2.9. デスクトップ
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 との間でなされたサポート対象のデスクトップユーザー環境の変更概要について説明しています。
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 での新デスクトップ環境でユーザーが予期する主な変更点のみ説明されています。詳細については、デスクトップ移行および管理ガイドを参照してください。
2.9.1. 新たなデフォルトのデスクトップ環境 (GNOME クラシック)
GNOME クラシックは、Red Hat Enterprise Linux 7 における GNOME 3 デスクトップ環境のデフォルトセッションです。この環境は、GNOME 3 デスクトップ環境への拡張セットとして提供されており、慣れ親しんだ GNOME 2 のルックアンドフィールを維持している一方で、強力な新機能が含まれています。
GNOME クラシックのユーザーインターフェイスは、以下の 2 つの主要コンポーネントで設定されています。
- トップバー
画面最上部にあるこのバーは、アプリケーションと場所メニューを表示します。
アプリケーションメニューからは、システム上のアプリケーションにアクセスできます。アプリケーションは、いくつものカテゴリーに分けられています。このメニューからは新しい
アクティビティー画面
にもアクセスでき、ここでは開いているウィンドウ、ワークスペース、メッセージ、システム通知を簡単に見ることができます。場所メニューは、トップバーのアプリケーションメニューの横に表示されます。ユーザーは、ここから
ダウンロード
、写真
などの重要なディレクトリーに簡単にアクセスできます。
- タスクバー
- タスクバーは画面の一番下に表示され、ウィンドウ一覧や通知アイコン、現在のワークスペースのショート ID、利用可能なワークスペースの合計数を表示します。
GNOME クラシックとその機能の完全なガイド、および Red Hat Enterprise Linux 7 で利用可能なその他のデスクトップ環境については、デスクトップ移行および管理ガイドを参照してください。
2.9.2. 新デスクトップ環境 (GNOME 3)
Red Hat Enterprise Linux 7 では、GNOME 3 デスクトップ環境の GNOME 3 セッションもサポートしています。この環境は、使いやすく、ユーザーの生産性を高める設計になっています。オンラインドキュメントストレージサービス、カレンダー、連絡先とのすぐれた統合機能を提供しているので、いつも最新情報にアクセスできます。
GNOME 3 のユーザーインターフェイスは 3 つの主要コンポーネントで設定されています。
- トップバー
-
画面最上部にあるこの水平のバーからは、
アクティビティー画面
、時計、カレンダー、システムステータスアイコン、システムメニューなど、GNOME Shell の基本的な機能にアクセスできます。
- アクティビティー画面
-
アクティビティー画面
では、開いているウィンドウやワークスペース、メッセージ、システム通知を簡単に見ることができます。検索バーは、ファイルをみつけたり、アプリケーションを起動したり、設定ツールを開いたりするのに最も簡単な方法です。左側のダッシュにはお好みのアプリケーションが表示されるので、よく使うツールにすばやくアクセスすることができます。
- メッセージトレイ
- メッセージトレイは、画面の一番下の水平バーに表示されます。保留中の通知を表示するので、常にシステムに何が起きているのかが分かります。
GNOME 3 とその機能の完全なガイド、および Red Hat Enterprise Linux 7 で利用可能なその他のデスクトップ環境については、デスクトップ移行および管理ガイドを参照してください。
2.9.3. KDE Plasma ワークスペース (KDE)
Red Hat Enterprise Linux 7 は、KDE Plasma ワークスペース (KDE) バージョン 4.10 を提供しています。これは、以前は K デスクトップ環境と呼ばれていました。KDE のこの更新バージョンには、以下のものを含む多くの機能強化が含まれています。
- 洗練された一貫性のあるルックアンドフィールのデフォルトの Oxygen スタイル。
- パネルに進行状況が視覚的に表示される更新版通知システム (スピードグラフを伴う移動かつ閉鎖可能な通知)。
- ワークスペース設定が システム設定 で可能になりました。
- Activity Manager がアクティビティーを追加、削除、保存、復元でき、アクティビティー間でスイッチする機能を提供します。
- コアおよびユーザーインターフェイス要素が最適化され、パフォーマンスが向上します。
- シンプルなユーザーインターフェイスと容易なプロファイルスイッチングのある適応型電源管理。
- プリンター設定を簡素化し、正確な印刷ステータスをすばやく提供する新しい Print Manager。
- ナビゲーションボタンやタブブラウズが可能で、メタデータ処理が改善された更新版 Dolphin File Manager。
- タブ、ウィンドウコントロール、および相互運用性が改善された更新版端末エミュレーター (Konsole)。
- 新たなディスプレイマネジャーの KScreen。これは、解像度や相対的位置を含むディスプレイ設定を自動的に記憶し、復元できるものです。
- 新アプレットの Plasma Network Manager は、ネットワーク制御とネットワーク接続設定を容易にします。
ただし、Kmail は Red Hat Enterprise Linux 7 に含まれていないことに注意してください。