第4章 Ceph Orchestrator を使用したモニターの管理
ストレージ管理者は、配置仕様を使用して追加のモニターをデプロイし、サービス仕様を使用してモニターを追加し、サブネット設定にモニターを追加し、特定のホストにモニターを追加できます。さらに、Ceph Orchestrator を使用してモニターを削除できます。
デフォルトでは、一般的な Red Hat Ceph Storage クラスターには、3 つまたは 5 つのモニターデーモンが異なるホストにデプロイされます。
Red Hat は、クラスターに 5 つ以上のノードがある場合に、5 つのモニターをデプロイすることを推奨します。
Red Hat では、Ceph を OSP director とともにデプロイする場合、3 つのモニターをデプロイすることを推奨します。
Ceph は、クラスターの拡大とともにモニターデーモンを自動的にデプロイし、クラスターの縮小とともにモニターデーモンを自動的にスケールバックします。このような自動拡大および縮小のスムーズな実行は、適切なサブネット設定によります。
モニターノードまたはクラスター全体が単一のサブネットにある場合、Cephadm は新規ホストをクラスターに追加する際に最大 5 つのモニターデーモンを自動的を追加します。Cephadm は、新しいホストでモニターデーモンを自動的に設定します。新しいホストは、ストレージクラスターのブートストラップされたホストと同じサブネットにあります。
Cephadm はストレージクラスターのサイズの変更に対応するようモニターをデプロイし、スケーリングすることもできます。
4.1. Ceph Monitor
Ceph Monitor は、ストレージクラスターマップのマスターコピーを維持する軽量プロセスです。すべての Ceph クライアントは Ceph モニターに問い合わせ、ストレージクラスターマップの現在のコピーを取得し、クライアントがプールにバインドし、読み取りと書き込みを可能にします。
Ceph Monitor は Paxos プロトコルのバリエーションを使用して、ストレージクラスター全体でマップやその他の重要な情報について合意を確立します。Paxos の性質上、Ceph は、クォーラムを確立するためにモニターの大部分を実行する必要があり、合意を確立します。
Red Hat では、実稼働クラスターのサポートを受け取るために、別のホストで少なくとも 3 つのモニターが必要になります。
Red Hat は、奇数のモニターをデプロイすることを推奨します。奇数の Ceph Monitors は、偶数のモニターよりも障害に対する回復力が高くなっています。たとえば、2 つのモニターデプロイメントでクォーラムを維持するには、Ceph は障害を許容できません。3 つのモニターでは障害を 1 つ、4 つのモニターでは障害を 1 つ、5 つのモニターでは障害を 2 つ許容します。このため、奇数も推奨されています。要約すると、Ceph は、モニターの大部分 (3 つのうち 2 つ、4 つのうち 3 つなど) が実行され、相互に通信できるようにする必要があります。
マルチノードの Ceph ストレージクラスターの初回のデプロイには、Red Hat では 3 つのモニターが必要です。3 つ以上のモニターが有効な場合には、一度に数を 2 つ増やします。
Ceph Monitor は軽量であるため、OpenStack ノードと同じホストで実行できます。ただし、Red Hat は、別のホストでモニターを実行することを推奨します。
Red Hat は、コンテナー化された環境における Ceph サービスを共存させることのみをサポートしています。
ストレージクラスターからモニターを削除する場合、Ceph Monitor は Paxos プロトコルを使用して、マスターストレージクラスターマップに関する合意を確立することを検討してください。クォーラムを確立するには、十分な数の Ceph モニターが必要です。
関連情報
- サポートされているすべての Ceph 設定については、ナレッジベースアーティクル Red Hat Ceph Storage でサポートされる設定 を参照してください。