第8章 コンパイラーとツール
SystemTap
SystemTap は、トレーシング/プロービングツールです。このツールによりユーザーは、オペレーティングシステム (特にカーネル) のアクティビティの詳細な調査と監視を行うことができます。SystemTap は、netstat、ps、top、iostat などのツールの出力と同様の情報を提供します。ただし、SystemTap は、収集した情報に対して、より多くのフィルタリングと分析オプションを提供するよう設計されています。
Red Hat Enterprise Linux 5.8 では、SystemTap がバージョン 1.6 に更新されました。
- 名前にハイフン ("
-
") が付いたカーネルモジュール (例:i2c-core
) が適切に処理されるようになりました。 process.mark
は、プローブパラメーターを読み取るための$$parms
をサポートするようになりました。- SystemTap compile-server および client の動作が、以下のように改善、簡素化されました。
- compile-server がスクリプトビルドの結果をキャッシュできるようになり、パフォーマンスが向上しました。
- compile-server と client が通信を行い、バージョン情報を交換して、通信プロトコルを適宜に調整し、可能な限り最新バージョンのサーバーを使用します。
- 非推奨ツールである stap-client、stap-authorize-server-cert、stap-authorize-signing-cert、stap-find-or-start-server、stap-find-servers は削除されました。
- リモート実行で、
--remote USER@HOST
関数を複数回指定できるようになりました。これにより、カーネルとアーキテクチャーの個別の設定用スクリプトが自動的にビルドされ、指定した全マシンでスクリプトが一度に実行されます。 - staprun ユーティリティにより、同じスクリプトの複数のインスタンスを同時に実行できるようになりました。
- 新たな
tz_ctime()
関数により、ローカルタイムゾーンの時刻が出力されるようになりました。 - 軽量な近似的タイムキーピングのための
HZ()
およびjiffies()
関数が新たに追加されました。