプロビジョニングされるインストールの場合よりも多くの手作業が必要になります。Nova サーバー、Neutron ポート、セキュリティーグループなどのすべての RHOSP リソースを作成する必要があるためです。ただし、Red Hat では、デプロイメントプロセスを支援する Ansible Playbook を提供しています。
15.7.1. 前提条件
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスについての詳細を確認している。
- クラスターンストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認している。
- OpenShift クラスターでサポートされるプラットフォーム のセクションを参照し、OpenShift Container Platform 4.9 がお使いの RHOSP バージョンと互換性があることを確認している。RHOSP サポートマトリックスの OpenShift Container Platform を参照して、プラットフォームのサポートを異なるバージョン間で比較することもできます。
- ネットワーク設定は、プロバイダーのネットワークに依存しません。プロバイダーネットワークはサポートされません。
- OpenShift Container Platform のインストール先に RHOSP アカウントがある。
インストールプログラムを実行するマシンには、以下が含まれます。
- インストールプロセス時に作成したファイルを保持できる単一ディレクトリー
- Python 3
15.7.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス
OpenShift Container Platform 4.9 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。
インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。
- OpenShift Cluster Manager にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
- クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
- クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにインストールパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。
15.7.3. OpenShift Container Platform を RHOSP にインストールするリソースのガイドライン
OpenShift Container Platform のインストールをサポートするために、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) クォータは以下の要件を満たす必要があります。
リソース | 値 |
---|---|
Floating IP アドレス | 3 |
ポート | 15 |
ルーター | 1 |
サブネット | 1 |
RAM | 88 GB |
vCPU | 22 |
ボリュームストレージ | 275 GB |
インスタンス | 7 |
セキュリティーグループ | 3 |
セキュリティーグループルール | 60 |
クラスターは推奨されるリソースよりもリソースが少ない場合にも機能する場合がありますが、その場合のパフォーマンスは保証されません。
RHOSP オブジェクトストレージ (Swift) が利用可能で、swiftoperator
ロールを持つユーザーアカウントによって操作されている場合、これは OpenShift Container Platform イメージレジストリーのデフォルトバックエンドとして使用されます。この場合、ボリュームストレージ要件は 175 GB です。Swift 領域要件は、イメージレジストリーのサイズによって異なります。
デフォルトで、セキュリティーグループおよびセキュリティーグループルールのクォータは低く設定される可能性があります。問題が生じた場合には、管理者として openstack quota set --secgroups 3 --secgroup-rules 60 <project>
を実行して値を増やします。
OpenShift Container Platform デプロイメントは、コントロールプレーンマシン、コンピュートマシン、およびブートストラップマシンで設定されます。
15.7.3.1. コントロールプレーンマシン
デフォルトでは、OpenShift Container Platform インストールプロセスは 3 つのコントロールプレーンマシンを作成します。
それぞれのマシンには以下が必要です。
- RHOSP クォータからのインスタンス
- RHOSP クォータからのポート
- 少なくとも 16 GB のメモリーと 4 つの vCPU を備えたフレーバー
- RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量
15.7.3.2. コンピュートマシン
デフォルトでは、OpenShift Container Platform インストールプロセスは 3 つのコンピューティングマシンを作成します。
それぞれのマシンには以下が必要です。
- RHOSP クォータからのインスタンス
- RHOSP クォータからのポート
- 少なくとも 8 GB のメモリーと 2 つの vCPU を備えたフレーバー
- RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量
コンピュートマシンは、OpenShift Container Platform で実行されるアプリケーションをホストします。できるだけ多くのアプリケーションを実行することが意図されています。
また、Single-root Input/Output Virtualization (SR-IOV) を使用するクラスターの場合、RHOSP コンピュートノードには Huge Page をサポートするフレーバーが必要です。
SR-IOV デプロイメントでは、多くの場合、専用の CPU や分離された CPU などのパフォーマンスの最適化が駆使されます。パフォーマンスを最大化するには、基礎となる RHOSP デプロイメントをこれらの最適化機能を使用するように設定してから、 OpenShift Container Platform コンピュートマシンを最適化されたインフラストラクチャーで実行するように設定します。
関連情報
- パフォーマンスの良い RHOSP コンピュートノードの設定についての詳細は、パフォーマンスを向上させるためのコンピュートノードの設定 について参照してください。
15.7.3.3. ブートストラップマシン
インストール時に、ブートストラップマシンは一時的にプロビジョニングされ、コントロールプレーンを初期化します。実稼働環境用のコントロールプレーンの準備ができた後に、ブートストラップマシンのプロビジョニングは解除されます。
ブートストラップマシンには以下が必要です。
- RHOSP クォータからのインスタンス
- RHOSP クォータからのポート
- 少なくとも 16 GB のメモリーと 4 つの vCPU を備えたフレーバー
- RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量
15.7.4. Playbook 依存関係のダウンロード
ユーザーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーでのインストールプロセスを単純化する Ansible Playbook には、複数の Python モジュールが必要です。インストーラーを実行するマシンで、モジュールのリポジトリーを追加し、それらをダウンロードします。
この手順では、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8 を使用していることを前提としています。
前提条件
- Python 3 がマシンにインストールされている。
手順
コマンドラインで、リポジトリーを追加します。
Red Hat Subscription Manager に登録します。
$ sudo subscription-manager register # If not done already
最新のサブスクリプションデータをプルします。
$ sudo subscription-manager attach --pool=$YOUR_POOLID # If not done already
現在のリポジトリーを無効にします。
$ sudo subscription-manager repos --disable=* # If not done already
必要なリポジトリーを追加します。
$ sudo subscription-manager repos \ --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \ --enable=openstack-16-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms \ --enable=ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms \ --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms
モジュールをインストールします。
$ sudo yum install python3-openstackclient ansible python3-openstacksdk python3-netaddr
python
コマンドがpython3
を参照していることを確認します。$ sudo alternatives --set python /usr/bin/python3
15.7.5. インストール Playbook のダウンロード
OpenShift Container Platform を独自の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) インフラストラクチャーにインストールするために使用できる Ansible Playbook をダウンロードします。
前提条件
- curl コマンドラインツールがマシンで利用できる。
手順
Playbook を作業ディレクトリーにダウンロードするには、コマンドラインから以下のスクリプトを実行します。
$ xargs -n 1 curl -O <<< ' https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/bootstrap.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/common.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/compute-nodes.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/control-plane.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/inventory.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/network.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/security-groups.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-bootstrap.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-compute-nodes.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-control-plane.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-load-balancers.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-network.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-security-groups.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.9/upi/openstack/down-containers.yaml'
Playbook はマシンにダウンロードされます。
インストールプロセス時に、Playbook を変更してデプロイメントを設定できます。
クラスターの有効期間中に、すべての Playbook を保持します。OpenShift Container Platform クラスターを RHOSP から削除するには Playbook が必要です。
bootstrap.yaml
、compute-nodes.yaml
、control-plane.yaml
、network.yaml
、および security-groups.yaml
ファイルに加えた編集内容は、down-
の接頭辞が付けられた対応する Playbook に一致している必要があります。たとえば、bootstrap.yaml
ファイルへの編集は、down-bootstrap.yaml
ファイルにも反映される必要があります。両方のファイルを編集しない場合、サポートされるクラスターの削除プロセスは失敗します。
15.7.6. インストールプログラムの取得
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。
前提条件
- 500 MB のローカルディスク領域がある Linux または macOS を実行するコンピューターが必要です。
手順
- OpenShift Cluster Manager サイトの インフラストラクチャープロバイダー ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
- インフラストラクチャープロバイダーを選択します。
選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。
重要インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。ファイルはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
重要インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
- Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
15.7.7. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成
OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
一覧に追加され、パスワードなしの認証が可能になります。
キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core
として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。 /openshift-install gather
コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。
障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。
AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name> 1
- 1
- 新しい SSH キーのパスとファイル名 (
~/.ssh/id_ed25519
など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が~/.ssh
ディレクトリーにあることを確認します。
注記FIPS で検証済み/進行中のモジュール (Modules in Process) 暗号ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターを
x86_64
アーキテクチャーにインストールする予定の場合は、ed25519
アルゴリズムを使用するキーは作成しないでください。代わりに、rsa
アルゴリズムまたはecdsa
アルゴリズムを使用するキーを作成します。公開 SSH キーを表示します。
$ cat <path>/<file_name>.pub
たとえば、次のコマンドを実行して
~/.ssh/id_ed25519.pub
公開鍵を表示します。$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または
./openshift-install gather
コマンドを使用する場合は必要になります。注記一部のディストリビューションでは、
~/.ssh/id_rsa
および~/.ssh/id_dsa
などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。ssh-agent
プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。$ eval "$(ssh-agent -s)"
出力例
Agent pid 31874
注記クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。$ ssh-add <path>/<file_name> 1
- 1
~/.ssh/id_ed25519
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
出力例
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
次のステップ
- OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。
15.7.8. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージの作成
OpenShift Container Platform インストールプログラムでは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) クラスターに存在する必要があります。最新の RHCOS イメージを取得した後、RHOSP CLI を使用してこれをアップロードします。
前提条件
- RHOSP CLI がインストールされています。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロードページ にログインします。
Version で、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8 用の OpenShift Container Platform 4.9 の最新リリースを選択します。
重要RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。
- Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) - OpenStack Image (QCOW) をダウンロードします。
イメージを展開します。
注記クラスターが使用する前に RHOSP イメージを圧縮解除する必要があります。ダウンロードしたファイルの名前に、
.gz
または.tgz
などの圧縮拡張子が含まれていない場合があります。ファイルを圧縮するか、またはどのように圧縮するかを確認するには、コマンドラインで以下を入力します。$ file <name_of_downloaded_file>
ダウンロードしたイメージから、RHOSP CLI を使用して
rhcos
という名前のイメージをクラスターに作成します。$ openstack image create --container-format=bare --disk-format=qcow2 --file rhcos-${RHCOS_VERSION}-openstack.qcow2 rhcos
重要RHOSP 環境によっては、
.raw
または.qcow2
形式 のいずれかでイメージをアップロードできる場合があります。Ceph を使用する場合は、.raw
形式を使用する必要があります。警告インストールプログラムが同じ名前を持つ複数のイメージを見つける場合、それらのイメージのいずれかがランダムに選択されます。この動作を回避するには、RHOSP でリソースの一意の名前を作成します。
RHOSP にイメージをアップロードした後は、インストールプログラムでイメージを利用できます。
15.7.9. 外部ネットワークアクセスの確認
OpenShift Container Platform インストールプロセスでは、外部ネットワークへのアクセスが必要です。外部ネットワーク値をこれに指定する必要があります。指定しない場合には、デプロイメントは失敗します。このプロセスを実行する前に、外部ルータータイプのネットワークが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) に存在することを確認します。
手順
RHOSP CLI を使用して、'External' ネットワークの名前と ID を確認します。
$ openstack network list --long -c ID -c Name -c "Router Type"
出力例
+--------------------------------------+----------------+-------------+ | ID | Name | Router Type | +--------------------------------------+----------------+-------------+ | 148a8023-62a7-4672-b018-003462f8d7dc | public_network | External | +--------------------------------------+----------------+-------------+
外部ルータータイプのあるネットワークがネットワーク一覧に表示されます。1 つ以上のネットワークが表示されない場合は、デフォルトの Floating IP ネットワークの作成 および デフォルトのプロバイダーネットワークの作成 を参照してください。
Neutron トランクサービスプラグインが有効にされると、トランクポートがデフォルトで作成されます。詳細は、Neutron trunk port を参照してください。
15.7.10. 環境へのアクセスの有効化
デプロイ時に、OpenShift Container Platform マシンはすべて Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) テナントネットワークに作成されます。したがって、ほとんどの RHOSP デプロイメントでは直接アクセスできません。
インストール時に Floating IP アドレス (FIP) を使用して OpenShift Container Platform API およびアプリケーションのアクセスを設定できます。FIP を設定せずにインストールを完了することもできますが、インストーラーは API またはアプリケーションを外部からアクセスする方法を設定しません。
15.7.10.1. floating IP アドレスを使ったアクセスの有効化
OpenShift Container Platform API、クラスターアプリケーション、およびブートストラッププロセスへの外部アクセス用に Floating IP (FIP) アドレスを作成します。
手順
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、API FIP を作成します。
$ openstack floating ip create --description "API <cluster_name>.<base_domain>" <external_network>
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、apps (アプリ)、または Ingress、FIP を作成します。
$ openstack floating ip create --description "Ingress <cluster_name>.<base_domain>" <external_network>
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、ブートストラップ FIP を作成します。
$ openstack floating ip create --description "bootstrap machine" <external_network>
API および Ingress FIP の DNS サーバーに、これらのパターンに準拠するレコードを追加します。
api.<cluster_name>.<base_domain>. IN A <API_FIP> *.apps.<cluster_name>.<base_domain>. IN A <apps_FIP>
注記DNS サーバーを制御していない場合は、次のようなクラスタードメイン名を
/etc/hosts
ファイルに追加することで、クラスターにアクセスできます。-
<api_floating_ip> api.<cluster_name>.<base_domain>
-
<application_floating_ip> grafana-openshift-monitoring.apps.<cluster_name>.<base_domain>
-
<application_floating_ip> prometheus-k8s-openshift-monitoring.apps.<cluster_name>.<base_domain>
-
<application_floating_ip> oauth-openshift.apps.<cluster_name>.<base_domain>
-
<application_floating_ip> console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain>
-
application_floating_ip integrated-oauth-server-openshift-authentication.apps.<cluster_name>.<base_domain>
/etc/hosts
ファイル内のクラスタードメイン名により、クラスターの Web コンソールおよび監視インターフェイスへのローカルアクセスが許可されます。kubectl
またはoc
を使用することもできます。<application_floating_ip> を指す追加のエントリーを使用して、ユーザーアプリケーションにアクセスできます。このアクションにより、API およびアプリケーションは他のユーザーがアクセスできない状態になり、この状態は実稼働デプロイメントには適していませんが、開発およびテスト目的のインストールが可能になります。-
FIP を以下の変数の値として
inventory.yaml
ファイルに追加します。-
os_api_fip
-
os_bootstrap_fip
-
os_ingress_fip
-
これらの値を使用する場合には、inventory.yaml
ファイルの os_external_network
変数の値として外部ネットワークを入力する必要もあります。
Floating IP アドレスを割り当て、ファイアウォール設定を更新することで、OpenShift Container Platform リソースがクラスター外で利用できる状態にすることができます。
15.7.10.2. Floating IP アドレスなしでのインストールの完了
Floating IP アドレスを指定せずに OpenShift Container Platform を Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールすることができます。
inventory.yaml
ファイルで、以下の変数を定義しないでください。
-
os_api_fip
-
os_bootstrap_fip
-
os_ingress_fip
外部ネットワークを提供できない場合は、os_external_network
を空白のままにすることもできます。os_external_network
の値を指定しない場合はルーターが作成されず、追加のアクションがない場合は、インストーラーは Glance からのイメージの取得に失敗します。インストールプロセスで、ネットワークリソースを作成する際に、独自の外部接続を設定する必要があります。
Floating IP アドレスまたは名前解決がないために、クラスター API に到達できないシステムから wait-for
コマンドでインストーラーを実行すると、インストールに失敗します。このような場合にインストールが失敗するのを防ぐために、プロキシーネットワークを使用するか、マシンと同じネットワークにあるシステムからインストーラーを実行できます。
API および Ingress ポートの DNS レコードを作成して、名前解決を有効にできます。以下に例を示します。
api.<cluster_name>.<base_domain>. IN A <api_port_IP> *.apps.<cluster_name>.<base_domain>. IN A <ingress_port_IP>
DNS サーバーを制御しない場合は、/etc/hosts
ファイルにレコードを追加できます。このアクションにより、API は他者のアクセスできない状態になり、この状態は実稼働デプロイメントには適していませんが、開発およびテスト目的のインストールが可能になります。
15.7.11. インストールプログラムのパラメーターの定義
OpenShift Container Platform インストールプログラムは、clouds.yaml
というファイルを使用します。このファイルは、プロジェクト名、ログイン情報、認可サービスの URL を含む Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 設定パラメーターを説明します。
手順
clouds.yaml
ファイルを作成します。RHOSP ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれる場合には、そこに
clouds.yaml
ファイルを生成します。重要パスワードを必ず
auth
フィールドに追加してください。シークレットは、clouds.yaml
の 別のファイル に保持できます。RHOSP ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれない場合や Horizon を使用する必要がない場合には、このファイルを独自に作成します。
clouds.yaml
についての詳細は、RHOSP ドキュメントの Config files を参照してください。clouds: shiftstack: auth: auth_url: http://10.10.14.42:5000/v3 project_name: shiftstack username: shiftstack_user password: XXX user_domain_name: Default project_domain_name: Default dev-env: region_name: RegionOne auth: username: 'devuser' password: XXX project_name: 'devonly' auth_url: 'https://10.10.14.22:5001/v2.0'
RHOSP インストールでエンドポイント認証用に自己署名認証局 (CA) を使用する場合、以下を実行します。
- 認証局ファイルをマシンにコピーします。
cacerts
キーをclouds.yaml
ファイルに追加します。この値は、CA 証明書への絶対的な root 以外によるアクセスが可能なパスである必要があります。clouds: shiftstack: ... cacert: "/etc/pki/ca-trust/source/anchors/ca.crt.pem"
ヒントカスタム CA 証明書を使用してインストーラーを実行した後に、
cloud-provider-config
キーマップのca-cert.pem
キーの値を編集して証明書を更新できます。コマンドラインで、以下を実行します。$ oc edit configmap -n openshift-config cloud-provider-config
clouds.yaml
ファイルを以下の場所のいずれかに置きます。-
OS_CLIENT_CONFIG_FILE
環境変数の値 - 現行ディレクトリー
-
Unix 固有のユーザー設定ディレクトリー (例:
~/.config/openstack/clouds.yaml
) Unix 固有のサイト設定ディレクトリー (例:
/etc/openstack/clouds.yaml
)インストールプログラムはこの順序で
clouds.yaml
を検索します。
-
15.7.12. インストール設定ファイルの作成
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得する。
- サブスクリプションレベルでサービスプリンシパルのパーミッションを取得する。
手順
install-config.yaml
ファイルを作成します。インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install create install-config --dir <installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
重要空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。
オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。
注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。- ターゲットに設定するプラットフォームとして openstack を選択します。
- クラスターのインストールに使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の外部ネットワーク名を指定します。
- OpenShift API への外部アクセスに使用する floating IP アドレスを指定します。
- コントロールプレーンノードに使用する少なくとも 16 GB の RAM とコンピュートノードに使用する 8 GB の RAM を持つ RHOSP フレーバーを指定します。
- クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。すべての DNS レコードはこのベースのサブドメインとなり、クラスター名も含まれます。
- クラスターの名前を入力します。名前は 14 文字以下でなければなりません。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を貼り付けます。
-
install-config.yaml
ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細は、インストール設定パラメーターのセクションを参照してください。 install-config.yaml
ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。
これで、指定したディレクトリーに install-config.yaml
ファイルが作成されます。
15.7.13. インストール設定パラメーター
OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml
インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml
ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。
インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml
ファイルで変更することはできません。
openshift-install
コマンドは、パラメーターのフィールド名を検証しません。正しくない名前を指定すると、関連するファイルまたはオブジェクトは作成されず、エラーが報告されません。指定されたパラメーターのフィールド名が正しいことを確認します。
15.7.13.1. 必須設定パラメーター
必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
|
| 文字列 |
|
クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 |
|
|
Kubernetes リソース | オブジェクト |
|
クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて |
|
|
インストールの実行に使用する特定プラットフォームの設定: | オブジェクト |
| Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。 |
{ "auths":{ "cloud.openshift.com":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" }, "quay.io":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" } } } |
15.7.13.2. ネットワーク設定パラメーター
既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。
IPv4 アドレスのみがサポートされます。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| クラスターのネットワークの設定。 | オブジェクト 注記
インストール後に |
| インストールするクラスターネットワークプロバイダー Container Network Interface (CNI) プラグイン。 |
|
| Pod の IP アドレスブロック。
デフォルト値は 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 |
|
IPv4 ネットワーク |
CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は |
|
それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、 | サブネット接頭辞。
デフォルト値は |
|
サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプロバイダーは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。 | CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。 networking: serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 |
| マシンの IP アドレスブロック。 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 |
|
| CIDR 表記の IP ネットワークブロック。
例: 注記
優先される NIC が置かれている CIDR に一致する |
15.7.13.3. オプションの設定パラメーター
オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。 | 文字列 |
| コンピュートノードを設定するマシンの設定。 |
|
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現時点で異種クラスターはサポートされていないため、すべてのプールが同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は | 文字列 |
|
コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
|
|
|
|
|
|
| プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。 |
|
| コントロールプレーンを設定するマシンの設定。 |
|
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現時点で異種クラスターはサポートされていないため、すべてのプールが同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は | 文字列 |
|
コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
|
|
|
|
|
|
| プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 |
サポートされる値は |
| Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。 注記 すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、Cluster Operators リファレンス の Cloud Credential Operator を参照してください。 注記
AWS アカウントでサービスコントロールポリシー (SCP) が有効になっている場合は、 |
|
|
FIPS モードを有効または無効にします。デフォルトは 重要
FIPS 検証済み/進行中のモジュール (Modules in Process) 暗号ライブラリーの使用は、 注記 Azure File ストレージを使用している場合、FIPS モードを有効にすることはできません。 |
|
| release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。 |
オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、 |
|
| 文字列 |
| 同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。 | 文字列の配列。 |
| Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。 |
このフィールドを |
| クラスターマシンへのアクセスを認証するための単一または複数の SSH キー。 注記
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 | 1 つ以上のキー。以下に例を示します。 sshKey: <key1> <key2> <key3> |
15.7.13.4. 追加の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 設定パラメーター
追加の RHOSP 設定パラメーターは以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| コンピュートマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。 |
整数 (例: |
| コンピュートマシンの場合、root のボリュームタイプです。 |
文字列 (例: |
| コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。 |
整数 (例: |
| コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのタイプです。 |
文字列 (例: |
|
|
文字列 (例: |
| インストールに使用される RHOSP の外部ネットワーク名。 |
文字列 (例: |
| コントロールプレーンおよびコンピュートマシンに使用する RHOSP フレーバー。
このプロパティーは非推奨にされています。すべてのマシンプールのデフォルトとしてフレーバーを使用するには、これを |
文字列 (例: |
15.7.13.5. オプションの RHOSP 設定パラメーター
オプションの RHOSP 設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| コンピュートマシンに関連付けられた追加のネットワーク。追加ネットワーク用に許可されるアドレスのペアは作成されません。 |
文字列としての 1 つ以上の UUID の一覧。例: |
| コンピュートマシンに関連付けられた追加のセキュリティーグループ。 |
文字列としての 1 つ以上の UUID の一覧。例: |
| マシンをインストールする RHOSP Compute (Nova) アベイラビリティーゾーン (AZs)。このパラメーターが設定されていない場合、インストーラーは RHOSP 管理者が設定した Nova のデフォルト設定に依存します。 Kuryr を使用するクラスターでは、RHOSP Octavia はアベイラビリティーゾーンをサポートしません。ロードバランサーおよび Amphora プロバイダードライバーを使用している場合、Amphora 仮想マシンに依存する OpenShift Container Platform サービスは、このプロパティーの値に基づいて作成されません。 |
文字列の一覧(例: |
| コンピュートマシンの root ボリュームをインストールするアベイラビリティーゾーン。このパラメーターに値を設定しない場合、インストーラーはデフォルトのアベイラビリティーゾーンを選択します。 |
文字列の一覧 (例: |
| コントロールプレーンマシンに関連付けられた追加のネットワーク。追加ネットワーク用に許可されるアドレスのペアは作成されません。 |
文字列としての 1 つ以上の UUID の一覧。例: |
| コントロールプレーンマシンに関連付けられた追加のセキュリティーグループ。 |
文字列としての 1 つ以上の UUID の一覧。例: |
| マシンをインストールする RHOSP Compute (Nova) アベイラビリティーゾーン (AZs)。このパラメーターが設定されていない場合、インストーラーは RHOSP 管理者が設定した Nova のデフォルト設定に依存します。 Kuryr を使用するクラスターでは、RHOSP Octavia はアベイラビリティーゾーンをサポートしません。ロードバランサーおよび Amphora プロバイダードライバーを使用している場合、Amphora 仮想マシンに依存する OpenShift Container Platform サービスは、このプロパティーの値に基づいて作成されません。 |
文字列の一覧(例: |
| コントロールプレーンマシンの root ボリュームをインストールするアベイラビリティーゾーン。この値を設定しない場合、インストーラーはデフォルトのアベイラビリティーゾーンを選択します。 |
文字列の一覧 (例: |
| インストーラーが RHCOS イメージをダウンロードする場所。 ネットワークが制限された環境でインストールを実行するには、このパラメーターを設定する必要があります。 | HTTP または HTTPS の URL (オプションで SHA-256 形式のチェックサムを使用)。
例: |
|
Glance のインストーラーでアップロードされた ClusterOSImage に追加するプロパティー。このプロパティーは、
このプロパティーを使用し、ノードあたり 26 PV の RHOSP のデフォルト永続ボリューム (PV) の制限を超過することができます。制限を超えるには、
このプロパティーを使用し、 |
キーと値の文字列のペアの一覧。例: |
| デフォルトのマシンプールプラットフォームの設定。 |
{ "type": "ml.large", "rootVolume": { "size": 30, "type": "performance" } } |
|
Ingress ポートに関連付ける既存の Floating IP アドレス。このプロパティーを使用するには、 |
IP アドレス (例: |
|
API ロードバランサーに関連付ける既存の Floating IP アドレス。このプロパティーを使用するには、 |
IP アドレス (例: |
| クラスターインスタンスが DNS 解決に使用する外部 DNS サーバーの IP アドレス。 |
文字列としての IP アドレスの一覧。例: |
| クラスターのノードが使用する RHOSP サブネットの UUID。ノードおよび仮想 IP (VIP) ポートがこのサブネットに作成されます。
カスタムサブネットにデプロイする場合、OpenShift Container Platform インストーラーに外部 DNS サーバーを指定することはできません。代わりに、DNS を RHOSP のサブネットに追加 します。 |
文字列としての UUID。例: |
15.7.13.6. RHOSP のカスタマイズされた install-config.yaml
ファイルのサンプル
このサンプル install-config.yaml
は、すべての可能な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) カスタマイズオプションを示しています。
このサンプルファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml
ファイルを取得する必要があります。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com controlPlane: name: master platform: {} replicas: 3 compute: - name: worker platform: openstack: type: ml.large replicas: 3 metadata: name: example networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 networkType: OpenShiftSDN platform: openstack: cloud: mycloud externalNetwork: external computeFlavor: m1.xlarge apiFloatingIP: 128.0.0.1 fips: false pullSecret: '{"auths": ...}' sshKey: ssh-ed25519 AAAA...
15.7.13.7. RHOSP デプロイメントでのカスタムサブネット
オプションで、選択する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) サブネットにクラスターをデプロイすることができます。サブネットの GUID は、install-config.yaml
ファイルの platform.openstack.machinesSubnet
の値として渡されます。
このサブネットはクラスターのプライマリーサブネットとして使用されます。デフォルトで、ノードおよびポートはこの上に作成されます。platform.openstack.machinesSubnet
プロパティーの値をサブネットの UUID に設定すると、異なる RHOSP サブネットにノードおよびポートを作成することができます。
カスタムサブネットを使用して OpenShift Container Platform インストーラーを実行する前に、設定が以下の要件を満たしていることを確認してください。
-
platform.openstack.machinesSubnet
で使用されるサブネットで DHCP が有効にされている。 -
platform.openstack.machinesSubnet
の CIDR はnetworking.machineNetwork
の CIDR に一致する。 - インストールプログラムのユーザーには、固定 IP アドレスを持つポートなど、このネットワークでポートを作成するパーミッションがある。
カスタムサブネットを使用するクラスターには、以下の制限があります。
-
Floating IP アドレスを使用するクラスターをインストールする予定の場合には、
platform.openstack.machinesSubnet
サブネットをexternalNetwork
ネットワークに接続されているルーターに接続する必要があります。 -
platform.openstack.machinesSubnet
の値がinstall-config.yaml
ファイルに設定されている場合、インストールプログラムは RHOSP マシンのプライベートネットワークまたはサブネットを作成しません。 -
platform.openstack.externalDNS
プロパティーは、カスタムサブネットと同時に使用することはできません。カスタムサブネットを使用するクラスターに DNS を追加するには、RHOSP ネットワークで DNS を設定します。
デフォルトでは、API VIP は x.x.x.5 を取得し、Ingress VIP はネットワークの CIDR ブロックから x.x.x.7 を取得します。これらのデフォルト値を上書きするには、DHCP 割り当てプール外の platform.openstack.apiVIP
および platform.openstack.ingressVIP
の値を設定します。
15.7.13.8. マシンのカスタムサブネットの設定
インストールプログラムがデフォルトで使用する IP 範囲は、OpenShift Container Platform のインストール時に作成する Neutron サブネットと一致しない可能性があります。必要な場合は、インストール設定ファイルを編集して、新規マシンの CIDR 値を更新します。
前提条件
-
OpenShift Container Platform インストールプログラムで生成された
install-config.yaml
ファイルがあります。
手順
-
コマンドラインで、
install-config.yaml
が含まれるディレクトリーを参照します。 そのディレクトリーからスクリプトを実行して
install-config.yaml
ファイルを編集するか、または手動でファイルを更新します。スクリプトを使用して値を設定するには、以下を実行します。
$ python -c ' import yaml; path = "install-config.yaml"; data = yaml.safe_load(open(path)); data["networking"]["machineNetwork"] = [{"cidr": "192.168.0.0/18"}]; 1 open(path, "w").write(yaml.dump(data, default_flow_style=False))'
- 1
- 必要な Neutron サブネットに一致する値 (例:
192.0.2.0/24
) を挿入します。
-
値を手動で設定するには、ファイルを開き、
networking.machineCIDR
の値を必要な Neutron サブネットに一致する値に設定します。
15.7.13.9. コンピュートマシンプールを空にする
独自のインフラストラクチャーを使用するインストールを実行するには、インストール設定ファイルのコンピュートマシンの数をゼロに設定します。その後、これらのマシンを手動で作成します。
前提条件
-
OpenShift Container Platform インストールプログラムで生成された
install-config.yaml
ファイルがあります。
手順
-
コマンドラインで、
install-config.yaml
が含まれるディレクトリーを参照します。 そのディレクトリーからスクリプトを実行して
install-config.yaml
ファイルを編集するか、または手動でファイルを更新します。スクリプトを使用して値を設定するには、以下を実行します。
$ python -c ' import yaml; path = "install-config.yaml"; data = yaml.safe_load(open(path)); data["compute"][0]["replicas"] = 0; open(path, "w").write(yaml.dump(data, default_flow_style=False))'
-
値を手動で設定するには、ファイルを開き、
compute.<first entry>.replicas
の値を0
に設定します。
15.7.14. Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルの作成
一部のクラスター定義ファイルを変更し、クラスターマシンを手動で起動する必要があるため、クラスターがマシンを設定するために必要な Kubernetes マニフェストと Ignition 設定ファイルを生成する必要があります。
インストール設定ファイルは Kubernetes マニフェストに変換されます。マニフェストは Ignition 設定ファイルにラップされます。これはクラスターマシンを設定するために後で使用されます。
-
OpenShift Container Platform のインストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の
node-bootstrapper
証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。 - 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することをお勧めします。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラムを取得していること。
-
install-config.yaml
インストール設定ファイルを作成していること。
手順
OpenShift Container Platform のインストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターの Kubernetes マニフェストを生成します。
$ ./openshift-install create manifests --dir <installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
については、作成したinstall-config.yaml
ファイルが含まれるインストールディレクトリーを指定します。
コントロールプレーンマシンおよびコンピュートマシンセットを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。
$ rm -f openshift/99_openshift-cluster-api_master-machines-*.yaml openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-*.yaml
これらのリソースを独自に作成および管理するため、それらを初期化する必要はありません。
- マシンセットファイルを保存して、マシン API を使用してコンピュートマシンを作成することができますが、環境に合わせてそれらへの参照を更新する必要があります。
<installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml
Kubernetes マニフェストファイルのmastersSchedulable
パラメーターがfalse
に設定されていることを確認します。この設定により、Pod がコントロールプレーンマシンにスケジュールされなくなります。-
<installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml
ファイルを開きます。 -
mastersSchedulable
パラメーターを見つけ、これがfalse
に設定されていることを確認します。 - ファイルを保存し、終了します。
-
Ignition 設定ファイルを作成するには、インストールプログラムが含まれるディレクトリーから以下のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install create ignition-configs --dir <installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
については、同じインストールディレクトリーを指定します。
Ignition 設定ファイルは、インストールディレクトリー内のブートストラップ、コントロールプレーン、およびコンピュートノード用に作成されます。
kubeadmin-password
およびkubeconfig
ファイルが./<installation_directory>/auth
ディレクトリーに作成されます。. ├── auth │ ├── kubeadmin-password │ └── kubeconfig ├── bootstrap.ign ├── master.ign ├── metadata.json └── worker.ign
メタデータファイルの
infraID
キーを環境変数としてエクスポートします。$ export INFRA_ID=$(jq -r .infraID metadata.json)
metadata.json
から infraID
キーを抽出し、作成するすべての RHOSP リソースの接頭辞として使用します。これを実行することで、同じプロジェクトで複数のデプロイメントを実行する際に名前の競合が発生しないようにします。
15.7.15. ブートストラップ Ignition ファイルの準備
OpenShift Container Platform インストールプロセスは、ブートストラップ Ignition 設定ファイルから作成されるブートストラップマシンに依存します。
ファイルを編集し、アップロードします。次に、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) がプライマリーファイルをダウンロードする際に使用するセカンダリーブートストラップ Ignition 設定ファイルを作成します。
前提条件
-
インストーラープログラムが生成するブートストラップ Ignition ファイル
bootstrap.ign
があります。 インストーラーのメタデータファイルのインフラストラクチャー ID は環境変数 (
$INFRA_ID
) として設定されます。- 変数が設定されていない場合は、Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルの作成 を参照してください。
HTTP(S) でアクセス可能な方法でブートストラップ Ignition ファイルを保存できます。
- 記載された手順では RHOSP イメージサービス (Glance) を使用しますが、RHOSP ストレージサービス (Swift)、Amazon S3、内部 HTTP サーバー、またはアドホックの Nova サーバーを使用することもできます。
手順
以下の Python スクリプトを実行します。スクリプトはブートストラップ Ignition ファイルを変更して、ホスト名および利用可能な場合は、実行時の CA 証明書ファイルを設定します。
import base64 import json import os with open('bootstrap.ign', 'r') as f: ignition = json.load(f) files = ignition['storage'].get('files', []) infra_id = os.environ.get('INFRA_ID', 'openshift').encode() hostname_b64 = base64.standard_b64encode(infra_id + b'-bootstrap\n').decode().strip() files.append( { 'path': '/etc/hostname', 'mode': 420, 'contents': { 'source': 'data:text/plain;charset=utf-8;base64,' + hostname_b64 } }) ca_cert_path = os.environ.get('OS_CACERT', '') if ca_cert_path: with open(ca_cert_path, 'r') as f: ca_cert = f.read().encode() ca_cert_b64 = base64.standard_b64encode(ca_cert).decode().strip() files.append( { 'path': '/opt/openshift/tls/cloud-ca-cert.pem', 'mode': 420, 'contents': { 'source': 'data:text/plain;charset=utf-8;base64,' + ca_cert_b64 } }) ignition['storage']['files'] = files; with open('bootstrap.ign', 'w') as f: json.dump(ignition, f)
RHOSP CLI を使用して、ブートストラップ Ignition ファイルを使用するイメージを作成します。
$ openstack image create --disk-format=raw --container-format=bare --file bootstrap.ign <image_name>
イメージの詳細を取得します。
$ openstack image show <image_name>
file
値をメモします。これはv2/images/<image_ID>/file
パターンをベースとしています。注記作成したイメージがアクティブであることを確認します。
イメージサービスのパブリックアドレスを取得します。
$ openstack catalog show image
-
パブリックアドレスとイメージ
file
値を組み合わせ、結果を保存場所として保存します。この場所は、<image_service_public_URL>/v2/images/<image_ID>/file
パターンをベースとしています。 認証トークンを生成し、トークン ID を保存します。
$ openstack token issue -c id -f value
$INFRA_ID-bootstrap-ignition.json
というファイルに以下のコンテンツを挿入し、独自の値に一致するようにプレースホルダーを編集します。{ "ignition": { "config": { "merge": [{ "source": "<storage_url>", 1 "httpHeaders": [{ "name": "X-Auth-Token", 2 "value": "<token_ID>" 3 }] }] }, "security": { "tls": { "certificateAuthorities": [{ "source": "data:text/plain;charset=utf-8;base64,<base64_encoded_certificate>" 4 }] } }, "version": "3.2.0" } }
- セカンダリー Ignition 設定ファイルを保存します。
ブートストラップ Ignition データはインストール時に RHOSP に渡されます。
ブートストラップ Ignition ファイルには、clouds.yaml
認証情報などの機密情報が含まれます。これを安全な場所に保存し、インストールプロセスの完了後に削除します。
15.7.16. RHOSP でのコントロールプレーンの Ignition 設定ファイルの作成
独自のインフラストラクチャーを使用して OpenShift Container Platform を Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールするには、コントロールプレーンの Ignition 設定ファイルが必要です。複数の設定ファイルを作成する必要があります。
ブートストラップ Ignition 設定と同様に、各コントロールプレーンマシンのホスト名を明示的に定義する必要があります。
前提条件
インストールプログラムのメタデータファイルのインフラストラクチャー ID は環境変数 (
$INFRA_ID
) として設定されます。- 変数が設定されていない場合は、Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルの作成を参照してください。
手順
コマンドラインで、以下の Python スクリプトを実行します。
$ for index in $(seq 0 2); do MASTER_HOSTNAME="$INFRA_ID-master-$index\n" python -c "import base64, json, sys; ignition = json.load(sys.stdin); storage = ignition.get('storage', {}); files = storage.get('files', []); files.append({'path': '/etc/hostname', 'mode': 420, 'contents': {'source': 'data:text/plain;charset=utf-8;base64,' + base64.standard_b64encode(b'$MASTER_HOSTNAME').decode().strip(), 'verification': {}}, 'filesystem': 'root'}); storage['files'] = files; ignition['storage'] = storage json.dump(ignition, sys.stdout)" <master.ign >"$INFRA_ID-master-$index-ignition.json" done
以下の 3 つのコントロールプレーン Ignition ファイルが作成されます。
<INFRA_ID>-master-0-ignition.json
、<INFRA_ID>-master-1-ignition.json
、および<INFRA_ID>-master-2-ignition.json
。
15.7.17. RHOSP でのネットワークリソースの作成
独自のインフラストラクチャーを使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) インストールの OpenShift Container Platform に必要なネットワークリソースを作成します。時間を節約するには、セキュリティーグループ、ネットワーク、サブネット、ルーター、およびポートを生成する指定された Ansible Playbook を実行します。
前提条件
- Python 3 がマシンにインストールされている。
- Playbook 依存関係のダウンロードでモジュールをダウンロードしている。
- インストール Playbook のダウンロードで Playbook をダウンロードしている。
手順
オプション: 外部ネットワークの値を
inventory.yaml
Playbook に追加します。inventory.yaml
Ansible Playbook の外部ネットワーク値の例... # The public network providing connectivity to the cluster. If not # provided, the cluster external connectivity must be provided in another # way. # Required for os_api_fip, os_ingress_fip, os_bootstrap_fip. os_external_network: 'external' ...
重要inventory.yaml
ファイルのos_external_network
の値を指定しなかった場合は、仮想マシンが Glance および外部接続にアクセスできるようにする必要があります。オプション: 外部ネットワークおよび Floating IP (FIP) アドレスの値を
inventory.yaml
Playbook に追加します。inventory.yaml
Ansible Playbook の FIP 値の例... # OpenShift API floating IP address. If this value is non-empty, the # corresponding floating IP will be attached to the Control Plane to # serve the OpenShift API. os_api_fip: '203.0.113.23' # OpenShift Ingress floating IP address. If this value is non-empty, the # corresponding floating IP will be attached to the worker nodes to serve # the applications. os_ingress_fip: '203.0.113.19' # If this value is non-empty, the corresponding floating IP will be # attached to the bootstrap machine. This is needed for collecting logs # in case of install failure. os_bootstrap_fip: '203.0.113.20'
重要os_api_fip
およびos_ingress_fip
の値を定義しない場合、インストール後のネットワーク設定を実行する必要があります。os_bootstrap_fip
の値を定義しない場合、インストーラーは失敗したインストールからデバッグ情報をダウンロードできません。詳細は、環境へのアクセスの有効化を参照してください。
コマンドラインで、
security-groups.yaml
Playbook を実行してセキュリティーグループを作成します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml security-groups.yaml
コマンドラインで、
network.yaml
Playbook を実行して、ネットワーク、サブネット、およびルーターを作成します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml network.yaml
オプション: Nova サーバーが使用するデフォルトのリゾルバーを制御する必要がある場合は、RHOSP CLI コマンドを実行します。
$ openstack subnet set --dns-nameserver <server_1> --dns-nameserver <server_2> "$INFRA_ID-nodes"
オプションで、作成した inventory.yaml
ファイルを使用してインストールをカスタマイズできます。たとえば、ベアメタルマシンを使用するクラスターをデプロイすることができます。
15.7.17.1. ベアメタルマシンを使用したクラスターのデプロイ
クラスターがベアメタルマシンを使用する必要がある場合は、inventory.yaml
ファイルを変更します。クラスターには、ベアメタル上でコントロールプレーンとコンピュートマシンの両方を実行させることも、コンピュートマシンのみを実行させることもできます。
ベアメタルコンピュートマシンは、Kuryr を使用するクラスターではサポートされません。
install-config.yaml
ファイルで、ベアメタルワーカーに使用する RHOSP ネットワークが Floating IP アドレスをサポートするかどうかが反映されていることを確認します。
前提条件
- RHOSP の ベアメタルサービス (Ironic) は有効にされており、RHOSP Compute API でアクセスできる。
- ベアメタルは RHOSP フレーバー として利用可能である。
- RHOSP ネットワークは、仮想マシンとベアメタルサーバー接続の両方をサポートする。
- ネットワーク設定は、プロバイダーのネットワークに依存しません。プロバイダーネットワークはサポートされません。
- マシンを既存のネットワークにデプロイする必要がある場合、RHOSP サブネットがプロビジョニングされる。
- マシンをインストーラーでプロビジョニングされるネットワークに場合、RHOSP ベアメタルサービス (Ironic) はテナントネットワークで実行される Preboot eXecution Environment (PXE) ブートマシンをリッスンし、これと対話できます。
-
inventory.yaml
ファイルを OpenShift Container Platform インストールプロセスの一部として作成している。
手順
inventory.yaml
ファイルで、マシンのフレーバーを編集します。-
ベアメタルコントロールプレーンマシンを使用する場合は、
os_flavor_master
の値をベアメタルフレーバーに変更します。 os_flavor_worker
の値をベアメタルフレーバーに変更します。ベアメタルの
inventory.yaml
のサンプルファイルall: hosts: localhost: ansible_connection: local ansible_python_interpreter: "{{ansible_playbook_python}}" # User-provided values os_subnet_range: '10.0.0.0/16' os_flavor_master: 'my-bare-metal-flavor' 1 os_flavor_worker: 'my-bare-metal-flavor' 2 os_image_rhcos: 'rhcos' os_external_network: 'external' ...
-
ベアメタルコントロールプレーンマシンを使用する場合は、
更新された inventory.yaml
ファイルを使用してインストールプロセスを完了します。デプロイメント時に作成されるマシンは、ファイルに追加したフレーバーを使用します。
インストーラーは、ベアメタルマシンの起動中にタイムアウトする可能性があります。
インストーラーがタイムアウトした場合は、インストーラーの wait-for
コマンドを使用してデプロイメントを再起動してからデプロイメントを完了します。以下に例を示します。
./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
15.7.18. RHOSP でのブートストラップマシンの作成
ブートストラップマシンを作成し、これに Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) で実行するために必要なネットワークアクセスを付与します。Red Hat は、このプロセスを単純化するために実行する Ansible Playbook を提供しています。
前提条件
- Playbook 依存関係のダウンロードでモジュールをダウンロードしている。
- インストール Playbook のダウンロードで Playbook をダウンロードしている。
-
inventory.yaml
、common.yaml
、およびbootstrap.yaml
Ansible Playbook は共通ディレクトリーにある。 -
インストールプログラムが作成した
metadata.json
ファイルが Ansible Playbook と同じディレクトリーにあります。
手順
- コマンドラインで、作業ディレクトリーを Playbook の場所に切り替えます。
コマンドラインで、
bootstrap.yaml
Playbook を実行します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml bootstrap.yaml
ブートストラップサーバーがアクティブになった後に、ログを表示し、Ignition ファイルが受信されたことを確認します。
$ openstack console log show "$INFRA_ID-bootstrap"
15.7.19. RHOSP でのコントロールプレーンの作成
生成した Ignition 設定ファイルを使用して 3 つのコントロールプレーンマシンを作成します。Red Hat は、このプロセスを単純化するために実行する Ansible Playbook を提供しています。
前提条件
- Playbook 依存関係のダウンロードでモジュールをダウンロードしている。
- インストール Playbook のダウンロードで Playbook をダウンロードしている。
-
インストールプログラムのメタデータファイルのインフラストラクチャー ID は環境変数 (
$INFRA_ID
) として設定されます。 -
inventory.yaml
、common.yaml
、およびcontrol-plane.yaml
Ansible Playbook は共通ディレクトリーにあります。 - コントロールプレーンの Ignition 設定ファイルの作成で作成された 3 つの Ignition ファイルがある。
手順
- コマンドラインで、作業ディレクトリーを Playbook の場所に切り替えます。
- コントロールプレーン Ignition 設定ファイルが作業ディレクトリーにない場合、それらをここにコピーします。
コマンドラインで、
control-plane.yaml
Playbook を実行します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml control-plane.yaml
以下のコマンドを実行してブートストラッププロセスをモニターします。
$ openshift-install wait-for bootstrap-complete
コントロールプレーンマシンが実行され、クラスターに参加していることを確認できるメッセージが表示されます。
INFO API v1.22.1 up INFO Waiting up to 30m0s for bootstrapping to complete... ... INFO It is now safe to remove the bootstrap resources
15.7.20. CLI の使用によるクラスターへのログイン
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
-
oc
CLI をインストールしていること。
手順
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
エクスポートされた設定を使用して、
oc
コマンドを正常に実行できることを確認します。$ oc whoami
出力例
system:admin
15.7.21. RHOSP からのブートストラップリソースの削除
不要になったブートストラップリソースを削除します。
前提条件
- Playbook 依存関係のダウンロードでモジュールをダウンロードしている。
- インストール Playbook のダウンロードで Playbook をダウンロードしている。
-
inventory.yaml
、common.yaml
、およびdown-bootstrap.yaml
Ansible Playbook が共通ディレクトリーにある。 コントロールプレーンマシンが実行中である。
- マシンのステータスが不明な場合は、クラスターステータスの確認を参照してください。
手順
- コマンドラインで、作業ディレクトリーを Playbook の場所に切り替えます。
コマンドラインで、
down-bootstrap.yaml
Playbook を実行します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml down-bootstrap.yaml
ブートストラップポート、サーバー、および Floating IP アドレスが削除されます。
ブートストラップ Ignition ファイル URL をまだ無効にしていない場合は、無効にしてください。
15.7.22. コンピュートマシン用の SR-IOV ネットワークの作成
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) デプロイメントで Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) をサポートする場合、コンピュートマシンを実行する SR-IOV ネットワークをプロビジョニングすることができます。
以下の手順では、コンピュートマシンへの接続が可能な外部のフラットネットワークおよび外部の VLAN ベースのネットワークを作成します。RHOSP のデプロイメントによっては、ネットワークの他のタイプが必要になる場合があります。
前提条件
クラスターは SR-IOV をサポートしている。
注記クラスターがサポートするかどうかが不明な場合は、OpenShift Container Platform SR-IOV ハードウェアネットワークについてのドキュメントを参照してください。
-
RHOSP デプロイメントの一部として、無線とアップリンクのプロバイダーネットワークを作成している。これらのネットワークを表すために
radio
およびuplink
の名前がすべてのコマンド例で使用されています。
手順
コマンドラインで、無線の RHOSP ネットワークを作成します。
$ openstack network create radio --provider-physical-network radio --provider-network-type flat --external
アップリンクの RHOSP ネットワークを作成します。
$ openstack network create uplink --provider-physical-network uplink --provider-network-type vlan --external
無線ネットワーク用のサブネットを作成します。
$ openstack subnet create --network radio --subnet-range <radio_network_subnet_range> radio
アップリンクネットワーク用のサブネットを作成します。
$ openstack subnet create --network uplink --subnet-range <uplink_network_subnet_range> uplink
15.7.23. SR-IOV ネットワークで実行されるコンピュートマシンの作成
コントロールプレーンの起動後に、コンピュートマシン用の SR-IOV ネットワークの作成で作成した SR-IOV ネットワークで実行されるコンピュートマシンを作成します。
前提条件
- Playbook 依存関係のダウンロードでモジュールをダウンロードしている。
- インストール Playbook のダウンロードで Playbook をダウンロードしている。
-
インストールプログラムが作成した
metadata.yaml
ファイルが Ansible Playbook と同じディレクトリーにある。 - コントロールプレーンが有効である。
-
コンピュートマシン用の SR-IOV ネットワークの作成で説明されているように
radio
およびuplink
SR-IOV ネットワークを作成している。
手順
-
コマンドラインで、作業ディレクトリーを
inventory.yaml
およびcommon.yaml
ファイルの場所に変更します。 additionalNetworks
パラメーターを使用して、radio
およびuplink
ネットワークをinventory.yaml
ファイルの末尾に追加します。.... # If this value is non-empty, the corresponding floating IP will be # attached to the bootstrap machine. This is needed for collecting logs # in case of install failure. os_bootstrap_fip: '203.0.113.20' additionalNetworks: - id: radio count: 4 1 type: direct port_security_enabled: no - id: uplink count: 4 2 type: direct port_security_enabled: no
compute-nodes.yaml
ファイルの内容を以下のテキストに置き換えます。例15.1
compute-nodes.yaml
- import_playbook: common.yaml - hosts: all gather_facts: no vars: worker_list: [] port_name_list: [] nic_list: [] tasks: # Create the SDN/primary port for each worker node - name: 'Create the Compute ports' os_port: name: "{{ item.1 }}-{{ item.0 }}" network: "{{ os_network }}" security_groups: - "{{ os_sg_worker }}" allowed_address_pairs: - ip_address: "{{ os_ingressVIP }}" with_indexed_items: "{{ [os_port_worker] * os_compute_nodes_number }}" register: ports # Tag each SDN/primary port with cluster name - name: 'Set Compute ports tag' command: cmd: "openstack port set --tag {{ cluster_id_tag }} {{ item.1 }}-{{ item.0 }}" with_indexed_items: "{{ [os_port_worker] * os_compute_nodes_number }}" - name: 'List the Compute Trunks' command: cmd: "openstack network trunk list" when: os_networking_type == "Kuryr" register: compute_trunks - name: 'Create the Compute trunks' command: cmd: "openstack network trunk create --parent-port {{ item.1.id }} {{ os_compute_trunk_name }}-{{ item.0 }}" with_indexed_items: "{{ ports.results }}" when: - os_networking_type == "Kuryr" - "os_compute_trunk_name|string not in compute_trunks.stdout" - name: ‘Call additional-port processing’ include_tasks: additional-ports.yaml # Create additional ports in OpenStack - name: ‘Create additionalNetworks ports’ os_port: name: "{{ item.0 }}-{{ item.1.name }}" vnic_type: "{{ item.1.type }}" network: "{{ item.1.uuid }}" port_security_enabled: "{{ item.1.port_security_enabled|default(omit) }}" no_security_groups: "{{ 'true' if item.1.security_groups is not defined else omit }}" security_groups: "{{ item.1.security_groups | default(omit) }}" with_nested: - "{{ worker_list }}" - "{{ port_name_list }}" # Tag the ports with the cluster info - name: 'Set additionalNetworks ports tag' command: cmd: "openstack port set --tag {{ cluster_id_tag }} {{ item.0 }}-{{ item.1.name }}" with_nested: - "{{ worker_list }}" - "{{ port_name_list }}" # Build the nic list to use for server create - name: Build nic list set_fact: nic_list: "{{ nic_list | default([]) + [ item.name ] }}" with_items: "{{ port_name_list }}" # Create the servers - name: 'Create the Compute servers' vars: worker_nics: "{{ [ item.1 ] | product(nic_list) | map('join','-') | map('regex_replace', '(.*)', 'port-name=\\1') | list }}" os_server: name: "{{ item.1 }}" image: "{{ os_image_rhcos }}" flavor: "{{ os_flavor_worker }}" auto_ip: no userdata: "{{ lookup('file', 'worker.ign') | string }}" security_groups: [] nics: "{{ [ 'port-name=' + os_port_worker + '-' + item.0|string ] + worker_nics }}" config_drive: yes with_indexed_items: "{{ worker_list }}"
additional-ports.yaml
というローカルファイルに、以下の内容を挿入します。例15.2
additional-ports.yaml
# Build a list of worker nodes with indexes - name: ‘Build worker list’ set_fact: worker_list: "{{ worker_list | default([]) + [ item.1 + '-' + item.0 | string ] }}" with_indexed_items: "{{ [ os_compute_server_name ] * os_compute_nodes_number }}" # Ensure that each network specified in additionalNetworks exists - name: ‘Verify additionalNetworks’ os_networks_info: name: "{{ item.id }}" with_items: "{{ additionalNetworks }}" register: network_info # Expand additionalNetworks by the count parameter in each network definition - name: ‘Build port and port index list for additionalNetworks’ set_fact: port_list: "{{ port_list | default([]) + [ { 'net_name' : item.1.id, 'uuid' : network_info.results[item.0].openstack_networks[0].id, 'type' : item.1.type|default('normal'), 'security_groups' : item.1.security_groups|default(omit), 'port_security_enabled' : item.1.port_security_enabled|default(omit) } ] * item.1.count|default(1) }}" index_list: "{{ index_list | default([]) + range(item.1.count|default(1)) | list }}" with_indexed_items: "{{ additionalNetworks }}" # Calculate and save the name of the port # The format of the name is cluster_name-worker-workerID-networkUUID(partial)-count # i.e. fdp-nz995-worker-1-99bcd111-1 - name: ‘Calculate port name’ set_fact: port_name_list: "{{ port_name_list | default([]) + [ item.1 | combine( {'name' : item.1.uuid | regex_search('([^-]+)') + '-' + index_list[item.0]|string } ) ] }}" with_indexed_items: "{{ port_list }}" when: port_list is defined
コマンドラインで、
compute-nodes.yaml
Playbook を実行します。$ ansible-playbook -i inventory.yaml compute-nodes.yaml
15.7.24. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンについて 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、または必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.22.1 master-1 Ready master 63m v1.22.1 master-2 Ready master 64m v1.22.1
出力には作成したすべてのマシンが一覧表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。この一覧にはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他のユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーなどのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR について以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR の一覧からの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR について以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR の一覧からの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 73m v1.22.1 master-1 Ready master 73m v1.22.1 master-2 Ready master 74m v1.22.1 worker-0 Ready worker 11m v1.22.1 worker-1 Ready worker 11m v1.22.1
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
15.7.25. インストールの正常な実行の確認
OpenShift Container Platform のインストールが完了していることを確認します。
前提条件
-
インストールプログラム (
openshift-install
) があります。
手順
コマンドラインで、以下を入力します。
$ openshift-install --log-level debug wait-for install-complete
プログラムはコンソール URL と管理者のログイン情報を出力します。
クラスターが機能しています。ただし、これを SR-IOV ネットワーク用に設定する前に、追加のタスクを実行する必要があります。
15.7.26. SR-IOV 向けに RHOSP で実行されるクラスターの準備
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) で実行されるクラスターで single root I/O virtualization (SR-IOV) を使用する前に、RHOSP メタデータをドライブとしてマウント可能にし、仮想機能 I/O (VFIO) ドライバーの非 IOMMU Operator を有効にします。
15.7.26.1. RHOSP メタデータサービスをマウント可能なドライブとして有効化
マシン設定をマシンプールに適用することで、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) メタデータサービスをマウント可能なドライブとして利用可能にすることができます。
以下のマシン設定により、SR-IOV ネットワーク Operator 内から RHOSP ネットワーク UUID を表示できます。この設定により、SR-IOV リソースのクラスター SR-IOV リソースへの関連付けが単純化されます。
手順
以下のテンプレートからマシン設定ファイルを作成します。
マウント可能なメタデータサービスマシン設定ファイル
kind: MachineConfig apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 metadata: name: 20-mount-config 1 labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker spec: config: ignition: version: 3.2.0 systemd: units: - name: create-mountpoint-var-config.service enabled: true contents: | [Unit] Description=Create mountpoint /var/config Before=kubelet.service [Service] ExecStart=/bin/mkdir -p /var/config [Install] WantedBy=var-config.mount - name: var-config.mount enabled: true contents: | [Unit] Before=local-fs.target [Mount] Where=/var/config What=/dev/disk/by-label/config-2 [Install] WantedBy=local-fs.target
- 1
- 選択する名前に置き換えることができます。
コマンドラインからマシン設定を適用します。
$ oc apply -f <machine_config_file_name>.yaml
15.7.26.2. RHOSP VFIO ドライバーの非 IOMMU 機能の有効化
マシン設定をマシンプールに適用することで、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 仮想機能 I/O (VFIO) ドライバーの非 IOMMU 機能を有効にすることができます。RHOSP vfio-pci ドライバーではこの機能が必要です。
手順
以下のテンプレートからマシン設定ファイルを作成します。
非 IOMMU VFIO マシン設定ファイル
kind: MachineConfig apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 metadata: name: 99-vfio-noiommu 1 labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - path: /etc/modprobe.d/vfio-noiommu.conf mode: 0644 contents: source: data:;base64,b3B0aW9ucyB2ZmlvIGVuYWJsZV91bnNhZmVfbm9pb21tdV9tb2RlPTEK
- 1
- 選択する名前に置き換えることができます。
コマンドラインからマシン設定を適用します。
$ oc apply -f <machine_config_file_name>.yaml
マシン設定をマシンプールに適用した後に、 マシン設定プールのステータスを確認 し、マシンが利用可能になるタイミングを確認できます。
クラスターがインストールされ、SR-IOV 設定用に準備されます。次のステップにあるように SR-IOV 設定タスクを実行する必要があります。
15.7.27. OpenShift Container Platform の Telemetry アクセス
OpenShift Container Platform 4.9 では、クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは OpenShift Cluster Manager に登録されます。
OpenShift Cluster Manager インベントリーが正常である (Telemetry によって自動的に維持、または OpenShift Cluster Manager を使用して手動で維持) ことを確認した後に、subscription watch を使用 して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。
関連情報
- Telemetry サービスの詳細は、リモートヘルスモニターリング について参照してください。
15.7.28. 関連情報
- リアルタイムの実行および低レイテンシーのデプロイメントについての詳細は、低レイテンシーノード向けの Performance Addon Operator について参照してください。
15.7.29. 次のステップ
クラスターの SR-IOV 設定を完了するには、以下を実行します。
- クラスターをカスタマイズ します。
- 必要な場合は、リモートの健全性レポートをオプトアウト することができます。
- ノードポートへの外部アクセスを有効にする必要がある場合は、ノードポートを使用して Ingress クラスタートラフィックを設定 します。
- RHOSP が Floating IP アドレス上でアプリケーショントラフィックを受け入れるように設定しなかった場合には、RHOSP のアクセスを Floating IP アドレスで設定 します。