11.11. クォーラムデバイスを使用した高可用性クラスターの設定
(RHEL 9.2 以降) ha_cluster
システムロールを使用し、別個のクォーラムデバイスを使用した高可用性クラスターを設定するには、まずクォーラムデバイスをセットアップします。クォーラムデバイスをセットアップした後は、任意の数のクラスターでデバイスを使用できます。
11.11.1. クォーラムデバイスの設定
ha_cluster
システムロールを使用してクォーラムデバイスを設定するには、次の手順に従います。クラスターノード上ではクォーラムデバイスを実行できないことに注意してください。
ha_cluster
システムロールは、指定されたノードの既存のクラスター設定を置き換えます。Playbook に指定されていない設定はすべて失われます。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードを準備している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo
権限がある。 - クォーラムデバイスの実行に使用するシステムには、RHEL および RHEL High Availability Add-On のアクティブなサブスクリプションがある。
- ha_cluster システムロールのインベントリーの指定 で説明されているように、インベントリーファイルでクォーラムデバイスが指定されている。
手順
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook.yml
) を作成します。--- - name: Configure a quorum device hosts: nodeQ roles: - rhel-system-roles.ha_cluster vars: ha_cluster_cluster_present: false ha_cluster_hacluster_password: <password> ha_cluster_manage_firewall: true ha_cluster_manage_selinux: true ha_cluster_qnetd: present: true
このサンプル Playbook ファイルは、
firewalld
およびselinux
サービスを実行しているシステムにクォーラムデバイスを設定します。実稼働用の Playbook ファイルを作成するときは、Encrypting content with Ansible Vault で説明されているように、パスワードを vault で暗号化します。
Playbook の構文を検証します。
$ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook ~/playbook.yml
関連情報
-
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.ha_cluster/README.md
ファイル -
/usr/share/doc/rhel-system-roles/ha_cluster/
ディレクトリー
11.11.2. クォーラムデバイスを使用するようにクラスターを設定する
クォーラムデバイスを使用するようにクラスターを設定するには、次の手順に従います。
ha_cluster
システムロールは、指定されたノードの既存のクラスター設定を置き換えます。Playbook に指定されていない設定はすべて失われます。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードを準備している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo
権限がある。 - クラスターメンバーとして使用するシステムには、RHEL および RHEL High Availability Add-On のアクティブなサブスクリプションがある。
- ha_cluster システムロールのインベントリーの指定 で説明されているように、インベントリーファイルでクラスターノードが指定されている。
- クォーラムデバイスが設定されている。
手順
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook.yml
) を作成します。--- - name: Configure a cluster to use a quorum device hosts: node1 node2 roles: - rhel-system-roles.ha_cluster vars: ha_cluster_cluster_name: my-new-cluster ha_cluster_hacluster_password: <password> ha_cluster_manage_firewall: true ha_cluster_manage_selinux: true ha_cluster_quorum: device: model: net model_options: - name: host value: nodeQ - name: algorithm value: lms
このサンプル Playbook ファイルは、クォーラムデバイスを使用する
firewalld
およびselinux
サービスを実行するクラスターを設定します。実稼働用の Playbook ファイルを作成するときは、Encrypting content with Ansible Vault で説明されているように、パスワードを vault で暗号化します。
Playbook の構文を検証します。
$ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook ~/playbook.yml
関連情報
-
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.ha_cluster/README.md
ファイル -
/usr/share/doc/rhel-system-roles/ha_cluster/
ディレクトリー