第2章 NFS バックエンドに CephFS を使用する構成のインストール


2.1. NFS-Ganesha を持つ CephFS のデプロイメント

NFS バックエンドに Ceph File System (CephFS) を使用する典型的な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境は、以下の要素で構成されます。

  • コンテナー化された Ceph メタデータサーバー (MDS)、Ceph モニター (MON)、manila、および NFS-Ganesha サービスを実行する OpenStack コントローラーノード。これらのサービスのいくつかは、同じノードに共存する場合や、専用のノードを持つ場合があります。
  • Ceph ストレージノード上で動作するコンテナー化されたオブジェクトストレージデーモン (OSD) を持つ Ceph ストレージクラスター
  • NFS 共有のプロビジョニング用に、プロジェクトから NFS-Ganesha サービスへのアクセスを提供する StorageNFS 分離ネットワーク

Shared File Systems サービス (manila) の提供する API により、プロジェクトはファイルシステムの共有を要求することができます。これは、ドライバーモジュールにより実施されます。Red Hat CephFS のドライバー manila.share.drivers.cephfs.driver.CephFSDriver により、Shared File Systems サービスを CephFS としてバックエンドとして使用することができます。RHOSP director は、NFS-Ganesha ゲートウェイをデプロイするようにドライバーを設定します。これにより、NFS 4.1 プロトコルを使用して CephFS ファイル共有が提供されます。

RHOSP director を使用してオーバークラウドに CephFS バックエンドを持つ Shared File Systems サービスをデプロイすると、heat テンプレートで定義された必要なストレージネットワークが自動的に作成されます。ネットワークプランニングに関する詳しい情報は、director のインストールと 使用方法』の「オーバークラウドネットワーク 」を参照してください。

ノードの /etc/manila/manila.conf ファイルを編集して Shared File Systems サービスを手動で設定することができますが、今後のオーバークラウド更新時に、RHOSP director はあらゆる設定を上書きすることができます。Shared File System のバックエンドを設定する場合には、director を使用する方法を推奨します。

注記

現時点では、director で 1 度に CephFS バックエンドを 1 つだけ定義できます。

NFS バックエンドへの CephFS の使用

2.1.1. NFS バックエンドに CephFS を使用する構成の要件

NFS バックエンドに CephFS を使用する構成には、Red Hat OpenStack Platform(RHOSP)バージョン 13 以降の環境が必要です。このバージョンは、既存の環境または新しい環境になります。

  • RHOSP バージョン 13、14、および 15 の場合、CephFS は Red Hat Ceph Storage(RHCS)バージョン 3 で機能します。
  • RHOSP バージョン 16 以降では、CephFS は Red Hat Ceph Storage(RHCS)バージョン 4.1 以降と連携します。

詳しい情報は、『 コンテナー化された Red Hat Ceph を持つオーバークラウドのデプロイ』 を参照してください。

前提条件

  • デフォルトの動作と同様に、Shared File Systems サービスをコントローラーノードにインストールする。
  • NFS-Ganesha ゲートウェイサービスをコントローラーノードの Pacemaker クラスターにインストールする。
  • 1 つの CephFS バックエンドのインスタンスだけが Shared File Systems サービスを使用するように設定する。その他の CephFS 以外のバックエンドは、1 つの CephFS バックエンドと共に使用することができます。
  • RHOSP director を使用して、ストレージトラフィック用に追加のネットワーク (StorageNFS) を作成する。
  • NFS バックエンドに CephFS を使用する構成と同時に、新しい RHCS バージョン 4.1 以降クラスターを設定します。

2.1.2. ファイル共有

Shared File Systems サービス(manila)、Ceph File System(CephFS)、および NFS バックエンドに Ceph を使用する構成では、ファイル共有の取り扱いが異なります。

Shared File Systems サービスは、ファイル共有を提供します。共有は、個別のファイルシステムの名前空間であり、ストレージまたは共有のユニットで、クォータを持つサブディレクトリーなどに定義されたサイズです。アクセスが要求される前にファイルシステムが要求される前にファイルシステムが構成されているため、共有ファイルシステムのストレージは、ブロックストレージ(要求時に設定される)と異なります。

CephFS では、ファイル共有は、特定のストレージプールまたは名前空間をポイントする、クォータおよびレイアウトが定義されたディレクトリーとして扱われます。CephFS のクォータは、ディレクトリーのサイズを Shared File Systems サービスが作成するファイル共有のサイズに制限します。Ceph ファイル共有へのアクセス可否は、MDS の認証機能により決定されます。

NFS バックエンドに CephFS を使用する構成では、ファイル共有のプロビジョニングおよびアクセスに NFS プロトコルが使用されます。NFS プロトコルはセキュリティーにも対応します。

2.1.3. NFS バックエンドに CephFS を使用する構成で使用される分離ネットワーク

NFS バックエンドに CephFS を使用する構成のデプロイメントでは、新たな分離ネットワーク StorageNFS が使用されます。このネットワークをデプロイすることで、ユーザーはそのネットワーク上に表示されるファイル共有を NFS プロトコルを使用してマウントすることができます。ストレージまたはストレージ管理ネットワークにアクセスする必要はありません。ストレージ管理ネットワークは、インフラトラフィック用に確保されます。

ネットワークの分離に関する補足情報は、『オーバークラウドの 高度なカスタマイズ』 の「 基本的なネットワーク分離 」を参照してください。

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