第6章 チャネル
6.1. チャネルおよびサブスクリプション
チャネルは、単一のイベント転送および永続レイヤーを定義するカスタムリソースです。イベントがイベントソースまたは生成側からチャネルに送信された後に、これらのイベントはサブスクリプションを使用して複数の Knative サービスまたは他のシンクに送信できます。
サポートされている Channel
オブジェクトをインスタンス化することでチャネルを作成し、Subscription
オブジェクトの delivery
仕様を変更して再配信の試行を設定できます。
Channel
オブジェクトが作成されると、変更用の受付 Webhook はデフォルトのチャネル実装に基づいて Channel
オブジェクトの spec.channelTemplate
プロパティーのセットを追加します。たとえば、InMemoryChannel
のデフォルト実装の場合、Channel
オブジェクトは以下のようになります。
apiVersion: messaging.knative.dev/v1 kind: Channel metadata: name: example-channel namespace: default spec: channelTemplate: apiVersion: messaging.knative.dev/v1 kind: InMemoryChannel
チャネルコントローラーは、その後に spec.channelTemplate
設定に基づいてサポートするチャネルインスタンスを作成します。
spec.channelTemplate
プロパティーは作成後に変更できません。それらは、ユーザーではなくデフォルトのチャネルメカニズムで設定されるためです。
このメカニズムが上記の例で使用される場合は、2 つのオブジェクト (汎用バッキングチャネルおよび InMemoryChannel
チャネルなど) が作成されます。別のデフォルトチャネルの実装を使用している場合、InMemoryChannel
は実装に固有のものに置き換えられます。たとえば、Apache Kafka の Knative ブローカーでは、KafkaChannel
チャネルが作成されます。
バッキングチャネルは、サブスクリプションをユーザー作成のチャネルオブジェクトにコピーし、ユーザー作成チャネルオブジェクトのステータスを、バッキングチャネルのステータスを反映するように設定します。
6.1.1. チャネルの実装タイプ
OpenShift Serverless は、InMemoryChannel
および KafkaChannel
チャネルの実装をサポートしています。InMemoryChannel
チャネルは制限があるため、開発用途にのみ使用することを推奨します。実稼働環境では KafkaChannel
チャネルを使用できます。
以下は、InMemoryChannel
タイプのチャネルの制限です。
- イベントの永続性は利用できません。Pod がダウンすると、その Pod のイベントが失われます。
-
InMemoryChannel
チャネルはイベントの順序を実装しないため、チャネルで同時に受信される 2 つのイベントはいずれの順序でもサブスクライバーに配信できます。 -
サブスクライバーがイベントを拒否する場合、再配信はデフォルトで試行されません。
Subscription
オブジェクトのdelivery
仕様を変更することで、再配信の試行を設定できます。