第2章 resource-optimization コンポーネントのインストールおよび設定
リソース最適化のインストールには、パッケージのインストール、設定の構成、およびローカルサービスの有効化が含まれます。これは手動で行うことも、Red Hat が提供する Ansible Playbook を使用して行うこともできます。
従量課金制 (PAYG) のお客様は、Insights クライアントを subscription-manager (RHSM) に登録する必要があります。subscription-manager に登録するには、次の 2 つの方法があります。
- アクティベーションキーの使用 (推奨)
- ユーザー名とパスワードの使用
Insights クライアントの登録方法の詳細は、Red Hat Insights のクライアント設定ガイド を参照してください。
RHEL バージョン | クラウドプロバイダー | リソース最適化の互換性 |
---|---|---|
8.x-9.x | AWS | はい (x86_64 および ARM 64 ビット) |
7.7-7.9 | AWS | はい (x86_64 および ARM 64 ビット) |
7.0-7.6 | AWS | いいえ |
6.x | AWS | いいえ |
前提条件
リソース最適化サービスを使用する前に、次のアプリケーションをインストールし、設定を確認する必要があります。
- クラウドマーケットプレイスの RHEL インスタンスが設定されている。
- Insights クライアントがシステムにインストールされ、操作可能である。
Ansible を使用してリソース最適化サービスをインストールまたはアンインストールする場合は、以下を行う。
- Ansible リポジトリーが有効になり、Ansible クライアントが各システムにインストールされている。
- システム管理者は Ansible Playbook を実行できる。
2.1. リソース最適化のためのデータ収集拡張のインストールと設定
Red Hat Enterprise Linux Performance Co-Pilot (PCP) ユーティリティーは、Insights for Red Hat Enterprise Linux のリソース最適化 (ROS) に関するクライアント側の使用状況メトリクスを選択して収集します。
Insights クライアントは、ROS PCP 設定ファイル (/var/lib/pcp/config/pmlogger/config.ros
) の存在を検出します。ファイルを検出すると、pmlogger
を起動してパフォーマンスメトリクスデータを収集します。PCP はこのメトリクスを日次のサマリーにまとめます。その後、RHEL の pmlogger
サービスが、分析のために概要を Insights にアップロードします。
config.ros
を使用すると、使用可能なメトリクスの一部だけを含むデータポイントが、1 回のアップロードごとに 1 つ生成されます。これにより、Insights の推奨事項に利用できる情報が制限されます。Insights で利用できるデータを拡張し、推奨事項を改善するには、お使いの RHEL バージョン用の RHEL pcp-zeroconf
パッケージをインストールします。
pcp-zeroconf
パッケージは PCP のインストールを自動化します。pcp-zeroconf
をインストールすると、pmlogger
が自動的に起動します。pmlogger
は、使用状況メトリクスのデフォルトのセットに関する raw データを収集し、その生データをアーカイブファイルに記録します。
2.1.1. RHEL 9 以降を実行しているシステムへの insights-client-ros
と pcp-zeroconf
のインストール
insights-client-ros
パッケージには、pcp-zeroconf
への依存関係が含まれています。システムに insights-client-ros
をインストールすると、プロセスによって pcp-zeroconf
も自動的にインストールされます。insights-client-ros
パッケージは、環境内の各システムにインストールする必要があります。
pcp-zeroconf
がインストールされると、そのデフォルト設定によって config.ros
内の従来の設定がオーバーライドされます。その後、Insights クライアントが、pcp-zeroconf
が収集した ROS データを使用します。
insights-client-ros をインストールすると、pcp-zeroconf は自動的に pmlogger
を起動します。pmlogger
は、使用状況メトリクスのデフォルトのセットに関する raw データを収集し、その生データをアーカイブファイルに記録します。
前提条件
-
システムに root としてログインしているか、
sudo
を使用して昇格した権限を持っている。 -
システムが
subscription-manager
を使用して登録されており、rhel-<RHEL-Version>-for-<arch>-appstream-rpms
リポジトリーにアクセスできる。<RHEL-Version>
は、システムにインストールされている RHEL のバージョンです。<arch>
は、x86_64 などのシステムアーキテクチャーです。
手順
dnf
を使用して、insights-client-ros
パッケージをインストールします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow dnf install insights-client-ros -y
# dnf install insights-client-ros -y
pmlogger
が実行されていることを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow pcp | grep pmlogger
# pcp | grep pmlogger
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow pmlogger: primary logger: /var/log/pcp/pmlogger/<hostname>/<date.hours.minutes>
pmlogger: primary logger: /var/log/pcp/pmlogger/<hostname>/<date.hours.minutes>
-
エディターで
/etc/insights-client/insights-client.conf
ファイルを開きます。 ファイル内で
ros_collect
設定を探します。ファイルを編集して、ros_collect
をtrue
に設定します。注記:
ros_collect
がfalse
に設定されている場合、pcp-zeroconf
は ROS データを収集および報告しません。- ファイルを保存して、エディターを終了します。
2.1.2. RHEL 9 以降を実行しているシステムからの ros
ディレクトリーの削除
insights-core
はシステムから today-1
(前日) のデータを収集します。古い ros
ディレクトリーを削除する前に、pcp-zeroconf をインストールした後、UI または API を使用して ROS をチェックし、システム用の最新のアップロードに基づく詳細が表示されることを確認する必要があります。
前提条件
-
システムに root としてログインしているか、
sudo
を使用して昇格した権限を持っている。
手順
ros
ディレクトリーを削除します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow rm -f /var/log/pcp/pmlogger/ros
# rm -f /var/log/pcp/pmlogger/ros
2.1.3. RHEL 7 または RHEL 8 を実行しているシステムへの pcp-zeroconf
のインストール
RHEL バージョン 7 および 8 では、環境内の各システムに pcp-zeroconf
を明示的にインストールする必要があります。pcp-zeroconf
をインストールすると、そのデフォルト設定によって config.ros
内の従来の設定がオーバーライドされます。その後、Insights クライアントが、pcp-zeroconf
が収集した ROS データを使用します。
前提条件
-
システムに root としてログインしているか、
sudo
を使用して昇格した権限を持っている。 -
システムが
subscription-manager
を使用して登録されており、rhel-<RHEL-Version>-for-<arch>-appstream-rpms
リポジトリーにアクセスできる。<RHEL-Version>
は、システムにインストールされている RHEL のバージョンです。<arch>
は、x86_64 などのシステムアーキテクチャーです。
手順
dnf
を使用してpcp-zeroconf
パッケージをインストールします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow dnf install pcp-zeroconf -y
# dnf install pcp-zeroconf -y
-
エディターで
/etc/insights-client/insights-client.conf
ファイルを開きます。 ファイル内で
ros_collect
設定を探します。ファイルを編集して、ros_collect
をtrue
に設定します。ros_collect
設定が存在しない場合は、新しい設定を追加し、値をtrue
に設定します。注記:
ros_collect
がfalse
に設定されている場合、pcp-zeroconf
は ROS データを収集および報告しません。- ファイルを保存して、エディターを終了します。
2.1.4. RHEL 7 または RHEL 8 を実行しているシステムからの ros
ディレクトリーと config.ros
の削除
insights-core
はシステムから today-1
(前日) のデータを収集します。古い ros
ディレクトリーを削除する前に、pcp-zeroconf
をインストールした後、UI または API を使用して ROS をチェックし、システムの最新のアップロードに基づく詳細が表示されることを確認してください。
前提条件
-
システムに root としてログインしているか、
sudo
を使用して昇格した権限を持っている。
手順
config.ros
ファイルを削除します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow rm /var/lib/pcp/config/pmlogger/config.ros
# rm /var/lib/pcp/config/pmlogger/config.ros
ros
ディレクトリーを削除します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow rm -f /var/log/pcp/pmlogger/ros
# rm -f /var/log/pcp/pmlogger/ros
関連情報
-
Installing and using the
pcp-zeroconf
package for Performance Co-Pilot (PCP) -
pcp-zeroconf
を使用した PCP の設定 PCP および
pcp-zeroconf
の詳細は、ご使用の RHEL バージョンのパフォーマンスガイドを参照してください。- RHEL 9: システムの状態とパフォーマンスの監視と管理
- RHEL 8: システムの状態とパフォーマンスの監視と管理
- RHEL 7: パフォーマンスチューニングガイド
-
pmlogger
の詳細は、システム上のpmlogger
man
ページを参照してください。
2.1.5. トラブルシューティング
pcp-zeroconf
がインストールされない場合や、pmlogger
サービスが実行されない場合は、ログファイル /var/log/insights-client/insights-client.log
に関連するアップロードに関する警告が含まれている可能性があります。