第12章 コンパイラとツール
SystemTap
SystemTap は、ユーザーがオペレーティングシステム (特にカーネル) のアクティビティを詳細に学習、監視できるトレーシングおよびプロービングツールです。SystemTap は、netstat、ps、top、iostat などのツールの出力に類似した情報を提供します。ただし、SystemTap は収集した情報に対してより多くのフィルタリングと分析オプションを提供するよう設計されています。
Red Hat Enterprise Linux 6.2 の SystemTap はバージョン 1.6 に更新されました。
- カーネルモジュールの名前にはハイフン ("
-
") が付いています。i2c-core
などが適切に処理されるようになりました。 process.mark
はプローブパラメーターを読み取るため$$parms
に対応しています。- SystemTap compile-server および client の動作が、以下のとおり改善、簡略化されました。
- compile-server がスクリプトビルドの結果をキャッシュする場合があるため、パフォーマンスが向上しました。
- compile-server および client はバージョン情報を通信して、それに従い通信プロトコルを調節し利用可能なサーバーの最新版を使用します。
- 非推奨のツール、stap-client、stap-authorize-server-cert、stap-authorize-signing-cert、stap-find-or-start-server、stap-find-servers が削除されました。
- リモート実行の場合、
--remote USER@HOST
機能が複数回指定できるようになりました。また、個別のカーネルとアーキテクチャ設定用に自動的にスクリプトをビルドして、すべての名前付きマシンでスクリプトを一度に実行します。 - staprun ユーティリティにより、同じスクリプトの複数のインスタンスを同時に実行できるようになりました。