第2章 virt-who 設定の作成
以下の手順に従って virt-who 設定を作成します。Red Hat 製品と Microsoft Hyper-V には、Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンを実行するそれぞれのハイパーバイザーに 1 つの設定が必要です。VMware vSphere には、各 vCenter Server につき 1 つの設定が必要です。
この手順の値の多くは、/etc/virt-who.d/conf_name.conf
ファイルに追加され、指定されたハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーにのみ適用されます。Interval、Enable debugging output、HTTP Proxy、および Ignore Proxy は /etc/sysconfig/virt-who
ファイルに保存されるグローバルな値です。グローバルな設定値は同じサーバー上のすべての virt-who 設定に適用され、そのサーバーに新規の virt-who 設定がデプロイされるたびに上書きされます。
すべての virt-who 設定は virt_who_reporter_[id]
ユーザーを作成し、このユーザーに Virt-who Reporter
ロールを割り当てます。この Virt-who Reporter ロールは、Satellite Server に報告する virt-who の最小限のパーミッションを提供します。このユーザーを手動で設定したり、Satellite Server へのログインに使用したりすることはできません。
前提条件
- Red Hat ハイパーバイザー (Red Hat Enterprise Linux または Red Hat Virtualization Host) 用の virt-who 設定を作成する場合は、そのハイパーバイザーを Red Hat Satellite に登録する。
ハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーで、読み取り専用の virt-who ユーザーを作成する。
- Red Hat 製品および Microsoft Hyper-V の場合は、Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンを実行する各ハイパーバイザーで virt-who ユーザーを作成します。
- VMware vSphere の場合は、vCenter Server で virt-who ユーザーを作成します。この virt-who ユーザーには、最低でも vCenter Data Center のすべてのオブジェクトに対する読み取り専用アクセスが必要です。
手順
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Virt-who configurations に移動します。
- Create Config をクリックします。New Virt-who Config ウィンドウで、各フィールドの詳細のヘルプアイコンをクリックできます。
- 設定の Name を入力します。
Hypervisor Type リストから仮想化プラットフォームを選択します。
- Red Hat Enterprise Linux Virtualization (KVM)、Red Hat Virtualization、または Red Hat OpenStack Platform: libvirt
- VMware vSphere: esx
- Microsoft Hyper-V: hyperv
- rhevm および xen のハイパーバイザータイプはサポート対象外で、kubevirt ハイパーバイザータイプはテクノロジープレビュー機能としてのみ提供される点に注意してください。
- Hypervisor Server フィールドに、この設定を適用するサーバーの FQDN または IP アドレスを入力します。VMware vSphere の場合は、vCenter Server の FQDN または IP アドレスを使用します。その他のすべての製品の場合は、ハイパーバイザーの FQDN または IP アドレスを使用します。
- Hypervisor Username フィールドには、ハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーで作成した virt-who ユーザーの名前を入力します。
- Hypervisor Password フィールドに、virt-who ユーザーのパスワードを入力します。このパスワードは、設定をデプロイする際に暗号化されます。libvirt タイプを使用する場合、このフィールドは必須ではありません。
- Interval リストから、virt-who が新規の、または更新された仮想マシン情報を要求する頻度を選択します。仮想マシンには最長で 7 日間の一時的なサブスクリプションが付与されるため、頻繁な照会は必要なく、使用環境のサイズに適した間隔を選択できます。ほとんどの環境には、Every 24 hours (24 時間ごと) が適しています。
- Satellite server FQDN を入力します。
- Hypervisor ID リストから、ホスト名または UUID を使用して Satellite Server でハイパーバイザーを識別するかどうかを選択します。
Filtering オプションを選択します。
- デフォルトは Unlimited です。この設定の対象となったハイパーバイザーはすべて virt-who によって照会されます。照会するハイパーバイザーを制限する必要がない場合は、このオプションを使用します。
- ハイパーバイザーを Whitelist または Blacklist に設定することができます。たとえば、一部のハイパーバイザーが Microsoft Windows サーバーの仮想マシンのみを実行する必要がある場合、そのハイパーバイザーは virt-who によって報告される必要はありません。
- Whitelist または Blacklist を選択した場合: Filter hosts または Exclude hosts フィールドに、選択した Hypervisor ID に合わせてハイパーバイザーのコンマ区切りのリストを入力します。たとえば、ハイパーバイザーをホスト名で識別する場合は、ホスト名を使用してハイパーバイザーを追加または除外する必要があります。ハイパーバイザーの名前に特殊文字が含まれている場合は、それらの文字を引用符で囲みます。ワイルドカードと正規表現はサポートされます。ただし、正規表現の使用時はバックスラッシュをエスケープする必要がある点に注意してください。
esx タイプおよび Whitelist または Blacklist を選択している場合: Filter host parents または Exclude host parents フィールドに、クラスター ID のコンマ区切りのリストを入力します。詳細は、Red Hat ナレッジベース の Using the "Filter Host Parents" and "Exclude Host Parents" Attributes with VMware Clusters を参照してください。
許可されたクラスターのハイパーバイザーは、
virt-who
によって報告されます。除外されたクラスターのハイパーバイザーは、virt-who
によって報告されません。クラスターの名前に特殊文字が含まれている場合は、この特殊文字を引用符で囲みます。ワイルドカードと正規表現はサポートされます。ただし、正規表現の使用時はバックスラッシュをエスケープする必要がある点に注意してください。- オプション: トラブルシューティング用にデバッグ出力が必要な場合は、Enable debugging output チェックボックスを選択します。
オプション: virt-who がデプロイされたサーバーおよびハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーとの通信に使用する HTTP Proxy を入力します。(例: http://proxy.example.com:3128)。
プロキシーを使用しない場合は、このフィールドを空白のままにします。これは Ignore Proxy フィールドに
*
を入力するのと同じ結果になります。- オプション: Ignore Proxy フィールドに、既存のプロキシー設定をバイパスするためにホスト名、IP アドレス、またはドメインのコンマ区切りのリストを入力します。
- Submit をクリックします。
CLI をご利用の場合は、以下を実行します。
Satellite Server で、
hammer virt-who-config create
コマンドを入力します。オプションの詳細を参照するには、hammer virt-who-config create --help
を入力します。この例では、Red Hat Enterprise Linux ハイパーバイザー用の virt-who 設定を作成します。
# hammer virt-who-config create \ --name rhel.example.com \ --organization "Example Company" \ --interval 720 \ 1 --filtering-mode none \ 2 --hypervisor-id hostname \ 3 --hypervisor-type libvirt \ 4 --hypervisor-server rhel.example.com \ 5 --hypervisor-username virt-who \ 6 --proxy 'http://proxy.example.com:3128' \ 7 --satellite-url satellite.example.com
- 1
- virt-who が仮想化プラットフォームを照会する頻度 (分単位) を選択します。環境の規模に合わせて間隔を選択できます。サブスクリプションサービスに正確にレポートするには、ほとんどの環境で 1 日 2 回 (
720
) が適しています。 - 2
- ハイパーバイザーをフィルタリングするかどうかを選択します。照会するハイパーバイザーを制限する必要がない場合は
none
を使用します。または、ハイパーバイザーをwhitelist
あるいはblacklist
に設定することができます。たとえば、一部のハイパーバイザーが Microsoft Windows サーバーの仮想マシンのみを実行する必要がある場合、そのハイパーバイザーは virt-who によって報告される必要はありません。 - 3
- この設定を適用するハイパーバイザー (複数の場合あり) を識別する方法を選択します。Satellite Web UI で分かりやすいホスト名を指定するには、
hostname
を使用します。またはハイパーバイザーの名前を変更する際に重複を避けるため、uuid
を使用することもできます。hwuuid
は、この設定を個々のハイパーバイザーではなく仮想化マネージャーに適用する場合にのみ使用できます。また、virt-who が実行を開始した後はこれを他のオプションに変更しないでください。Subscription Manager でエントリーが重複する原因になるためです。 - 4
- 仮想化プラットフォームのサポート対象のタイプを指定します。
-
Red Hat Enterprise Linux Virtualization (KVM)、Red Hat Virtualization、または Red Hat OpenStack Platform:
libvirt
-
VMware vSphere:
esx
-
Microsoft Hyper-V:
hyperv
-
rhevm
およびxen
のハイパーバイザータイプはサポート対象外で、kubevirt
ハイパーバイザータイプはテクノロジープレビュー機能としてのみ提供される点に注意してください。
-
Red Hat Enterprise Linux Virtualization (KVM)、Red Hat Virtualization、または Red Hat OpenStack Platform:
- 5
- この設定を適用するサーバーの FQDN または IP アドレスを指定します。VMware vSphere の場合は、vCenter Server の FQDN または IP アドレスを使用します。その他のすべての製品の場合は、ハイパーバイザーの FQDN または IP アドレスを使用します。
- 6
- ハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーで作成した、読み取り専用の virt-who ユーザーを指定します。
libvirt
タイプを使用する場合は、パスワードを指定する必要はありません。それ以外のタイプでは、virt-who ユーザーのパスワードを--hypervisor-password
オプションを使用して指定する必要があります。 - 7
- オプション: virt-who がデプロイされたサーバーおよびハイパーバイザーまたは仮想化マネージャーとの通信に使用する HTTP Proxy を入力します。