第1章 OpenStack へのインストール
1.1. カスタマイズによる OpenStack へのクラスターのインストール
OpenShift Container Platform バージョン 4.2 では、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にカスタマイズされたクラスターをインストールできます。インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に install-config.yaml
でパラメーターを変更します。
前提条件
OpenShift Container Platform のインストールおよび更新プロセスについての詳細を確認します。
- OpenShift Container Platform 4.2 が Available platforms セクションの RHOSP バージョンと互換性があることを確認します。RHOSP サポートマトリックスの OpenShift Container Platform を参照して、プラットフォームのサポートを異なるバージョン間で比較することもできます。
- RHOSP でメタデータサービスが有効にされていること
1.1.1. OpenShift Container Platform を OpenStack にインストールするリソースのガイドライン
クォータは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) で OpenShift Container Platform インストールプログラムを実行するために、以下の要件を満たす必要があります。
リソース | 値 |
---|---|
Floating IP アドレス | 2 |
ポート | 15 |
ルーター | 1 |
サブネット | 1 |
RAM | 112 GB |
vCPU | 28 |
ボリュームストレージ | 175 GB |
インスタンス | 7 |
セキュリティーグループ | 3 |
セキュリティーグループルール | 60 |
Swift コンテナー | 2 |
Swift オブジェクト | 1 |
Swift で利用可能な領域 | 10 MB 以上 |
Swift 領域要件は、ブートストラップ Ignition ファイルおよびイメージレジストリーのサイズによって異なります。
クラスターは推奨されるリソースよりもリソースが少ない場合にも機能する場合がありますが、その場合のパフォーマンスは保証されません。
デフォルトで、セキュリティーグループおよびセキュリティーグループルールのクォータは低く設定される可能性があります。問題が生じた場合には、管理者として openstack quota set --secgroups 3 --secgroup-rules 60 <project>
を実行して値を増やします。
OpenShift Container Platform デプロイメントは、コントロールプレーンマシン、コンピュートマシン、およびブートストラップマシンで構成されます。
1.1.1.1. コントロールプレーンおよびコンピュートマシン
デフォルトで、OpenShift Container Platform インストールプログラムは 3 つのコントロールプレーンおよびコンピュートマシンを使用します。
それぞれのマシンには以下が必要です。
- RHOSP クォータからのインスタンス
- RHOSP クォータからのポート
- 少なくとも 16 GB のメモリー、4 つの vCPU および 25 GB のストレージ領域があるフレーバー
コンピュートマシンは、OpenShift Container Platform で実行されるアプリケーションをホストします。できるだけ多くのアプリケーションを実行することが意図されています。
1.1.1.2. ブートストラップマシン
インストール時に、ブートストラップマシンは一時的にプロビジョニングされ、コントロールプレーンを初期化します。実稼働環境用のコントロールプレーンの準備ができた後に、ブートストラップマシンのプロビジョニングは解除されます。
ブートストラップマシンには以下が必要です。
- RHOSP クォータからのインスタンス
- RHOSP クォータからのポート
- 少なくとも 16 GB のメモリー、4 つの vCPU および 25 GB のストレージ領域があるフレーバー
インストールプログラムは、コントロールプレーンマシンの Ignition に認証局バンドルを渡すことはできません。そのため、エンドポイントが自己署名型の証明書を使用する場合には、ブートストラップマシンが Swift から Ignition 設定を取得できません。
1.1.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス
OpenShift Container Platform 4.2 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。
Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。
インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
- クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
- クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。 インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。
1.1.3. OpenStack での Swift の有効化
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 上の OpenShift Container Platform は OpenStack Object Storage (Swift) を使用して、ユーザー設定ファイルを保存し、これを提供します。
Swift は、swiftoperator
ロールおよび temp-url
サポートのあるユーザーアカウントによって操作されます。
前提条件
- ターゲット環境の RHOSP 管理者アカウント
-
Ceph RGW では、
account in url
オプションが有効にされる必要があります。
手順
RHOSP 上で Swift を有効にするには、以下を実行します。
RHOSP CLI の管理者として、
swiftoperator
ロールを Swift にアクセスするアカウントに追加します。$ openstack role add --user <user> --project <project> swiftoperator
swiftoperator
ロールを持つアカウントとして、アカウントの一時的な URL プロパティーを設定します。$ openstack object store account set --property Temp-URL-Key=superkey
RHOSP のデプロイメントでは、Swift を使用してファイルを保存し、提供できるようになりました。
1.1.4. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージの作成
OpenShift Container Platform インストールプログラムでは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) クラスターに存在する必要があります。最新の RHCOS イメージを取得した後、RHOSP CLI を使用してこれをアップロードします。
前提条件
- RHOSP CLI がインストールされている。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの製品ダウンロードページにログインします。
- Version で、RHEL 8 のバージョン 4.2.0 を選択します。
Red Hat Enterprise Linux CoreOS - OpenStack Image (QCOW) をダウンロードします。
重要RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。
イメージを展開します。
注記クラスターが使用する前に OpenStack イメージを圧縮解除する必要があります。
ダウンロードしたイメージから、RHOSP CLI を使用して
rhcos
という名前のイメージをクラスターに作成します。$ openstack image create --container-format=bare --disk-format=qcow2 --file rhcos-${RHCOS_VERSION}-openstack.qcow2 rhcos
注意インストールプログラムが同じ名前を持つ複数のイメージを見つける場合、それらのイメージのいずれかがランダムに選択されます。この動作を回避するには、RHOSP でリソースの一意の名前を作成します。
RHOSP にイメージをアップロードした後は、インストールプログラムでイメージを利用できます。
1.1.5. 外部ネットワークアクセスの確認
OpenShift Container Platform インストーラーでは、外部ネットワークへのアクセスが必要です。外部ネットワーク値をこれに指定する必要があります。指定しない場合には、デプロイメントは失敗します。インストーラーを実行する前に、外部ルータータイプのネットワークが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) に存在することを確認します。
前提条件
RHOSP では、
NeutronDhcpAgentDnsmasqDnsServers
パラメーターを DHP エージェントがインスタンスの DNS クエリーを転送できるように設定される必要があります。このパラメーターを設定する方法として、以下を実行できます。- テンプレートディレクトリーに新規の環境ファイルを作成します。
ファイルにパラメーター値を指定します。例:
parameter_defaults: NeutronDhcpAgentDnsmasqDnsServers: ['<DNS_server_address_1>','<DNS_server_address_2']
オーバークラウドデプロイコマンドに環境ファイルを組み込みます。例:
$ openstack overcloud deploy --templates -e neutron-dhcp-agent-dnsmasq-dns-servers.yaml ...
手順
RHOSP CLI を使用して、'External' ネットワークの名前と ID を確認します。
$ openstack network list --long -c ID -c Name -c "Router Type" +--------------------------------------+----------------+-------------+ | ID | Name | Router Type | +--------------------------------------+----------------+-------------+ | 148a8023-62a7-4672-b018-003462f8d7dc | public_network | External | +--------------------------------------+----------------+-------------+
外部ルータータイプのあるネットワークがネットワーク一覧に表示されます。1 つも表示されない場合は、「Create an external network」を参照してください。
外部ネットワークの CIDR 範囲がデフォルトのネットワーク範囲のいずれかと重複している場合、インストールプログラムを実行する前に、install-config.yaml
ファイルで一致するネットワーク範囲を変更する必要があります。
デフォルトのネットワーク範囲は以下のとおりです。
Network | 範囲 |
---|---|
machineCIDR | 10.0.0.0/16 |
serviceNetwork | 172.30.0.0/16 |
clusterNetwork | 10.128.0.0/14 |
インストールプログラムにより同じ名前を持つ複数のネットワークが見つかる場合、それらのネットワークのいずれかがランダムに設定されます。この動作を回避するには、RHOSP でリソースの一意の名前を作成します。
Neutron トランクサービスプラグインが有効にされると、トランクポートがデフォルトで作成されます。詳細は、「Neutron trunk port」を参照してください。
1.1.6. インストールプログラムのパラメーターの定義
OpenShift Container Platform インストールプログラムは、clouds.yaml
というファイルを使用します。このファイルは、プロジェクト名、ログイン情報、認可サービスの URL を含む Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 設定パラメーターを説明します。
手順
clouds.yaml
ファイルを作成します。OpenStack ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれる場合には、そこに
clouds.yaml
ファイルを生成します。重要パスワードを必ず
auth
フィールドに追加してください。シークレットは、clouds.yaml
の別のファイルに保持できます。OpenStack ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれない場合や Horizon を使用する必要がない場合には、このファイルを独自に作成します。
clouds.yaml
についての詳細は、RHOSP ドキュメントの「Config files」を参照してください。clouds: shiftstack: auth: auth_url: http://10.10.14.42:5000/v3 project_name: shiftstack username: shiftstack_user password: XXX user_domain_name: Default project_domain_name: Default dev-env: region_name: RegionOne auth: username: 'devuser' password: XXX project_name: 'devonly' auth_url: 'https://10.10.14.22:5001/v2.0'
生成するファイルを以下のいずれかの場所に置きます。
-
OS_CLIENT_CONFIG_FILE
環境変数の値 - 現行ディレクトリー
-
Unix 固有のユーザー設定ディレクトリー (例:
~/.config/openstack/clouds.yaml
) Unix 固有のサイト設定ディレクトリー (例:
/etc/openstack/clouds.yaml
)インストールプログラムはこの順序で
clouds.yaml
を検索します。
-
1.1.7. インストールプログラムの取得
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルを
ローカルコンピューターにダウンロードします。
前提条件
- Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
- インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Infrastructure Provider」ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。
重要インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ tar xvf <installation_program>.tar.gz
-
Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから、インストールプルシークレットを
.txt
ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
1.1.8. インストール設定ファイルの作成
OpenStack での OpenShift Container Platform のインストールをカスタマイズできます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。
手順
install-config.yaml
ファイルを作成します。次のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
重要空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。
オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。
注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。- ターゲットに設定するプラットフォームとして openstack を選択します。
- クラスターのインストールに使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の外部ネットワーク名を指定します。
- OpenShift API への外部アクセスに使用する Floating IP アドレスを指定します。
- コントロールプレーンおよびコンピュートノードに使用する 16 GB 以上の RAM で RHOSP フレーバーを指定します。
- クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。すべての DNS レコードはこのベースのサブドメインとなり、クラスター名も含まれます。
- クラスターの名前を入力します。名前は 14 文字以下でなければなりません。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
-
install-config.yaml
ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細については、「インストール設定パラメーター」セクションを参照してください。 install-config.yaml
ファイルをバックアップし、これを複数のクラスターをインストールするために使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。
1.1.9. インストール設定パラメーター
OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。 install-config.yaml
インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml
ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。
インストール後は、install-config.yaml
ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
|
クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 |
|
|
コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は |
|
|
ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は |
|
| クラスターの名前。 |
|
| クラスターをデプロイするリージョン。 |
AWS の |
| Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Pull Secret」ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。 |
{ "auths":{ "cloud.openshift.com":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" }, "quay.io":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" } } } |
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。 注記
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 |
|
|
コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
| プロビジョニングするコンピュートマシン(ワーカーマシンとしても知られる)の数。 |
|
|
コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
| プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 |
|
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| コンピュートマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。 |
整数 (例: |
| コンピュートマシンの場合、root のボリュームタイプです。 |
文字列 (例: |
| コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。 |
整数 (例: |
| コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのタイプです。 |
文字列 (例: |
| RHOSP クラスターが作成されるリージョン。 |
文字列 (例: |
|
|
文字列 (例: |
| オプション。クラスターインスタンスが DNS 解決に使用する外部 DNS サーバーの IP アドレス。 |
IP アドレスの一覧 (文字列)。例: |
| インストールに使用される RHOSP の外部ネットワーク名。 |
文字列 (例: |
| コントロールプレーンおよびコンピュートマシンに使用する RHOSP フレーバー。 |
文字列 (例: |
| ロードバランサー API に関連付ける既存の Floating IP アドレス。 |
IP アドレス (例: |
| オプション。デフォルトのマシンプールプラットフォームの設定。 |
{ "type": "ml.large", "rootVolume": { "size": 30, "type": "performance" } } |
1.1.9.1. OpenStack のカスタマイズされた install-config.yaml
ファイルのサンプル
このサンプル install-config.yaml
は、すべての可能な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) カスタマイズオプションを示しています。
このサンプルファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml
ファイルを取得する必要があります。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com clusterID: os-test controlPlane: name: master platform: {} replicas: 3 compute: - name: worker platform: openstack: type: ml.large replicas: 3 metadata: name: example networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineCIDR: 10.0.0.0/16 serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 networkType: OpenShiftSDN platform: openstack: region: region1 cloud: mycloud externalNetwork: external computeFlavor: m1.xlarge lbFloatingIP: 128.0.0.1 pullSecret: '{"auths": ...}' sshKey: ssh-ed25519 AAAA...
1.1.10. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加
クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent
とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。
実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。
このキーを使用して、ユーザー core
としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
一覧に追加されます。
AWS キーペアなどのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ ssh-keygen -t rsa -b 4096 -N '' \ -f <path>/<file_name> 1
- 1
~/.ssh/id_rsa
などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。
このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。
ssh-agent
プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。$ eval "$(ssh-agent -s)" Agent pid 31874
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。$ ssh-add <path>/<file_name> 1 Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
- 1
~/.ssh/id_rsa
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
次のステップ
- OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。
1.1.11. 環境へのアクセスの有効化
デプロイ時に、OpenShift Container Platform マシンはすべて Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) テナントネットワークに作成されます。したがって、ほとんどの RHOSP デプロイメントでは直接アクセスできません。
OpenShift Container Platform API を、Floating IP アドレスを使用/不使用でアクセス可能になるように設定できます。
1.1.11.1. Floating IP アドレスを使ったアクセスの有効化
OpenShift Container Platform API エンドポイントに 2 つのエンドポイントを割り当てることにより、これらのエンドポイントをアクセス可能にします。その内の 1 つは API ロードバランサー用で (lb FIP
)、もう 1 つは OpenShift Container Platform アプリケーション用 (apps FIP
) になります。
ロードバランサー FIP も install-config.yaml
ファイルで使用されます。
手順
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、新しい外部ネットワークを作成します。
$ openstack floating ip create <external network>
このパターンに準拠するレコードを DNS サーバーに追加します。
api.<cluster name>.<base domain> IN A <lb FIP>
注記DNS サーバーを制御しない場合は、代わりに
/etc/hosts
ファイルにレコードを追加します。このアクションにより、API は他者のアクセスできない状態になり、この状態は実稼働デプロイメントには適していませんが、開発およびテスト目的のインストールが可能になります。
Floating IP アドレスを割り当て、ファイアウォール設定を更新することで、OpenShift Container Platform リソースがクラスター外で利用できる状態にすることができます。
1.1.11.2. Floating IP アドレスを使用しないアクセスの有効化
Floating IP アドレスを使用できない場合でも、OpenShift Container Platform のインストールは終了できる可能性があります。ただし、インストールプラグラムは API アクセスを待機してタイムアウトする場合は失敗します。
インストールプログラムがタイムアウトすると、クラスターは初期化される可能性があります。ブートストラップ処理が開始されたら、これを完了する必要があります。ただし、デプロイ後にクラスターのネットワーク設定を編集する必要があります。
1.1.12. クラスターのデプロイ
互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。
インストールプログラムの create cluster
コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。
手順
インストールプログラムを実行します。
$ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1 --log-level=info 2
注記ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。
クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや
kubeadmin
ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。重要インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになる証明書が含まれます。最初の証明書のローテーションが正常に実行されるようにするには、クラスターを動作が低下していない状態で 24 時間実行し続ける必要があります。
重要インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
1.1.13. クラスターステータスの確認
インストール時またはインストール後に OpenShift Container Platform クラスターのステータスを確認するには、以下を実行します。
手順
クラスター環境で、管理者の kubeconfig ファイルをエクスポートします。
$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。デプロイメント後に作成されたコントロールプレーンおよびコンピュートマシンを表示します。
$ oc get nodes
クラスターのバージョンを表示します。
$ oc get clusterversion
Operator のステータスを表示します。
$ oc get clusteroperator
クラスター内のすべての実行中の Pod を表示します。
$ oc get pods -A
1.1.14. クラスターへのログイン
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ。
-
oc
CLI のインストール。
手順
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
エクスポートされた設定を使用して、
oc
コマンドを正常に実行できることを確認します。$ oc whoami system:admin
1.1.15. Floating IP アドレスを使用したアプリケーションアクセスの設定
OpenShift Container Platform をインストールした後に、アプリケーションネットワークトラフィックを許可するように Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) を設定します。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターがインストールされていること
- 「環境へのアクセスの有効化」で説明されているように、Floating IP アドレスが有効にされます。
手順
OpenShift Container Platform クラスターをインストールした後に、Floating IP アドレスを Ingress ポートに割り当てます。
ポートを表示します。
$ openstack port show <cluster name>-<clusterID>-ingress-port
ポートを IP アドレスに接続します。
$ openstack floating ip set --port <ingress port ID> <apps FIP>
*apps.
のワイルドカードA
レコードを DNS ファイルに追加します。*.apps.<cluster name>.<base domain> IN A <apps FIP>
DNS サーバーを制御せず、非実稼働環境でアプリケーションアクセスを有効にする必要がある場合は、これらのホスト名を /etc/hosts
に追加できます。
<apps FIP> console-openshift-console.apps.<cluster name>.<base domain> <apps FIP> integrated-oauth-server-openshift-authentication.apps.<cluster name>.<base domain> <apps FIP> oauth-openshift.apps.<cluster name>.<base domain> <apps FIP> prometheus-k8s-openshift-monitoring.apps.<cluster name>.<base domain> <apps FIP> grafana-openshift-monitoring.apps.<cluster name>.<base domain> <apps FIP> <app name>.apps.<cluster name>.<base domain>
次のステップ
- クラスターをカスタマイズします。
- 必要な場合は、リモートの健全性レポートをオプトアウトすることができます。