17.4. 特定のインターフェイスを介して DNS トラフィックをルーティングする


NetworkManager は、システム内の DNS サーバーを設定するためのさまざまなメカニズムをサポートしています。これには、/etc/resolv.conf ファイルへの設定の追加や、systemd-resolveddnsmasqdnsconfd などの DNS サービスの設定が含まれます。

接続プロファイルに記載されている各 DNS サーバーは、特定のネットワークインターフェイスに関連付けられています。DNS バックエンドサービス systemd-resolved および dnsmasq により、各 DNS ネームサーバーは正しいネットワークインターフェイス経由でのみアクセス可能になります。ただし、他のバックエンドサービスではこの機能はサポートされていません。これに関連して、NetworkManager には、各ネームサーバーに正しいインターフェイス経由でのみアクセスできるように専用ルートを自動的に追加する機能があります。この機能を使用するには、ipv4.routed-dns および ipv6.routed-dns プロパティーを設定します。

サンプルシナリオ:

  • 接続プロファイル 1 <example-connection-1>:

    • デフォルトケートウェイ: 192.0.2.254
    • DNS サーバー: 10.0.0.1
    • 検索ドメイン: example-domain.com
  • 接続プロファイル 2 <example-connection-2> :

    • デフォルトゲートウェイ: 198.51.100.254 (このゲートウェイは 10.0.0.0/24 ネットワークにアクセスできません)
    • DNS サーバー: 203.0.113.1

この例では、enp1s0 および enp7s0 ネットワークインターフェイスを介して接続される <example-connection-1><example-connection-2> の 2 つの接続プロファイルがあります。2 番目のプロファイル <example-connection-2> が最初に接続された場合、この接続のデフォルトゲートウェイ 198.51.100.254 のメトリクスの方が引っ杭ため、最初のプロファイルよりも優先されます。その結果、RHEL は最初のプロファイルの DNS サーバー 10.0.0.1 に接続する際に、2 番目の接続のデフォルトゲートウェイを使用します。その結果、DNS 解決は失敗します。この問題を解決するには、両方の接続プロファイルに対して ipv4.routed-dns 設定を有効にして、NetworkManager が正しいインターフェイス (この場合は enp1s0) を介して 10.0.0.1 DNS サーバーの専用ルートを作成するようにします。

前提条件

  • 接続プロファイルがある。

手順

  1. ネームサーバーへのルートの作成を有効にするために、接続プロファイルを変更します。

    1. 接続プロファイル 1 の場合は、次のように入力します。

      # nmcli connection modify <example-connection-1> ipv4.routed-dns yes
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    2. 接続プロファイル 2 の場合は、次のように入力します。

      # nmcli connection modify <example-connection-2> ipv4.routed-dns yes
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  2. 接続を再度有効にします。

    # nmcli connection up <example-connection-1>
    
    # nmcli connection up <example-connection-2>
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検証

  • IP アドレスに到達するためのルートを表示します。

    # ip route get 203.0.113.1
    203.0.113.1  dev  enp1s0  table  20053  src  10.0.0.1  uid  0
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    このコマンドは、ネームサーバーに正しいインターフェイス経由でアクセスしているかどうかを確認し、DNS サーバーのすべてのルートを特別なルーティングテーブル 20053 に配置するポリシールーティングメソッドを使用します。

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