2.3. エンタープライズコントラクトを使用したコンテナーイメージの署名の検証


Enterprise Contract (EC) は、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティーを維持するためのツールであり、これを使用してコンテナーイメージのポリシーを定義および適用できます。ec バイナリーを使用すると、Red Hat の Trusted Artifact Signer (RHTAS) 署名フレームワークを使用するコンテナーイメージのアテステーションと署名を検証できます。

前提条件

  • Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 4.13 以降にインストールされた RHTAS。
  • occosign、および podman バイナリーがインストールされたワークステーション。
  • OpenShift Web コンソールへのアクセス。

手順

  1. OpenShift クラスターから ec バイナリーをダウンロードします。

    1. OpenShift Web コンソールにログインします。ホームページから ? アイコンをクリックし、Command line tools をクリックして、ec ダウンロードセクションに移動してから、お使いのプラットフォームへのリンクをクリックします。
    2. ワークステーションでターミナルを開き、バイナリー .gz ファイルを展開し、実行ビットを設定します。

      $ gunzip ec-amd64.gz
      $ chmod +x ec-amd64

    3. バイナリーを $PATH 環境内の場所に移動し、名前を変更します。

      $ sudo mv ec-amd64 /usr/local/bin/ec

  2. OpenShift クラスターにログインします。

    構文

    oc login --token=TOKEN --server=SERVER_URL_AND_PORT

    $ oc login --token=sha256~ZvFDBvoIYAbVECixS4-WmkN4RfnNd8Neh3y1WuiFPXC --server=https://example.com:6443

    注記

    OpenShift Web コンソールからコマンドラインで使用するログイントークンと URL を確認できます。OpenShift Web コンソールにログインします。ユーザー名をクリックし、Copy login command をクリックします。入力を求められた場合はユーザー名とパスワードをもう一度入力し、Display Token をクリックしてコマンドを表示します。

  3. RHTAS プロジェクトに切り替えます。

    構文

    oc project PROJECT_NAME

    $ oc project trusted-artifact-signer

    注記

    RHTAS インストールのプロジェクト名を使用します。

  4. コンテナーイメージの署名と検証を行うためにシェル環境を設定します。

    $ export TUF_URL=$(oc get tuf -o jsonpath='{.items[0].status.url}' -n trusted-artifact-signer)
    $ export OIDC_ISSUER_URL=https://$(oc get route keycloak -n keycloak-system | tail -n 1 | awk '{print $2}')/auth/realms/trusted-artifact-signer
    $ export COSIGN_FULCIO_URL=$(oc get fulcio -o jsonpath='{.items[0].status.url}' -n trusted-artifact-signer)
    $ export COSIGN_REKOR_URL=$(oc get rekor -o jsonpath='{.items[0].status.url}' -n trusted-artifact-signer)
    $ export COSIGN_MIRROR=$TUF_URL
    $ export COSIGN_ROOT=$TUF_URL/root.json
    $ export COSIGN_OIDC_CLIENT_ID="trusted-artifact-signer"
    $ export COSIGN_OIDC_ISSUER=$OIDC_ISSUER_URL
    $ export COSIGN_CERTIFICATE_OIDC_ISSUER=$OIDC_ISSUER_URL
    $ export COSIGN_YES="true"
    $ export SIGSTORE_FULCIO_URL=$COSIGN_FULCIO_URL
    $ export SIGSTORE_OIDC_ISSUER=$COSIGN_OIDC_ISSUER
    $ export SIGSTORE_REKOR_URL=$COSIGN_REKOR_URL
    $ export REKOR_REKOR_SERVER=$COSIGN_REKOR_URL

  5. The Update Framework (TUF) システムを初期化します。

    $ cosign initialize

  6. テストコンテナーイメージに署名します。

    1. 空のコンテナーイメージを作成します。

      $ echo "FROM scratch" > ./tmp.Dockerfile
      $ podman build . -f ./tmp.Dockerfile -t ttl.sh/rhtas/test-image:1h

    2. 空のコンテナーイメージを ttl.sh 一時レジストリーにプッシュします。

      $ podman push ttl.sh/rhtas/test-image:1h

    3. コンテナーイメージに署名します。

      構文

      cosign sign -y IMAGE_NAME:TAG

      $ cosign sign -y ttl.sh/rhtas/test-image:1h

      Web ブラウザーが開いて、コンテナーイメージをメールアドレスで署名できます。

    4. 一時的な Docker ファイルを削除します。

      $ rm ./tmp.Dockerfile

  7. predicate.json ファイルを作成します。

    {
      "builder": {
        "id": "https://localhost/dummy-id"
      },
      "buildType": "https://example.com/tekton-pipeline",
      "invocation": {},
      "buildConfig": {},
      "metadata": {
        "completeness": {
          "parameters": false,
          "environment": false,
          "materials": false
        },
        "reproducible": false
      },
      "materials": []
    }

    スキーマレイアウトの詳細は、SLSA provenance predicate specifications を参照してください。

  8. predicate.json ファイルをコンテナーイメージに関連付けます。

    構文

    cosign attest -y --predicate ./predicate.json --type slsaprovenance IMAGE_NAME:TAG

    $ cosign attest -y --predicate ./predicate.json --type slsaprovenance ttl.sh/rhtas/test-image:1h

  9. コンテナーイメージにアテステーションと署名が 1 つ以上含まれていることを確認します。

    構文

    cosign tree IMAGE_NAME:TAG

    $ cosign tree ttl.sh/rhtas/test-image:1h
    
    📦 Supply Chain Security Related artifacts for an image: ttl.sh/rhtas/test-image@sha256:7de5fa822a9d1e507c36565ee0cf50c08faa64505461c844a3ce3944d23efa35
    └── 💾 Attestations for an image tag: ttl.sh/rhtas/test-image:sha256-7de5fa822a9d1e507c36565ee0cf50c08faa64505461c844a3ce3944d23efa35.att
       └── 🍒 sha256:40d94d96a6d3ab3d94b429881e1b470ae9a3cac55a3ec874051bdecd9da06c2e
    └── 🔐 Signatures for an image tag: ttl.sh/rhtas/test-image:sha256-7de5fa822a9d1e507c36565ee0cf50c08faa64505461c844a3ce3944d23efa35.sig
       └── 🍒 sha256:f32171250715d4538aec33adc40fac2343f5092631d4fc2457e2116a489387b7

  10. Enterprise Contact を使用してコンテナーイメージを確認します。

    構文

    ec validate image --image IMAGE_NAME:TAG --certificate-identity-regexp 'SIGNER_EMAIL_ADDR' --certificate-oidc-issuer-regexp 'keycloak-keycloak-system' --output yaml --show-successes

    $ ec validate image --image ttl.sh/rhtas/test-image:1h --certificate-identity-regexp 'jdoe@example.com' --certificate-oidc-issuer-regexp 'keycloak-keycloak-system' --output yaml --show-successes
    
    success: true
    successes:
      - metadata:
          code: builtin.attestation.signature_check
        msg: Pass
      - metadata:
          code: builtin.attestation.syntax_check
        msg: Pass
      - metadata:
          code: builtin.image.signature_check
        msg: Pass
    ec-version: v0.1.2427-499ef12
    effective-time: "2024-01-21T19:57:51.338191Z"
    key: ""
    policy: {}
    success: true

    エンタープライズコントラクトは、セキュリティー違反の詳細を含む pass-fail レポートを生成します。--info フラグを追加すると、レポートには、検出された違反に対する詳細と考えられる解決策が含まれます。

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