3.5.5. アレイおよびアレイ要素の消去/削除
別のプローブに再使用するために、アレイ要素内の関連する値を消去したり、アレイ全体をリセットする必要がある場合もあります。「アレイ内での複数要素の処理」 の 例3.15「cumulative-vfsreads.stp」 では、時間の経過とともにプロセスごとの VFS reads の増加が分かりますが、3 秒間で各プロセスが実行した VFS reads の数は表示されません。
これを実行するには、アレイが累積した値を消去する必要があります。
delete
演算子を使用してアレイ内の要素またはアレイ全体を削除すると、これが実行できます。以下の例を見てみましょう。
例3.16 noncumulative-vfsreads.stp
global reads probe vfs.read { reads[execname()] ++ } probe timer.s(3) { foreach (count in reads) printf("%s : %d \n", count, reads[count]) delete reads }
例3.16「noncumulative-vfsreads.stp」 では、2 つ目のプローブが 調査した 3 秒間のみで 各プロセスが実行した VFS reads 数をプリントします。
delete reads
ステートメントは、プローブ内の reads
アレイを消去します。
注記
同一プローブ内には、複数のアレイ演算を設置することが可能です。「アレイ内での複数要素の処理」 および 「アレイおよびアレイ要素の消去/削除」 の例を使用すると、3 秒間でプロセスが実行した VFS reads の数を追跡し、かつ それらのプロセスでの累積 VFS reads 数を集計することができます。以下の例を見てみましょう。
global reads, totalreads probe vfs.read { reads[execname()] ++ totalreads[execname()] ++ } probe timer.s(3) { printf("=======\n") foreach (count in reads-) printf("%s : %d \n", count, reads[count]) delete reads } probe end { printf("TOTALS\n") foreach (total in totalreads-) printf("%s : %d \n", total, totalreads[total]) }
この例では、
reads
と totalreads
のアレイが同じ情報を追跡し、同様の方式でプリントします。唯一の違いは、reads
は 3 秒ごとに消去されるのに対して、totalreads
は増え続けるという点です。