30.5. デプロイメントシナリオ


VDO はさまざまな方法でデプロイして、ブロックアクセスとファイルアクセスの両方、およびローカルストレージとリモートストレージの両方に重複排除されたストレージを提供できます。VDO は、重複排除されたストレージを標準の Linux ブロックデバイスとして公開するため、標準のファイルシステム、iSCSI ターゲットドライバー、および FC ターゲットドライバー、または統合ストレージとして使用できます。

30.5.1. iSCSI ターゲット

簡単な例として、VDO ストレージターゲット全体を、iSCSI ターゲットとしてリモートの iSCSI イニシエーターにエクスポートできます。

図30.3 重複排除したブロックストレージターゲット

iSCSI ターゲットの詳細は http://linux-iscsi.org/ を参照してください。

30.5.2. ファイルシステム

ファイルアクセスが代わりとして必要な場合は、VDO 上にファイルシステムを作成し、Linux NFS サーバーまたは Samba を介して、NFS または CIFS のユーザーに公開できます。

図30.4 重複排除した NAS

30.5.3. LVM

より機能豊富なシステムは、LVM をさらに利用して、同じ重複排除されたストレージプールによってすべてバックアップされる複数の LUN を提供する場合があります。図30.5「重複排除された統合ストレージ」 では、VDO ターゲットは物理ボリュームとして登録されるため、LVM が管理できます。複数の論理ボリューム(LV1 から LV4)が、重複排除されたストレージプールから作成されます。この方法で、VDO は、基となる重複排除ストレージプールへのマルチプロトコルの統合ブロック/ファイルアクセスに対応できます。

図30.5 重複排除された統合ストレージ

重複排除した統合ストレージ設計により、複数のファイルシステムが、LVM ツールを介して同じ重複排除ドメインを共同で使用できます。また、ファイルシステムは、LVM スナップショット、コピーオンライト、縮小機能、拡大機能、および VDO にある全機能を利用できます。

30.5.4. 暗号化

現在、データのセキュリティーは極めて重要です。ますます多くの企業がデータ暗号化に関する内部ポリシーを持っています。DM-Crypt などの Linux Device Mapper メカニズムは VDO と互換性があります。VDO ボリュームを暗号化するとデータのセキュリティーが確保され、VDO を超えるファイルシステムではディスクの最適化のために重複排除機能を引き続き利用できます。上記の VDO で暗号化を適用しても、データの重複排除はほとんど発生しないことに注意してください。暗号化は、VDO が重複排除する前に、重複するブロックを異なるものにします。

図30.6 暗号化での VDO の使用

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