1.6. トランザクションとスレッドとの関係
トランザクション処理を理解するには、トランザクションとスレッドの基本関係を把握することが重要です。トランザクションはスレッド別になります。つまり、トランザクションが開始されると、特定のスレッドに割り当てられます。(技術的には、トランザクションコンテキスト オブジェクトが作成され、現在のスレッドに関連付けられます)。スレッドのすべてのアクティビティーは、この時点からトランザクションが終了するまで、このトランザクションスコープ内で発生します。他のスレッドのアクティビティーが、このトランザクションのスコープ内に入ることは ありません。ただし、他のスレッドのアクティビティーが、他のトランザクションのスコープ内に入る可能性はあります。
トランザクションとスレッドのこの関係は、以下のようになります。
- 各トランザクションが別々のスレッドで作成されている限り、アプリケーションは複数のトランザクションを同時に処理できます。
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トランザクション内でサブスレッドを作成すること に注意してください。トランザクションの途中で、たとえば
threads()
Camel DSL コマンドを呼び出して、新しいスレッドプールを作成する場合、新しいスレッドは元のトランザクションのスコープに含まれません。 - 前述のポイントで示した理由と同じで、新しいスレッドを暗黙的に作成する処理ステップに注意してください。
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トランザクションスコープは通常、ルートセグメント間では継承されません。つまり、1 つのルートセグメントが
JoinEndpoint
で終わり、別のルートセグメントがJoinEndpoint
で始まる場合、これらのルートセグメントは通常同じトランザクションに属し ません。ただし、例外があります。
一部の高度なトランザクションマネージャーの実装では、自由にトランザクションコンテキストをスレッドに対してデタッチしたり、アタッチしたりできます。たとえば、これにより、トランザクションコンテキストを別のスレッドに移動できます。場合によっては、1 つのトランザクションコンテキストを複数のスレッドに割り当てることもできます。