6.2. Red Hat Ceph Storage 7.1z1
Red Hat Ceph Storage リリース 7.1z1 が利用可能になりました。この更新に含まれるバグ修正は、RHBA-2024:5080 および RHBA-2024:5081 アドバイザリーに記載されています。
6.2.1. 既知の問題
このセクションでは、Red Hat Ceph Storage の今回リリースで見つかった既知の問題を説明します。
6.2.1.1. Build
RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード中に、クラスターキーと特定の設定ディレクトリーが削除されます。
libunwind
パッケージの RHEL 8 非推奨のため、RHEL 9 にアップグレードするとこのパッケージは削除されます。ceph-common
パッケージは libunwind
パッケージに依存しているため、同様に削除されます。ceph-common
パッケージを削除すると、クラスターキーと、/etc/ceph
および /var/log/ceph
ディレクトリー内の特定の設定が削除されます。
その結果、さまざまなノード障害が発生する可能性があります。/etc/ceph
パッケージ
が削除されたことが原因で、一部のノードで Ceph 操作が機能しない可能性があります。また、/var/log/ceph パッケージが削除されたため、ノード上の Ceph サービスで systemd と Podman を起動できません。
回避策として、libunwind
パッケージが削除されないように LEAPP を設定します。完全な手順は、Red Hat カスタマーポータルの Upgrading RHCS 5 hosts from RHEL 8 to RHEL 9 removes ceph-common packageServices fail to start を参照してください。
6.2.2. 機能拡張
このセクションでは、Red Hat Ceph Storage のこのリリースで導入された機能拡張を説明します。
6.2.2.1. Ceph File System
レプリケーション開始/終了通知のメトリクスのサポート。
今回の機能拡張により、Replication Start/End 通知のメトリクスサポートが提供されるようになりました。これらのメトリクスは、データレプリケーションのモニタリングロジックを有効にします。
今回の機能拡張により、ラベル付きメトリクス( last_synced_start
、last_synced_end
、last_synced_duration
、last_synced_bytes
)が提供されます。
6.2.2.2. RADOS
外部エンティティーのクラスターログレベルの詳細を制御する新しい mon_cluster_log_level
コマンドオプション
以前は、デバッグの詳細度ログは、レベル設定に関係なく、すべての外部ロギングシステムに送信されていました。その結果、/var/
ファイルシステムはすぐにいっぱいになります。
今回の機能拡張により、mon_cluster_log_file_level
および mon_cluster_log_to_syslog_level
コマンドのオプションが削除されました。このリリースから、新規の汎用の mon_cluster_log_level
コマンドオプションのみを使用して、クラスターログファイルとすべての外部エンティティーのクラスターログレベルの詳細レベルを制御します。