5.7. OpenShift Container Platform ノードまたはコンテナーからのネットワークトレースの収集


ネットワーク関連の OpenShift Container Platform の潜在的な問題を調査する際に、Red Hat サポートは特定の OpenShift Container Platform クラスターノードまたは特定のコンテナーからネットワークパケットトレースを要求する可能性があります。OpenShift Container Platform でネットワークトレースをキャプチャーする方法として、デバッグ Pod を使用できます。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
  • Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
  • 既存の Red Hat サポートケース ID がある。
  • ホストへの SSH アクセスがあること。

手順

  1. クラスターノードの一覧を取得します。

    $ oc get nodes
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  2. ターゲットノードのデバッグセッションに入ります。この手順は、<node_name>-debug というデバッグ Pod をインスタンス化します。

    $ oc debug node/my-cluster-node
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  3. /host をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の /host にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを /host に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。

    # chroot /host
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    注記

    Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.9 クラスターノードは変更できず、Operator を使用してクラスターの変更を適用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されず、ノードは accessed のテイントのマークが付けられます。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc 操作がその影響を受けます。この場合は、代わりに ssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain> を使用してノードにアクセスできます。

  4. chroot 環境コンソール内から、ノードのインターフェイス名を取得します。

    # ip ad
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  5. sosreport を実行するために必要なバイナリーおよびプラグインが含まれる toolbox コンテナーを起動します。

    # toolbox
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    注記

    既存の toolbox Pod がすでに実行されている場合、toolbox コマンドは以下を出力します: 'toolbox-' already exists.Trying to start…​.tcpdump の問題が発生するのを回避するには、podman rm toolbox- で実行中の toolbox コンテナーを削除し、新規の toolbox コンテナーを生成します。

  6. クラスターノードで tcpdump セッションを開始し、出力をキャプチャーファイルにリダイレクトします。この例では、ens5 をインターフェイス名として使用します。

    $ tcpdump -nn -s 0 -i ens5 -w /host/var/tmp/my-cluster-node_$(date +%d_%m_%Y-%H_%M_%S-%Z).pcap  
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    toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを /host にマウントするため、tcpdump キャプチャーファイルのパスは chroot 環境外にあります。
  7. ノード上の特定コンテナーに tcpdump キャプチャーが必要な場合は、以下の手順に従います。

    1. ターゲットコンテナー ID を確認します。toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを /host にマウントするため、この手順では、chroot host コマンドが crictl コマンドの前に実行されます。

      # chroot /host crictl ps
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    2. コンテナーのプロセス ID を確認します。この例では、コンテナー ID は a7fe32346b120 です。

      # chroot /host crictl inspect --output yaml a7fe32346b120 | grep 'pid' | awk '{print $2}'
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    3. コンテナーで tcpdump セッションを開始し、出力をキャプチャーファイルにリダイレクトします。この例では、49628 をコンテナーのプロセス ID として使用し、ens5 をインターフェイス名として使用します。nsenter コマンドはターゲットプロセスの namespace に入り、その namespace でコマンドを実行します。この例ではターゲットプロセスがコンテナーのプロセス ID であるため、tcpdump コマンドはホストからコンテナーの namespace で実行されます。

      # nsenter -n -t 49628 -- tcpdump -nn -i ens5 -w /host/var/tmp/my-cluster-node-my-container_$(date +%d_%m_%Y-%H_%M_%S-%Z).pcap.pcap  
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      toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを /host にマウントするため、tcpdump キャプチャーファイルのパスは chroot 環境外にあります。
  8. 以下の方法のいずれかを使用して、分析用に tcpdump キャプチャーファイルを Red Hat サポートに提供します。

    • ファイルを OpenShift Container Platform クラスターから直接既存の Red Hat サポートケースにアップロードします。

      1. toolbox コンテナー内から、redhat-support-tool を実行してファイルディレクトリーを既存の Red Hat サポートケースに直接割り当てます。この例では、サポートケース ID 01234567 を使用します。

        # redhat-support-tool addattachment -c 01234567 /host/var/tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap 
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        toolbox コンテナーは、ホストの root ディレクトリーを /host にマウントします。redhat-support-tool コマンドでアップロードするファイルを指定する場合は、toolbox コンテナーの root ディレクトリー (/host/ を含む) から絶対パスを参照します。
    • 既存の Red Hat サポートケースにファイルをアップロードします。

      1. oc debug node/<node_name> コマンドを実行して sosreport アーカイブを連結し、出力をファイルにリダイレクトします。このコマンドは、直前の oc debug セッションを終了していることを前提としています。

        $ oc debug node/my-cluster-node -- bash -c 'cat /host/var/tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap' > /tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap 
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        デバッグコンテナーは、ホストの root ディレクトリーを /host にマウントします。連結のためにターゲットファイルを指定する際に、デバッグコンテナーの root ディレクトリー (/host を含む) から絶対パスを参照します。
        注記

        Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.9 クラスターノードは変更できず、Operator を使用してクラスターの変更を適用します。scp を使用してクラスターノードから tcpdump キャプチャーファイルを転送することは推奨されず、ノードには accessed のテイントのマークが付けられます。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc 操作がその影響を受けます。この状態では、scp core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>:<file_path> <local_path> を実行して、ノードから tcpdump キャプチャーファイルをコピーすることができます。

      2. https://access.redhat.com/support/cases/ 内の既存のサポートケースに移動します。
      3. Attach files を選択し、プロンプトに従ってファイルをアップロードします。
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