1.8. ノードセレクターの使用による特定ノードへの Pod の配置
ノードセレクター は、キーと値のペアのマップを指定します。ルールは、ノード上のカスタムラベルと Pod で指定されたセレクターを使って定義されます。
Pod がノードで実行する要件を満たすには、Pod はノードのラベルとして示されるキーと値のペアを持っている必要があります。
同じ Pod 設定でノードのアフィニティーとノードセレクターを使用している場合、以下の重要な考慮事項を参照してください。
1.8.1. ノードセレクターの使用による Pod 配置の制御
Pod にノードセレクターのラベルを使用することで、Pod がスケジュールされる場所を制御できます。
ノードセレクターにより、OpenShift Container Platform は一致するラベルが含まれるノード上に Pod をスケジュールします。
ラベルはノードまたは MachineConfig に追加できますが、ノードまたはマシンが停止するとラベルは維持されません。MachineSet にラベルを追加すると、新しいノードまたはマシンにそのラベルが追加されます。
ノードセレクターを既存 Pod に追加するには、ノードセレクターを ReplicaSet、Daemonset、または StatefulSet などのノードの制御オブジェクトに追加します。制御オブジェクト下の既存 Pod は、一致するラベルを持つノードで再作成されます。新規 Pod を作成する場合、ノードセレクターを Pod 仕様に直接追加できます。
ノードセレクターを既存のスケジュールされている Pod に追加することはできません。
前提条件
ノードセレクターを既存 Pod に追加する必要がある場合、Pod の制御オブジェクトを判別します。たとえば、router-default-66d5cf9464-m2g75
Pod は router-default-66d5cf9464
ReplicaSet によって制御されます。
$ oc describe pod router-default-66d5cf9464-7pwkc Name: router-default-66d5cf9464-7pwkc Namespace: openshift-ingress .... Controlled By: ReplicaSet/router-default-66d5cf9464
Web コンソールでは、Pod YAML の ownerReferences
に制御オブジェクトを一覧表示します。
ownerReferences: - apiVersion: apps/v1 kind: ReplicaSet name: router-default-66d5cf9464 uid: d81dd094-da26-11e9-a48a-128e7edf0312 controller: true blockOwnerDeletion: true
手順
必要なラベルをノードに追加します。
$ oc label <resource> <name> <key>=<value>
たとえば、ノードにラベルを付けるには、以下を実行します。
$ oc label nodes ip-10-0-142-25.ec2.internal type=user-node region=east
ラベルはノードに適用されます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: ip-10-0-131-14.ec2.internal selfLink: /api/v1/nodes/ip-10-0-131-14.ec2.internal uid: 7bc2580a-8b8e-11e9-8e01-021ab4174c74 resourceVersion: '478704' creationTimestamp: '2019-06-10T14:46:08Z' labels: beta.kubernetes.io/os: linux failure-domain.beta.kubernetes.io/zone: us-east-1a node.openshift.io/os_version: '4.2' node-role.kubernetes.io/worker: '' failure-domain.beta.kubernetes.io/region: us-east-1 node.openshift.io/os_id: rhcos beta.kubernetes.io/instance-type: m4.large kubernetes.io/hostname: ip-10-0-131-14 region: east 1 beta.kubernetes.io/arch: amd64 type: user-node 2 ....
または、ラベルを MachineSet に追加できます。
$ oc edit MachineSet abc612-msrtw-worker-us-east-1c
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet .... spec: replicas: 2 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: ci-ln-89dz2y2-d5d6b-4995x machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker machine.openshift.io/cluster-api-machineset: ci-ln-89dz2y2-d5d6b-4995x-worker-us-east-1a template: metadata: creationTimestamp: null labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: ci-ln-89dz2y2-d5d6b-4995x machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker machine.openshift.io/cluster-api-machineset: ci-ln-89dz2y2-d5d6b-4995x-worker-us-east-1a spec: metadata: creationTimestamp: null labels: region: east 1 type: user-node 2 ....
必要なノードセレクターを Pod を追加します。
ノードセレクターを既存 Pod および新規 Pod に追加するには、ノードセレクターを Pod の制御オブジェクトに追加します。
例:
kind: ReplicaSet .... spec: .... template: metadata: creationTimestamp: null labels: ingresscontroller.operator.openshift.io/deployment-ingresscontroller: default pod-template-hash: 66d5cf9464 spec: nodeSelector: beta.kubernetes.io/os: linux node-role.kubernetes.io/worker: '' type: user-node 1
- 1
- 必要なノードセレクターを追加します。
新規 Pod の場合、セレクターを Pod 仕様に直接追加できます。
apiVersion: v1 kind: Pod ... spec: nodeSelector: <key>: <value> ...
以下は例になります。
apiVersion: v1 kind: Pod .... spec: nodeSelector: region: east type: user-node
同じ Pod 設定でノードセレクターとノードのアフィニティーを使用している場合は、以下に注意してください。
-
nodeSelector
とnodeAffinity
の両方を設定する場合、Pod が候補ノードでスケジュールされるにはどちらの条件も満たしている必要があります。 -
nodeAffinity
タイプに関連付けられた複数のnodeSelectorTerms
を指定する場合、nodeSelectorTerms
のいずれかが満たされている場合に Pod をノードにスケジュールすることができます。 -
nodeSelectorTerms
に関連付けられた複数のmatchExpressions
を指定する場合、すべてのmatchExpressions
が満たされている場合にのみ Pod をノードにスケジュールすることができます。