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9.2. IP フェイルオーバーの設定

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クラスター管理者は、クラスター全体に IP フェイルオーバーを設定することも、ラベルセレクターの定義に基づいてノードのサブセットに IP フェイルオーバーを設定することもできます。また、複数の IP フェイルオーバーのデプロイメント設定をクラスター内に設定することもでき、それぞれの設定をクラスター内で相互に切り離すことができます。

IP フェイルオーバーのデプロイメント設定により、フェイルオーバー Pod は、制約または使用されるラベルに一致する各ノードで確実に実行されます。

この Pod は Keepalived を実行します。これは、最初のノードがサービスまたはエンドポイントに到達できない場合に、エンドポイントを監視し、Virtual Router Redundancy Protocol (VRRP) を使用して仮想 IP (VIP) を別のノードにフェイルオーバーできます。

実稼働環境で使用する場合は、少なくとも 2 つのノードを選択し、選択したノードの数に相当する replicas を設定する selector を設定します。

前提条件

  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしていること。
  • プルシークレットを作成している。

手順

  1. IP フェイルオーバーのサービスアカウントを作成します。

    $ oc create sa ipfailover
  2. hostNetwork の SCC (Security Context Constraints) を更新します。

    $ oc adm policy add-scc-to-user privileged -z ipfailover
    $ oc adm policy add-scc-to-user hostnetwork -z ipfailover
  3. デプロイメント YAML ファイルを作成して IP フェイルオーバーを設定します。

    IP フェイルオーバー設定のデプロイメント YAML の例

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    metadata:
      name: ipfailover-keepalived 1
      labels:
        ipfailover: hello-openshift
    spec:
      strategy:
        type: Recreate
      replicas: 2
      selector:
        matchLabels:
          ipfailover: hello-openshift
      template:
        metadata:
          labels:
            ipfailover: hello-openshift
        spec:
          serviceAccountName: ipfailover
          privileged: true
          hostNetwork: true
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/worker: ""
          containers:
          - name: openshift-ipfailover
            image: quay.io/openshift/origin-keepalived-ipfailover
            ports:
            - containerPort: 63000
              hostPort: 63000
            imagePullPolicy: IfNotPresent
            securityContext:
              privileged: true
            volumeMounts:
            - name: lib-modules
              mountPath: /lib/modules
              readOnly: true
            - name: host-slash
              mountPath: /host
              readOnly: true
              mountPropagation: HostToContainer
            - name: etc-sysconfig
              mountPath: /etc/sysconfig
              readOnly: true
            - name: config-volume
              mountPath: /etc/keepalive
            env:
            - name: OPENSHIFT_HA_CONFIG_NAME
              value: "ipfailover"
            - name: OPENSHIFT_HA_VIRTUAL_IPS 2
              value: "1.1.1.1-2"
            - name: OPENSHIFT_HA_VIP_GROUPS 3
              value: "10"
            - name: OPENSHIFT_HA_NETWORK_INTERFACE 4
              value: "ens3" #The host interface to assign the VIPs
            - name: OPENSHIFT_HA_MONITOR_PORT 5
              value: "30060"
            - name: OPENSHIFT_HA_VRRP_ID_OFFSET 6
              value: "0"
            - name: OPENSHIFT_HA_REPLICA_COUNT 7
              value: "2" #Must match the number of replicas in the deployment
            - name: OPENSHIFT_HA_USE_UNICAST
              value: "false"
            #- name: OPENSHIFT_HA_UNICAST_PEERS
              #value: "10.0.148.40,10.0.160.234,10.0.199.110"
            - name: OPENSHIFT_HA_IPTABLES_CHAIN 8
              value: "INPUT"
            #- name: OPENSHIFT_HA_NOTIFY_SCRIPT 9
            #  value: /etc/keepalive/mynotifyscript.sh
            - name: OPENSHIFT_HA_CHECK_SCRIPT 10
              value: "/etc/keepalive/mycheckscript.sh"
            - name: OPENSHIFT_HA_PREEMPTION 11
              value: "preempt_delay 300"
            - name: OPENSHIFT_HA_CHECK_INTERVAL 12
              value: "2"
            livenessProbe:
              initialDelaySeconds: 10
              exec:
                command:
                - pgrep
                - keepalived
          volumes:
          - name: lib-modules
            hostPath:
              path: /lib/modules
          - name: host-slash
            hostPath:
              path: /
          - name: etc-sysconfig
            hostPath:
              path: /etc/sysconfig
          # config-volume contains the check script
          # created with `oc create configmap keepalived-checkscript --from-file=mycheckscript.sh`
          - configMap:
              defaultMode: 0755
              name: keepalived-checkscript
            name: config-volume
          imagePullSecrets:
            - name: openshift-pull-secret 13

    1
    IP フェイルオーバーデプロイメントの名前。
    2
    複製する IP アドレス範囲の一覧です。これは指定する必要があります例: 1.2.3.4-6,1.2.3.9
    3
    VRRP に作成するグループの数です。これが設定されていない場合、グループは OPENSHIFT_HA_VIP_GROUPS 変数で指定されている仮想 IP 範囲ごとに作成されます。
    4
    IP フェイルオーバーが VRRP トラフィックの送信に使用するインターフェイス名。デフォルトで eth0 が使用されます。
    5
    IP フェイルオーバー Pod は、各 VIP のこのポートに対して TCP 接続を開こうとします。接続が設定されると、サービスは実行中であると見なされます。このポートが 0 に設定される場合、テストは常にパスします。デフォルト値は 80 です。
    6
    仮想ルーター ID の設定に使用されるオフセット値。異なるオフセット値を使用すると、複数の IP フェイルオーバー設定が同じクラスター内に存在できるようになります。デフォルトのオフセットは 0 で、許可される範囲は 0 から 255 までです。
    7
    作成するレプリカの数です。これは、IP フェイルオーバーデプロイメント設定の spec.replicas 値に一致する必要があります。デフォルト値は 2 です。
    8
    iptables チェーンの名前であり、iptables ルールを自動的に追加し、VRRP トラフィックをオンにすることを許可するために使用されます。この値が設定されていない場合、iptables ルールは追加されません。チェーンが存在しない場合は作成されず、Keepalived はユニキャストモードで動作します。デフォルトは INPUT です。
    9
    状態が変更されるたびに実行されるスクリプトの Pod ファイルシステム内の完全パス名です。
    10
    アプリケーションが動作していることを確認するために定期的に実行されるスクリプトの Pod ファイルシステム内の完全パス名です。
    11
    新たな優先度の高いホストを処理するためのストラテジーです。デフォルト値は preempt_delay 300 で、優先順位の低いマスターが VIP を保持する場合に、Keepalived インスタンスが VIP を 5 分後に引き継ぎます。
    12
    check スクリプトが実行される期間 (秒単位) です。デフォルト値は 2 です。
    13
    デプロイメントを作成する前にプルシークレットを作成します。作成しない場合には、デプロイメントの作成時にエラーが発生します。
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