2.7. ファイバーチャネルを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform ではファイバーチャネルがサポートされており、ファイバーチャネルボリュームを使用して OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と Fibre Channel についてある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。PersistentVolumeClaim (永続ボリューム要求、PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
その他の参考資料
2.7.1. プロビジョニング
PersistentVolume API を使用してファイバーチャネルボリュームをプロビジョニングするには、以下が利用可能でなければなりません。
-
targetWWN
(ファイバーチャネルターゲットのワールドワイド名の配列)。 - 有効な LUN 番号。
- ファイルシステムの種類。
PersistentVolume と LUN には 1 対 1 のマッピングがあります。
前提条件
- ファイバーチャネル LUN は基礎となるインフラストラクチャーに存在している必要があります。
PersistentVolume オブジェクト定義
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: pv0001
spec:
capacity:
storage: 1Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
fc:
targetWWNs: ['500a0981891b8dc5', '500a0981991b8dc5'] 1
lun: 2
fsType: ext4
- 1
- ファイバーチャネル WWN は、
/dev/disk/by-path/pci-<IDENTIFIER>-fc-0x<WWN>-lun-<LUN#>
として識別されます。 ただし、WWN
までのパス (0x
を含む) と WWN の後の文字 (-
(ハイフン) を含む) を入力する必要はありません。
ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後に fstype
パラメーターの値を変更すると、データ損失や Pod にエラーが発生する可能性があります。
2.7.1.1. ディスククォータの実施
LUN パーティションを使用してディスククォータとサイズ制限を実施します。各 LUN は単一の PersistentVolume にマップされ、固有の名前は PersistentVolume に使用する必要があります。
この方法でクォータを実施すると、エンドユーザーは永続ストレージを具体的な量 (10Gi など) で要求することができ、これを同等またはそれ以上の容量の対応するボリュームに一致させることができます。
2.7.1.2. ファイバーチャネルボリュームのセキュリティー
ユーザーは PersistentVolumeClaim でストレージを要求します。この要求はユーザーの namespace にのみ存在し、同じ namespace 内の Pod からのみ参照できます。namespace をまたいで PersistentVolume にアクセスしようとすると、Pod にエラーが発生します。
それぞれのファイバーチャネル LUN は、クラスター内のすべてのノードからアクセスできる必要があります。