第2章 OpenShift Container Platform 4.1 から 4.2 への移行
2.1. アプリケーションワークロードの OpenShift Container Platform 4.1 から 4.2 への移行
アプリケーションワークロードを、Cluster Application Migration (CAM) ツールを使用して OpenShift Container Platform 4.1 から OpenShift Container Platform 4.2 に移行できます。CAM ツールを使用すると、移行を制御し、アプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
Kubernetes カスタムリソースをベースとする CAM ツールの Web コンソールおよび API により、namespace の粒度でステートフルおよびステートレスのアプリケーションワークロードを移行できます。
2.1.1. 移行の前提条件
-
すべてのクラスターで
cluster-admin
権限があること。 - ソースおよびターゲットクラスターには、レプリケーションリポジトリーへの無制限のネットワークアクセスがなければなりません。
- Migration コントローラーがインストールされているクラスターには、他のクラスターへの無制限のアクセスが必要です。
アプリケーションが
openshift
namespace のイメージを使用する場合、イメージの必要なバージョンがターゲットクラスターにある必要がある。必要なイメージがない場合は、アプリケーションと互換性のある利用可能なバージョンを使用するように
imagestreamtags
参照を更新する必要があります。imagestreamtag
を更新できない場合、同等のイメージをアプリケーション namespace に手動でアップロードし、それらを参照するようにアプリケーションを更新できます。以下の
imagestreamtag
は OpenShift Container Platform 4.2 から 削除 されています。-
dotnet:1.0
、dotnet:1.1
、dotnet:2.0
-
dotnet-runtime:2.0
-
mariadb:10.1
-
mongodb:2.4
、mongodb:2.6
-
mysql:5.5
、mysql:5.6
-
nginx:1.8
-
nodejs:0.10
、nodejs:4
,nodejs:6
-
perl:5.16
、perl:5.20
-
php:5.5
、php:5.6
-
postgresql:9.2
、postgresql:9.4
、postgresql:9.5
-
python:3.3
、python:3.4
-
ruby:2.0
、ruby:2.2
-
2.1.2. Cluster Application Migration ツールについて
Cluster Application Migration (CAM) ツールを使用すると、CAM Web コンソールまたは Kubernetes API を使用して Kubernetes リソース、永続ボリュームデータ、および内部コンテナーイメージを OpenShift Container Platform ソースクラスターから OpenShift Container Platform 4.2 ターゲットクラスターに移行できます。
CAM Web コンソールを使用してアプリケーションを移行するには、以下の手順が必要です。
Cluster Application Migration Operator をすべてのクラスターにインストールします。
注記Cluster Application Migration Operator はデフォルトで CAM ツール(CAM Web コンソールおよび Migration コントローラー)をターゲットクラスターにインストールします。CAM ツールは OpenShift Container Platform 3 およびリモートクラスターにインストールできます。
- CAM ツールがデータ移行に使用する中間オブジェクトストレージであるレプリケーションリポジトリーを設定します。
- ソースクラスターを CAM Web コンソールに追加します。
- レプリケーションリポジトリーを CAM Web コンソールに追加します。
以下のデータ移行オプションのいずれかを使用して、移行計画を作成します。
Copy: CAM ツールは、データをソースクラスターからレプリケーションリポジトリーにコピーし、レプリケーションリポジトリーからターゲットクラスターにコピーします。
Move: CAM ツールはリモートボリューム (NFS など) をソースクラスターからアンマウントし、リモートボリュームをポイントするターゲットクラスターで PV リソースを作成し、その後にリモートボリュームをターゲットクラスターにマウントします。ターゲットクラスターで実行されているアプリケーションは、ソースクラスターが使用していたものと同じリモートボリュームを使用します。リモートボリュームは、ソースクラスターおよびターゲットクラスターからアクセスできる必要があります。
注記レプリケーションリポジトリーはこの図には表示されていませんが、実際の移行には必要になります。
以下のオプションのいずれかを使用して、移行計画を実行します。
Stage (オプション) は、アプリケーションを停止せずにデータをターゲットクラスターにコピーします。
ステージングは、移行前にほとんどのデータがターゲットにコピーされるように複数回実行することができます。これにより、実際の移行時間やアプリケーションのダウンタイムが最小限に抑えられます。
- Migrate は、ソースクラスターでアプリケーションを停止し、ターゲットクラスターでそのリソースを再作成します。オプションで、アプリケーションを停止せずにワークロードを移行できます。