8.4. GNOME での特殊文字の使用


GNOME では、コンポーズキーを使用して、キーボードで使用できない文字も含め、さまざまな言語や記号セットの特殊文字を入力できます。さまざまな言語や記号セットの特殊文字を入力および表示できるため、GNOME ではさまざまな文字セットを簡単に操作できます。

このような特殊文字を入力するには、キーボードの既存のキーの 1 つをコンポーズキーとして定義します。コンポーズキーを有効にすると、複数のキーを特定の順序で押すことで、特殊文字や記号を入力できるようになります。

8.4.1. 個々のユーザーのコンポーズキーを有効にする

ユーザーとしてログインしているときに、設定メニューからコンポーズキーを有効にできます。

手順

  1. 画面の左上隅にある Activities ボタンをクリックします。
  2. Settings と入力し、Settings アイコンをクリックして Settings アプリケーションを開きます。
  3. Settings ウィンドウで、左側のサイドバーにある Keyboard をクリックします。
  4. 下にスクロールして、Compose Key オプションを選択します。
  5. スライダーを切り替えて、Compose Key を有効にします。
  6. コンポーズキーとして使用するキーを選択します。
  7. コンポーズキーを選択したら、Settings ウィンドウを閉じます。

これで、コンポーズキーが有効になります。コンポーズキーを押してから対応する一連のキーを押すことで、特殊文字や記号を入力できます。

特殊文字の作成に使用できるマルチキーシーケンスを確認するには、次のコマンドを使用します。

$ grep "<Multi_key>" /usr/share/X11/locale/en_US.UTF-8/Compose
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検証

  • コンポーズキーを押して、入力する特殊文字の一連のキーを入力します。たとえば、© と入力するには、コンポーズキー を押してから oc を押します。

8.4.2. 別のユーザーのコンポーズキーを有効にする

gsettings ユーティリティーを使用して、別のユーザーのコンポーズキーを有効にできます。

前提条件

  • 管理アクセスがある。

手順

  1. すべてのクライアントが X サーバーに接続できるようにします。

    # xhost +
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  2. 次のコマンドを実行してコンポーズキーを設定します。

    # su - <username> -c "gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options \"['compose:<compose_key>']\""
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    <username> は、コンポーズキーを有効にするユーザーのユーザー名に置き換えます。<compose_key> は、コンポーズキーとして使用するキーに置き換えます。ralt オプションを使用すると、右の Alt キーをコンポーズキーとして選択できます。

    キーボードにコンポーズキーを設定するのに使用できる他のコンポーズキーオプションを表示するには、次のコマンドを使用します。

    $ grep compose /usr/share/X11/xkb/rules/evdev.lst
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  3. アクセス制御をリセットします。

    # xhost -
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検証

  • 別のユーザーのコンポーズキー設定を確認するには、次のコマンドを使用します。

    # su - <username> -c "gsettings get org.gnome.desktop.input-sources xkb-options"
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    <username> は、コンポーズキー設定を確認するユーザーのユーザー名に置き換えます。

8.4.3. すべてのユーザーのコンポーズキーを有効にする

dconf 設定ファイルを作成することで、すべてのユーザーのコンポーズキーを有効にできます。

前提条件

  • 管理アクセスがある。

手順

  1. 次の内容で /etc/dconf/db/local.d/00-compose-key 設定ファイルを作成します。

    [org/gnome/desktop/input-sources]
    xkb-options=['compose:<compose_key>']
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    <compose_key> は、コンポーズキーとして使用するキーに置き換えます。ralt オプションを使用すると、右の Alt キーをコンポーズキーとして選択できます。

    キーボードにコンポーズキーを設定するのに使用できる他のコンポーズキーオプションを表示するには、次のコマンドを使用します。

    $ *grep compose /usr/share/X11/xkb/rules/evdev.lst*
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  2. 新しい設定で dconf データベースを更新します。

    # *dconf update*
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  3. 変更を有効にするには、システムを再起動するか、ログアウトして GNOME セッションに再度ログインします。

これで、システムの全ユーザーのコンポーズキーが有効になります。コンポーズキーを押してから対応する一連のキーを押すことで、特殊文字や記号を入力できます。

検証

  • コンポーズキーを押して、入力する特殊文字の一連のキーを入力します。たとえば、© と入力するには、コンポーズキー を押してから oc を押します。

8.4.4. 特殊文字用のコンポーズキーのシーケンス

次の表は、GNOME でダイアクリティカルマークまたはアクセント記号を含む特殊文字を入力するために使用するコンポーズキーのシーケンスを示しています。各行に、コンポーズキーのシーケンスと対応する結果が表示されています。

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表8.2 特殊文字用のコンポーズキーのシーケンス
コンポーズキーのシーケンス結果

Compose+'+文字

アキュートアクセント付きの文字 (é、á、ñ)

Compose+`+文字

グレイヴアクセント付きの文字 (è、ù、ò)

Compose+"+文字

ウムラウトまたは分音符付きの文字 (ë、ö、ü)

Compose+-+文字

マクロン付きの文字 (ā、ē、ō)

Compose+/+文字

ストロークまたはダイアクリティカルマーク付きの文字 (ø、ł、ǿ)

Compose+=+文字

二重アキュートアクセント付きの文字 (ő、ű、ȁ)

Compose+.+文字

上ドット付きの文字 (ȧ、ċ、ḋ)

Compose+,+文字

セディージャ付きの文字 (ç、ş、ņ)

Compose+^+文字

曲折アクセント付きの文字 (â、ê、î)

Compose+~+文字

チルダアクセント付きの文字 (ã、ñ、õ)

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