8.4. シェルおよびコマンドラインツール
which
コマンドが長いパスでも失敗しなくなる
以前は、パスが 256 文字を超えるディレクトリーで which
コマンドを実行すると、Can’t get current working directory
というエラーメッセージが表示されてコマンドが失敗していました。この修正により、which
コマンドはパスの長さの制限として PATH_MAX
値を使用するようになりました。その結果、コマンドは失敗しなくなりました。
ReaR は OUTPUT=USB
で UEFI セキュアブートをサポートするようになる
以前は、ブータブルディスクドライブにレスキューイメージを保存する OUTPUT=USB
ReaR 出力メソッドは、SECURE_BOOT_BOOTLOADER
設定を尊重しませんでした。その結果、UEFI セキュアブートが有効になっているシステムでは、ブートローダーが署名されていないため、レスキューイメージを含むディスクは起動しませんでした。
この修正により、OUTPUT=USB
ReaR 出力メソッドは、レスキューディスクの作成時に SECURE_BOOT_BOOTLOADER
設定で指定したブートローダーを使用するようになりました。署名付き UEFI shim ブートローダーを使用するには、/etc/rear/local.conf
ファイルで次の設定を変更します。
SECURE_BOOT_BOOTLOADER=/boot/efi/EFI/redhat/shimx64.efi
この結果、UEFI セキュアブートが有効になっている場合、レスキューディスクは起動可能になります。セキュアブートが有効になっていない場合でも、UEFI を備えたすべてのシステムで変数をこの値に安全に設定できます。一貫性を保つためにも推奨されます。UEFI ブート手順と shim ブートローダーの詳細は、UEFI: what happens when booting the system 参照してください。
SEL 要求がタイムアウトしたときに、ipmievd
が SEL 応答を正しく認識するようになりました。
ipmievd
サービスは、/dev/ipmi0
デバイス経由でシステムイベントログ (SEL) 要求を送信します。以前は、返された IPMI メッセージの ID チェックが欠落していたため、要求がタイムアウトすると、次の応答が正しく処理されませんでした。たとえば、ベースボード管理コントローラー (BMC) がリセットされた場合、ipmievd
サービスからの SEL 要求が、SEL 応答がないためにタイムアウトになりました。そのため、対応しない SEL 応答により、ipmievd
が正しく動作しませんでした。その結果、正しいハードウェア状態が取得されず、大量の誤ったハードウェア情報が /var/log/messages
に出力されました。この修正により、ipmitool
と ipmievd
が、返された IPMI メッセージの ID を要求の ID と照合してチェックし、対応しない SEL 要求をスキップするようになりました。ipmevd
が誤ったハードウェア情報をログに記録しなくなりました。
Bugzilla:2224567[1]