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第7章 ネットワークの考慮事項

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移行後にアプリケーションネットワークトラフィックをリダイレクトするための戦略を確認します。

7.1. DNS に関する考慮事項

ターゲットクラスターの DNS ドメインは、ソースクラスターのドメインとは異なります。デフォルトでは、アプリケーションは移行後にターゲットクラスターの FQDN を取得します。

移行したアプリケーションのソース DNS ドメインを保持するには、以下で説明する 2 つのオプションのいずれかを選択します。

7.1.1. クライアントからのターゲットクラスターの DNS ドメイン分離

ターゲットクラスターをクライアントに公開せずに、ソースクラスターの DNS ドメインに送信されるクライアントの要求がターゲットクラスターの DNS ドメインに到達するように許可できます。

手順

  1. クライアントとターゲットクラスターの間に、アプリケーションロードバランサーやリバースプロキシーなどの外部ネットワークコンポーネントを配置します。
  2. DNS サーバーのソースクラスターのアプリケーション FQDN を更新して、外部ネットワークコンポーネントの IP アドレスを返します。
  3. ソースドメインのアプリケーション用に受信された要求をターゲットクラスタードメインのロードバランサーに送信するようにネットワークコンポーネントを設定します。
  4. ソースクラスターのロードバランサーの IP アドレスを参照する *.apps.source.example.com ドメインのワイルドカード DNS レコードを作成します。
  5. ターゲットクラスターの前に、外部ネットワークコンポーネントの IP アドレスを参照する各アプリケーションに DNS レコードを作成します。特定の DNS レコードの優先順位はワイルドカードレコードよりも高くなるため、アプリケーションの FQDN の解決時に競合は発生しません。
注記
  • 外部ネットワークコンポーネントは、すべてのセキュアな TLS 接続を終了する必要があります。接続がターゲットクラスターロードバランサーに渡されると、ターゲットアプリケーションの FQDN がクライアントに公開され、証明書エラーが発生します。
  • アプリケーションは、ターゲットクラスタードメインを参照するリンクをクライアントに返すことはできません。そうしないと、アプリケーションの一部が正しくロードまたは機能しない可能性があります。

7.1.2. ソース DNS ドメインを受け入れるためのターゲットクラスターの設定

ソースクラスターの DNS ドメインで移行したアプリケーションの要求を受け入れるようにターゲットクラスターを設定できます。

手順

セキュアではない HTTP アクセスとセキュアな HTTPS アクセスの両方で、以下の手順を実行します。

  1. ソースクラスター内のアプリケーションの FQDN にアドレス指定された要求を受け入れるように設定されたターゲットクラスターのプロジェクトにルートを作成します。

    $ oc expose svc <app1-svc> --hostname <app1.apps.source.example.com> \
     -n <app1-namespace>

    この新規ルートが有効な場合には、サーバーはその FQDN の要求を受け入れて、対応するアプリケーション Pod に送信します。さらに、アプリケーションを移行すると、ターゲットクラスタードメインに別のルートが作成されます。要求は、これらのホスト名のいずれかを使用して、移行されたアプリケーションに到達します。

  2. ソースクラスター内のアプリケーションの FQDN がターゲットクラスターのデフォルトのロードバランサーの IP アドレスを指す DNS プロバイダーを使用して DNS レコードを作成します。これにより、トラフィックがソースクラスターからターゲットクラスターにリダイレクトされます。

    アプリケーションの FQDN は、ターゲットクラスターのロードバランサーに対して解決します。デフォルトの Ingress コントローラールーターは、そのホスト名のルートが公開されるため、対象となる FQDN の要求を受け入れます。

セキュアな HTTPS アクセスには、以下の追加手順を実行します。

  1. インストールプロセス中に作成されたデフォルトの Ingress コントローラーの x509 証明書をカスタム証明書に置き換えます。
  2. この証明書に、subjectAltName フィールドにソースおよびターゲットクラスター両方のワイルドカード DNS ドメインが含まれるように設定します。

    新しい証明書は、いずれかの DNS ドメインを使用して確立された接続を保護するために有効です。

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