第5章 Red Hat Developer Hub での高可用性の設定
高可用性 (HA) とは、システムの設計手法の 1 つであり、単一障害点を排除することで、個々のコンポーネントに障害が発生してもサービスが継続的に利用できるようにします。ダウンタイムを最小限に抑え、運用継続性を維持する冗長性およびフェイルオーバーメカニズムが導入されています。
Red Hat Developer Hub は、Red Hat OpenShift Container Platform および Azure Kubernetes Service での HA デプロイメントをサポートします。HA デプロイメントにより、サポートされている環境全体で、より回復力があり信頼性の高いサービスの可用性が実現します。
単一インスタンスのデプロイメントでは、ソフトウェアのクラッシュ、ハードウェアの問題、その他の予期しない中断などにより障害が発生すると、サービス全体が利用できなくなり、開発ワークフローや主要リソースへのアクセスが中断されます。
HA を有効にすると、バックエンドレプリカの数をスケーリングして冗長性を持たせることができます。この設定により、1 つの Pod またはコンポーネントに障害が発生しても、他の Pod またはコンポーネントが中断することなくリクエストの処理を継続できるようになります。組み込みロードバランサーは Ingress トラフィックを管理し、利用可能な Pod 全体に負荷を分散します。一方、RHDH バックエンドは同時リクエストを管理し、リソースレベルの競合を効果的に解決します。
管理者は、設定ファイル内のレプリカ値を調整することで、高可用性を設定できます。
-
Operator を使用してインストールした場合は、
Backstage
カスタムリソースにレプリカ値を設定します。 - Helm チャートを使用した場合は、Helm 設定でレプリカ値を設定します。
5.1. Red Hat Developer Hub Operator デプロイメントでの高可用性の設定
Operator を使用してデプロイされた RHDH インスタンスは、Backstage
カスタムリソース内の設定を使用します。Backstage
カスタムリソースでは、replicas
フィールドのデフォルト値は 1
です。RHDH インスタンスを高可用性用に設定する場合は、replicas
を 1
より大きい値に設定する必要があります。
手順
Backstage
カスタムリソースで、replicas
を1
より大きい値に設定します。以下に例を示します。apiVersion: rhdh.redhat.com/v1alpha3 kind: Backstage metadata: name: <your_yaml_file> spec: application: ... replicas: <replicas_value> ...
apiVersion: rhdh.redhat.com/v1alpha3 kind: Backstage metadata: name: <your_yaml_file> spec: application: ... replicas: <replicas_value>
1 ...
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- 設定する必要があるバックアップインスタンスの数に基づいてレプリカの数を設定します。