1.2. ベースイメージの理解
本セクションでは、事前設定されたベースイメージおよびその設定を使用する方法を説明します。
1.2.1. カスタムベースイメージの使用
仮想マシンを手動で設定するには、ベース (スタートアップ) 仮想マシンイメージで開始します。ベース仮想マシンイメージを作成したら、設定設定を変更して、仮想マシンがクラウドで動作するために必要なパッケージを追加できます。イメージのアップロード後に、特定のアプリケーションに追加の設定変更を行うことができます。
RHEL の Hyper-V クラウドイメージを準備するには、Hyper-V Manager から RHEL 7 仮想マシンの準備 を参照してください。
1.2.2. 必要なシステムパッケージ
本章の手順では、Red Hat Enterprise Linux を実行しているホストシステムを使用していることを前提としています。この手順を正常に行うには、ホストシステムに以下のパッケージをインストールする必要があります。
パッケージ | 詳細 | コマンド |
---|---|---|
qemu-kvm | このパッケージは、ユーザーレベルの KVM エミュレーターを使用し、ホストとゲスト仮想マシン間の通信を容易にします。 |
|
qemu-img | このパッケージは、ゲスト仮想マシンのディスク管理を提供します。qemu-img パッケージは qemu-kvm パッケージの依存関係としてインストールされます。 | |
libvirt | このパッケージは、ハイパーバイザーおよびホストシステムと対話するためにサーバーおよびホスト側のライブラリーを提供し、ライブラリー呼び出しの処理、仮想マシンの管理およびハイパーバイザーの制御を行う libvirtd デーモンも提供します。 |
パッケージ | 詳細 | コマンド |
---|---|---|
virt-install |
このパッケージは、コマンドラインからの仮想マシンを作成するために |
|
libvirt-python | このパッケージは、Python プログラミング言語で書かれているアプリケーションが libvirt API で提供されるインターフェイスを使用できるようにするモジュールが含まれています。 | |
virt-manager | このパッケージには、仮想マシンマネージャー (VMM) と呼ばれる virt-manager ツールが含まれます。VMM は、仮想マシンを管理するためのグラフィカルツールです。管理 API として libvirt-client ライブラリーを使用します。 | |
libvirt-client |
このパッケージは、libvirt サーバーにアクセスするためのクライアント側の API とライブラリーを提供します。libvirt-client パッケージには、コマンドラインまたは特別な仮想化シェルから仮想マシンとハイパーバイザーを管理および制御する |
関連情報
1.2.3. Azure VM 設定
Azure 仮想マシンには、以下の設定設定が必要です。設定の一部は、最初の仮想マシン作成時に有効になります。Azure 用の仮想マシンイメージのプロビジョニング時に、その他の設定が設定されます。エラーが発生する場合に、手順を進める時に、必要に応じてこの手順を再度参照してください。
設定 | 推奨事項 |
---|---|
ssh |
Azure VM へのリモートアクセスを確立するには、 |
dhcp | プライマリー仮想アダプターは、dhcp (IPv4 のみ) 用に設定する必要があります。 |
swap 領域 | 専用 swap ファイルまたは swap パーティションは作成しないでください。Windows Azure Linux Agent (WALinuxAgent) を使用してスワップ領域を設定できます。 |
NIC | プライマリー仮想ネットワークアダプター用に virtio を選択します。 |
暗号化 | カスタムイメージで RHEL 7.5 以降を実行している場合には、Azure で完全なディスク暗号化に Network Bound Disk Encryption (NBDE) を使用します。NBDE は、RHEL 7.5 以降でのみサポートされます。 |
1.2.4. ISO イメージからのベースイメージの作成
以下の手順は、カスタム ISO イメージ作成の手順と初期設定の要件を示しています。イメージを設定したら、このイメージを、追加の仮想マシンインスタンスを作成するためのテンプレートとして使用できます。
手順
- Red Hat カスタマーポータル から最新の Red Hat Enterprise Linux 7 Binary DVD ISO イメージをダウンロードします。
- 仮想化用のホストマシンを有効にしていることを確認します。詳細および手順は、仮想化スタートガイド を参照してください。
基本的な Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンを作成し、起動します。手順は、仮想化コマンドラインインターフェイスの使用 を参照してください。
コマンドラインを使用して仮想マシンを作成する場合は、デフォルトのメモリーと CPU を仮想マシンの容量に設定するようにしてください。仮想ネットワークインターフェイスを virtio に設定します。
基本的なコマンドラインの例を以下に示します。
virt-install --name isotest --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=8,bus=virtio --location rhel-7.0-x86_64-dvd.iso --os-variant=rhel7.0
VMM アプリケーションを使用して仮想マシンを作成する場合は、仮想マシンマネージャーの使用 の手順を行います。以下の点に注意してください。
- 仮想マシンをすぐに起動 は選択しないでください。
- メモリー と ストレージのサイズ を、希望の設定に変更します。
- インストールを開始する前に、仮想ネットワークインターフェイス設定 で モデル を virtio に変更し、vCPUs を仮想マシンの容量設定に変更していることを確認します。
以下の追加インストールの選択と変更を確認します。
- 標準 RHEL オプションを使用して 最小インストール を選択します。
インストール先 で、カスタムストレージ設定 を選択します。以下の設定情報を使用して選択を行います。
- /boot で、500 MB 以上であることを確認してください。
- ファイルシステムの場合は、boot パーティションおよび root パーティションの両方に xfs、ext4、ext3 のいずれかを使用します。
- swap 領域を削除します。swap 領域は、WALinuxAgent により Azure 内の物理ブレードサーバー上で設定されます。
- インストール概要 画面で、ネットワークおよびホスト名 を選択します。イーサネット を オン に切り替えます。
インストール開始時に、以下を行います。
-
root
のパスワードを作成します。 - 管理者ユーザーアカウントを作成します。
-
- インストールが完了したら、仮想マシンを再起動して root アカウントにログインします。
-
root
でログインしたら、イメージを設定できます。