第11章 全般的な更新
Red Hat Enterprise Linux 5.8 では、GhostScript バージョン を 9.01 にアップグレードすることにより、PDF/A—Portable Document Format の ISO 標準バージョン— のサポートが強化されました。
httpd
の connectiontimeout
パラメーター
バックエンドへの接続作成が完了するまでにサービスが待機する必要のある時間を指定するための新たな connectiontimout
パラメーターが httpd
サービスに追加されました。このパラメーターを指定することにより、Apache を介して負荷分散を使用する場合に、クライアントに伝達されるタイムアウトエラー数が大幅に削減されます。
reload
オプション
iptables
サービスに reload
オプションが追加され、モジュールをアンロード/リロードしたり、確立済みの接続を切断するすることなく iptables ルールを更新できるようになりました。
Red Hat Enterprise Linux 5.8 では、RPM は xz パッケージを利用して、LZMA の暗号化を使用したパッケージの圧縮/解凍処理を行います。
Red Hat Enterprise Linux 5.8 では、新たな python-ctypes パッケージが追加されました。python-ctypes は、Python で C データ型の作成や操作を行う Python モジュールで、Dynamic Link Libraries (DLL) または共有ライブラリ内の関数を呼び出します。このパッケージにより、純粋な Python で、これらのライブラリをラッピングすることが可能となりました。このパッケージは、iotop ユーティリティの依存関係として機能します。
Red Hat Enterprise Linux 5.8 では、unixODBC64 パッケージを通して、unixODBC の新たな 64-bit バージョンが追加されました。また、unixODBC64 パッケージに加えて、特定のデータベースをサポートする mysql-connector-odbc64 および postgresql-odbc64 の 2 つのパッケージも追加されました。サードパーティー製の ODBC ドライバーと相互運用する必要のあるユーザーは、unixODBC64 パッケージをインストールした上で、必要な場合には postgresql-odbc64 および/または mysql-connector-odbc64 パッケージをインストールすることを推奨します。
新たな iotop ユーティリティが追加されました。iotop は、top ユーティリティと同様のユーザーインターフェースを採用した Python プログラムで、実行中のプロセスの I/O 操作の継続的な統計を表示するのに使用します。
Red Hat Enterprise Linux 5.8 は、gcc44 でコンパイルを行う際に BD 命令を使用することができる、新たな binutils220 パッケージを提供します。これによりユーザーは、AMD Bulldozer CPU 機能を活用したプログラムを構築することができます。
httpd
サービスの再起動
httpd パッケージのアップグレード後に、httpd
サービスが自動的に再起動されるようになりました。
curl ユーティリティには、Kerberos 認証を使用したリモートマシンとの通信を行うためのネゴシエートプロキシのサポートが追加されました。
ssl_request_cert
オプション
vsftpd パッケージに ssl_request_cert
オプションが追加され、クライアントの証明書チェックを無効にできるようになりました。このオプションが有効化されていると、vsftpd は、着信 SSL 接続に対して証明書を要求します (ただし、これは必須ではありません)。このオプション (/etc/vsftpd/vsftpd.conf
ファイル内) のデフォルトの設定は Yes
です。
hwdata パッケージには、ハードウェアの ID と設定データにアクセスして表示するためのツールが含まれています。以下にあげるハードウェアのデバイス ID が追加されました。
- Intel Core i3、i5、i7 およびその他のプロセッサー (旧コード名: "Sandy Bridge")
- 最新の HP Integrated Lights-Out 4 (iLO) デバイス
- Atheros 3x3 a/g/n (Madeira) ワイヤレス LAN