付録A RHEV-H 3.6 セルフホストエンジンの RHVH 4.2 セルフホストエンジンへのアップグレード
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor (RHEV-H) だけが含まれる Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 セルフホストエンジン環境を Red Hat Virtualization 4.2 にアップグレードするには、ホストを削除し、その代わりに Red Hat Virtualization Host (RHVH) をインストールする必要があります。
Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 では hosted-engine --deploy
コマンドを使用してセルフホストエンジンノードを追加しますが、このコマンドを使用してさらに RHVH 4.2 をノードとして追加することはできません。Red Hat Virtualization 4.2 では UI を使用してセルフホストエンジンノードを追加しますが、Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 ではこの UI を利用することができません。したがって、環境を 3.6 から 4.2 にアップグレードするには、まず RHVH 4.0 を実行するセルフホストエンジンノードをインストールする必要があります。この環境であれば、hosted-engine --deploy
コマンドを使用したノード追加は非推奨ですが実施可能です。
あるいは、3.6 環境に 3.6 バージョンの RHVH をインストールし、3.6 から 4.0 を経て 4.1 へという標準の段階的なアップグレードを実施することができます。詳細については、『Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 Self-Hosted Engine Guide』の「Red Hat Virtualization Hosts」を参照してください。
このシナリオは、Red Hat Enterprise Linux または次世代の RHVH セルフホストエンジンノード (だけ) が含まれるセルフホストエンジン環境には影響を及ぼしません。これらのノードは、環境から削除せずに更新することができるためです。
Manager 用仮想マシンをアップグレードする前に、/var/tmp ディレクトリーにはアプライアンスファイルを抽出するための 5 GB の空き容量が含まれるようにしてください。空き容量がない場合には、別のディレクトリーを指定するか、必要な容量がある別のストレージをマウントするようにしてください。VDSM ユーザーおよび KVM グループには、このディレクトリーでの読み取り、書き込み、実行権限を指定する必要があります。
RHEV-H 3.6 ホストが含まれる Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 セルフホストエンジン環境から RHVH 4.2 ホストが含まれる Red Hat Virtualization 4.2 環境にアップグレードするプロセスは、以下の主要なステップで構成されます。
- 新たな RHVH 4.0 ホストをインストールし、それを 3.6 セルフホストエンジン環境に追加します。新たなホストには、環境から削除して RHVH 4.0 と共に再インストールした既存の RHEV-H 3.6 ホストを使用することができます。
- Manager を 3.6 から 4.0 にアップグレードします。
- 残りの RHEV-H 3.6 ホストを削除し、それを RHVH 4.2 と共に再インストールします。
- RHVH 4.2 ホストを 4.0 環境に追加します。
- Manager を 4.0 から 4.1 にアップグレードします。
- Manager を 4.1 から 4.2 にアップグレードします。
- 残りの RHVH 4.0 ホストを RHVH 4.2 にアップグレードします。
RHEV-H 3.6 セルフホストエンジンの RHVH 4.2 セルフホストエンジンへのアップグレード
- 既存の RHEV-H 3.6 ホストを再使用する場合には、それを 3.6 環境から削除します。詳細については、『Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 セルフホストエンジンガイド』の「セルフホストエンジン環境からのホストの削除」を参照してください。
- 『Red Hat Virtualization 4.0 セルフホストエンジンガイド』の「RHEV-H ベースのセルフホストエンジン環境」に記載の手順に従って、環境を 3.6 から 4.0 にアップグレードします。この手順には、RHVH 4.0 ホストのインストールが含まれます。
残りのすべての RHEV-H 3.6 ホストを、直接 RHVH 4.2 にアップグレードします。
- ホストをセルフホストエンジン環境から削除します。詳細については、「セルフホストエンジン環境からのホストの削除」を参照してください。
- ホストを RHVH 4.2 と共に再インストールします。詳細については、『インストールガイド』の「Red Hat Virtualization Host のインストール」を参照してください。
- ホストを 4.0 環境に追加します。詳細については、『Red Hat Virtualization 4.0 セルフホストエンジンガイド』の「セルフホスト環境に追加のホストをインストールする手順」を参照してください。
Manager を 4.0 から 4.1 にアップグレードします。
管理ポータルでセルフホストエンジンノードを右クリックし、グローバル HA メンテナンスを有効にする を選択します。
数分間待ち、全般 タブに Hosted Engine HA: グローバルメンテナンス有効 と表示されているのを確認します。
- 『Red Hat Virtualization 4.1 アップグレードガイド』の「Red Hat Virtualization Manager 4.1 へのアップグレード」に記載の手順に従います。
- 「セルフホストエンジンの Red Hat Virtualization 4.1 から 4.2 へのアップグレード」に記載の手順に従って、Manager を 4.1 から 4.2 にアップグレードし、続いて最後に残った RHVH 4.0 ホストを 4.2 にアップグレードします。