5.2. 高度なインストール
5.2.1. カスタムパーティション設定
Red Hat Virtualization Host (RHVH) でのカスタムパーティション設定は推奨されません。Red Hat は、インストール先 ウィンドウの パーティションを自動構成する オプションを使用することを強く推奨します。
インストールでカスタムのパーティション設定が必要な場合は、インストール時に パーティションを自分で構成する
オプションを選択します。ただし、以下の制限が適用される点に注意してください。
- 手動パーティション設定 ウィンドウで、デフォルトの LVM シンプロビジョニング オプションを選択する必要があります。
- 以下のディレクトリーが必要で、シンプロビジョニングされた論理ボリューム上になければなりません。
-
ルート (
/
) -
/home
-
/tmp
-
/var
-
/var/log
-
/var/log/audit
/usr
用に別のパーティションを作成しないでください。別のパーティションを作成すると、インストールに失敗します。
/usr
は、RHVH と共にバージョンを変更することのできる論理ボリューム上になければなりません。したがって、ルート (/
) 上に残す必要があります。
各パーティションに必要なストレージのサイズについては、「ストレージの要件」を参照してください。
-
/boot
ディレクトリーは、標準パーティションとして定義する必要があります。 -
/var
ディレクトリーは、別のボリュームまたはディスク上になければなりません。 - XFS または Ext4 ファイルシステムのみがサポートされます。
キックスタートファイルでの手動パーティション設定の定義
以下の例で、キックスタートファイルで手動パーティション設定を定義する方法を説明します。RHVH キックスタートファイルの詳細については、「Red Hat Virtualization Host デプロイメントの自動化」を参照してください。
clearpart --all part /boot --fstype xfs --size=1000 --ondisk=sda part pv.01 --size=42000 --grow volgroup HostVG pv.01 --reserved-percent=20 logvol swap --vgname=HostVG --name=swap --fstype=swap --recommended logvol none --vgname=HostVG --name=HostPool --thinpool --size=40000 --grow logvol / --vgname=HostVG --name=root --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=6000 --grow logvol /var --vgname=HostVG --name=var --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=15000 logvol /var/log --vgname=HostVG --name=var_log --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=8000 logvol /var/log/audit --vgname=HostVG --name=var_audit --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=2000 logvol /home --vgname=HostVG --name=home --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=1000 logvol /tmp --vgname=HostVG --name=tmp --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=1000
logvol --thinpool --grow
を使用する場合は、volgroup --reserved-space
または volgroup --reserved-percent
も含め、シンプールの拡大用にボリュームグループの領域を確保する必要があります。
5.2.2. Red Hat Virtualization Host デプロイメントの自動化
物理メディアデバイスなしに Red Hat Virtualization Host (RHVH) をインストールすることができます。そのためには、インストールの質問に対する回答が含まれたキックスタートファイルを使用し、ネットワーク経由で PXE サーバーから起動します。
RHVH は Red Hat Enterprise Linux とほぼ同じ方法でインストールされるので、キックスタートファイルを使用し PXE サーバーからインストールする手順の概要については、『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』を参照してください。RHVH に固有の手順 (たとえば、Red Hat Satellite を使用した RHVH のデプロイメント) については、この後に説明します。
RHVH の自動デプロイメントは、以下の 3 つのステージで構成されます。
5.2.2.1. インストール環境の準備
- カスタマーポータル にログインします。
- メニューバーの ダウンロード をクリックします。
- Red Hat Virtualization をクリックし、ヘッダーにある 最新の Red Hat Virtualization 4.2 Host and Manager をダウンロード をクリックし、製品のダウンロードページに移動します。
- Hypervisor Image for RHV 4.2 に移動し、今すぐダウンロードする をクリックします。
- RHVH ISO イメージをネットワーク経由で提供できるようにします。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「インストールソース - ネットワーク」を参照してください。
RHVH ISO から squashfs.img ハイパーバイザーイメージファイルを抽出します。
# mount -o loop /path/to/RHVH-ISO /mnt/rhvh # cp /mnt/rhvh/Packages/redhat-virtualization-host-image-update* /tmp # cd /tmp # rpm2cpio redhat-virtualization-host-image-update* | cpio -idmv
注記/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/
ディレクトリーに格納された squashfs.img ファイルの名前は、redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img です。物理マシンにインストールするためのハイパーバイザーイメージが含まれます。/LiveOS/squashfs.img ファイルとは混同しないでください。これは、Anacondainst.stage2
オプションに使用されます。
5.2.2.2. PXE サーバーおよびブートローダーの設定
- PXE サーバーを設定します。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「ネットワークからのインストールの準備」を参照してください。
RHVH 起動イメージを
/tftpboot
ディレクトリーにコピーします。# cp mnt/rhvh/images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/pxelinux/
rhvh
ラベルを作成し、ブートローダー設定で RHVH 起動イメージを指定します。LABEL rhvh MENU LABEL Install Red Hat Virtualization Host KERNEL /var/lib/tftpboot/pxelinux/vmlinuz APPEND initrd=/var/lib/tftpboot/pxelinux/initrd.img inst.stage2=URL/to/RHVH-ISO
Red Hat Satellite からの情報を使用してホストをプロビジョニングする場合には、グローバルまたはホストグループレベルのパラメーターを作成し (ここでは
rhvh_image
)、ISO をマウントまたは抽出するディレクトリーの URL を定義する必要があります。<%# kind: PXELinux name: RHVH PXELinux %> # Created for booting new hosts # DEFAULT rhvh LABEL rhvh KERNEL <%= @kernel %> APPEND initrd=<%= @initrd %> inst.ks=<%= foreman_url("provision") %> inst.stage2=<%= @host.params["rhvh_image"] %> intel_iommu=on console=tty0 console=ttyS1,115200n8 ssh_pwauth=1 local_boot_trigger=<%= foreman_url("built") %> IPAPPEND 2
RHVH ISO の内容をローカルで利用可能な状態にし、たとえば HTTPD サーバーを使用してネットワークにエクスポートします。
# cp -a /mnt/rhvh/ /var/www/html/rhvh-install # curl URL/to/RHVH-ISO/rhvh-install
5.2.2.3. キックスタートファイルの作成と実行
- キックスタートファイルを作成し、ネットワーク経由で提供できるようにします。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「キックスタートを使ったインストール」を参照してください。
キックスタートファイルは以下に示す RHV 固有の要件を満たす必要があります。
%packages
セクションは、RHVH には必要ありません。代わりに、liveimg
オプションを使用して、RHVH ISO イメージからの redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img ファイルを指定します。liveimg --url=example.com/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img
自動パーティション設定を強く推奨します。
autopart --type=thinp
注記自動パーティション設定では、シンプロビジョニングを使用する必要があります。
/home
は必須のディレクトリーなので、RHVH では--no-home
オプションは機能しません。インストールで手動パーティション設定が必要な場合は、「カスタムパーティション設定」でパーティション設定に適用される制限およびキックスタートファイルでの手動パーティション設定の例を確認してください。
nodectl init
コマンドを呼び出す%post
セクションが必要です。%post nodectl init %end
このキックスタートの例は、RHVH のデプロイ方法を示したものです。必要に応じて、さらにコマンドとオプションを追加してください。
liveimg --url=http://FQDN/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img clearpart --all autopart --type=thinp rootpw --plaintext ovirt timezone --utc America/Phoenix zerombr text reboot %post --erroronfail nodectl init %end
このキックスタートの例では、Red Hat Satellite からの情報を使用してホストネットワークを設定し、ホストを Satellite サーバーに登録します。グローバルまたはホストグループレベルのパラメーターを作成し (ここでは
rhvh_image
)、squashfs.img ファイルを格納するディレクトリーの URL を定義する必要があります。ntp_server1
もグローバルまたはホストグループレベルの変数です。<%# kind: provision name: RHVH Kickstart default oses: - RHVH %> install liveimg --url=<%= @host.params['rhvh_image'] %>squashfs.img network --bootproto static --ip=<%= @host.ip %> --netmask=<%= @host.subnet.mask %> --gateway=<%= @host.subnet.gateway %> --nameserver=<%= @host.subnet.dns_primary %> --hostname <%= @host.name %> zerombr clearpart --all autopart --type=thinp rootpw --iscrypted <%= root_pass %> # installation answers lang en_US.UTF-8 timezone <%= @host.params['time-zone'] || 'UTC' %> keyboard us firewall --service=ssh services --enabled=sshd text reboot %post --log=/root/ks.post.log --erroronfail nodectl init <%= snippet 'subscription_manager_registration' %> <%= snippet 'kickstart_networking_setup' %> /usr/sbin/ntpdate -sub <%= @host.params['ntp_server1'] || '0.fedora.pool.ntp.org' %> /usr/sbin/hwclock --systohc /usr/bin/curl <%= foreman_url('built') %> sync systemctl reboot %end
キックスタートファイルの場所を、PXE サーバーのブートローダー設定ファイルに追加します。
APPEND initrd=/var/tftpboot/pxelinux/initrd.img inst.stage2=_URL/to/RHVH-ISO_ inst.ks=_URL/to/RHVH-ks_.cfg
- 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「AMD64 および Intel 64 のシステムで PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する」の手順に従って、RHVH をインストールします。