1.2. プロキシーを使用してアンダークラウドを実行する際の考慮事項
レジストリーとパッケージの管理に Red Hat Satellite を使用する場合と比較して、プロキシーを使用してアンダークラウドを実行する場合には制限があります。お使いの環境でプロキシーを使用している場合は、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)の一部とプロキシーを統合するためのこれらの方法、およびそれぞれの手法の制限を確認してください。
システム全体のプロキシー設定
アンダークラウド上のすべてのネットワークトラフィックに対してプロキシー通信を設定するには、この手法を使用します。プロキシー設定を定義するには、/etc/environment
ファイルを編集して以下の環境変数を設定します。
- http_proxy
- 標準の HTTP リクエストに使用するプロキシー
- https_proxy
- HTTPs リクエストに使用するプロキシー
- no_proxy
- プロキシー通信から除外するドメインのコンマ区切りリスト
システム全体のプロキシー手法には、以下の制限事項があります。
-
pam_env
Plugable Authentication Module (PAM)の固定サイズバッファーが原因で、no_proxy
の最大長は 1,024 文字です。 -
既存のコンテナーの一部は
/etc/environment
ファイルの環境変数を誤ってバインドして解析するため、これらのサービスの実行時に問題が発生します。/etc/environment
ファイル内のプロキシー設定を更新して既存のコンテナーに対して正常に動作するようにする方法は、Red Hat ナレッジベースソリューション https://access.redhat.com/solutions/7109135 および https://access.redhat.com/solutions/7007114 を参照してください。
dnf プロキシー設定
すべてのトラフィックがプロキシーを通過するように dnf
を設定するには、この手法を使用します。プロキシー設定を定義するには、/etc/dnf/dnf.conf
ファイルを編集して以下のパラメーターを設定します。
- proxy
- プロキシーサーバーの URL
- proxy_username
- プロキシーサーバーへの接続に使用するユーザー名
- proxy_password
- プロキシーサーバーへの接続に使用するパスワード
- proxy_auth_method
- プロキシーサーバーが使用する認証方法
これらのオプションの詳細は、man dnf.conf
を実行してください。
dnf
プロキシー手法には、以下の制限事項があります。
-
この手法では、
dnf
に対してのみプロキシーがサポートされます。 -
dnf
プロキシー手法には、特定のホストをプロキシー通信から除外するオプションは含まれていません。
Red Hat Subscription Manager プロキシー
すべてのトラフィックがプロキシーを通過するように Red Hat Subscription Manager を設定するには、この手法を使用します。プロキシー設定を定義するには、/etc/rhsm/rhsm.conf
ファイルを編集して以下のパラメーターを設定します。
- proxy_hostname
- プロキシーのホスト
- proxy_scheme
- プロキシーをリポジトリー定義に書き出す際のプロキシーのスキーム
- proxy_port
- プロキシーのポート
- proxy_username
- プロキシーサーバーへの接続に使用するユーザー名
- proxy_password
- プロキシーサーバーへの接続に使用するパスワード
- no_proxy
- プロキシー通信から除外する特定ホストのホスト名接尾辞のコンマ区切りリスト
これらのオプションの詳細は、man rhsm.conf
を実行してください。
Red Hat Subscription Manager プロキシー手法には、以下の制限事項があります。
- この手法では、Red Hat Subscription Manager に対してのみプロキシーがサポートされます。
- Red Hat Subscription Manager プロキシー設定の値は、システム全体の環境変数に設定されたすべての値をオーバーライドします。
透過プロキシー
アプリケーション層のトラフィックを管理するのにネットワークで透過プロキシーが使用される場合は、プロキシー管理が自動的に行われるため、アンダークラウド自体をプロキシーと対話するように設定する必要はありません。透過プロキシーは、RHOSP のクライアントベースのプロキシー設定に関連する制限に対処するのに役立ちます。