11.6. linuxptp サービスを通常のクロックとして設定
PTP Operator は PtpConfig.ptp.openshift.io
カスタムリソース定義 (CRD) を OpenShift Container Platform に追加します。PtpConfig
カスタムリソース (CR) オブジェクトを作成して、linuxptp サービス (ptp4l
、phc2sys
) を設定できます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。 - PTP Operator をインストールします。
手順
以下の
PtpConfig
CR を作成してから、YAML をordinary-clock-ptp-config.yaml
ファイルに保存します。apiVersion: ptp.openshift.io/v1 kind: PtpConfig metadata: name: ordinary-clock-ptp-config 1 namespace: openshift-ptp spec: profile: 2 - name: "profile1" 3 interface: "ens787f1" 4 ptp4lOpts: "-s -2" 5 phc2sysOpts: "-a -r" 6 ptp4lConf: "" 7 ptpSchedulingPolicy: SCHED_OTHER 8 ptpSchedulingPriority: 10 9 recommend: 10 - profile: "profile1" 11 priority: 10 12 match: 13 - nodeLabel: "node-role.kubernetes.io/worker" 14 nodeName: "compute-0.example.com" 15
- 1
PtpConfig
CR の名前。- 2
- 1 つ以上の
profile
オブジェクトの配列を指定します。 - 3
- プロファイルオブジェクトを一意に識別するプロファイルオブジェクトの名前を指定します。
- 4
ptp4l
サービスで使用するネットワークインターフェイス名を指定します (例:ens787f1
)。- 5
ptp4l
サービスのシステム設定オプションを指定します。たとえば、-2
で IEEE 802.3 ネットワークトランスポートを選択します。ネットワークインターフェイス名とサービス設定ファイルが自動的に追加されるため、オプションには、ネットワークインターフェイス名-i <interface>
およびサービス設定ファイル-f /etc/ptp4l.conf
を含めないでください。- 6
phc2sys
サービスのシステム設定オプション (例:-a -r
) を指定します。このフィールドが空の場合、PTP Operator はphc2sys
サービスを開始しません。- 7
- デフォルトの
/etc/ptp4l.conf
ファイルを置き換える設定が含まれる文字列を指定します。デフォルト設定を使用するには、フィールドを空のままにします。 - 8
ptp4l
とphc2sys
プロセスのスケジューリングポリシー。デフォルト値はSCHED_OTHER
です。FIFO スケジューリングをサポートするシステムでは、SCHED_FIFO
を使用してください。- 9
ptp SchedulingPolicy
がSCHED_FIFO
に設定されている場合に、ptp4l
およびphc2sys
プロセスの FIFO の優先度を設定するために使用される 1-65 の整数値。ptpSchedulingPriority
フィールドは、ptpSchedulingPolicy
がSCHED_OTHER
に設定されている場合は使用されません。- 10
profile
がノードに適用される方法を定義する 1 つ以上のrecommend
オブジェクトの配列を指定します。- 11
profile
セクションに定義されるprofile
オブジェクト名を指定します。- 12
0
から99
までの整数値でpriority
を指定します。数値が大きいほど優先度が低くなるため、99
の優先度は10
よりも低くなります。ノードがmatch
フィールドで定義されるルールに基づいて複数のプロファイルに一致する場合、優先順位の高いプロファイルがそのノードに適用されます。- 13
match
ルールを、nodeLabel
またはnodeName
で指定します。- 14
oc get nodes --show-labels
コマンドを使用して、ノードオブジェクトのnode.Labels
のkey
でnodeLabel
を指定します。- 15
oc get nodes
コマンドを使用して、ノードオブジェクトのnode.Name
でnodeName
を指定します。
以下のコマンドを実行して CR を作成します。
$ oc create -f ordinary-clock-ptp-config.yaml
検証手順
PtpConfig
プロファイルがノードに適用されていることを確認します。以下のコマンドを実行して、
openshift-ptp
namespace の Pod の一覧を取得します。$ oc get pods -n openshift-ptp -o wide
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE IP NODE linuxptp-daemon-4xkbb 1/1 Running 0 43m 10.1.196.24 compute-0.example.com linuxptp-daemon-tdspf 1/1 Running 0 43m 10.1.196.25 compute-1.example.com ptp-operator-657bbb64c8-2f8sj 1/1 Running 0 43m 10.129.0.61 control-plane-1.example.com
プロファイルが正しいことを確認します。
PtpConfig
プロファイルで指定したノードに対応するlinuxptp
デーモンのログを検査します。以下のコマンドを実行します。$ oc logs linuxptp-daemon-4xkbb -n openshift-ptp -c linuxptp-daemon-container
出力例
I1115 09:41:17.117596 4143292 daemon.go:107] in applyNodePTPProfile I1115 09:41:17.117604 4143292 daemon.go:109] updating NodePTPProfile to: I1115 09:41:17.117607 4143292 daemon.go:110] ------------------------------------ I1115 09:41:17.117612 4143292 daemon.go:102] Profile Name: profile1 I1115 09:41:17.117616 4143292 daemon.go:102] Interface: ens787f1 I1115 09:41:17.117620 4143292 daemon.go:102] Ptp4lOpts: -s -2 I1115 09:41:17.117623 4143292 daemon.go:102] Phc2sysOpts: -a -r I1115 09:41:17.117626 4143292 daemon.go:116] ------------------------------------
関連情報
- PTP ハードウェアでの FIFO 優先度スケジューリングの詳細については、PTP ハードウェアの FIFO 優先度スケジューリングの設定 を参照してください。