21.2. クラスター全体のプロキシーの有効化
Proxy
オブジェクトは、クラスター全体の egress プロキシーを管理するために使用されます。プロキシーを設定せずにクラスターがインストールまたはアップグレードされると、Proxy
オブジェクトは引き続き生成されますが、spec
は設定されません。以下に例を示します。
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Proxy metadata: name: cluster spec: trustedCA: name: "" status:
クラスター管理者は、この cluster
Proxy
オブジェクトを変更して OpenShift Container Platform のプロキシーを設定できます。
cluster
という名前の Proxy
オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。
前提条件
- クラスター管理者のパーミッション。
-
OpenShift Container Platform
oc
CLI ツールがインストールされている。
手順
HTTPS 接続のプロキシーに必要な追加の CA 証明書が含まれる config map を作成します。
注記プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名される場合は、これを省略できます。
以下の内容で
user-ca-bundle.yaml
というファイルを作成して、PEM でエンコードされた証明書の値を指定します。apiVersion: v1 data: ca-bundle.crt: | 1 <MY_PEM_ENCODED_CERTS> 2 kind: ConfigMap metadata: name: user-ca-bundle 3 namespace: openshift-config 4
このファイルから ConfigMap を作成します。
$ oc create -f user-ca-bundle.yaml
oc edit
コマンドを使用してProxy
オブジェクトを変更します。$ oc edit proxy/cluster
プロキシーに必要なフィールドを設定します。
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Proxy metadata: name: cluster spec: httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1 httpsProxy: https://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2 noProxy: example.com 3 readinessEndpoints: - http://www.google.com 4 - https://www.google.com trustedCA: name: user-ca-bundle 5
- 1
- クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは
http
である必要があります。 - 2
- クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは
http
またはhttps
である必要があります。URL スキームをサポートするプロキシーの URL を指定します。たとえば、ほとんどのプロキシーは、https
を使用するように設定されていても、http
しかサポートしていない場合、エラーを報告します。このエラーメッセージはログに反映されず、代わりにネットワーク接続エラーのように見える場合があります。クラスターからのhttps
接続をリッスンするプロキシーを使用している場合は、プロキシーが使用する CA と証明書を受け入れるようにクラスターを設定する必要がある場合があります。 - 3
- プロキシーを除外するための宛先ドメイン名、ドメイン、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りの一覧。
サブドメインのみと一致するように、ドメインの前に
.
を付けます。たとえば、.y.com
はx.y.com
に一致しますが、y.com
には一致しません。*
を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。インストール設定でnetworking.machineNetwork[].cidr
フィールドで定義されるネットワークに含まれていないワーカーをスケールアップする場合、それらをこの一覧に追加し、接続の問題を防ぐ必要があります。httpProxy
またはhttpsProxy
フィールドのいずれも設定されていない場合に、このフィールドは無視されます。 - 4
httpProxy
およびhttpsProxy
の値をステータスに書き込む前の readiness チェックに使用するクラスター外の 1 つ以上の URL。- 5
- HTTPS 接続のプロキシーに必要な追加の CA 証明書が含まれる、
openshift-config
namespace の config map の参照。ここで参照する前に config map が存在している必要があります。このフィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。
- 変更を適用するためにファイルを保存します。