2.15. VMware vSphere ボリュームを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform では、VMWare vSphere の仮想マシンディスク (VMDK: Virtual Machine Disk) ボリュームの使用が可能となります。VMWare vSphere を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と VMWare vSphere についてのある程度の理解があることが前提となります。
VMware vSphere ボリュームは動的にプロビジョニングできます。OpenShift Container Platform は vSphere にディスクを作成し、このディスクを正しいイメージに割り当てます。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。
永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。PersistentVolumeClaim (永続ボリューム要求、PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
その他の参考資料
2.15.1. VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニングは推奨される方法です。
前提条件
- 使用するコンポーネントの要件を満たす VMware vSphere バージョンにインストールされている OpenShift Container Platform クラスター。VSphere バージョンのサポートに関する詳細は、vSphere へのクラスターのインストールについて参照してください。
以下のいずれかの手順を使用し、デフォルトの StorageClass を使用してそれらのボリュームを動的にプロビジョニングできます。
2.15.1.1. UI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin
ディスク形式を使用する thin
という名前のデフォルトの StorageClass をインストールします。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
-
OpenShift Container Platform コンソールで、Storage
Persistent Volume Claims をクリックします。 - Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
結果のページで必要なオプションを定義します。
-
thin
StorageClass を選択します。 - ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択し、作成されるストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスを決定します。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
-
- Create をクリックし、 PersistentVolumeClaim を作成し、PersistentVolume を生成します。
2.15.1.2. CLI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin
ディスク形式を使用する thin
という名前のデフォルトの StorageClass をインストールします。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順 (CLI)
以下の内容でファイル
pvc.yaml
を作成して VMware vSphere PersistentVolumeClaim を定義できます。kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: pvc 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 2 resources: requests: storage: 1Gi 3
ファイルから PersistentVolumeClaim を作成します。
$ oc create -f pvc.yaml
2.15.2. VMware vSphere ボリュームの静的プロビジョニング
VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングするには、永続ボリュームフレームワークが参照する仮想マシンディスクを作成する必要があります。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
仮想マシンディスクを作成します。VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングする前に、仮想マシンディスク (VMDK) を手動で作成する必要があります。以下の方法のいずれかを使用します。
vmkfstools
を使用して作成します。セキュアシェル (SSH) を使用して ESX にアクセスし、以下のコマンドを使用して vmdk ボリュームを作成します。$ vmkfstools -c <size> /vmfs/volumes/<datastore-name>/volumes/<disk-name>.vmdk
vmware-diskmanager
を使用して作成します。$ shell vmware-vdiskmanager -c -t 0 -s <size> -a lsilogic <disk-name>.vmdk
VMDK を参照する PersistentVolume を作成します。PersistentVolume オブジェクト定義を使用して
pv1.yaml
ファイルを作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv1 1 spec: capacity: storage: 1Gi 2 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Retain vsphereVolume: 3 volumePath: "[datastore1] volumes/myDisk" 4 fsType: ext4 5
- 1
- ボリュームの名前。この名前は PersistentVolumeClaim または Pod で識別されるものです。
- 2
- このボリュームに割り当てられるストレージの量。
- 3
- vSphere ボリュームの
vsphereVolume
で使用されるボリュームタイプ。ラベルは vSphere VMDK ボリュームを Pod にマウントするために使用されます。ボリュームの内容はアンマウントされても保持されます。このボリュームタイプは、VMFS データストアと VSAN データストアの両方がサポートされます。 - 4
- 使用する既存の VMDK ボリューム。
vmkfstools
を使用した場合、前述のようにボリューム定義で、データストア名を角かっこ[]
で囲む必要があります。 - 5
- マウントするファイルシステムタイプです。ext4、xfs、または他のファイルシステムなどが例になります。
重要ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後に fsType パラメーターの値を変更すると、データ損失や Pod にエラーが発生する可能性があります。
ファイルから PersistentVolume を作成します。
$ oc create -f pv1.yaml
直前の手順で作成した PersistentVolume にマップする PersistentVolumeClaim を作成します。PersistentVolumeClaim オブジェクト定義を使用して、ファイル
pvc1.yaml
を作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: pvc1 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 2 resources: requests: storage: "1Gi" 3 volumeName: pv1 4
ファイルから PersistentVolumeClaim を作成します。
$ oc create -f pvc1.yaml
2.15.2.1. VMware vSphere ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、PersistentVolume (PV) 定義の fsType
パラメーター値で指定されたファイルシステムがボリュームに含まれることを確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
OpenShift Container Platform は初回の使用前にフォーマットするため、フォーマットされていない vSphere ボリュームを PV として使用できます。