5.6.15. セキュリティー


libselinux-python は、そのモジュールからのみ利用可能

libselinux-python パッケージには、SELinux アプリケーション開発用の Python 2 バインディングのみが含まれ、後方互換性に使用されます。このため、libselinux-python コマンドを使用して、デフォルトの RHEL 8 リポジトリーで dnf install libselinux-python コマンドが利用できなくなりました。

この問題を回避するには、libselinux-python モジュールおよび python27 モジュールの両方を有効にし、以下のコマンドで libselinux-python パッケージとその依存関係をインストールします。

# dnf module enable libselinux-python
# dnf install libselinux-python

または、1 つのコマンドでインストールプロファイルを使用して libselinux-python をインストールします。

# dnf module install libselinux-python:2.8/common

これにより、各モジュールを使用して libselinux-python をインストールできます。

(BZ#1666328)

libssh がシステム全体の暗号化ポリシーに準拠しない

libssh ライブラリーは、システム全体の暗号化ポリシー設定には従いません。これにより、管理者が、update-crypto-policies コマンドを使用して暗号ポリシーレベルを変更しても、対応しているアルゴリズムのセットは変更しません。

この問題を回避するには、libssh を使用するアプリケーションごとに、公開された一連のアルゴリズムを個別に設定する必要があります。これにより、システムがポリシーレベルの LEGACY または FUTURE に設定されていると、OpenSSH と比較したときに、libssh を使用するアプリケーションの動作が矛盾します。

(BZ#1646563)

特定の rsyslog 優先度の文字列が正常に動作しない

imtcpGnuTLS 優先度文字列を設定して、完成していない暗号化をきめ細かく制御できるようになりました。したがって、rsyslog では、以下の優先文字列が正常に動作しません。

NONE:+VERS-ALL:-VERS-TLS1.3:+MAC-ALL:+DHE-RSA:+AES-256-GCM:+SIGN-RSA-SHA384:+COMP-ALL:+GROUP-ALL

この問題を回避するには、正しく機能する優先度文字列のみを使用します。

NONE:+VERS-ALL:-VERS-TLS1.3:+MAC-ALL:+ECDHE-RSA:+AES-128-CBC:+SIGN-RSA-SHA1:+COMP-ALL:+GROUP-ALL

したがって、現在の設定は、正しく機能する文字列に限定する必要があります。

(BZ#1679512)

デフォルトのロギング設定がパフォーマンスに与える悪影響

デフォルトのログ環境設定は、メモリーを 4 GB 以上使用する可能性があり、rsyslogsystemd-journald を実行している場合は、速度制限値の調整が複雑になります。

詳細は、ナレッジベースの記事 Negative effects of the RHEL default logging setup on performance and their mitigations を参照してください。

(JIRA:RHELPLAN-10431)

OpenSCAPrpmverifypackage が正常に動作しない

rpmverifypackage プローブにより、システムコール chdir および chroot が 2 回呼び出されます。これにより、カスタムの OVAL (Open Vulnerability and Assessment Language) コンテンツを使用した OpenSCAP をスキャンする際にこのプルーブを使用していると、エラーが発生します。

この問題を回避するには、コンテンツで OVAL テスト rpmverifypackage_test を使用しないようにするか、rpmverifypackage_test が使用されていない scap-security-guide パッケージのコンテンツのみを使用します。

(BZ#1646197)

SCAP Workbench が、カスタムプロファイルから結果ベースの修正を生成できない

SCAP Workbench ツールを使用してカスタムプロファイルから結果ベースの修正ロールを生成しようとすると、次のエラーが発生します。

Error generating remediation role .../remediation.sh: Exit code of oscap was 1: [output truncated]

この問題を回避するには、oscap コマンドを、--tailoring-file オプションとともに使用します。

(BZ#1640715)

RHEL 8 のキックスタートが、com_redhat_oscap の代わりに org_fedora_oscap を使用

キックスタートは、com_redhat_oscap ではなく、org_fedora_oscap として Open Security Content Automation Protocol (OSCAP) Anaconda アドオンを参照します。これが、混乱を招く可能性があります。これは、Red Hat Enterprise Linux 7 との後方互換性を維持するために行われます。

(BZ#1665082)

OpenSCAPrpmverifyfile が機能しない

OpenSCAP スキャナーは、オフラインモードで現在の作業ディレクトリーを正しく変更せず、fchdir 関数を、OpenSCAP rpmverifyfile プローブの正しい引数で呼び出さないようにします。そのため、SCAP コンテンツで rpmverifyfile_test を使用すると、oscap-chroot コマンドを使用した任意のファイルシステムのスキャンに失敗します。したがって、上記のシナリオでは、oscap-chroot が中断します。

(BZ#1636431)

OpenSCAP が、仮想マシンおよびコンテナーのオフラインスキャンを提供しない

OpenSCAP のコードベースをリファクターリングすると、特定の RPM プローブがオフラインモードで仮想マシンおよびコンテナーのファイルシステムをスキャンするのに失敗していました。このため、以下のツールは、openscap-utils パッケージである oscap-vm および oscap-chroot から削除されました。また、openscap-containers パッケージも完全に削除されました。

(BZ#1618489)

コンテナーのセキュリティーおよびコンプライアンススキャンを行うユーティリティーが利用できない

Red Hat Enterprise Linux 7 では、Atomic テクノロジーに基づいた Docker コンテナーのスキャンに、oscap-docker ユーティリティーを使用できました。Red Hat Enterprise Linux 8 では、Docker 関連、および Atomic 関連の OpenSCAP コマンドが利用できません。そのため、RHEL 8 では、コンテナーのセキュリティーおよびコンプライアンススキャンに、oscap-docker または同等のユーティリティーを使用できません。

(BZ#1642373)

OpenSSL TLS ライブラリーは、PKCS#11 トークンが、生の RSA 署名または RSA-PSS 署名の作成に対応しているかどうかを検出しない

TLS-1.3 プロトコルでは、RSA-PSS 署名の対応が必要です。PKCS#11 トークンが、生の RSA 署名または RSA-PSS 署名に対応していない場合、OpenSSL TLS ライブラリーを使用するサーバーアプリケーションは、PKCS#11 トークンが保持していると、RSA 鍵を使用した作業に失敗します。これにより、TLS 通信が失敗します。

この問題を回避するには、利用可能な最大の TLS プロトコルバージョンとして TLS-1.2 バージョンを使用するように、サーバーまたはクライアントを設定します。

(BZ#1681178)

PKCS#11 デバイスに保存されている RSA 秘密鍵と RSA-PSS 証明書を使用すると、Apache の httpd が起動しない

PKCS#11 標準は、RSA と RSA-PSS の鍵オブジェクトを区別せず、両方に CKK_RSA タイプを使用します。ただし、OpenSSL は、RSA 鍵および RSA-PSS 鍵に異なるタイプを使用します。その結果、openssl-pkcs11 エンジンが、PKCS#11 RSA 鍵オブジェクトの OpenSSL に提供すべき種類を指定できません。現在、エンジンは鍵の種類を、すべての PKCS#11 CKK_RSA オブジェクトの RSA 鍵として設定します。OpenSSL が、証明書から取得した RSA-PSS 公開鍵の種類を、エンジンが提供する RSA 秘密鍵オブジェクトに含まれる種類と比較すると、種類が異なります。したがって、証明書と秘密鍵は一致しません。OpenSSL 関数 X509_check_private_key() で実行した確認は、このシナリオでエラーを返します。httpd の Web サーバーは、この関数をスタートアッププロセスで呼び出し、提供された証明書と鍵が一致するかどうかを確認します。この確認は、PKCS#11 モジュールに保存されている RSA-PSS 公開鍵と RSA 秘密鍵を含む証明書では常に失敗するため、httpd はこの設定の使用を開始できません。この問題に対する回避策はありません。

(BZ#1664802)

対応する公開鍵が PKCS#11 デバイスに保存されていない状態で ECDSA 秘密鍵を使用すると、httpd が起動しない

RSA 鍵とは異なり、ECDSA 秘密鍵には、公開鍵情報が含まれているとは限りません。この場合、ECDSA 秘密鍵から公開鍵を取得することはできません。このため、PKCS#11 デバイスは、公開鍵オブジェクトまたは証明書オブジェクトのいずれかであっても、別のオブジェクトに公開鍵情報を格納します。OpenSSL は、秘密鍵に公開鍵情報を含めるために、エンジンが提供する EVP_PKEY 構造を想定します。OpenSSL に提供する EVP_PKEY 構造を満たすと、openssl-pkcs11 パッケージのエンジンは、一致する公開鍵オブジェクトのみから公開鍵情報を取得し、現在の証明書オブジェクトを無視します。

OpenSSL がエンジンから ECDSA 秘密鍵を要求すると、指定された EVP_PKEY 構造は、公開鍵を含む一致する証明書が利用可能な場合でも、PKCS#11 デバイスに公開鍵がない場合は、公開鍵情報を含みません。これにより、Apache httpd の Web サーバーは、公開鍵を必要とする X509_check_private_key() 関数を (起動プロセスで) 呼び出すため、このシナリオで httpd が起動しなくなりました。この問題を回避するには、ECDSA 鍵を使用する際に、秘密鍵と公開鍵の両方を PKCS#11 デバイスに保存します。これにより、ECDSA 鍵が PKCS#11 デバイスに保存されると、httpd が正常に起動します。

(BZ#1664807)

OpenSSH が、ラベルが一致しない鍵の PKCS #11 の URI を処理しない

OpenSSH スイートでは、鍵のペアをラベルで識別できます。ラベルは、スマートカードに保存されている秘密鍵と公開鍵で異なる場合があります。したがって、オブジェクト部分 (鍵ラベル) で PKCS #11 の URI を指定すると、OpenSSH が PKCS #11 で適切なオブジェクトを見つけるのを防ぐことができます。

この問題を回避するには、オブジェクト部分を使用せずに PKCS #11 の URI を指定します。これにより、OpenSSH は、PKCS #11 の URI を使用して参照されるスマートカードの鍵を使用できます。

(BZ#1671262)

iptables-ebtables の出力が、ebtables と一部互換性がない

RHEL 8 では、ebtables コマンドは、iptables-ebtables パッケージが提供します。ここには、このツールが nftables ベースで再実装されています。このツールには別のコードベースがあり、その出力は、側面が異なる場合があるため、無視できるか、設計上の選択を慎重に検討する必要があります。

したがって、ebtables 出力を解析するスクリプトを移行する際に、以下を反映するスクリプトを調整します。

  • MAC アドレスの書式が、長さが固定されるように変更されました。octet 値では、2 文字の書式を維持するために、必要に応じて、個々のバイト値の前にゼロが含まれます。
  • IPv6 接頭辞の形式が、RFC 4291 に準拠するように変更になりました。スラッシュ文字の後ろの終了部分には、IPv6 アドレスフォーマットのネットマスクが含まなくなりましたが、接頭辞長は含まれます。スラッシュ文字の後ろの終了部分は、IPv6 アドレスフォーマットのネットマスクを含まなくなりましたが、接頭辞長を含みます。 この変更は、有効な (左連続の) マスクにしか適用されませんが、それ以外の場合は、古い形式で印刷されます。

(BZ#1674536)

OpenSSH では、デフォルトで curve25519-sha256 に対応しない

SSH 鍵交換アルゴリズム curve25519-sha256 は、デフォルトのポリシーレベルに準拠する場合でも、OpenSSH のクライアントとサーバーのシステム全体の暗号化ポリシー設定にはありません。そのため、クライアントまたはサーバーが curve25519-sha256 を使用し、ホストがこのアルゴリズムに対応していない場合は、接続に失敗する可能性があります。

この問題を回避するには、OpenSSH のクライアントおよびサーバーの /etc/crypto-policies/back-ends/ ディレクトリーの openssh.config ファイルおよび opensshserver.config ファイルを変更して、システム全体の暗号化ポリシーの設定を手動で上書きします。この設定は、システム全体の暗号化ポリシーの変更ごとに上書きされることに注意してください。詳細は、man ページの update-crypto-policies(8) を参照してください。

(BZ#1678661)

OpenSSL が、生の RSA または RSA-PSS の署名に対応していない PKCS #11 トークンを誤って処理

OpenSSL ライブラリーは、PKCS #11 トークンの鍵関連の機能を検出しません。したがって、生の RSA または RSA-PSS の署名に対応しないトークンで署名が作成されると、TLS 接続の確立に失敗します。

この問題を回避するには、/etc/pki/tls/openssl.cnf ファイルの crypto_policy セクションの末尾にある .include 行の後に、以下の行を追加します。

SignatureAlgorithms = RSA+SHA256:RSA+SHA512:RSA+SHA384:ECDSA+SHA256:ECDSA+SHA512:ECDSA+SHA384
MaxProtocol = TLSv1.2

これにより、このシナリオで TLS 接続を確立できます。

(BZ#1685470)

VMware ホストシステムとの SSH 接続が機能しない

現在のバージョンの OpenSSH スイートでは、SSH パケットでデフォルトの IPQoS (IP Quality of Service) フラグが変更しましたが、VMware 仮想化プラットフォームではこれが適切に処理されません。したがって、VMware のシステムとの SSH 接続を確立することができません。

この問題を回避するには、ssh_config ファイルに IPQoS=throughput を追加します。これにより、VMware ホストシステムとの SSH 接続が適切に機能します。

詳細は、ナレッジベースの記事 RHEL 8 Running in VMWare Workstation Unable to Connect via SSH to Other Hosts を参照してください。

(BZ#1651763)

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