3.4. 連想アレイ
SystemTap は、連想アレイの使用もサポートします。通常の変数は単一の値を表しますが、連想アレイでは値の集合を表すことができます。簡単に言うと、連想アレイは一意の鍵の集合です。アレイ内のそれぞれの鍵にそれに関連する値があります。
(これより後で紹介するように) 連想アレイは通常複数のプローブで処理されるので、SystemTap スクリプトでは
global
変数として宣言されるべきです。連想アレイ内の要素にアクセスする構文は awk
の構文と似ており、以下のようになります。
array_name[index_expression]
ここで
array_name
は、アレイが使用する任意の名前です。index_expression
は、アレイ内の特定の一意の鍵を見るために使用されます。例として、tom
、dick
、および harry
という 3 人の年齢 (一意の鍵) を指定する、foo
という名前のアレイを構築してみましょう。以下のアレイステートメントを使用して、3 人にそれぞれ 23、24、25 という年齢 (関連する値) を割り当てることができます。
例3.11 基本的なアレイステートメント
foo["tom"] = 23 foo["dick"] = 24 foo["harry"] = 25
アレイステートメント内では最大 9 つのインデックス式を指定することができ、それぞれをコンマ (
,
) で区切ります。これは、鍵に複数の情報が含まれる場合に便利です。disktop.stp からの以下の行では、プロセス ID、実行可能ファイル名、ユーザー ID、親プロセスの ID、および文字列「W」という 5 つの要素を使用しています。ここでは、devname
の値を鍵に関連付けています。
device[pid(),execname(),uid(),ppid(),"W"] = devname
重要
連想アレイは、単一プローブで使用されるか複数プローブで使用されるかに関わらず、すべてを
global
と宣言する必要があります。