第25章 ストレージ


SCSI 向けのマルチキュー I/O スケジューリング

Red Hat Enterprise Linux 7.2 には、blk-mq と呼ばれるブロックデバイス用の新しいマルチキュー I/O スケジューリングメカニズムが含まれています。scsi-mq パッケージにより、Small Computer System Interface (SCSI) サブシステムが、この新しいキューイングメカニズムを利用できるようになります。この機能はテクノロジープレビューのため、デフォルトでは有効になっていません。有効にする場合は scsi_mod.use_blk_mq=Y をカーネルコマンドラインに追加します。

LVM ロックインフラストラクチャーの改善

lvmlockd は、LVM の次の世代ロックインフラストラクチャーです。これにより、dlm または sanlock ロックマネージャーを使用して、LVM が複数のホストから共有ストレージを安全に管理できます。Sanlock を使用すると、lvmlockd は、クラスターインフラストラクチャー全体を使用せずに、ストレージベースのロックを介してホストを調整できます。詳細は、lvmlockd(8) man ページを参照してください。

libStorageMgmt API の Targetd プラグイン

Red Hat Enterprise Linux 7.1 から、ストレージアレイから独立した API である libStorageMgmt を使用したストレージアレイの管理が完全サポートされています。提供される API は安定性と整合性を備え、開発者は異なるストレージアレイをプログラム的に管理し、ハードウェアアクセラレーション機能を使用できます。また、システム管理者は libStorageMgmt を使用して手動でストレージを設定したり、コマンドラインインターフェイスを使用してストレージ管理タスクを自動化したりできます。
Targetd プラグインは完全サポートされず、引き続きテクノロジープレビューとして提供されます。

DIF/DIX

DIF/DIX は、SCSI 標準に新しく追加されたものです。これは、Red Hat Enterprise Linux 7.2 で、機能 の章で指定されている HBA およびストレージアレイに対して完全にサポートされていますが、その他の HBA およびストレージアレイについてはテクノロジープレビューのままとなっています。
DIF/DIX により DIF (Data Integrity Field) が追加され、一般的に使用される 512 バイトのディスクブロックのサイズが 520 バイトに増えます。DIF は、書き込みの発生時に HBA (Host Bus Adapter) により算出されるデータブロックのチェックサム値を保存します。その後、受信時にストレージデバイスがチェックサムを確認し、データとチェックサムの両方を保存します。読み取りが発生すると、チェックサムが、ストレージデバイス、および受信する HBA により検証されます。
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