ストレージ
OpenShift Container Platform でのストレージの設定および管理
概要
第1章 OpenShift Container Platform ストレージの概要
OpenShift Container Platform は、オンプレミスおよびクラウドプロバイダーの両方で、複数のタイプのストレージをサポートします。OpenShift Container Platform クラスターで、永続データおよび非永続データ用のコンテナーストレージを管理できます。
1.1. ストレージタイプ
OpenShift Container Platform ストレージは、一時ストレージおよび永続ストレージという 2 つのカテゴリーに大別されます。
1.1.1. 一時ストレージ
Pod およびコンテナーは性質上、一時的または遷移的であり、ステートレスアプリケーション用に設計されています。一時ストレージを使用すると、管理者および開発者は一部の操作についてローカルストレージをより適切に管理できるようになります。一時ストレージの概要、タイプ、および管理についての詳細は、一時ストレージについて を参照してください。
1.1.2. 永続ストレージ
コンテナーにデプロイされるステートフルアプリケーションには永続ストレージが必要です。OpenShift Container Platform は、永続ボリューム (PV) と呼ばれる事前にプロビジョニングされたストレージフレームワークを使用して、クラスター管理者が永続ストレージをプロビジョニングできるようにします。これらのボリューム内のデータは、個々の Pod のライフサイクルを超えて存在することができます。開発者は Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC) を使用してストレージ要件を要求できます。永続ストレージの概要、設定、およびライフサイクルについての詳細は、永続ストレージについて を参照してください。
1.2. Container Storage Interface (CSI)
CSI は、異なるコンテナーオーケストレーション (CO) システム間でコンテナーストレージを管理するための API 仕様です。基礎となるストレージインフラストラクチャーについての特定の知識がなくても、コンテナーネイティブ環境でストレージボリュームを管理できます。CSI により、使用しているストレージベンダーに関係なく、ストレージは異なるコンテナーオーケストレーションシステム間で均一に機能します。CSI の詳細は、Using Container Storage Interface (CSI) を参照してください。
1.3. 動的プロビジョニング
動的プロビジョニングにより、ストレージボリュームをオンデマンドで作成し、クラスター管理者がストレージを事前にプロビジョニングする必要をなくすことができます。動的プロビジョニングについての詳細は、動的プロビジョニング を参照してください。
第2章 一時ストレージについて
2.1. 概要
永続ストレージに加え、Pod とコンテナーは、操作に一時または短期的なローカルストレージを必要とする場合があります。この一時ストレージは、個別の Pod の寿命より長くなることはなく、一時ストレージは Pod 間で共有することはできません。
Pod は、スクラッチスペース、キャッシュ、ログに一時ローカルストレージを使用します。ローカルストレージのアカウントや分離がないことに関連する問題には、以下が含まれます。
- Pod は利用可能なローカルストレージのサイズを認識しない。
- Pod がローカルストレージを要求しても確実に割り当てられない可能性がある。
- ローカルストレージはベストエフォートのリソースである。
- Pod は、他の Pod でローカルストレージがいっぱいになるとエビクトされる可能性があり、十分なストレージが回収されるまで、新しい Pod は入れない。
一時ストレージは、永続ボリュームとは異なり、体系化されておらず、システム、コンテナーランタイム、Openshift Container Platform での他の用途に加え、ノードで実行中のすべての Pod 間で領域を共有します。一時ストレージフレームワークにより、Pod は短期的なローカルストレージのニーズを指定できます。またこれにより、OpenShift Container Platform は該当する場合に Pod をスケジュールし、ローカルストレージの過剰な使用に対してノードを保護することができます。
一時ストレージフレームワークでは、管理者および開発者がこのローカルストレージの管理を改善できますが、I/O スループットやレイテンシーに関する確約はありません。
2.2. 一時ストレージのタイプ
一時ローカルストレージは常に、プライマリーパーティションで利用できるようになっています。プライマリーパーティションを作成する基本的な方法には、Root、ランタイム の 2 つがあります。
Root
このパーティションでは、kubelet の root ディレクトリー /var/lib/kubelet/
(デフォルト) と /var/log/
ディレクトリーを保持します。このパーティションは、ユーザーの Pod、OS、Kubernetes システムのデーモン間で共有できます。Pod は、EmptyDir
ボリューム、コンテナーログ、イメージ階層、コンテナーの書き込み可能な階層を使用して、このパーティションを使用できます。Kubelet はこのパーティションの共有アクセスおよび分離を管理します。このパーティションは一時的なもので、アプリケーションは、このパーティションからディスク IOPS などのパフォーマンス SLA は期待できません。
ランタイム
これは、ランタイムがオーバーレイファイルシステムに使用可能なオプションのパーティションです。OpenShift Container Platform は、このパーティションの分離および共有アクセスを特定して提供します。コンテナーイメージ階層と書き込み可能な階層は、ここに保存されます。ランタイムパーティションが存在する場合は、root
パーティションにはイメージ階層もその他の書き込み可能階層も含まれません。
2.3. 一時ストレージ管理
クラスター管理者は、非終了状態のすべての Pod の一時ストレージに対して制限範囲や一時ストレージの要求数を定義するクォータを設定することで、プロジェクト内で一時ストレージを管理できます。開発者は Pod およびコンテナーのレベルで、このコンピュートリソースの要求および制限を設定することもできます。
2.4. 一時ストレージのモニタリング
/bin/df
をツールとして使用し、一時コンテナーデータが置かれているボリューム (/var/lib/kubelet
および /var/lib/containers
) の一時ストレージの使用をモニターすることができます。/var/lib/kubelet
のみが使用できる領域は、クラスター管理者によって /var/lib/containers
が別のディスクに置かれる場合に df
コマンドを使用すると表示されます。
/var/lib
での使用済みおよび利用可能な領域の人間が判読できる値を表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ df -h /var/lib
この出力には、/var/lib
での一時ストレージの使用状況が表示されます。
出力例
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/sda1 69G 32G 34G 49% /
第3章 永続ストレージについて
3.1. 永続ストレージの概要
ストレージの管理は、コンピュートリソースの管理とは異なります。OpenShift Container Platform は Kubernetes 永続ボリューム (PV) フレームワークを使用してクラスター管理者がクラスターの永続ストレージのプロビジョニングを実行できるようにします。開発者は、永続ボリューム要求 (PVC) を使用すると、基礎となるストレージインフラストラクチャーについての特定の知識がなくても PV リソースを要求することができます。
PVC はプロジェクトに固有のもので、開発者が PV を使用する手段として作成し、使用します。PV リソース自体のスコープはいずれの単一プロジェクトにも設定されず、それらは OpenShift Container Platform クラスター全体で共有でき、すべてのプロジェクトから要求できます。PV が PVC にバインドされた後は、その PV を追加の PVC にバインドすることはできません。これにはバインドされた PV を単一の namespace (バインディングプロジェクトの namespace) にスコープ設定する作用があります。
PV は、クラスター管理者によって静的にプロビジョニングされているか、または StorageClass
オブジェクトを使用して動的にプロビジョニングされているクラスター内の既存ストレージの一部を表す、PersistentVolume
API オブジェクトで定義されます。これは、ノードがクラスターリソースであるのと同様にクラスター内のリソースです。
PV は Volumes
などのボリュームプラグインですが、PV を使用する個々の Pod から独立したライフサイクルを持ちます。PV オブジェクトは、NFS、iSCSI、またはクラウドプロバイダー固有のストレージシステムのいずれの場合でも、ストレージの実装の詳細をキャプチャーします。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
PVC は、開発者によるストレージの要求を表す PersistentVolumeClaim
API オブジェクトによって定義されます。これは Pod がノードリソースを消費する点で Pod に似ており、PVC は PV リソースを消費します。たとえば、Pod は特定のレベルのリソース (CPU およびメモリーなど) を要求し、PVC は特定のストレージ容量およびアクセスモードを要求できます。たとえば、それらは読み取り/書き込みで 1 回、読み取り専用で複数回マウントできます。
3.2. ボリュームおよび要求のライフサイクル
PV はクラスターのリソースです。PVC はそれらのリソースの要求であり、リソースに対する要求チェックとして機能します。PV と PVC 間の相互作用には以下のライフサイクルが設定されます。
3.2.1. ストレージのプロビジョニング
PVC で定義される開発者からの要求に対応し、クラスター管理者はストレージおよび一致する PV をプロビジョニングする 1 つ以上の動的プロビジョナーを設定します。
または、クラスター管理者は、使用可能な実際のストレージの詳細を保持する多数の PV を前もって作成できます。PV は API に存在し、利用可能な状態になります。
3.2.2. 要求のバインド
PVC の作成時に、ストレージの特定容量の要求、必要なアクセスモードの指定のほか、ストレージクラスを作成してストレージの記述や分類を行います。マスターのコントロールループは新規 PVC の有無を監視し、新規 PVC を適切な PV にバインドします。適切な PV がない場合には、ストレージクラスのプロビジョナーが PV を作成します。
すべての PV のサイズが PVC サイズを超える可能性があります。これは、手動でプロビジョニングされる PV にとくに当てはまります。超過を最小限にするために、OpenShift Container Platform は他のすべての条件に一致する最小の PV にバインドします。
要求は、一致するボリュームが存在しないか、ストレージクラスを提供するいずれの利用可能なプロビジョナーで作成されない場合には無期限でバインドされないままになります。要求は、一致するボリュームが利用可能になるとバインドされます。たとえば、多数の手動でプロビジョニングされた 50Gi ボリュームを持つクラスターは 100Gi を要求する PVC に一致しません。PVC は 100Gi PV がクラスターに追加されるとバインドされます。
3.2.3. Pod および要求した PV の使用
Pod は要求をボリュームとして使用します。クラスターは要求を検査して、バインドされたボリュームを検索し、Pod にそのボリュームをマウントします。複数のアクセスモードをサポートするボリュームの場合、要求を Pod のボリュームとして使用する際に適用するモードを指定する必要があります。
要求が存在し、その要求がバインドされている場合、バインドされた PV を必要な期間保持することができます。Pod のスケジュールおよび要求された PV のアクセスは、persistentVolumeClaim
を Pod のボリュームブロックに組み込んで実行できます。
ファイル数が多い永続ボリュームを Pod に割り当てる場合、それらの Pod は失敗するか、または起動に時間がかかる場合があります。詳細は、When using Persistent Volumes with high file counts in OpenShift, why do pods fail to start or take an excessive amount of time to achieve "Ready" state? を参照してください。
3.2.4. 使用中のストレージオブジェクトの保護
使用中のストレージオブジェクトの保護機能を使用すると、Pod または PVC にバインドされる PV によってアクティブに使用されている PVC がシステムから削除されないようにすることができます。これらが削除されると、データが失われる可能性があります。
使用中のストレージオブジェクトの保護はデフォルトで有効にされています。
PVC は、PVC を使用する Pod
オブジェクトが存在する場合に Pod によってアクティブに使用されます。
ユーザーが Pod によってアクティブに使用されている PVC を削除する場合でも、PVC はすぐに削除されません。PVC の削除は、PVC が Pod によってアクティブに使用されなくなるまで延期されます。また、クラスター管理者が PVC にバインドされる PV を削除しても、PV はすぐに削除されません。PV の削除は、PV が PVC にバインドされなくなるまで延期されます。
3.2.5. 永続ボリュームの解放
ボリュームの処理が終了したら、API から PVC オブジェクトを削除できます。これにより、リソースを回収できるようになります。ボリュームは要求の削除時に解放 (リリース) されたものとみなされますが、別の要求で利用できる状態にはなりません。以前の要求側に関連するデータはボリューム上に残るので、ポリシーに基づいて処理される必要があります。
3.2.6. 永続ボリュームの回収ポリシー
永続ボリュームの回収ポリシーは、クラスターに対してリリース後のボリュームの処理方法について指示します。ボリュームの回収ポリシーは、Retain
、Recycle
または Delete
のいずれかにすることができます。
-
Retain
回収ポリシーは、サポートするボリュームプラグインのリソースの手動による回収を許可します。 -
Recycle
回収ポリシーは、ボリュームがその要求からリリースされると、バインドされていない永続ボリュームのプールにボリュームをリサイクルします。
Recycle
回収ポリシーは OpenShift Container Platform 4 では非推奨となっています。動的プロビジョニングは、同等またはそれ以上の機能で推奨されます。
-
Delete
回収ポリシーは、OpenShift Container Platform のPersistentVolume
オブジェクトと、AWS EBS または VMware vSphere などの外部インフラストラクチャーの関連するストレージアセットの両方を削除します。
動的にプロビジョニングされたボリュームは常に削除されます。
3.2.7. 永続ボリュームの手動回収
永続ボリューム要求 (PVC) が削除されても、永続ボリューム (PV) は依然として存在し、released (リリース済み) とみなされます。ただし、PV は、直前の要求側のデータがボリューム上に残るため、別の要求には利用できません。
手順
クラスター管理者として PV を手動で回収するには、以下を実行します。
PV を削除します。
$ oc delete pv <pv-name>
AWS EBS、GCE PD、Azure Disk、Cinder ボリュームなどの外部インフラストラクチャーの関連するストレージアセットは、PV の削除後も引き続き存在します。
- 関連するストレージアセットのデータをクリーンアップします。
- 関連するストレージアセットを削除します。または、同じストレージアセットを再利用するには、ストレージアセットの定義で新規 PV を作成します。
回収される PV が別の PVC で使用できるようになります。
3.2.8. 永続ボリュームの回収ポリシーの変更
永続ボリュームの回収ポリシーを変更するには、以下を実行します。
クラスターの永続ボリュームを一覧表示します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESSMODES RECLAIMPOLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE pvc-b6efd8da-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Delete Bound default/claim1 manual 10s pvc-b95650f8-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Delete Bound default/claim2 manual 6s pvc-bb3ca71d-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Delete Bound default/claim3 manual 3s
永続ボリュームの 1 つを選択し、その回収ポリシーを変更します。
$ oc patch pv <your-pv-name> -p '{"spec":{"persistentVolumeReclaimPolicy":"Retain"}}'
選択した永続ボリュームに正しいポリシーがあることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESSMODES RECLAIMPOLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE pvc-b6efd8da-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Delete Bound default/claim1 manual 10s pvc-b95650f8-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Delete Bound default/claim2 manual 6s pvc-bb3ca71d-b7b5-11e6-9d58-0ed433a7dd94 4Gi RWO Retain Bound default/claim3 manual 3s
上記の出力では、要求
default/claim3
にバインドされたボリュームにRetain
回収ポリシーが含まれるようになりました。ユーザーが要求default/claim3
を削除した場合、ボリュームは自動的に削除されません。
3.3. 永続ボリューム
各 PV には、以下の例のように、ボリュームの仕様およびステータスである spec
および status
が含まれます。
PersistentVolume
オブジェクト定義の例
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv0001 1 spec: capacity: storage: 5Gi 2 accessModes: - ReadWriteOnce 3 persistentVolumeReclaimPolicy: Retain 4 ... status: ...
3.3.1. PV の種類
OpenShift Container Platform は以下の永続ボリュームプラグインをサポートします。
- AWS Elastic Block Store (EBS)
- Azure Disk
- Azure File
- Cinder
- ファイバーチャネル
- GCE Persistent Disk
- HostPath
- iSCSI
- ローカルボリューム
- NFS
- OpenStack Manila
- Red Hat OpenShift Container Storage
- VMware vSphere
3.3.2. 容量
通常、永続ボリューム (PV) には特定のストレージ容量があります。これは PV の capacity
属性を使用して設定されます。
現時点で、ストレージ容量は設定または要求できる唯一のリソースです。今後は属性として IOPS、スループットなどが含まれる可能性があります。
3.3.3. アクセスモード
永続ボリュームは、リソースプロバイダーでサポートされるすべての方法でホストにマウントできます。プロバイダーには各種の機能があり、それぞれの PV のアクセスモードは特定のボリュームでサポートされる特定のモードに設定されます。たとえば、NFS は複数の読み取り/書き込みクライアントをサポートしますが、特定の NFS PV は読み取り専用としてサーバー上でエクスポートされる可能性があります。それぞれの PV は、その特定の PV の機能について記述するアクセスモードの独自のセットを取得します。
要求は、同様のアクセスモードのボリュームに一致します。一致する条件はアクセスモードとサイズの 2 つの条件のみです。要求のアクセスモードは要求 (request) を表します。そのため、より多くのアクセスを付与することはできますが、アクセスを少なくすることはできません。たとえば、要求により RWO が要求されるものの、利用できる唯一のボリュームが NFS PV (RWO+ROX+RWX) の場合に、要求は RWO をサポートする NFS に一致します。
直接的なマッチングが常に最初に試行されます。ボリュームのモードは、要求モードと一致するか、要求した内容以上のものを含む必要があります。サイズは予想されるものより多いか、またはこれと同等である必要があります。2 つのタイプのボリューム (NFS および iSCSI など) のどちらにも同じセットのアクセスモードがある場合、それらのいずれかがそれらのモードを持つ要求に一致する可能性があります。ボリュームのタイプ間で順序付けすることはできず、タイプを選択することはできません。
同じモードのボリュームはすべて分類され、サイズ別 (一番小さいものから一番大きいもの順) に分類されます。バインダーは一致するモードのグループを取得し、1 つのサイズが一致するまでそれぞれを (サイズの順序で) 繰り返し処理します。
以下の表では、アクセスモードをまとめています。
アクセスモード | CLI の省略形 | 説明 |
---|---|---|
ReadWriteOnce |
| ボリュームは単一ノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
ReadOnlyMany |
| ボリュームは数多くのノードで読み取り専用としてマウントできます。 |
ReadWriteMany |
| ボリュームは数多くのノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
ボリュームのアクセスモードは、ボリューム機能の記述子になります。それらは施行されている制約ではありません。ストレージプロバイダーはリソースの無効な使用から生じるランタイムエラーに対応します。
たとえば、NFS は ReadWriteOnce
アクセスモードを提供します。ボリュームの ROX 機能を使用する必要がある場合は、要求に read-only
のマークを付ける必要があります。プロバイダーのエラーは、マウントエラーとしてランタイム時に表示されます。
iSCSI およびファイバーチャネルボリュームには現在、フェンシングメカニズムがありません。ボリュームが一度に 1 つのノードでのみ使用されるようにする必要があります。ノードのドレイン (解放) などの特定の状況では、ボリュームは 2 つのノードで同時に使用できます。ノードをドレイン (解放) する前に、まずこれらのボリュームを使用する Pod が削除されていることを確認してください。
ボリュームプラグイン | ReadWriteOnce [1] | ReadOnlyMany | ReadWriteMany |
---|---|---|---|
AWS EBS [2] | ✅ | - | - |
Azure File | ✅ | ✅ | ✅ |
Azure Disk | ✅ | - | - |
Cinder | ✅ | - | - |
ファイバーチャネル | ✅ | ✅ | - |
GCE Persistent Disk | ✅ | - | - |
HostPath | ✅ | - | - |
iSCSI | ✅ | ✅ | - |
ローカルボリューム | ✅ | - | - |
NFS | ✅ | ✅ | ✅ |
OpenStack Manila | - | - | ✅ |
Red Hat OpenShift Container Storage | ✅ | - | ✅ |
VMware vSphere | ✅ | - | - |
- ReadWriteOnce (RWO) ボリュームは複数のノードにマウントできません。ノードに障害が発生すると、システムは、すでに障害が発生しているノードに割り当てられているため、割り当てられた RWO ボリュームを新規ノードにマウントすることはできません。複数割り当てのエラーメッセージが表示される場合には、シャットダウンまたはクラッシュしたノードで Pod を強制的に削除し、動的永続ボリュームの割り当て時などの重要なワークロードでのデータ損失を回避します。
- AWS EBS に依存する Pod の再作成デプロイメントストラテジーを使用します。
3.3.4. フェーズ
ボリュームは以下のフェーズのいずれかにあります。
フェーズ | 説明 |
---|---|
Available | まだ要求にバインドされていない空きリソースです。 |
Bound | ボリュームが要求にバインドされています。 |
Released | 要求が削除されていますが、リソースがまだクラスターにより回収されていません。 |
Failed | ボリュームが自動回収に失敗しています。 |
以下を実行して PV にバインドされている PVC の名前を表示できます。
$ oc get pv <pv-claim>
3.3.4.1. マウントオプション
属性 mountOptions
を使用して PV のマウント中にマウントオプションを指定できます。
以下に例を示します。
マウントオプションの例
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: pv0001
spec:
capacity:
storage: 1Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
mountOptions: 1
- nfsvers=4.1
nfs:
path: /tmp
server: 172.17.0.2
persistentVolumeReclaimPolicy: Retain
claimRef:
name: claim1
namespace: default
- 1
- 指定のマウントオプションは、PV がディスクにマウントされている時に使用されます。
以下の PV タイプがマウントオプションをサポートします。
- AWS Elastic Block Store (EBS)
- Azure Disk
- Azure File
- Cinder
- GCE Persistent Disk
- iSCSI
- ローカルボリューム
- NFS
- Red Hat OpenShift Container Storage (Ceph RBD のみ)
- VMware vSphere
ファイバーチャネルおよび HostPath PV はマウントオプションをサポートしません。
3.4. 永続ボリューム要求 (PVC)
各 PersistentVolumeClaim
オブジェクトには、永続ボリューム要求 (PVC) の仕様およびステータスである spec
および status
が含まれます。 以下が例になります。
PersistentVolumeClaim
オブジェクト定義の例
kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: myclaim 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 2 resources: requests: storage: 8Gi 3 storageClassName: gold 4 status: ...
3.4.1. ストレージクラス
要求は、ストレージクラスの名前を storageClassName
属性に指定して特定のストレージクラスをオプションでリクエストできます。リクエストされたクラスの PV、つまり PVC と同じ storageClassName
を持つ PV のみが PVC にバインドされます。クラスター管理者は 1 つ以上のストレージクラスを提供するように動的プロビジョナーを設定できます。クラスター管理者は、PVC の仕様に一致する PV をオンデマンドで作成できます。
Cluster Storage Operator は、使用されるプラットフォームに応じてデフォルトのストレージクラスをインストールする可能性があります。このストレージクラスは Operator によって所有され、制御されます。アノテーションとラベルを定義するほかは、これを削除したり、変更したりすることはできません。異なる動作が必要な場合は、カスタムストレージクラスを定義する必要があります。
クラスター管理者は、すべての PVC にデフォルトストレージクラスを設定することもできます。デフォルトのストレージクラスが設定されると、PVC は ""
に設定された StorageClass
または storageClassName
アノテーションがストレージクラスなしの PV にバインドされるように明示的に要求する必要があります。
複数のストレージクラスがデフォルトとしてマークされている場合、PVC は storageClassName
が明示的に指定されている場合にのみ作成できます。そのため、1 つのストレージクラスのみをデフォルトとして設定する必要があります。
3.4.2. アクセスモード
要求は、特定のアクセスモードのストレージを要求する際にボリュームと同じ規則を使用します。
3.4.3. リソース
要求は、Pod の場合のようにリソースの特定の数量を要求できます。今回の例では、ストレージに対する要求です。同じリソースモデルがボリュームと要求の両方に適用されます。
3.4.4. ボリュームとしての要求
Pod は要求をボリュームとして使用することでストレージにアクセスします。この要求を使用して、Pod と同じ namespace 内に要求を共存させる必要があります。クラスターは Pod の namespace で要求を見つけ、これを使用して要求をサポートする PersistentVolume
を取得します。以下のように、ボリュームはホストにマウントされ、Pod に組み込まれます。
ホストおよび Pod のサンプルへのボリュームのマウント
kind: Pod apiVersion: v1 metadata: name: mypod spec: containers: - name: myfrontend image: dockerfile/nginx volumeMounts: - mountPath: "/var/www/html" 1 name: mypd 2 volumes: - name: mypd persistentVolumeClaim: claimName: myclaim 3
3.5. ブロックボリュームのサポート
OpenShift Container Platform は、raw ブロックボリュームを静的にプロビジョニングできます。これらのボリュームにはファイルシステムがなく、ディスクに直接書き込むアプリケーションや、独自のストレージサービスを実装するアプリケーションにはパフォーマンス上の利点があります。
raw ブロックボリュームは、PV および PVC 仕様で volumeMode: Block
を指定してプロビジョニングされます。
raw ブロックボリュームを使用する Pod は、特権付きコンテナーを許可するように設定する必要があります。
以下の表は、ブロックボリュームをサポートするボリュームプラグインを表示しています。
ボリュームプラグイン | 手動のプロビジョニング | 動的なプロビジョニング | 完全対応 |
---|---|---|---|
AWS EBS | ✅ | ✅ | ✅ |
Azure Disk | ✅ | ✅ | ✅ |
Azure File | |||
Cinder | ✅ | ✅ | |
ファイバーチャネル | ✅ | ✅ | |
GCP | ✅ | ✅ | ✅ |
HostPath | |||
iSCSI | ✅ | ✅ | |
ローカルボリューム | ✅ | ✅ | |
NFS | |||
Red Hat OpenShift Container Storage | ✅ | ✅ | ✅ |
VMware vSphere | ✅ | ✅ | ✅ |
手動でプロビジョニングできるものの、完全にサポートされていないブロックボリュームはいずれも、テクノロジープレビューとしてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲についての詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
3.5.1. ブロックボリュームの例
PV の例
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: block-pv
spec:
capacity:
storage: 10Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
volumeMode: Block 1
persistentVolumeReclaimPolicy: Retain
fc:
targetWWNs: ["50060e801049cfd1"]
lun: 0
readOnly: false
- 1
volumeMode
をBlock
に設定して、この PV が raw ブロックボリュームであることを示します。
PVC の例
apiVersion: v1
kind: PersistentVolumeClaim
metadata:
name: block-pvc
spec:
accessModes:
- ReadWriteOnce
volumeMode: Block 1
resources:
requests:
storage: 10Gi
- 1
volumeMode
をBlock
に設定して、raw ブロック PVC が要求されていることを示します。
Pod
仕様の例
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: pod-with-block-volume spec: containers: - name: fc-container image: fedora:26 command: ["/bin/sh", "-c"] args: [ "tail -f /dev/null" ] volumeDevices: 1 - name: data devicePath: /dev/xvda 2 volumes: - name: data persistentVolumeClaim: claimName: block-pvc 3
値 | デフォルト |
---|---|
Filesystem | Yes |
Block | No |
PV volumeMode | PVC volumeMode | バインディングの結果 |
---|---|---|
Filesystem | Filesystem | バインド |
Unspecified | Unspecified | バインド |
Filesystem | Unspecified | バインド |
Unspecified | Filesystem | バインド |
Block | Block | バインド |
Unspecified | Block | バインドなし |
Block | Unspecified | バインドなし |
Filesystem | Block | バインドなし |
Block | Filesystem | バインドなし |
値を指定しないと、Filesystem
のデフォルト値が指定されます。
第4章 永続ストレージの設定
4.1. AWS Elastic Block Store を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform は AWS Elastic Block Store volumes (EBS) をサポートします。Amazon EC2 を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes および AWS についてのある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。AWS Elastic Block Store ボリュームは動的にプロビジョニングできます。永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。永続ボリューム要求 (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
4.1.1. 関連情報
- In-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどの追加のストレージオプションへのアクセスについての詳細は、AWS Elastic Block Store CSI ドライバー Operator を参照してください。
4.1.2. EBS ストレージクラスの作成
ストレージクラスを使用すると、ストレージのレベルや使用状況を区別し、記述することができます。ストレージクラスを定義することにより、ユーザーは動的にプロビジョニングされた永続ボリュームを取得できます。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Storage Classes をクリックします。
- ストレージクラスの概要では、Create Storage Class をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ストレージクラスを参照するための名前を入力します。
- オプションの説明を入力します。
- 回収ポリシーを選択します。
ドロップダウンリストから
kubernetes.io/aws-ebs
を選択します。注記同等の CSI ドライバーでストレージクラスを作成するには、ドロップダウンリストから
ebs.csi.aws.com
を選択します。詳細は、AWS Elastic Block Store CSI ドライバー Operatorを参照してください。- 必要に応じてストレージクラスの追加パラメーターを入力します。
- Create をクリックしてストレージクラスを作成します。
4.1.3. 永続ボリューム要求 (PVC) の作成
前提条件
ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ドロップダウンメニューから以前に作成されたストレージクラスを選択します。
- ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択します。これにより、作成されたストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスが決定されます。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
- Create をクリックして永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、永続ボリュームを生成します。
4.1.4. ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、永続ボリューム定義の fsType
パラメーターで指定されたファイルシステムがボリュームにあるかどうか確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
これにより、OpenShift Container Platform がフォーマットされていない AWS ボリュームを初回の使用前にフォーマットするため、それらを永続ボリュームとして使用することが可能になります。
4.1.5. ノード上の EBS ボリュームの最大数
OpenShift Container Platform では、デフォルトで 1 つのノードに最大 39 の EBS ボリュームを割り当てることができます。この制限は、AWS ボリュームの制限 に合致します。ボリュームの制限は、インスタンスのタイプによって異なります。
クラスター管理者は、In-tree または Container Storage Interface (CSI) ボリュームのいずれかと、それぞれのストレージクラスを使用する必要がありますが、ボリュームの両方のタイプを同時に使用することはできません。割り当てられている EBS ボリュームの最大数は、In-tree および CSI ボリュームについて別々にカウントされます。
4.1.6. 関連情報
- In-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどの追加のストレージオプションへのアクセスについての詳細は、AWS Elastic Block Store CSI ドライバー Operator を参照してください。
4.2. Azure を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform では、Microsoft Azure Disk ボリュームがサポートされます。Azure を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と Azure についてのある程度の理解があることが前提となります。Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。Azure Disk ボリュームは動的にプロビジョニングできます。永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。Persistent volume claim (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
関連情報
4.2.1. Azure ストレージクラスの作成
ストレージクラスを使用すると、ストレージのレベルや使用状況を区別し、記述することができます。ストレージクラスを定義することにより、ユーザーは動的にプロビジョニングされた永続ボリュームを取得できます。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Storage Classes をクリックします。
- ストレージクラスの概要では、Create Storage Class をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ストレージクラスを参照するための名前を入力します。
- オプションの説明を入力します。
- 回収ポリシーを選択します。
ドロップダウンリストから
kubernetes.io/azure-disk
を選択します。-
ストレージアカウントのタイプを入力します。これは、Azure ストレージアカウントの SKU の層に対応します。有効なオプションは、
Premium_LRS
、Standard_LRS
、StandardSSD_LRS
、およびUltraSSD_LRS
です。 アカウントの種類を入力します。有効なオプションは
shared
、dedicated
およびmanaged
です。重要Red Hat は、ストレージクラスでの
kind: Managed
の使用のみをサポートします。Shared
およびDedicated
の場合、Azure は管理対象外のディスクを作成しますが、OpenShift Container Platform はマシンの OS (root) ディスクの管理ディスクを作成します。ただし、Azure Disk はノードで管理ディスクおよび管理対象外ディスクの両方の使用を許可しないため、Shared
またはDedicated
で作成された管理対象外ディスクを OpenShift Container Platform ノードに割り当てることはできません。
-
ストレージアカウントのタイプを入力します。これは、Azure ストレージアカウントの SKU の層に対応します。有効なオプションは、
- 必要に応じてストレージクラスの追加パラメーターを入力します。
- Create をクリックしてストレージクラスを作成します。
4.2.2. 永続ボリューム要求 (PVC) の作成
前提条件
ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ドロップダウンメニューから以前に作成されたストレージクラスを選択します。
- ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択します。これにより、作成されたストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスが決定されます。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
- Create をクリックして永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、永続ボリュームを生成します。
4.2.3. ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、永続ボリューム定義の fsType
パラメーターで指定されたファイルシステムがボリュームにあるかどうか確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
これにより、OpenShift Container Platform がフォーマットされていない Azure ボリュームを初回の使用前にフォーマットするため、それらを永続ボリュームとして使用することが可能になります。
4.3. Azure File を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform では、Microsoft Azure File ボリュームがサポートされます。Azure を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と Azure についてのある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。Azure File ボリュームを動的にプロビジョニングできます。
永続ボリュームは、単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、OpenShift Container Platform クラスター全体で共有できます。永続ボリューム要求 (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、アプリケーションで使用できるようにユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
Azure File ボリュームは Server Message Block を使用します。
関連情報
4.3.1. Azure File 共有永続ボリューム要求 (PVC) の作成
永続ボリューム要求 (PVC) を作成するには、最初に Azure アカウントおよびキーを含む Secret
オブジェクトを定義する必要があります。このシークレットは PersistentVolume
定義に使用され、アプリケーションで使用できるように永続ボリューム要求 (PVC) によって参照されます。
前提条件
- Azure File 共有があること。
- この共有にアクセスするための認証情報 (とくにストレージアカウントおよびキー) が利用可能であること。
手順
Azure File の認証情報が含まれる
Secret
オブジェクトを作成します。$ oc create secret generic <secret-name> --from-literal=azurestorageaccountname=<storage-account> \ 1 --from-literal=azurestorageaccountkey=<storage-account-key> 2
作成した
Secret
オブジェクトを参照するPersistentVolume
を作成します。apiVersion: "v1" kind: "PersistentVolume" metadata: name: "pv0001" 1 spec: capacity: storage: "5Gi" 2 accessModes: - "ReadWriteOnce" storageClassName: azure-file-sc azureFile: secretName: <secret-name> 3 shareName: share-1 4 readOnly: false
作成した永続ボリュームにマップする
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。apiVersion: "v1" kind: "PersistentVolumeClaim" metadata: name: "claim1" 1 spec: accessModes: - "ReadWriteOnce" resources: requests: storage: "5Gi" 2 storageClassName: azure-file-sc 3 volumeName: "pv0001" 4
4.3.2. Azure File 共有の Pod へのマウント
永続ボリューム要求 (PVC) の作成後に、これをアプリケーション内で使用できます。以下の例は、この共有を Pod 内にマウントする方法を示しています。
前提条件
- 基礎となる Azure File 共有にマップされる永続ボリューム要求 (PVC) があること。
手順
既存の永続ボリューム要求 (PVC) をマウントする Pod を作成します。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: pod-name 1 spec: containers: ... volumeMounts: - mountPath: "/data" 2 name: azure-file-share volumes: - name: azure-file-share persistentVolumeClaim: claimName: claim1 3
4.4. Cinder を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform は OpenStack Cinder をサポートします。これには、Kubernetes と OpenStack についてある程度の理解があることが前提となります。
Cinder ボリュームは動的にプロビジョニングできます。永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。永続ボリューム要求 (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
関連情報
- OpenStack Block Storage が仮想ハードドライブの永続ブロックストレージ管理を提供する方法についての詳細は、OpenStack Cinder を参照してください。
4.4.1. Cinder を使用した手動プロビジョニング
ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
前提条件
- Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 用に設定された OpenShift Container Platform
- Cinder ボリューム ID
4.4.1.1. 永続ボリュームの作成
OpenShift Container Platform に永続ボリューム (PV) を作成する前に、オブジェクト定義でこれを定義する必要があります。
手順
オブジェクト定義をファイルに保存します。
cinder-persistentvolume.yaml
apiVersion: "v1" kind: "PersistentVolume" metadata: name: "pv0001" 1 spec: capacity: storage: "5Gi" 2 accessModes: - "ReadWriteOnce" cinder: 3 fsType: "ext3" 4 volumeID: "f37a03aa-6212-4c62-a805-9ce139fab180" 5
重要ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後には、
fstype
パラメーターの値は変更しないでください。この値を変更すると、データの損失や、Pod の障害につながる可能性があります。前のステップで保存したオブジェクト定義ファイルを作成します。
$ oc create -f cinder-persistentvolume.yaml
4.4.1.2. 永続ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は初回の使用前にフォーマットするため、フォーマットされていない Cinder ボリュームを PV として使用できます。
OpenShift Container Platform がボリュームをマウントし、これをコンテナーに渡す前に、システムは PV 定義の fsType
パラメーターで指定されたファイルシステムがボリュームに含まれるかどうかをチェックします。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
4.4.1.3. Cinder ボリュームのセキュリティー
お使いのアプリケーションで Cinder PV を使用する場合に、そのデプロイメント設定にセキュリティーを追加します。
前提条件
-
適切な
fsGroup
ストラテジーを使用する SCC が作成される必要があります。
手順
サービスアカウントを作成して、そのアカウントを SCC に追加します。
$ oc create serviceaccount <service_account>
$ oc adm policy add-scc-to-user <new_scc> -z <service_account> -n <project>
アプリケーションのデプロイ設定で、サービスアカウント名と
securityContext
を指定します。apiVersion: v1 kind: ReplicationController metadata: name: frontend-1 spec: replicas: 1 1 selector: 2 name: frontend template: 3 metadata: labels: 4 name: frontend 5 spec: containers: - image: openshift/hello-openshift name: helloworld ports: - containerPort: 8080 protocol: TCP restartPolicy: Always serviceAccountName: <service_account> 6 securityContext: fsGroup: 7777 7
4.5. ファイバーチャネルを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform ではファイバーチャネルがサポートされており、ファイバーチャネルボリュームを使用して OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と Fibre Channel についてある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。Persistent volume claim (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
関連情報
4.5.1. プロビジョニング
PersistentVolume
API を使用してファイバーチャネルボリュームをプロビジョニングするには、以下が利用可能でなければなりません。
-
targetWWN
(ファイバーチャネルターゲットのワールドワイド名の配列)。 - 有効な LUN 番号。
- ファイルシステムの種類。
永続ボリュームと LUN は 1 対 1 でマッピングされます。
前提条件
- ファイバーチャネル LUN は基礎となるインフラストラクチャーに存在している必要があります。
PersistentVolume
オブジェクト定義
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv0001 spec: capacity: storage: 1Gi accessModes: - ReadWriteOnce fc: wwids: [scsi-3600508b400105e210000900000490000] 1 targetWWNs: ['500a0981891b8dc5', '500a0981991b8dc5'] 2 lun: 2 3 fsType: ext4
- 1
- World wide identifier (WWID)
FCwids
または FCtargetWWNs
およびlun
の組み合わせは設定する必要がありますが、両方を同時に設定することはできません。WWN ターゲットよりも FC WWID 識別子が推奨されます。FC WWID 識別子は、各ストレージデバイスに固有のものであり、デバイスのアクセスに使用されるパスに依存しないためです。この識別子は、SCSI Inquiry を発行して Device Identification Vital Product Data (page 0x83
) または Unit Serial Number (page 0x80
) を取得することにより獲得できます。FC WWID は、デバイスへのパスが変更したり、別のシステムからデバイスにアクセスする場合でも、ディスク上のデータ参照に/dev/disk/by-id/
と識別されます。 - 2 3
- ファイバーチャネル WWN は、
/dev/disk/by-path/pci-<IDENTIFIER>-fc-0x<WWN>-lun-<LUN#>
として識別されます。ただし、WWN
までのパス (0x
を含む) と WWN の後の文字 (-
(ハイフン) を含む) を入力する必要はありません。
ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後に fstype
パラメーターの値を変更すると、データ損失や Pod にエラーが発生する可能性があります。
4.5.1.1. ディスククォータの実施
LUN パーティションを使用してディスククォータとサイズ制限を実施します。各 LUN は単一の永続ボリュームにマップされ、固有の名前を永続ボリュームにに使用する必要があります。
この方法でクォータを実施すると、エンドユーザーは永続ストレージを具体的な量 (10Gi など) で要求することができ、これを同等またはそれ以上の容量の対応するボリュームに一致させることができます。
4.5.1.2. ファイバーチャネルボリュームのセキュリティー
ユーザーは永続ボリューム要求 (PVC) でストレージを要求します。この要求はユーザーの namespace にのみ存在し、同じ namespace 内の Pod からのみ参照できます。namespace をまたいで永続ボリュームにアクセスしようとすると、Pod にエラーが発生します。
それぞれのファイバーチャネル LUN は、クラスター内のすべてのノードからアクセスできる必要があります。
4.6. FlexVolume を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform は、ドライバーとのインターフェイスに実行可能なモデルを使用する out-of-tree 形式のプラグイン、FlexVolume をサポートします。
組み込みプラグインがないバックエンドのストレージを使用する場合は、FlexVolume ドライバーを使用して OpenShift Container Platform を拡張し、アプリケーションに永続ストレージを提供できます。
Pod は、flexvolume
の in-tree 形式のプラグインを使用して FlexVolume ドライバーと対話します。
関連情報
4.6.1. FlexVolume ドライバーについて
FlexVolume ドライバーは、クラスター内のすべてのノードの明確に定義されたディレクトリーに格納されている実行可能ファイルです。OpenShift Container Platform は、flexVolume
をソースとする PersistentVolume
オブジェクトによって表されるボリュームのマウントまたはアンマウントが必要になるたびに、FlexVolume ドライバーを呼び出します。
OpenShift Container Platform では、FlexVolume について割り当ておよび割り当て解除の操作はサポートされません。
4.6.2. FlexVolume ドライバーの例
FlexVolume ドライバーの最初のコマンドライン引数は常に操作名です。その他のパラメーターは操作ごとに異なります。ほとんどの操作は、JSON (JavaScript Object Notation) 文字列をパラメーターとして取ります。このパラメーターは完全な JSON 文字列であり、JSON データを含むファイルの名前ではありません。
FlexVolume ドライバーには以下が含まれます。
-
すべての
flexVolume.options
。 -
kubernetes.io/
という接頭辞が付いたflexVolume
のいくつかのオプション。たとえば、fsType
やreadwrite
などです。 -
kubernetes.io/secret/
という接頭辞が付いた参照先シークレット (指定されている場合) の内容。
FlexVolume ドライバーの JSON 入力例
{ "fooServer": "192.168.0.1:1234", 1 "fooVolumeName": "bar", "kubernetes.io/fsType": "ext4", 2 "kubernetes.io/readwrite": "ro", 3 "kubernetes.io/secret/<key name>": "<key value>", 4 "kubernetes.io/secret/<another key name>": "<another key value>", }
OpenShift Container Platform は、ドライバーの標準出力に JSON データが含まれていると想定します。指定されていない場合、出力には操作の結果が示されます。
FlexVolume ドライバーのデフォルトの出力例
{ "status": "<Success/Failure/Not supported>", "message": "<Reason for success/failure>" }
ドライバーの終了コードは、成功の場合は 0
、エラーの場合は 1
です。
操作はべき等です。 すでに割り当てられているボリュームのマウント操作は成功します。
4.6.3. FlexVolume ドライバーのインストール
OpenShift Container Platform を拡張するために使用される FlexVolume ドライバーはノードでのみ実行されます。FlexVolume を実装するには、呼び出す操作の一覧とインストールパスのみが必要になります。
前提条件
FlexVolume ドライバーは、以下の操作を実装する必要があります。
init
ドライバーを初期化します。すべてのノードの初期化中に呼び出されます。
- 引数: なし
- 実行場所: ノード
- 予期される出力: デフォルトの JSON
mount
ボリュームをディレクトリーにマウントします。これには、デバイスの検出、その後のデバイスのマウントを含む、ボリュームのマウントに必要なあらゆる操作が含まれます。
-
引数:
<mount-dir>
<json>
- 実行場所: ノード
- 予期される出力: デフォルトの JSON
-
引数:
unmount
ボリュームをディレクトリーからアンマウントします。これには、アンマウント後にボリュームをクリーンアップするために必要なあらゆる操作が含まれます。
-
引数:
<mount-dir>
- 実行場所: ノード
- 予期される出力: デフォルトの JSON
-
引数:
mountdevice
- ボリュームのデバイスを、個々の Pod がマウントをバインドするディレクトリーにマウントします。
この呼び出しでは FlexVolume 仕様に指定されるシークレットを渡しません。ドライバーでシークレットが必要な場合には、この呼び出しを実装しないでください。
-
引数:
<mount-dir>
<json>
- 実行場所: ノード
予期される出力: デフォルトの JSON
unmountdevice
- ボリュームのデバイスをディレクトリーからアンマウントします。
-
引数:
<mount-dir>
- 実行場所: ノード
予期される出力: デフォルトの JSON
-
その他のすべての操作は、
{"status": "Not supported"}
と終了コード1
を出して JSON を返します。
-
その他のすべての操作は、
手順
FlexVolume ドライバーをインストールします。
- この実行可能ファイルがクラスター内のすべてのノードに存在することを確認します。
-
この実行可能ファイルをボリュームプラグインのパス (
/etc/kubernetes/kubelet-plugins/volume/exec/<vendor>~<driver>/<driver>
) に配置します。
たとえば、ストレージ foo
の FlexVolume ドライバーをインストールするには、実行可能ファイルを /etc/kubernetes/kubelet-plugins/volume/exec/openshift.com~foo/foo
に配置します。
4.6.4. FlexVolume ドライバーを使用したストレージの使用
OpenShift Container Platform の各 PersistentVolume
オブジェクトは、ストレージバックエンドの 1 つのストレージアセット (ボリュームなど) を表します。
手順
-
インストールされているストレージを参照するには、
PersistentVolume
オブジェクトを使用します。
FlexVolume ドライバーを使用した永続ボリュームのオブジェクト定義例
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv0001 1 spec: capacity: storage: 1Gi 2 accessModes: - ReadWriteOnce flexVolume: driver: openshift.com/foo 3 fsType: "ext4" 4 secretRef: foo-secret 5 readOnly: true 6 options: 7 fooServer: 192.168.0.1:1234 fooVolumeName: bar
- 1
- ボリュームの名前。これは永続ボリューム要求 (PVC) を使用するか、または Pod からボリュームを識別するために使用されます。この名前は、バックエンドストレージのボリューム名とは異なるものにすることができます。
- 2
- このボリュームに割り当てられるストレージの量。
- 3
- ドライバーの名前。このフィールドは必須です。
- 4
- ボリュームに存在するオプションのファイルシステム。このフィールドはオプションです。
- 5
- シークレットへの参照。このシークレットのキーと値は、起動時に FlexVolume ドライバーに渡されます。このフィールドはオプションです。
- 6
- 読み取り専用のフラグ。このフィールドはオプションです。
- 7
- FlexVolume ドライバーの追加オプション。
options
フィールドでユーザーが指定するフラグに加え、以下のフラグも実行可能ファイルに渡されます。"fsType":"<FS type>", "readwrite":"<rw>", "secret/key1":"<secret1>" ... "secret/keyN":"<secretN>"
シークレットは、呼び出しのマウント/マウント解除を目的とする場合にのみ渡されます。
4.7. GCE Persistent Disk を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform では、GCE Persistent Disk ボリューム (gcePD) がサポートされます。GCE を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と GCE についてある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。
GCE Persistent Disk ボリュームは動的にプロビジョニングできます。
永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。Persistent volume claim (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
関連情報
4.7.1. GCE ストレージクラスの作成
ストレージクラスを使用すると、ストレージのレベルや使用状況を区別し、記述することができます。ストレージクラスを定義することにより、ユーザーは動的にプロビジョニングされた永続ボリュームを取得できます。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Storage Classes をクリックします。
- ストレージクラスの概要では、Create Storage Class をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ストレージクラスを参照するための名前を入力します。
- オプションの説明を入力します。
- 回収ポリシーを選択します。
-
ドロップダウンリストから
kubernetes.io/gce-pd
を選択します。 - 必要に応じてストレージクラスの追加パラメーターを入力します。
- Create をクリックしてストレージクラスを作成します。
4.7.2. 永続ボリューム要求 (PVC) の作成
前提条件
ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
表示されるページで必要なオプションを定義します。
- ドロップダウンメニューから以前に作成されたストレージクラスを選択します。
- ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択します。これにより、作成されたストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスが決定されます。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
- Create をクリックして永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、永続ボリュームを生成します。
4.7.3. ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、永続ボリューム定義の fsType
パラメーターで指定されたファイルシステムがボリュームにあるかどうか確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
これにより、OpenShift Container Platform がフォーマットされていない GCE ボリュームを初回の使用前にフォーマットするため、それらを永続ボリュームとして使用することが可能になります。
4.8. hostPath を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform クラスター内の hostPath ボリュームは、ファイルまたはディレクトリーをホストノードのファイルシステムから Pod にマウントします。ほとんどの Pod には hostPath ボリュームは必要ありませんが、アプリケーションが必要とする場合は、テスト用のクイックオプションが提供されます。
クラスター管理者は、特権付き Pod として実行するように Pod を設定する必要があります。これにより、同じノードの Pod へのアクセスが付与されます。
4.8.1. 概要
OpenShift Container Platform は単一ノードクラスターでの開発およびテスト用の hostPath マウントをサポートします。
実稼働クラスターでは、hostPath を使用しません。代わりにクラスター管理者は、GCE Persistent Disk ボリューム、NFS 共有、Amazon EBS ボリュームなどのネットワークリソースをプロビジョニングします。ネットワークリソースは、ストレージクラスを使用した動的プロビジョニングの設定をサポートします。
hostPath ボリュームは静的にプロビジョニングする必要があります。
コンテナーのルート (/
) や、ホストとコンテナーで同じパスにはマウントしないでください。これは、コンテナーに十分な特権が付与されている場合、ホストシステムを破壊する可能性があります。ホストをマウントするには、/host
を使用するのが安全です。以下の例では、ホストの /
ディレクトリーが /host
でコンテナーにマウントされています。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: test-host-mount spec: containers: - image: registry.access.redhat.com/ubi8/ubi name: test-container command: ['sh', '-c', 'sleep 3600'] volumeMounts: - mountPath: /host name: host-slash volumes: - name: host-slash hostPath: path: / type: ''
4.8.2. hostPath ボリュームの静的なプロビジョニング
hostPath ボリュームを使用する Pod は、手動の (静的) プロビジョニングで参照される必要があります。
手順
永続ボリューム (PV) を定義します。
PersistentVolume
オブジェクト定義を使用してpv.yaml
ファイルを作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: task-pv-volume 1 labels: type: local spec: storageClassName: manual 2 capacity: storage: 5Gi accessModes: - ReadWriteOnce 3 persistentVolumeReclaimPolicy: Retain hostPath: path: "/mnt/data" 4
ファイルから PV を作成します。
$ oc create -f pv.yaml
永続ボリューム要求 (PVC) を定義します。
PersistentVolumeClaim
オブジェクト定義を使用して、ファイルpvc.yaml
を作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: task-pvc-volume spec: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 1Gi storageClassName: manual
ファイルから PVC を作成します。
$ oc create -f pvc.yaml
4.8.3. 特権付き Pod での hostPath 共有のマウント
永続ボリューム要求 (PVC) の作成後に、これをアプリケーション内で使用できます。以下の例は、この共有を Pod 内にマウントする方法を示しています。
前提条件
- 基礎となる hostPath 共有にマップされる永続ボリューム要求 (PVC) があること。
手順
既存の永続ボリューム要求 (PVC) をマウントする特権付き Pod を作成します。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: pod-name 1 spec: containers: ... securityContext: privileged: true 2 volumeMounts: - mountPath: /data 3 name: hostpath-privileged ... securityContext: {} volumes: - name: hostpath-privileged persistentVolumeClaim: claimName: task-pvc-volume 4
4.9. iSCSI を使用した永続ストレージ
iSCSI を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と iSCSI についてある程度の理解があることが前提となります。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。
インフラストラクチャーにおけるストレージの高可用性は、基礎となるストレージのプロバイダーに委ねられています。
Amazon Web Services で iSCSI を使用する場合、iSCSI ポートのノード間の TCP トラフィックを組み込むようにデフォルトのセキュリティーポリシーを更新する必要があります。デフォルトで、それらのポートは 860
および 3260
です。
iscsi-initiator-utils
パッケージをインストールし、/etc/iscsi/initiatorname.iscsi
でイニシエーター名を設定して、iSCSI イニシエーターがすべての OpenShift Container Platform ノードですでに設定されていることを確認しておく。iscsi-initiator-utils
パッケージは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を使用するデプロイメントにすでにインストールされている。
詳細は、ストレージデバイスの管理 を参照してください。
4.9.1. プロビジョニング
OpenShift Container Platform でストレージをボリュームとしてマウントする前に、基礎となるインフラストラクチャーにストレージが存在することを確認します。iSCSI に必要になるのは、iSCSI ターゲットポータル、有効な iSCSI 修飾名 (IQN)、有効な LUN 番号、ファイルシステムタイプ、および PersistentVolume
API のみです。
PersistentVolume
オブジェクト定義
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: iscsi-pv spec: capacity: storage: 1Gi accessModes: - ReadWriteOnce iscsi: targetPortal: 10.16.154.81:3260 iqn: iqn.2014-12.example.server:storage.target00 lun: 0 fsType: 'ext4'
4.9.2. ディスククォータの実施
LUN パーティションを使用してディスククォータとサイズ制限を実施します。それぞれの LUN には 1 つの永続ボリュームです。Kubernetes では、永続ボリュームに一意の名前を使用する必要があります。
この方法でクォータを実施すると、エンドユーザーは永続ストレージを具体的な量 (10Gi
など) で要求することができ、同等かそれ以上の容量の対応するボリュームに一致させることができます。
4.9.3. iSCSI ボリュームのセキュリティー
ユーザーは PersistentVolumeClaim
オブジェクトでストレージを要求します。この要求はユーザーの namespace にのみ存在し、同じ namespace 内の Pod からのみ参照できます。namespace をまたいで永続ボリューム要求 (PVC) にアクセスしようとすると、Pod にエラーが発生します。
それぞれの iSCSI LUN は、クラスター内のすべてのノードからアクセスできる必要があります。
4.9.3.1. チャレンジハンドシェイク認証プロトコル (CHAP) 設定
オプションで、OpenShift は CHAP を使用して iSCSI ターゲットに対して自己認証を実行できます。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: iscsi-pv spec: capacity: storage: 1Gi accessModes: - ReadWriteOnce iscsi: targetPortal: 10.0.0.1:3260 iqn: iqn.2016-04.test.com:storage.target00 lun: 0 fsType: ext4 chapAuthDiscovery: true 1 chapAuthSession: true 2 secretRef: name: chap-secret 3
4.9.4. iSCSI のマルチパス化
iSCSI ベースのストレージの場合は、複数のターゲットポータルの IP アドレスに同じ IQN を使用することでマルチパスを設定できます。マルチパス化により、パス内の 1 つ以上のコンポーネントで障害が発生した場合でも、永続ボリュームにアクセスすることができます。
Pod 仕様でマルチパスを指定するには、portals
フィールドを使用します。以下に例を示します。
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: iscsi-pv
spec:
capacity:
storage: 1Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
iscsi:
targetPortal: 10.0.0.1:3260
portals: ['10.0.2.16:3260', '10.0.2.17:3260', '10.0.2.18:3260'] 1
iqn: iqn.2016-04.test.com:storage.target00
lun: 0
fsType: ext4
readOnly: false
- 1
portals
フィールドを使用してターゲットポータルを追加します。
4.9.5. iSCSI のカスタムイニシエーター IQN
iSCSI ターゲットが特定に IQN に制限されている場合に、カスタムイニシエーターの iSCSI Qualified Name (IQN) を設定します。 ただし、iSCSI PV が割り当てられているノードが必ずこれらの IQN を使用する保証はありません。
カスタムのイニシエーター IQN を指定するには、initiatorName
フィールドを使用します。
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: iscsi-pv
spec:
capacity:
storage: 1Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
iscsi:
targetPortal: 10.0.0.1:3260
portals: ['10.0.2.16:3260', '10.0.2.17:3260', '10.0.2.18:3260']
iqn: iqn.2016-04.test.com:storage.target00
lun: 0
initiatorName: iqn.2016-04.test.com:custom.iqn 1
fsType: ext4
readOnly: false
- 1
- イニシエーターの名前を指定します。
4.10. ローカルボリュームを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform は、ローカルボリュームを使用する永続ストレージでプロビジョニングすることが可能です。ローカルの永続ボリュームを使用すると、標準の永続ボリューム要求 (PVC) インターフェイスを使用して、ディスクやパーティションなどのローカルのストレージデバイスにアクセスできます。
ローカルボリュームは、Pod をノードに手動でスケジュールせずに使用できます。ボリュームのノード制約がシステムによって認識されるためです。ただし、ローカルボリュームは、依然として基礎となるノードの可用性に依存しており、すべてのアプリケーションに適している訳ではありません。
ローカルボリュームは、静的に作成された永続ボリュームとしてのみ使用できます。
4.10.1. ローカルストレージ Operator のインストール
ローカルストレージ Operator はデフォルトで OpenShift Container Platform にインストールされません。以下の手順を使用してこの Operator をインストールし、クラスター内でローカルボリュームを有効にできるように設定します。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) へのアクセス。
手順
openshift-local-storage
プロジェクトを作成します。$ oc adm new-project openshift-local-storage
オプション: インフラストラクチャーノードでのローカルストレージの作成を許可します。
ロギングやモニタリングなどのコンポーネントに対応するために、ローカルストレージ Operator を使用してインフラストラクチャーノードでボリュームを作成する必要がある場合があります。
ローカルストレージ Operator にワーカーノードだけでなくインフラストラクチャーノードが含まれるように、デフォルトのノードセレクターを調整する必要があります。
ローカルストレージ Operator がクラスター全体のデフォルトセレクターを継承しないようにするには、以下のコマンドを実行します。
$ oc annotate project openshift-local-storage openshift.io/node-selector=''
UI での操作
Web コンソールからローカルストレージ Operator をインストールするには、以下の手順を実行します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- Operators → OperatorHub に移動します。
- Local Storage をフィルターボックスに入力して、ローカルストレージ Operator を見つけます。
- Install をクリックします。
- Install Operator ページで、A specific namespace on the cluster を選択します。ドロップメニューから openshift-local-storage を選択します。
- Update Channel および Approval Strategy の値を必要な値に調整します。
- Install をクリックします。
これが完了すると、ローカルストレージ Operator は Web コンソールの Installed Operators セクションに一覧表示されます。
CLI からの操作
CLI からローカルストレージ Operator をインストールします。
以下のコマンドを実行して OpenShift Container Platform のメジャーおよびマイナーバージョンを取得します。これは、次の手順の
channel
の値に必要です。$ OC_VERSION=$(oc version -o yaml | grep openshiftVersion | \ grep -o '[0-9]*[.][0-9]*' | head -1)
ローカルストレージ Operator の Operator グループおよびサブスクリプションを定義するために、オブジェクト YAML ファイル (例:
openshift-local-storage.yaml
) を作成します。例: openshift-local-storage.yaml
apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha2 kind: OperatorGroup metadata: name: local-operator-group namespace: openshift-local-storage spec: targetNamespaces: - openshift-local-storage --- apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: local-storage-operator namespace: openshift-local-storage spec: channel: "${OC_VERSION}" installPlanApproval: Automatic 1 name: local-storage-operator source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace
- 1
- インストール計画のユーザー承認ポリシー。
以下のコマンドを実行して、ローカルストレージ Operator オブジェクトを作成します。
$ oc apply -f openshift-local-storage.yaml
この時点で、Operator Lifecycle Manager (OLM) はローカルストレージ Operator を認識できるようになります。Operator の ClusterServiceVersion (CSV) はターゲット namespace に表示され、Operator で指定される API は作成用に利用可能になります。
すべての Pod およびローカルストレージ Operator が作成されていることを確認して、ローカルストレージのインストールを検証します。
必要な Pod すべてが作成されていることを確認します。
$ oc -n openshift-local-storage get pods
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE local-storage-operator-746bf599c9-vlt5t 1/1 Running 0 19m
ClusterServiceVersion (CSV) YAML マニフェストをチェックして、ローカルストレージ Operator が
openshift-local-storage
プロジェクトで利用できることを確認します。$ oc get csvs -n openshift-local-storage
出力例
NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE local-storage-operator.4.2.26-202003230335 Local Storage 4.2.26-202003230335 Succeeded
すべてのチェックが渡されると、ローカルストレージ Operator が正常にインストールされます。
4.10.2. ローカルストレージ Operator を使用したローカルボリュームのプロビジョニング
ローカルボリュームは動的プロビジョニングで作成できません。代わりに、永続ボリュームがローカルストレージ Operator によって作成されることがあります。このローカルボリュームプロビジョナーは、定義されたリソースで指定されているパスでファイルシステムまたはブロックボリュームデバイスを検索します。
前提条件
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
以下の条件を満たすローカルディスクがある。
- ノードに接続されている。
- マウントされていない。
- パーティションが含まれていない。
手順
ローカルボリュームリソースを作成します。このリソースは、ノードおよびローカルボリュームへのパスを定義する必要があります。
注記同じデバイスに別のストレージクラス名を使用しないでください。これを行うと、複数の永続ボリューム (PV) が作成されます。
例: ファイルシステム
apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" 1 spec: nodeSelector: 2 nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - ip-10-0-140-183 - ip-10-0-158-139 - ip-10-0-164-33 storageClassDevices: - storageClassName: "local-sc" 3 volumeMode: Filesystem 4 fsType: xfs 5 devicePaths: 6 - /path/to/device 7
- 1
- ローカルストレージ Operator がインストールされている namespace。
- 2
- オプション: ローカルストレージボリュームが割り当てられているノードの一覧が含まれるノードセレクター。以下の例では、
oc get node
から取得したノードホスト名を使用します。値が定義されない場合、ローカルストレージ Operator は利用可能なすべてのノードで一致するディスクの検索を試行します。 - 3
- 永続ボリュームオブジェクトの作成時に使用するストレージクラスの名前。ローカルストレージ Operator は、ストレージクラスが存在しない場合にこれを自動的に作成します。このローカルボリュームのセットを一意に識別するストレージクラスを使用するようにしてください。
- 4
- ローカルボリュームのタイプを定義するボリュームモード (
Filesystem
またはBlock
)。 - 5
- ローカルボリュームの初回マウント時に作成されるファイルシステム。
- 6
- 選択するローカルストレージデバイスの一覧を含むパスです。
- 7
- この値を、
LocalVolume
リソースby-id
への実際のローカルディスクのファイルパスに置き換えます (例:/dev/disk/by-id/wwn
)。プロビジョナーが正常にデプロイされると、これらのローカルディスク用に PV が作成されます。
注記raw ブロックボリューム (
volumeMode: block
) はファイルシステムでフォーマットされません。このモードは、Pod で実行しているすべてのアプリケーションが raw ブロックデバイスを使用できる場合にのみ使用してください。例: ブロック
apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" 1 spec: nodeSelector: 2 nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - ip-10-0-136-143 - ip-10-0-140-255 - ip-10-0-144-180 storageClassDevices: - storageClassName: "localblock-sc" 3 volumeMode: Block 4 devicePaths: 5 - /path/to/device 6
- 1
- ローカルストレージ Operator がインストールされている namespace。
- 2
- オプション: ローカルストレージボリュームが割り当てられているノードの一覧が含まれるノードセレクター。以下の例では、
oc get node
から取得したノードホスト名を使用します。値が定義されない場合、ローカルストレージ Operator は利用可能なすべてのノードで一致するディスクの検索を試行します。 - 3
- 永続ボリュームオブジェクトの作成時に使用するストレージクラスの名前。
- 4
- ローカルボリュームのタイプを定義するボリュームモード (
Filesystem
またはBlock
)。 - 5
- 選択するローカルストレージデバイスの一覧を含むパスです。
- 6
- この値を、
LocalVolume
リソースby-id
への実際のローカルディスクのファイルパスに置き換えます (例:dev/disk/by-id/wwn
)。プロビジョナーが正常にデプロイされると、これらのローカルディスク用に PV が作成されます。
OpenShift Container Platform クラスターにローカルボリュームリソースを作成します。作成したばかりのファイルを指定します。
$ oc create -f <local-volume>.yaml
プロビジョナーが作成され、対応するデーモンセットが作成されていることを確認します。
$ oc get all -n openshift-local-storage
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/local-disks-local-provisioner-h97hj 1/1 Running 0 46m pod/local-disks-local-provisioner-j4mnn 1/1 Running 0 46m pod/local-disks-local-provisioner-kbdnx 1/1 Running 0 46m pod/local-disks-local-diskmaker-ldldw 1/1 Running 0 46m pod/local-disks-local-diskmaker-lvrv4 1/1 Running 0 46m pod/local-disks-local-diskmaker-phxdq 1/1 Running 0 46m pod/local-storage-operator-54564d9988-vxvhx 1/1 Running 0 47m NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/local-storage-operator ClusterIP 172.30.49.90 <none> 60000/TCP 47m NAME DESIRED CURRENT READY UP-TO-DATE AVAILABLE NODE SELECTOR AGE daemonset.apps/local-disks-local-provisioner 3 3 3 3 3 <none> 46m daemonset.apps/local-disks-local-diskmaker 3 3 3 3 3 <none> 46m NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/local-storage-operator 1/1 1 1 47m NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/local-storage-operator-54564d9988 1 1 1 47m
デーモンセットプロセスの必要な数と現在の数に注意してください。必要な数が
0
の場合、これはラベルセレクターが無効であることを示します。永続ボリュームが作成されていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE local-pv-1cec77cf 100Gi RWO Delete Available local-sc 88m local-pv-2ef7cd2a 100Gi RWO Delete Available local-sc 82m local-pv-3fa1c73 100Gi RWO Delete Available local-sc 48m
LocalVolume
オブジェクトを編集しても、既存の永続ボリュームの fsType
または volumeMode
は変更されません。これが破壊的な操作になる可能性があるためです。
4.10.3. ローカルストレージ Operator のないローカルボリュームのプロビジョニング
ローカルボリュームは動的プロビジョニングで作成できません。代わりに、永続ボリュームは、永続ボリューム (PV) をオブジェクト定義に定義して作成できます。このローカルボリュームプロビジョナーは、定義されたリソースで指定されているパスでファイルシステムまたはブロックボリュームデバイスを検索します。
PV の手動プロビジョニングには、PVC の削除時に PV 全体でデータ漏洩が発生するリスクが含まれます。ローカルストレージ Operator は、ローカル PV のプロビジョニング時にデバイスのライフサイクルを自動化するために使用することが推奨されます。
前提条件
- ローカルディスクが OpenShift Container Platform ノードに割り当てられていること。
手順
PV を定義します。
PersistentVolume
オブジェクト定義を使用して、example-pv-filesystem.yaml
またはexample-pv-block.yaml
などのファイルを作成します。このリソースは、ノードおよびローカルボリュームへのパスを定義する必要があります。注記同じデバイスに別のストレージクラス名を使用しないでください。同じ名前を使用すると、複数の PV が作成されます。
example-pv-filesystem.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: example-pv-filesystem spec: capacity: storage: 100Gi volumeMode: Filesystem 1 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete storageClassName: local-storage 2 local: path: /dev/xvdf 3 nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - example-node
注記raw ブロックボリューム (
volumeMode: block
) はファイルシステムでフォーマットされません。このモードは、Pod で実行しているすべてのアプリケーションが raw ブロックデバイスを使用できる場合にのみ使用します。example-pv-block.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: example-pv-block spec: capacity: storage: 100Gi volumeMode: Block 1 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete storageClassName: local-storage 2 local: path: /dev/xvdf 3 nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - example-node
OpenShift Container Platform クラスターに PV リソースを作成します。作成したばかりのファイルを指定します。
$ oc create -f <example-pv>.yaml
ローカル PV が作成されていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE example-pv-filesystem 100Gi RWO Delete Available local-storage 3m47s example-pv1 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc1 local-storage 12h example-pv2 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc2 local-storage 12h example-pv3 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc3 local-storage 12h
4.10.4. ローカルボリュームの永続ボリューム要求 (PVC) の作成
ローカルボリュームは、Pod でアクセスされる永続ボリューム要求 (PVC) として静的に作成される必要があります。
前提条件
- 永続ボリュームがローカルボリュームプロビジョナーを使用して作成されていること。
手順
対応するストレージクラスを使用して PVC を作成します。
kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: local-pvc-name 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce volumeMode: Filesystem 2 resources: requests: storage: 100Gi 3 storageClassName: local-sc 4
作成したファイルを指定して、PVC を OpenShift Container Platform クラスターに作成します。
$ oc create -f <local-pvc>.yaml
4.10.5. ローカル要求を割り当てます。
ローカルボリュームが永続ボリューム要求 (PVC) にマップされた後に、これをリソース内に指定できます。
前提条件
- 永続ボリューム要求 (PVC) が同じ namespace に存在する。
手順
定義された要求をリソースの仕様に追加します。以下の例では、Pod 内で永続ボリューム要求 (PVC) を宣言します。
apiVersion: v1 kind: Pod spec: ... containers: volumeMounts: - name: local-disks 1 mountPath: /data 2 volumes: - name: localpvc persistentVolumeClaim: claimName: local-pvc-name 3
作成したファイルを指定して、OpenShift Container Platform クラスターにリソースを作成します。
$ oc create -f <local-pod>.yaml
4.10.6. 詳細は、ローカルストレージデバイスの自動検出およびプロビジョニングについて参照してください。
ローカルストレージ Operator はローカルストレージ検出およびプロビジョニングを自動化します。この機能を使用すると、ベアメタル、VMware、または割り当てられたデバイスを持つ AWS ストアインスタンスなど、デプロイメント時に動的プロビジョニングが利用できない場合にインストールを単純化できます。
自動検出およびプロビジョニングはテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
ローカルデバイスを自動的に検出し、選択したデバイスのローカルボリュームを自動的にプロビジョニングするには、以下の手順を使用します。
LocalVolumeSet
オブジェクトの使用には注意が必要です。ローカルディスクから永続ボリューム (PV) を自動的にプロビジョニングする場合、ローカル PV は一致するすべてのデバイスを要求する可能性があります。LocalVolumeSet
オブジェクトを使用している場合、ローカルストレージ Operator がノードでローカルデバイスを管理する唯一のエンティティーであることを確認します。
前提条件
- クラスター管理者パーミッションがある。
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
- ローカルディスクが OpenShift Container Platform ノードに割り当てられていること。
-
OpenShift Container Platform Web コンソールまたは
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) へのアクセスがあること。
手順
Web コンソールからローカルデバイスの自動検出を有効にするには、以下を行います。
- Administrator パースペクティブで、Operators → Installed Operators に移動し、Local Volume Discovery タブをクリックします。
- Create Local Volume Discovery をクリックします。
利用可能なディスクをすべてのノードまたは特定のノードのどちらで検出する必要があるかに応じて、All nodes または Select nodes のいずれかを選択します。
注記All nodes または Select nodes を使用してフィルターするかどうかにかかわらず、ワーカーノードのみが利用可能になります。
- Create をクリックします。
auto-discover-devices
という名前のローカルボリューム検出インスタンスが表示されます。
ノードで利用可能なデバイスの連続リストを表示するには、以下を実行します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- Compute → Nodes に移動します。
- 開くノードの名前をクリックします。Node Details ページが表示されます。
Disks タブを選択して、選択したデバイスの一覧を表示します。
ローカルディスクを追加または削除しても、デバイス一覧の更新が継続的に行われます。名前、ステータス、タイプ、モデル、容量、およびモードでデバイスをフィルターできます。
Web コンソールから検出されたデバイスのローカルボリュームを自動的にプロビジョニングするには、以下を実行します。
- Operators → Installed Operators に移動し、Operator の一覧から Local Storage を選択します。
- Local Volume Set → Create Local Volume Set を選択します。
- ボリュームセット名とストレージクラス名を入力します。
All nodes または Select nodes を選択し、適宜フィルターを適用します。
注記All nodes または Select nodes を使用してフィルターするかどうかにかかわらず、ワーカーノードのみが利用可能になります。
ローカルボリュームセットに適用するディスクタイプ、モード、サイズ、および制限を選択し、Create をクリックします。
メッセージが数分後に表示され、Operator reconciled successfully という Operator の調整が正常に行われたことが示唆されます。
または、CLI から検出されたデバイスのローカルボリュームをプロビジョニングするには、以下を実行します。
以下の例に示されるように、オブジェクト YAML ファイルを作成し、
local-volume-set.yaml
などのローカルボリュームセットを定義します。apiVersion: local.storage.openshift.io/v1alpha1 kind: LocalVolumeSet metadata: name: example-autodetect spec: nodeSelector: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - worker-0 - worker-1 storageClassName: example-storageclass 1 volumeMode: Filesystem fsType: ext4 maxDeviceCount: 10 deviceInclusionSpec: deviceTypes: 2 - disk - part deviceMechanicalProperties: - NonRotational minSize: 10G maxSize: 100G models: - SAMSUNG - Crucial_CT525MX3 vendors: - ATA - ST2000LM
ローカルボリュームセットオブジェクトを作成します。
$ oc apply -f local-volume-set.yaml
ローカル永続ボリュームがストレージクラスに基づいて動的にプロビジョニングされていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE local-pv-1cec77cf 100Gi RWO Delete Available example-storageclass 88m local-pv-2ef7cd2a 100Gi RWO Delete Available example-storageclass 82m local-pv-3fa1c73 100Gi RWO Delete Available example-storageclass 48m
結果は、ノードから削除された後に削除されます。シンボリックリンクは手動で削除する必要があります。
4.10.7. ローカルストレージ Operator Pod での容認の使用
テイントはノードに適用し、それらが一般的なワークロードを実行しないようにすることができます。ローカルストレージ Operator がテイントのマークが付けられたノードを使用できるようにするには、容認を Pod
または DaemonSet
定義に追加する必要があります。これにより、作成されたリソースをこれらのテイントのマークが付けられたノードで実行できるようになります。
容認を LocalVolume
リソースでローカルストレージ Operator Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントはノードに対し、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するよう指示します。他の Pod にはない特定のテイントを使用することで、ローカルストレージ Operator Pod がそのノードでも実行されるようにできます。
テイントおよび容認は、key、value、および effect で設定されています。引数として、これは key=value:effect
として表現されます。演算子により、これらの 3 つのパラメーターのいずれかを空のままにすることができます。
前提条件
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
- ローカルディスクがテイントを持つ OpenShift Container Platform ノードに割り当てられている。
- テイントのマークが付けられたノードがローカルストレージのプロビジョニングを行うことが想定されます。
手順
テイントのマークが付けられたノードでスケジュールするようにローカルボリュームを設定するには、以下を実行します。
以下の例に示されるように、
Pod
を定義する YAML ファイルを変更し、LocalVolume
仕様を追加します。apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" spec: tolerations: - key: localstorage 1 operator: Equal 2 value: "localstorage" 3 storageClassDevices: - storageClassName: "localblock-sc" volumeMode: Block 4 devicePaths: 5 - /dev/xvdg
オプション: テイントのマークが付けられたノードでのみローカル永続ボリュームを作成するには、以下の例のように YAML ファイルを変更し、
LocalVolume
仕様を追加します。spec: tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/master operator: Exists
定義された容認は結果として作成されるデーモンセットに渡されます。これにより、diskmaker およびプロビジョナー Pod を指定されたテイントが含まれるノード用に作成できます。
4.10.8. ローカルストレージ Operator のリソースの削除
4.10.8.1. ローカルボリュームまたはローカルボリュームセットの削除
ローカルボリュームおよびローカルボリュームセットを削除する必要がある場合があります。リソースのエントリーを削除し、永続ボリュームを削除することで通常は十分ですが、同じデバイスパスを再使用する場合や別のストレージクラスでこれを管理する必要がある場合には、追加の手順が必要になります。
以下の手順では、ローカルボリュームを削除する例の概要を説明します。同じ手順を使用して、ローカルボリュームセットのカスタムリソースのシンボリックリンクを削除することもできます。
前提条件
永続ボリュームの状態は
Released
またはAvailable
である必要があります。警告使用中の永続ボリュームを削除すると、データの損失や破損につながる可能性があります。
手順
以前に作成したローカルボリュームを編集して、不要なディスクを削除します。
クラスターリソースを編集します。
$ oc edit localvolume <name> -n openshift-local-storage
-
devicePaths
の下の行に移動し、不要なディスクを表すものを削除します。
作成した永続ボリュームを削除します。
$ oc delete pv <pv-name>
ノードのシンボリックリンクを削除します。
警告以下の手順では、root ユーザーとしてノードにアクセスする必要があります。この手順のステップ以外にノードの状態を変更すると、クラスターが不安定になる可能性があります。
ノードにデバッグ Pod を作成します。
$ oc debug node/<node-name>
ルートディレクトリーをホストに切り替えます。
$ chroot /host
ローカルボリュームのシンボリックリンクを含むディレクトリーに移動します。
$ cd /mnt/openshift-local-storage/<sc-name> 1
- 1
- ローカルボリュームの作成に使用されるストレージクラスの名前。
削除したデバイスに属するシンボリックリンクを削除します。
$ rm <symlink>
4.10.8.2. ローカルストレージ Operator のアンインストール
ローカルストレージ Operator をアンインストールするには、Operator および openshift-local-storage
プロジェクトの作成されたすべてのリソースを削除する必要があります。
ローカルストレージ PV がまだ使用中の状態でローカルストレージ Operator をアンインストールすることは推奨されません。PV は Operator の削除後も残りますが、PV およびローカルストレージリソースを削除せずに Operator がアンインストールされ、再インストールされる場合に予測できない動作が生じる可能性があります。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスします。
手順
プロジェクトにインストールされているローカルボリュームリソースを削除します (
localvolume
、localvolumeset
、localvolumediscovery
等)。$ oc delete localvolume --all --all-namespaces $ oc delete localvolumeset --all --all-namespaces $ oc delete localvolumediscovery --all --all-namespaces
Web コンソールからローカルストレージ Operator をアンインストールします。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- Operators → Installed Operators に移動します。
- Local Storage をフィルターボックスに入力して、ローカルストレージ Operator を見つけます。
- ローカルストレージ Operator の末尾にある Options メニュー をクリックします。
- Uninstall Operator をクリックします。
- 表示されるウィンドウで Remove をクリックします。
ローカルストレージ Operator で作成された PV は削除されるまでクラスターに残ります。これらのボリュームが使用されなくなったら、以下のコマンドを実行してこれらのボリュームを削除します。
$ oc delete pv <pv-name>
openshift-local-storage
プロジェクトを削除します。$ oc delete project openshift-local-storage
4.11. NFS を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform クラスターは、NFS を使用する永続ストレージでプロビジョニングすることが可能です。永続ボリューム (PV) および永続ボリューム要求 (PVC) は、プロジェクト全体でボリュームを共有するための便利な方法を提供します。PV 定義に含まれる NFS に固有の情報は、Pod
定義で直接定義することも可能ですが、この方法の場合にはボリュームが一意のクラスターリソースとして作成されされないため、ボリュームが競合の影響を受けやすくなります。
関連情報
4.11.1. プロビジョニング
ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。NFS ボリュームをプロビジョニングするには、NFS サーバーの一覧とエクスポートパスのみが必要です。
手順
PV のオブジェクト定義を作成します。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv0001 1 spec: capacity: storage: 5Gi 2 accessModes: - ReadWriteOnce 3 nfs: 4 path: /tmp 5 server: 172.17.0.2 6 persistentVolumeReclaimPolicy: Retain 7
- 1
- ボリュームの名前。これは、各種の
oc <command> pod
コマンドの PV アイデンティティーです。 - 2
- このボリュームに割り当てられるストレージの量。
- 3
- これはボリュームへのアクセスの制御に関連するように見えますが、実際はラベルの場合と同様に、PVC を PV に一致させるために使用されます。現時点では、
accessModes
に基づくアクセスルールは適用されていません。 - 4
- 使用されているボリュームタイプ。 この場合は
nfs
プラグインです。 - 5
- NFS サーバーがエクスポートしているパス。
- 6
- NFS サーバーのホスト名または IP アドレス
- 7
- PV の回収ポリシー。これはボリュームのリリース時に生じることを定義します。
注記各 NFS ボリュームは、クラスター内のスケジュール可能なすべてのノードによってマウント可能でなければなりません。
PV が作成されたことを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME LABELS CAPACITY ACCESSMODES STATUS CLAIM REASON AGE pv0001 <none> 5Gi RWO Available 31s
新規 PV にバインドされる永続ボリューム要求 (PVC) を作成します。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: nfs-claim1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 1 resources: requests: storage: 5Gi 2 volumeName: pv0001 storageClassName: ""
永続ボリューム要求 (PVC) が作成されたことを確認します。
$ oc get pvc
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE nfs-claim1 Bound pv0001 5Gi RWO 2m
4.11.2. ディスククォータの実施
ディスクパーティションを使用して、ディスククォータとサイズ制限を実施することができます。それぞれのパーティションを独自のエクスポートとすることができ、それぞれのエクスポートは 1 つの PV になります。それぞれのエクスポートは 1 つの PV になります。OpenShift Container Platform は PV に固有の名前を適用しますが、NFS ボリュームのサーバーとパスの一意性については管理者に委ねられています。
この方法でクォータを実施すると、開発者は永続ストレージを具体的な量 (10Gi など) で要求することができ、同等かそれ以上の容量の対応するボリュームに一致させることができます。
4.11.3. NFS ボリュームのセキュリティー
このセクションでは、一致するパーミッションや SELinux の考慮点を含む、NFS ボリュームのセキュリティーについて説明します。ユーザーは、POSIX パーミッションやプロセス UID、補助グループおよび SELinux の基礎的な点を理解している必要があります。
開発者は、Pod
定義の volumes
セクションで、PVC を名前で参照するか、または NFS ボリュームのプラグインを直接参照して NFS ストレージを要求します。
NFS サーバーの /etc/exports
ファイルにはアクセス可能な NFS ディレクトリーが含まれています。ターゲットの NFS ディレクトリーには、POSIX の所有者とグループ ID があります。OpenShift Container Platform NFS プラグインは、同じ POSIX の所有者とエクスポートされる NFS ディレクトリーにあるパーミッションを使って、コンテナーの NFS ディレクトリーをマウントします。ただし、コンテナーは NFS マウントの所有者と同等の有効な UID では実行されません。 これは期待される動作です。
ターゲットの NFS ディレクトリーが NFS サーバーに表示される場合を例に取って見てみましょう。
$ ls -lZ /opt/nfs -d
出力例
drwxrws---. nfsnobody 5555 unconfined_u:object_r:usr_t:s0 /opt/nfs
$ id nfsnobody
出力例
uid=65534(nfsnobody) gid=65534(nfsnobody) groups=65534(nfsnobody)
次に、コンテナーは SELinux ラベルに一致し、ディレクトリーにアクセスするために UID の 65534
、nfsnobody
所有者、または補助グループの 5555
のいずれかで実行される必要があります。
所有者 ID 65534
は一例として使用されています。NFS の root_squash
が root
、uid 0
を nfsnobody
、uid 65534
にマップしても、NFS エクスポートは任意の所有者 ID を持つことができます。所有者 65534
は NFS エクスポートには必要ありません。
4.11.3.1. グループ ID
NFS アクセスに対応する際の推奨される方法として、補助グループを使用することができます (NFS エクスポートのパーミッションを変更するオプションがないことを前提としています)。OpenShift Container Platform の補助グループは共有ストレージに使用されます (例: NFS)。これとは対照的に、iSCSI などのブロックストレージは、Pod の securityContext
で fsGroup
SCC ストラテジーと fsGroup
の値を使用します。
永続ストレージへのアクセスを取得するには、通常はユーザー ID ではなく、補助グループ ID を使用することが推奨されます。
ターゲット NFS ディレクトリーの例で使用したグループ ID は 5555
なので、Pod は、supplementalGroups
を使用してグループ ID を Pod の securityContext
定義の下で定義することができます。以下に例を示します。
spec: containers: - name: ... securityContext: 1 supplementalGroups: [5555] 2
Pod の要件を満たすカスタム SCC が存在しない場合、Pod は restricted
SCC に一致する可能性があります。この SCC では、supplementalGroups
ストラテジーが RunAsAny
に設定されています。 これは、指定されるグループ ID は範囲のチェックなしに受け入れられることを意味します。
その結果、上記の Pod は受付をパスして起動します。しかし、グループ ID の範囲をチェックすることが望ましい場合は、カスタム SCC の使用が推奨されます。カスタム SCC は、最小および最大のグループ ID が定義され、グループ ID の範囲チェックが実施され、グループ ID の 5555
が許可されるように作成できます。
カスタム SCC を使用するには、まずこれを適切なサービスアカウントに追加する必要があります。たとえば、Pod
仕様に指定がない場合には、指定されたプロジェクトで default
サービスアカウントを使用します。
4.11.3.2. ユーザー ID
ユーザー ID は、コンテナーイメージまたは Pod
定義で定義することができます。
永続ストレージへのアクセスを取得する場合、通常はユーザー ID ではなく、補助グループ ID を使用することが推奨されます。
上記のターゲット NFS ディレクトリーの例では、コンテナーは UID を 65534
(ここではグループ ID を省略します) に設定する必要があります。 したがって以下を Pod
定義に追加することができます。
spec: containers: 1 - name: ... securityContext: runAsUser: 65534 2
プロジェクトが default
で、SCC が restricted
の場合、Pod で要求されるユーザー ID の 65534
は許可されません。したがって、Pod は以下の理由で失敗します。
-
65534
をそのユーザー ID として要求する。 -
ユーザー ID
65534
を許可する SCC を確認するために Pod で利用できるすべての SCC が検査される。SCC のすべてのポリシーがチェックされますが、ここでのフォーカスはユーザー ID になります。 -
使用可能なすべての SCC が独自の
runAsUser
ストラテジーとしてMustRunAsRange
を使用しているため、UID の範囲チェックが要求される。 -
65534
は SCC またはプロジェクトのユーザー ID 範囲に含まれていない。
一般に、事前定義された SCC は変更しないことが勧められています。ただし、この状況を改善するには、カスタム SCC を作成することが推奨されます。 カスタム SCC は、最小および最大のユーザー ID が定義され、UID 範囲のチェックの実施が設定されており、UID 65534
が許可されるように作成できます。
カスタム SCC を使用するには、まずこれを適切なサービスアカウントに追加する必要があります。たとえば、Pod
仕様に指定がない場合には、指定されたプロジェクトで default
サービスアカウントを使用します。
4.11.3.3. SELinux
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) および Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムは、デフォルトでリモートの NFS サーバーで SELinux を使用するように設定されます。
RHEL および RHCOS 以外のシステムの場合、SELinux は Pod からリモートの NFS サーバーへの書き込みを許可しません。NFS ボリュームは正常にマウントされますが、読み取り専用です。以下の手順で、正しい SELinux パーミッションを有効にする必要があります。
前提条件
-
container-selinux
パッケージがインストールされている必要があります。このパッケージはvirt_use_nfs
SELinux ブール値を提供します。
手順
以下のコマンドを使用して
virt_use_nfs
ブール値を有効にします。-P
オプションを使用すると、再起動後もこのブール値を永続化できます。# setsebool -P virt_use_nfs 1
4.11.3.4. エクスポート設定
任意のコンテナーユーザーにボリュームの読み取りと書き出しを許可するには、NFS サーバーにエクスポートされる各ボリュームは以下の条件を満たしている必要があります。
すべてのエクスポートは、次の形式を使用してエクスポートする必要があります。
/<example_fs> *(rw,root_squash)
ファイアウォールは、マウントポイントへのトラフィックを許可するように設定する必要があります。
NFSv4 の場合、デフォルトのポート
2049
(nfs) を設定します。NFSv4
# iptables -I INPUT 1 -p tcp --dport 2049 -j ACCEPT
NFSv3 の場合、以下の 3 つのポートを設定します。
2049
(nfs)、20048
(mountd)、111
(portmapper)。NFSv3
# iptables -I INPUT 1 -p tcp --dport 2049 -j ACCEPT
# iptables -I INPUT 1 -p tcp --dport 20048 -j ACCEPT
# iptables -I INPUT 1 -p tcp --dport 111 -j ACCEPT
-
NFS エクスポートとディレクトリーは、ターゲット Pod からアクセスできるようにセットアップされる必要があります。この場合、エクスポートをコンテナーのプライマリー UID で所有されるように設定するか、または上記のグループ ID に示されるように
supplementalGroups
を使用して Pod にグループアクセスを付与します。
4.11.4. リソースの回収
NFS は OpenShift Container Platform の Recyclable
プラグインインターフェイスを実装します。回収タスクは、それぞれの永続ボリュームに設定されるポリシーに基づいて自動プロセスによって処理されます。
デフォルトで、PV は Retain
に設定されます。
PV への要求が削除され、PV がリリースされると、PV オブジェクトを再利用できません。代わりに、新規の PV が元のボリュームと同じ基本ボリュームの情報を使って作成されます。
たとえば、管理者は nfs1
という名前の PV を作成するとします。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: nfs1 spec: capacity: storage: 1Mi accessModes: - ReadWriteMany nfs: server: 192.168.1.1 path: "/"
ユーザーは、nfs1
にバインドされる PVC1
を作成します。次にユーザーは PVC1
を削除し、nfs1
への要求を解除します。これにより、nfs1
は Released
になります。管理者が同じ NFS 共有を利用可能にする必要がある場合には、同じ NFS サーバー情報を使って新規 PV を作成する必要があります。 この場合、PV の名前は元の名前とは異なる名前にします。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: nfs2 spec: capacity: storage: 1Mi accessModes: - ReadWriteMany nfs: server: 192.168.1.1 path: "/"
元の PV を削除して、PV を同じ名前で再作成することは推奨されません。PV のステータスを Released
から Available
に手動で変更しようとすると、エラーが発生し、データが失われる可能性があります。
4.11.5. その他の設定とトラブルシューティング
適切なエクスポートとセキュリティーマッピングを行うため、使用している NFS のバージョンおよびその設定方法に応じて追加の設定が必要になることがあります。以下は例になります。
NFSv4 のマウントにすべてのファイルの所有者が |
|
NFSv4 の ID マッピングが無効になっている |
|
4.12. Red Hat OpenShift Container Storage
Red Hat OpenShift Container Storage は、インハウスまたはハイブリッドクラウドのいずれの場合でもファイル、ブロックおよびオブジェクトストレージをサポートし、OpenShift Container Platform のすべてに対応する永続ストレージのプロバイダーです。Red Hat のストレージソリューションとして、Red Hat OpenShift Container Storage は、デプロイメント、管理およびモニターリングを行うために OpenShift Container Platform に完全に統合されています。
Red Hat OpenShift Container Storage は、独自のドキュメントライブラリーを提供します。以下の Red Hat OpenShift Container Storage ドキュメントすべては https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_openshift_container_storage/4.7/ から入手できます。
OpenShift Container Platform でインストールされた仮想マシンをホストするハイパーコンバージドノードを使用する Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) for Virtualization の上部にある OpenShift Container Storage は、サポートされる設定ではありません。サポートされるプラットフォームについての詳細は、Red Hat OpenShift Container Storage Supportability and Interoperability Guide を参照してください。
Red Hat OpenShift Container Storage についてのトピック | Red Hat OpenShift Container Storage ドキュメントの参照先 |
---|---|
プランニング | |
新機能、既知の問題、主なバグ修正およびテクノロジープレビュー | |
サポートされるワークロード、レイアウト、ハードウェアおよびソフトウェア要件、サイジング、スケーリングに関する推奨事項 | |
デプロイ | |
ローカルまたはクラウドストレージの Amazon Web Services を使用した Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイ | Amazon Web Services を使用した OpenShift Container Storage 4.7 のデプロイ |
ベアメタルインフラストラクチャーでの Red Hat OpenShift Container Storage のローカルストレージへのデプロイ | |
外部の Red Hat Ceph Storage クラスターを使用するように Red Hat OpenShift Container Storage をデプロイする | |
Google Cloud クラスターを使用した OpenShift Container Storage のデプロイおよび管理 | Google Cloud を使用した OpenShift Container Storage 4.7 のデプロイおよび管理 |
IBM Z インフラストラクチャーでローカルストレージを使用するための Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイ | |
IBM Power Systems への Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイ | |
IBM Cloud への Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイ | |
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) での Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイおよび管理 | Red Hat OpenStack Platform を使用した OpenShift Container Storage 4.7 のデプロイおよび管理 |
Red Hat Virtualization (RHV) での Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイおよび管理 | Red Hat Virtualization Platform を使用した OpenShift Container Storage 4.7 のデプロイおよび管理 |
VMWare vSphere クラスターへの OpenShift Container Storage のデプロイ | |
Red Hat OpenShift Container Storage の最新バージョンへの更新 | |
管理 | |
スナップショットおよびクローンを含む、Red Hat OpenShift Container Storage のコアサービスおよびホスト型アプリケーションへのストレージの割り当て | |
Multicloud Object Gateway (NooBaa) を使用したハイブリッドクラウドまたはマルチクラウド環境でのストレージリソースの管理 | |
Red Hat OpenShift Container Storage のストレージデバイスの安全な置き換え | |
Red Hat OpenShift Container Storage クラスターのノードの安全な置き換え | |
Red Hat OpenShift Container Storage でのスケーリング操作 | |
Red Hat OpenShift Container Storage 4.7 クラスターのモニターリング | |
エラーおよび問題のトラブルシューティング | |
OpenShift Container Platform クラスターのバージョン 3 からバージョン 4 への移行 |
4.13. VMware vSphere ボリュームを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform では、VMWare vSphere の仮想マシンディスク (VMDK: Virtual Machine Disk) ボリュームの使用が可能となります。VMWare vSphere を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と VMWare vSphere についてのある程度の理解があることが前提となります。
VMware vSphere ボリュームは動的にプロビジョニングできます。OpenShift Container Platform は vSphere にディスクを作成し、このディスクを正しいイメージに割り当てます。
OpenShift Container Platform は、自由にクラスターないのノードにあるボリュームをアタッチしたり、アタッチ解除できるように、個別の永続ディスクとして新規ボリュームをプロビジョニングします。そのため、スナップショットを使用するボリュームをバックアップしたり、スナップショットからボリュームを復元したりできません。詳細は、スナップショットの制限 を参照してください。
Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。
永続ボリュームは単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、それらは OpenShift Container Platform クラスター間で共有できます。永続ボリューム要求 (PVC) はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。
関連情報
4.13.1. VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニングは推奨される方法です。
4.13.2. 前提条件
- 使用するコンポーネントの要件を満たす VMware vSphere バージョンにインストールされている OpenShift Container Platform クラスター。VSphere バージョンのサポートに関する詳細は、クラスターの vSphere へのインストール を参照してください。
以下のいずれかの手順を使用し、デフォルトのストレージクラスを使用してそれらのボリュームを動的にプロビジョニングできます。
4.13.2.1. UI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin
ディスク形式を使用する thin
という名前のデフォルトのストレージクラスをインストールします。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
結果のページで必要なオプションを定義します。
-
thin
ストレージクラスを選択します。 - ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択し、作成されるストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスを決定します。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
-
- Create をクリックして永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、永続ボリュームを生成します。
4.13.2.2. CLI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング
OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin
ディスク形式を使用する thin
という名前のデフォルトの StorageClass をインストールします。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順 (CLI)
以下の内容でファイル
pvc.yaml
を作成して VMware vSphere PersistentVolumeClaim を定義できます。kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: pvc 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 2 resources: requests: storage: 1Gi 3
ファイルから
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。$ oc create -f pvc.yaml
4.13.3. VMware vSphere ボリュームの静的プロビジョニング
VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングするには、永続ボリュームフレームワークが参照する仮想マシンディスクを作成する必要があります。
前提条件
- ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。
手順
仮想マシンディスクを作成します。VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングする前に、仮想マシンディスク (VMDK) を手動で作成する必要があります。以下の方法のいずれかを使用します。
vmkfstools
を使用して作成します。セキュアシェル (SSH) を使用して ESX にアクセスし、以下のコマンドを使用して vmdk ボリュームを作成します。$ vmkfstools -c <size> /vmfs/volumes/<datastore-name>/volumes/<disk-name>.vmdk
vmware-diskmanager
を使用して作成します。$ shell vmware-vdiskmanager -c -t 0 -s <size> -a lsilogic <disk-name>.vmdk
VMDK を参照する永続ボリュームを作成します。
PersistentVolume
オブジェクト定義を使用してpv1.yaml
ファイルを作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: pv1 1 spec: capacity: storage: 1Gi 2 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Retain vsphereVolume: 3 volumePath: "[datastore1] volumes/myDisk" 4 fsType: ext4 5
- 1
- ボリュームの名前。この名前は永続ボリューム要求 (PVC) または Pod で識別されるものです。
- 2
- このボリュームに割り当てられるストレージの量。
- 3
- vSphere ボリュームの
vsphereVolume
で使用されるボリュームタイプ。ラベルは vSphere VMDK ボリュームを Pod にマウントするために使用されます。ボリュームの内容はアンマウントされても保持されます。このボリュームタイプは、VMFS データストアと VSAN データストアの両方がサポートされます。 - 4
- 使用する既存の VMDK ボリューム。
vmkfstools
を使用した場合、前述のようにボリューム定義で、データストア名を角かっこ[]
で囲む必要があります。 - 5
- マウントするファイルシステムタイプです。ext4、xfs、または他のファイルシステムなどが例になります。
重要ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後に fsType パラメーターの値を変更すると、データ損失や Pod にエラーが発生する可能性があります。
ファイルから
PersistentVolume
オブジェクトを作成します。$ oc create -f pv1.yaml
直前の手順で作成した永続ボリュームにマップする永続ボリューム要求 (PVC) を作成します。
PersistentVolumeClaim
オブジェクト定義を使用して、ファイルpvc1.yaml
を作成します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: pvc1 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce 2 resources: requests: storage: "1Gi" 3 volumeName: pv1 4
ファイルから
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。$ oc create -f pvc1.yaml
4.13.3.1. VMware vSphere ボリュームのフォーマット
OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、PersistentVolume
(PV) 定義の fsType
パラメーター値で指定されたファイルシステムがボリュームに含まれることを確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。
OpenShift Container Platform は初回の使用前にフォーマットするため、フォーマットされていない vSphere ボリュームを PV として使用できます。
第5章 Container Storage Interface (CSI) の使用
5.1. CSI ボリュームの設定
Container Storage Interface (CSI) により、OpenShift Container Platform は CSI インターフェイス を永続ストレージとして実装するストレージバックエンドからストレージを使用できます。
OpenShift Container Platform 4.7 は、CSI 仕様 のバージョン 1.2.0 をサポートします。
5.1.1. CSI アーキテクチャー
CSI ドライバーは通常、コンテナーイメージとして提供されます。これらのコンテナーは、実行先の OpenShift Container Platform を認識しません。OpenShift Container Platform でサポートされる CSI 互換のストレージバックエンドを使用するには、クラスター管理者は、OpenShift Container Platform とストレージドライバーの橋渡しとして機能するコンポーネントを複数デプロイする必要があります。
以下の図では、OpenShift Container Platform クラスターの Pod で実行されるコンポーネントの俯瞰図を示しています。
異なるストレージバックエンドに対して複数の CSI ドライバーを実行できます。各ドライバーには、独自の外部コントローラーのデプロイメントおよびドライバーと CSI レジストラーを含むデーモンセットが必要です。
5.1.1.1. 外部の CSI コントローラー
外部の CSI コントローラーは、5 つのコンテナーを含む 1 つまたは複数の Pod を配置するデプロイメントです。
-
スナップショットコンテナーは、
VolumeSnapshot
およびVolumeSnapshotContent
オブジェクトを監視し、VolumeSnapshotContent
オブジェクトの作成および削除を担当します。 -
リサイザーコンテナーは、
PersistentVolumeClaim
オブジェクトでより多くのストレージを要求した場合に、PersistentVolumeClaim
の更新を監視し、CSI エンドポイントに対してControllerExpandVolume
操作をトリガーするサイドカーコンテナーです。 -
OpenShift Container Platform からの
attach
およびdetach
の呼び出しを適切な CSI ドライバーへのControllerPublish
およびControllerUnpublish
呼び出しに変換する外部の CSI アタッチャーコンテナー。 -
OpenShift Container Platform からの
provision
およびdelete
呼び出しを適切な CSI ドライバーへのCreateVolume
およびDeleteVolume
呼び出しに変換する外部の CSI プロビジョナーコンテナー。 - CSI ドライバーコンテナー
CSI アタッチャーおよび CSI プロビジョナーコンテナーは、Unix Domain Socket を使用して、CSI ドライバーコンテナーと通信し、CSI の通信が Pod 外に出ないようにします。CSI ドライバーは Pod 外からはアクセスできません。
通常、attach
、detach
、provision
および delete
操作では、CSI ドライバーがストレージバックエンドに対する認証情報を使用する必要があります。CSI コントローラー Pod をインフラストラクチャーノードで実行し、コンピュートノードで致命的なセキュリティー違反が発生した場合でも認証情報がユーザープロセスに漏洩されないようにします。
外部のアタッチャーは、サードパーティーの attach
または detach
操作をサポートしない CSI ドライバーに対しても実行する必要があります。外部のアタッチャーは、CSI ドライバーに対して ControllerPublish
または ControllerUnpublish
操作を実行しません。ただし、必要な OpenShift Container Platform 割り当て API を実装できるように依然として実行する必要があります。
5.1.1.2. CSI ドライバーのデーモンセット
CSI ドライバーのデーモンセットは、OpenShift Container Platform が CSI ドライバーによって提供されるストレージをノードにマウントして、永続ボリューム (PV) としてユーザーワークロード (Pod) で使用できるように、全ノードで Pod を実行します。CSI ドライバーがインストールされた Pod には、以下のコンテナーが含まれます。
-
ノード上で実行中の
openshift-node
サービスに CSI ドライバーを登録する CSI ドライバーレジストラー。このノードで実行中のopenshift-node
プロセスは、ノードで利用可能な Unix Domain Socket を使用して CSI ドライバーに直接接続します。 - CSI ドライバー
ノードにデプロイされた CSI ドライバーには、ストレージバックエンドへの認証情報をできる限り少なく指定する必要があります。OpenShift Container Platform は、NodePublish
/NodeUnpublish
および NodeStage
/NodeUnstage
(実装されている場合) などの CSI 呼び出しのノードプラグインセットのみを使用します。
5.1.2. OpenShift Container Platform でサポートされる CSI ドライバー
OpenShift Container Platform はデフォルトで特定の CSI ドライバーをインストールし、In-tree(インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なユーザーストレージオプションを提供します。
これらのサポートされるストレージアセットにマウントする CSI でプロビジョニングされた永続ボリュームを作成するには、OpenShift Container Platform は必要な CSI ドライバー Operator、CSI ドライバー、および必要なストレージクラスをインストールします。Operator およびドライバーのデフォルト namespace についての詳細は、特定の CSI ドライバー Operator のドキュメントを参照してください。
以下の表は、OpenShift Container Platform と共にインストールされる CSI ドライバーと、ボリュームスナップショット、クローン作成、およびサイズ変更などの対応する CSI 機能について説明しています。
CSI ドライバー | CSI ボリュームスナップショット | CSI のクローン作成 | CSI のサイズ変更 |
---|---|---|---|
AWS EBS (テクノロジープレビュー) | ✅ | - | ✅ |
Google Cloud Platform (GCP) 永続ディスク (PD)(テクノロジープレビュー) | ✅ | - | ✅ |
OpenStack Cinder | ✅ | ✅ | ✅ |
OpenShift Container Storage | ✅ | ✅ | ✅ |
OpenStack Manila | ✅ | - | - |
Red Hat Virtualization (oVirt) | - | - | - |
CSI ドライバーが上記の表に記載されていない場合は、CSI ストレージベンダーが提供するインストール手順に従って、サポートされている CSI 機能を使用する必要があります。
5.1.3. 動的プロビジョニング
永続ストレージの動的プロビジョニングは、CSI ドライバーおよび基礎となるストレージバックエンドの機能により異なります。CSI ドライバーのプロバイダーは、OpenShift Container Platform でのストレージクラスの作成方法および設定に利用でじるパラメーターについての文書を作成する必要があります。
作成されたストレージクラスは、動的プロビジョニングを有効にするために設定できます。
手順
デフォルトのストレージクラスを作成します。 これにより、特殊なストレージクラスを必要としないすべての PVC がインストールされた CSI ドライバーでプロビジョニングされます。
# oc create -f - << EOF apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: <storage-class> 1 annotations: storageclass.kubernetes.io/is-default-class: "true" provisioner: <provisioner-name> 2 parameters: EOF
5.1.4. CSI ドライバーの使用例
以下の例では、テンプレートを変更せずにデフォルトの MySQL テンプレートをインストールします。
前提条件
- CSI ドライバーがデプロイされている。
- 動的プロビジョニング用にストレージクラスが作成されている。
手順
MySQL テンプレートを作成します。
# oc new-app mysql-persistent
出力例
--> Deploying template "openshift/mysql-persistent" to project default ...
# oc get pvc
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE mysql Bound kubernetes-dynamic-pv-3271ffcb4e1811e8 1Gi RWO cinder 3s
5.2. CSI インラインの一時ボリューム
Container Storage Interface (CSI) のインライン一時ボリュームを使用すると、Pod のデプロイ時にインラインの一時ボリュームを作成し、Pod の破棄時にそれらを削除する Pod
仕様を定義できます。
この機能は、サポートされている Container Storage Interface (CSI) ドライバーでのみ利用できます。
CSI インラインの一時ボリュームは、テクノロジープレビュー機能としてのみご利用可能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
5.2.1. CSI インラインの一時ボリュームの概要
従来は、Container Storage Interface (CSI) ドライバーでサポートされるボリュームは PersistentVolume
および PersistentVolumeClaim
オブジェクトの組み合わせでのみ使用できます。
この機能により、PersistentVolume
オブジェクトではなく、Pod
仕様に CSI ボリュームを直接指定できます。インラインボリュームは一時的なボリュームであり、Pod の再起動後は永続化されません。
5.2.1.1. サポートの制限
デフォルトで、OpenShift Container Platform は以下の制限下で CSI インラインの一時ボリュームのクローン作成をサポートします。
- サポートは CSI ドライバーでのみ利用可能です。in-tree (インツリー) および FlexVolumes はサポートされません。
- OpenShift Container Platform には CSI ドライバーが含まれません。コミュニティーまたはストレージベンダー が提供する CSI ドライバーを使用します。CSI ドライバーの提供されるインストール手順に従います。
-
CSI ドライバーは、
Ephemeral
機能を含む、インラインボリューム機能を実装していない可能性があります。詳細は、CSI ドライバーのドキュメントを参照してください。
5.2.2. Pod 仕様への CSI インライン一時ボリュームの埋め込み
CSI インラインの一時ボリュームを OpenShift Container Platform の Pod
仕様に埋め込むことができます。ランタイム時に、ネストされたインラインボリュームは、関連付けられた Pod の一時的なライフサイクルに従うため、CSI ドライバーは Pod の作成および破棄時にボリューム操作のすべてのフェーズをすべて処理できます。
手順
-
Pod
オブジェクト定義を作成し、これをファイルに保存します。 CSI インラインの一時ボリュームをファイルに埋め込みます。
my-csi-app.yaml
kind: Pod apiVersion: v1 metadata: name: my-csi-app spec: containers: - name: my-frontend image: busybox volumeMounts: - mountPath: "/data" name: my-csi-inline-vol command: [ "sleep", "1000000" ] volumes: 1 - name: my-csi-inline-vol csi: driver: inline.storage.kubernetes.io volumeAttributes: foo: bar
- 1
- Pod で使用されるボリュームの名前。
直前のステップで保存したオブジェクト定義ファイルを作成します。
$ oc create -f my-csi-app.yaml
5.3. CSI ボリュームスナップショット
本書では、サポートされる Container Storage Interface (CSI) ドライバーでボリュームスナップショットを使用して、OpenShift Container Platform でデータ損失から保護する方法について説明します。永続ボリューム についてある程度理解していることが推奨されます。
5.3.1. CSI ボリュームスナップショットの概要
スナップショット は、特定の時点におけるクラスター内のストレージボリュームの状態を表します。ボリュームスナップショットは新規ボリュームのプロビジョニングに使用できます。
OpenShift Container Platform はデフォルトで CSI ボリューム酢ナップショットをサポートします。ただし、特定の CSI ドライバーが必要です。
CSI ボリュームのスナップショットを使用して、クラスター管理者は以下を行うことができます。
- スナップショットをサポートするサードパーティーの CSI ドライバーをデプロイします。
- 既存のボリュームスナップショットから永続ボリューム要求 (PVC) を新たに作成します。
- 既存の PVC のスナップショットを作成します。
- スナップショットを別の PVC として復元します。
- 既存のボリュームスナップショットを削除します。
CSI ボリュームスナップショットを使用すると、アプリケーション開発者は以下を行うことができます。
- ボリュームスナップショットは、アプリケーションレベルまたはクラスターレベルのストレージバックアップソリューションを開発するためのビルディングブロックとして使用します。
- 迅速に直前の開発バージョンにロールバックします。
- 毎回フルコピーを作成する必要がないため、ストレージをより効率的に使用できます。
ボリュームスナップショットを使用する場合は、以下の点に注意してください。
- サポートは CSI ドライバーでのみ利用可能です。in-tree (インツリー) および FlexVolumes はサポートされません。
- OpenShift Container Platform には一部の CSI ドライバーのみが同梱されます。OpenShift Container Platform ドライバー Operator によって提供されない CSI ドライバーについては、コミュニティーまたはストレージベンダー が提供する CSI ドライバーを使用することが推奨されます。CSI ドライバーの提供されるインストール手順に従います。
-
CSI ドライバーは、ボリュームのスナップショット機能を実装している場合もあれば、実装していない場合もあります。ボリュームスナップショットのサポートを提供している CSI ドライバーは、
csi-external-snapshotter
サイドカーコンテナーを使用する可能性があります。詳細は、CSI ドライバーで提供されるドキュメントを参照してください。
5.3.2. CSI スナップショットコントローラーおよびサイドカー
OpenShift Container Platform は、コントロールプレーンにデプロイされるスナップショットコントローラーを提供します。さらに、CSI ドライバーベンダーは、CSI ドライバーのインストール時にインストールされるヘルパーコンテナーとして CSI スナップショットサイドカーコンテナーを提供します。
CSI スナップショットコントローラーおよびサイドカーは、OpenShift Container Platform API を使用してボリュームのスナップショットを提供します。これらの外部コンポーネントはクラスターで実行されます。
外部コントローラーは CSI スナップショットコントローラー Operator によってデプロイされます。
5.3.2.1. 外部コントローラー
CSI スナップショットコントローラーは VolumeSnapshot
および VolumeSnapshotContent
オブジェクトをバインドします。コントローラーは、VolumeSnapshotContent
オブジェクトを作成し、削除して動的プロビジョニングを管理します。
5.3.2.2. 外部サイドカー
CSI ドライバーベンダーは、csi-external-snapshotter
サイドカーを提供します。これは、CSI ドライバーでデプロイされる別のヘルパーコンテナーです。サイドカーは、CreateSnapshot
および DeleteSnapshot
操作をトリガーしてスナップショットを管理します。ベンダーが提供するインストールの手順に従います。
5.3.3. CSI スナップショットコントローラー Operator について
CSI スナップショットコントローラー Operator は openshift-cluster-storage-operator
namespace で実行されます。これは、デフォルトですべてのクラスターの Cluster Version Operator (CVO) によってインストールされます。
CSI スナップショットコントローラー Operator は、openshift-cluster-storage-operator
namespace で実行される CSI スナップショットコントローラーをインストールします。
5.3.3.1. ボリュームスナップショット CRD
OpenShift Container Platform のインストール時に、CSI スナップショットコントローラー Operator は、snapshot.storage.k8s.io/v1
API グループに以下のスナップショットのカスタムリソース定義 (CRD) を作成します。
VolumeSnapshotContent
クラスター管理者がプロビジョニングしたクラスター内のボリュームのスナップショット。
PersistentVolume
オブジェクトと同様に、VolumeSnapshotContent
CRD はストレージバックエンドの実際のスナップショットを参照するクラスターリソースです。手動でプロビジョニングされたスナップショットの場合、クラスター管理者は多くの
VolumeSnapshotContent
CRD を作成します。これらには、ストレージシステム内の実際のボリュームスナップショットの詳細が含まれます。VolumeSnapshotContent
CRD には namespace が使用されず、これはクラスター管理者によって使用されるものです。VolumeSnapshot
PersistentVolumeClaim
オブジェクトと同様に、VolumeSnapshot
CRD はスナップショットの開発者要求を定義します。CSI スナップショットコントローラー Operator は、適切なVolumeSnapshotContent
CRD でVolumeSnapshot
CRD のバインディングを処理する CSI スナップショットコントローラーを実行します。バインディングは 1 対 1 のマッピングです。VolumeSnapshot
CRD には namespace が使用されます。開発者は、CRD をスナップショットの個別の要求として使用します。VolumeSnapshotClass
クラスター管理者は、
VolumeSnapshot
オブジェクトに属する異なる属性を指定できます。これらの属性は、ストレージシステムの同じボリュームで作成されるスナップショット間で異なる場合があります。この場合、それらは永続ボリューム要求 (PVC) の同じストレージクラスを使用して表現できません。VolumeSnapshotClass
CRD は、スナップショットの作成時に使用するcsi-external-snapshotter
サイドカーのパラメーターを定義します。これにより、ストレージバックエンドは、複数のオプションがサポートされる場合に動的に作成するスナップショットの種類を認識できます。動的にプロビジョニングされるスナップショットは
VolumeSnapshotClass
CRD を使用して、スナップショットの作成時に使用するストレージプロバイダー固有のパラメーターを指定します。VolumeSnapshotContentClass
CRD には namespace が使用されず、クラスター管理者がストレージバックエンドのグローバル設定オプションを有効にするために使用します。
5.3.4. ボリュームスナップショットのプロビジョニング
スナップショットをプロビジョニングする方法は、動的な方法と手動による方法の 2 種類があります。
5.3.4.1. 動的プロビジョニング
既存のスナップショットを使用する代わりに、スナップショットを永続ボリューム要求 (PVC) から動的に取得するように要求できます。パラメーターは VolumeSnapshotClass
CRD を使用して指定されます。
5.3.4.2. 手動プロビジョニング
クラスター管理者は、多数の VolumeSnapshotContent
オブジェクトを手動で事前にプロビジョニングできます。これらは、クラスターユーザーが利用できる実際のボリュームのスナップショットの詳細を保持します。
5.3.5. ボリュームスナップショットの作成
VolumeSnapshot
オブジェクトを作成すると、OpenShift Container Platform はボリュームスナップショットを作成します。
前提条件
- 実行中の OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。
-
VolumeSnapshot
オブジェクトをサポートする CSI ドライバーを使用して作成される PVC。 - ストレージバックエンドをプロビジョニングするストレージクラス。
スナップショットの作成に使用する必要のある永続ボリューム要求 (PVC) を使用している Pod はありません。
注記Pod が PVC を使用している場合は、PVC のボリュームスナップショットを作成しません。これを実行すると、PVC が一時停止 (停止) されないため、データが破損する可能性があります。まず実行中の Pod の終了処理を実行し、スナップショットの一貫性を維持します。
手順
ボリュームのスナップショットを動的に作成するには、以下を実行します。
以下の YAML によって記述される
VolumeSnapshotClass
オブジェクトを使ってファイルを作成します。volumesnapshotclass.yaml
apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshotClass metadata: name: csi-hostpath-snap driver: hostpath.csi.k8s.io 1 deletionPolicy: Delete
- 1
- この
VolumeSnapshotClass
オブジェクトのスナップショットを作成するために使用される CSI ドライバーの名前。名前は、スナップショットが作成される PVC に対応するストレージクラスのProvisioner
フィールドと同じである必要があります。
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f volumesnapshotclass.yaml
VolumeSnapshot
オブジェクトを作成します。volumesnapshot-dynamic.yaml
apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshot metadata: name: mysnap spec: volumeSnapshotClassName: csi-hostpath-snap 1 source: persistentVolumeClaimName: myclaim 2
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f volumesnapshot-dynamic.yaml
スナップショットを手動でプロビジョニングするには、以下を実行します。
上記のようにボリュームスナップショットクラスを定義するだけでなく、
volumeSnapshotContentName
パラメーターの値をスナップショットのソースとして指定します。volumesnapshot-manual.yaml
apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshot metadata: name: snapshot-demo spec: source: volumeSnapshotContentName: mycontent 1
- 1
- 事前にプロビジョニングされたスナップショットには、
volumeSnapshotContentName
パラメーターが必要です。
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f volumesnapshot-manual.yaml
検証
スナップショットがクラスターで作成されると、スナップショットに関する追加情報が利用可能になります。
作成したボリュームスナップショットの詳細を表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc describe volumesnapshot mysnap
以下の例は、
mysnap
ボリュームスナップショットについての詳細を表示します。volumesnapshot.yaml
apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshot metadata: name: mysnap spec: source: persistentVolumeClaimName: myclaim volumeSnapshotClassName: csi-hostpath-snap status: boundVolumeSnapshotContentName: snapcontent-1af4989e-a365-4286-96f8-d5dcd65d78d6 1 creationTime: "2020-01-29T12:24:30Z" 2 readyToUse: true 3 restoreSize: 500Mi
- 1
- コントローラーによって作成された実際のストレージコンテンツへのポインター。
- 2
- スナップショットが作成された時間。スナップショットには、このタイミングで利用できるボリュームコンテンツが含まれます。
- 3
- 値が
true
に設定されている場合、スナップショットを使用して新規 PVC として復元できます。
値がfalse
に設定されている場合、スナップショットが作成されています。ただし、ストレージバックエンドは、スナップショットを新規ボリュームとして復元できるようにするために、追加のタスクを実行してスナップショットを使用できる状態にする必要があります。たとえば、Amazon Elastic Block Store データを別の低コストの場所に移動する場合があり、これには数分の時間がかかる可能性があります。
ボリュームのスナップショットが作成されたことを確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get volumesnapshotcontent
実際のコンテンツへのポインターが表示されます。
boundVolumeSnapshotContentName
フィールドにデータが設定される場合、VolumeSnapshotContent
オブジェクトが存在し、スナップショットが作成されています。-
スナップショットの準備が完了していることを確認するには、
VolumeSnapshot
オブジェクトにreadyToUse: true
があることを確認します。
5.3.6. ボリュームスナップショットの削除
OpenShift Container Platform によるボリュームスナップショットの削除方法を設定できます。
手順
以下の例のように、
VolumeSnapshotClass
オブジェクトで必要な削除ポリシーを指定します。volumesnapshotclass.yaml
apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshotClass metadata: name: csi-hostpath-snap driver: hostpath.csi.k8s.io deletionPolicy: Delete 1
- 1
- ボリュームスナップショットの削除時に
Delete
値を設定すると、VolumeSnapshotContent
オブジェクトと共に基礎となるスナップショットが削除されます。Retain
値を設定すると、基礎となるスナップショットとVolumeSnapshotContent
オブジェクトの両方が残ります。Retain
値を設定し、対応するVolumeSnapshotContent
オブジェクトを削除せずにVolumeSnapshot
オブジェクトを削除すると、コンテンツは残ります。スナップショット自体はストレージバックエンドにも保持されます。
以下のコマンドを入力してボリュームスナップショットを削除します。
$ oc delete volumesnapshot <volumesnapshot_name>
出力例
volumesnapshot.snapshot.storage.k8s.io "mysnapshot" deleted
削除ポリシーが
Retain
に設定されている場合は、以下のコマンドを入力してボリュームスナップショットのコンテンツを削除します。$ oc delete volumesnapshotcontent <volumesnapshotcontent_name>
オプション:
VolumeSnapshot
オブジェクトが正常に削除されていない場合は、以下のコマンドを実行して残されているリソースのファイナライザーを削除し、削除操作を続行できるようにします。重要永続ボリューム要求 (PVC) またはボリュームスナップショットのコンテンツのいずれかから
VolumeSnapshot
オブジェクトへの既存の参照がない場合にのみファイナライザーを削除します。--force
オプションを使用する場合でも、すべてのファイナライザーが削除されるまで削除操作でスナップショットオブジェクトは削除されません。$ oc patch -n $PROJECT volumesnapshot/$NAME --type=merge -p '{"metadata": {"finalizers":null}}'
出力例
volumesnapshotclass.snapshot.storage.k8s.io "csi-ocs-rbd-snapclass" deleted
ファイナライザーが削除され、ボリュームスナップショットが削除されます。
5.3.7. ボリュームスナップショットの復元
VolumeSnapshot
CRD コンテンツは、既存のボリュームを以前の状態に復元するために使用されます。
VolumeSnapshot
CRD がバインドされ、readyToUse
値が true
に設定された後に、そのリソースを使用して、スナップショットからのデータが事前に設定されている新規ボリュームをプロビジョニングできます。前提条件: * 実行中の OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。ボリュームスナップショットをサポートする Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して作成される永続ボリューム要求 (PVC)。* ストレージバックエンドをプロビジョニングするストレージクラス。* ボリュームスナップショットが作成され、使用できる状態である。
手順
以下のように PVC に
VolumeSnapshot
データソースを指定します。pvc-restore.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: myclaim-restore spec: storageClassName: csi-hostpath-sc dataSource: name: mysnap 1 kind: VolumeSnapshot 2 apiGroup: snapshot.storage.k8s.io 3 accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 1Gi
以下のコマンドを実行して PVC を作成します。
$ oc create -f pvc-restore.yaml
以下のコマンドを実行して、復元された PVC が作成されていることを確認します。
$ oc get pvc
myclaim-restore
などの新規 PVC が表示されます。
5.4. CSI ボリュームのクローン作成
ボリュームのクローン作成により、既存の永続ボリュームが複製されます。これは OpenShift Container Platform におけるデータ損失からの保護に役立ちます。この機能は、サポートされている Container Storage Interface (CSI) ドライバーでのみ利用できます。CSI ボリュームのクローンをプロビジョニングする前に、永続ボリューム について理解しておく必要があります。
5.4.1. CSI ボリュームのクローン作成の概要
Container Storage Interface (CSI) ボリュームのクローンは、特定の時点における既存の永続ボリュームの複製です。
ボリュームのクローン作成はボリュームのスナップショットに似ていますが、より効率的な方法です。たとえば、クラスター管理者は、既存のクラスターボリュームの別のインスタンスを作成してクラスターボリュームを複製できます。
クローン作成により、バックエンドのデバイスでは、新規の空のボリュームが作成されるのではなく、指定したボリュームの複製が作成されます。動的プロビジョニングの後には、標準のボリュームを使用するのと同じように、ボリュームのクローンを使用できます。
クローン作成に必要な新しい API オブジェクトはありません。PersistentVolumeClaim
オブジェクトの既存の dataSource
フィールドは、同じ namespace の既存の PersistentVolumeClaim の名前を許可できるように拡張されます。
5.4.1.1. サポートの制限
デフォルトで、OpenShift Container Platform は以下の制限の下で CSI ボリュームのクローン作成をサポートします。
- 宛先永続ボリューム要求 (PVC) はソース PVC と同じ namespace に存在する必要があります。
- ソースストレージおよび宛先ストレージクラスは同じである必要があります。
- サポートは CSI ドライバーでのみ利用可能です。in-tree (インツリー) および FlexVolumes はサポートされません。
- OpenShift Container Platform には CSI ドライバーが含まれません。コミュニティーまたはストレージベンダー が提供する CSI ドライバーを使用します。CSI ドライバーの提供されるインストール手順に従います。
- CSI ドライバーは、ボリュームのクローン作成機能を実装していない可能性もあります。詳細は、CSI ドライバーのドキュメントを参照してください。
- OpenShift Container Platform 4.7 は、CSI 仕様 のバージョン 1.1.0 をサポートします。
5.4.2. CSI ボリュームクローンのプロビジョニング
CSI ボリュームクローンのプロビジョニングは、クローン作成された永続ボリューム要求 (PVC) API オブジェクトの作成によってトリガーされます。クローンは、他の永続ボリュームと同じルールに従って、別の PVC の内容を事前に設定します。例外として、同じ namespace の既存 PVC を参照する dataSource
を追加する必要があります。
前提条件
- 実行中の OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。
- PVC がボリュームのクローン作成をサポートする CSI ドライバーを使用して作成されている。
- ストレージバックエンドが動的プロビジョニング用に設定されている。静的プロビジョナーのクローン作成のサポートは利用できません。
手順
既存の PVC から PVC のクローンを作成するには、以下を実行します。
以下の YAML によって記述される
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを使ってファイルを作成し、保存します。pvc-clone.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: pvc-1-clone namespace: mynamespace spec: storageClassName: csi-cloning 1 accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 5Gi dataSource: kind: PersistentVolumeClaim name: pvc-1
- 1
- ストレージのバックエンドをプロビジョニングするストレージクラスの名前。デフォルトのストレージクラスを使用でき、
storageClassName
は仕様で省略できます。
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f pvc-clone.yaml
新規の PVC
pvc-1-clone
が作成されます。以下のコマンドを実行して、ボリュームのクローンが作成され、準備状態にあることを確認します。
$ oc get pvc pvc-1-clone
pvc-1-clone
は、これがBound
であることを示します。これで、新たにクローン作成された PVC を使用して Pod を設定する準備が整いました。
YAML によって記述される
Pod
オブジェクトと共にファイルを作成し、保存します。以下に例を示します。kind: Pod apiVersion: v1 metadata: name: mypod spec: containers: - name: myfrontend image: dockerfile/nginx volumeMounts: - mountPath: "/var/www/html" name: mypd volumes: - name: mypd persistentVolumeClaim: claimName: pvc-1-clone 1
- 1
- CSI ボリュームのクローン作成の操作時に作成されるクローン作成された PVC。
作成された
Pod
オブジェクトは、元のdataSource
PVC とは別に、クローンされた PVC の使用、クローン、スナップショット、または削除を実行できるようになりました。
5.5. AWS Elastic Block Store CSI ドライバー Operator
5.5.1. 概要
OpenShift Container Platform は、AWS Elastic Block Store (EBS) の Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
AWS EBS CSI ドライバー Operator はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 について理解しておくことをお勧めします。
AWS EBS ストレージアセットにマウントする CSI でプロビジョニングされた PV を作成するには、OpenShift Container Platform はデフォルトで AWS EBS CSI ドライバー Operator および AWS EBS CSI ドライバーを openshift-cluster-csi-drivers
namespace にインストールします。
- AWS EBS CSI ドライバー Operator は、PVC を作成するために使用できる StorageClass をデフォルトで提供します。AWS Elastic Block Store を使用した永続ストレージ で説明されているように、AWS EBS StorageClass を作成するオプションもあります。
- AWS EBS CSI ドライバー を使用すると、AWS EBS PV を作成し、マウントできます。
AWS EBS CSI Operator およびドライバーを OpenShift Container Platform 4.5 クラスターにインストールしている場合、OpenShift Container Platform 4.7 に更新する前に 4.5 Operator およびドライバーをアンインストールする必要があります。
5.5.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Container Platform ユーザーに付与します。
OpenShift Container Platform は、AWS EBS ストレージをプロビジョニングするためにデフォルトで in-tree (インツリー) または CSI 以外のドライバーの使用に設定されます。この in-tree (インツリー) ドライバーは、OpenShift Container Platform の後続の更新で削除されます。その時点で、既存の in-tree (インツリー) ドライバーを使用してプロビジョニングされるボリュームが CSI ドライバーへの移行用に予定されます。
OpenShift Container Platform での AWS EBS 永続ボリュームの動的プロビジョニングに関する詳細は、AWS Elastic Block Store を使用した永続ストレージ を参照してください。
5.6. GCP PD CSI Driver Operator
5.6.1. 概要
OpenShift Container Platform は、Google Cloud Platform (GCP) 永続ディスク (PD) ストレージの Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
GCP PD CSI Driver Operator はテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 について理解しておくことをお勧めします。
GCP PD ストレージアセットにマウントする CSI でプロビジョニングされた永続ボリューム (PV) を作成するには、OpenShift Container Platform はデフォルトで GCP PD CSI Driver Operator および GCP PD CSI ドライバーを openshift-cluster-csi-drivers
namespace にインストールします。
- GCP PD CSI Driver Operator: デフォルトで、 Operator は PVC の作成に使用できるストレージクラスを提供します。GCE 永続ディスクを使用した永続ストレージ で説明されているように、GCP PD ストレージを作成するオプションもあります。
- GCP PD ドライバー: このドライバーを使用すると、GCP PD PV を作成し、マウントできます。
OpenShift Container Platform は、GCP PD ストレージをプロビジョニングするためにデフォルトで in-tree (インツリー) または CSI 以外のドライバーの使用に設定されます。この in-tree (インツリー) ドライバーは、OpenShift Container Platform の後続の更新で削除されます。その時点で、既存の in-tree (インツリー) ドライバーを使用してプロビジョニングされるボリュームが CSI ドライバーへの移行用に予定されます。
5.6.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Container Platform ユーザーに付与します。
5.6.3. GCP PD CSI ドライバーストレージクラスパラメーター
Google Cloud Platform (GCP) 永続ディスク (PD) Container Storage Interface (CSI) ドライバーは CSI の external-provisioner
サイドカーをコントローラーとして使用します。これは、CSI ドライバーでデプロイされる別のヘルパーコンテナーです。サイドカーは、CreateVolume
操作をトリガーして永続ボリューム (PV) を管理します。
GCP PD CSI ドライバーは、csi.storage.k8s.io/fstype
パラメーターキーを使用して動的プロビジョニングをサポートします。以下の表は、OpenShift Container Platform がサポートするすべての GCP PD CSI ストレージクラスパラメーターについて説明しています。
パラメーター | 値 | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|
|
|
| 標準の PV または solid-state-drive (SSD) PV を選択できます。 |
|
|
| zonal またはリージョン PV を選択できます。 |
| 新規ディスクの暗号化に使用するキーの完全修飾リソース識別子。 | 空の文字列 | 顧客管理の暗号鍵 (CMEK) を使用して新規ディスクを暗号化します。 |
5.6.4. カスタムで暗号化された永続ボリュームの作成
PersistentVolumeClaim
オブジェクトの作成時に、OpenShift Container Platform は新規永続ボリューム (PV) をプロビジョニングし、PersistentVolume
オブジェクトを作成します。新規に作成された PV を暗号化することで、Google Cloud Platform (GCP) にカスタム暗号化キーを追加し、クラスター内の PV を保護することができます。
暗号化の場合、作成した新たに割り当てられる PV は、新規または既存の Google Cloud Key Management Service (KMS) キーを使用してクラスターで顧客管理の暗号鍵 (CMEK) を使用します。
前提条件
- 実行中の OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。
- Cloud KMS キーリングとキーのバージョンを作成している。
CMEK および Cloud KMS リソースについての詳細は、顧客管理の暗号鍵 (CMEK) の使用 を参照してください。
手順
カスタムで暗号化された PV を作成するには、以下の手順を実行します。
Cloud KMS キーを使用してストレージクラスを作成します。以下の例では、暗号化されたボリュームの動的プロビジョニングを有効にします。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: csi-gce-pd-cmek provisioner: pd.csi.storage.gke.io volumeBindingMode: "WaitForFirstConsumer" allowVolumeExpansion: true parameters: type: pd-standard disk-encryption-kms-key: projects/<key-project-id>/locations/<location>/keyRings/<key-ring>/cryptoKeys/<key> 1
- 1
- このフィールドは、新規ディスクの暗号化に使用されるキーのリソース識別子である必要があります。値では、大文字と小文字が区別されます。キー ID の値を指定する方法についての詳細は、Retrieving a resource's ID および Getting a Cloud KMS resource ID を参照してください。
注記disk-encryption-kms-key
パラメーターは既存のストレージクラスに追加することはできません。ただし、ストレージクラスを削除し、同じ名前および異なるパラメーターセットでこれを再作成することができます。これを実行する場合、既存クラスのプロビジョナーはpd.csi.storage.gke.io
である必要があります。oc
コマンドを使用して、ストレージクラスを OpenShift Container Platform クラスターにデプロイします。$ oc describe storageclass csi-gce-pd-cmek
出力例
Name: csi-gce-pd-cmek IsDefaultClass: No Annotations: None Provisioner: pd.csi.storage.gke.io Parameters: disk-encryption-kms-key=projects/key-project-id/locations/location/keyRings/ring-name/cryptoKeys/key-name,type=pd-standard AllowVolumeExpansion: true MountOptions: none ReclaimPolicy: Delete VolumeBindingMode: WaitForFirstConsumer Events: none
直前の手順で作成したストレージクラスオブジェクトの名前に一致する
pvc.yaml
という名前のファイルを作成します。kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: podpvc spec: accessModes: - ReadWriteOnce storageClassName: csi-gce-pd-cmek resources: requests: storage: 6Gi
注記新規ストレージクラスをデフォルトとしてマークした場合は、
storageClassName
フィールドを省略できます。PVC をクラスターに適用します。
$ oc apply -f pvc.yaml
PVC のステータスを取得し、これが作成され、新規にプロビジョニングされた PV にバインドされていることを確認します。
$ oc get pvc
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE podpvc Bound pvc-e36abf50-84f3-11e8-8538-42010a800002 10Gi RWO csi-gce-pd-cmek 9s
注記ストレージクラスで
volumeBindingMode
フィールドがWaitForFirstConsumer
に設定されている場合、これを検証する前に PVC を使用するために Pod を作成する必要があります。
CMEK で保護される PV が OpenShift Container Platform クラスターで使用できるようになります。
5.7. OpenStack Cinder CSI Driver Operator
5.7.1. 概要
OpenShift Container Platform は、OpenStack Cinder の Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 について理解しておくことをお勧めします。
OpenStack Cinder ストレージアセットにマウントする CSI でプロビジョニングされる PV を作成するには、OpenShift Container Platform は openshift-cluster-csi-drivers
namespace に OpenStack Cinder CSI Driver Operator および OpenStack Cinder CSI ドライバーをインストールします。
- OpenStack Cinder CSI Driver Operator は、PVC の作成に使用できる CSI ストレージクラスを提供します。
- OpenStack Cinder CSI ドライバー を使用すると、OpenStack Cinder PV を作成し、マウントすることができます。
5.7.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Container Platform ユーザーに付与します。
5.7.3. OpenStack Cinder CSI をデフォルトのストレージクラスに設定する
OpenShift Container Platform では、デフォルトのストレージクラスは in-tree(インツリー)Cinder ドライバーを参照します。ストレージクラスは、OpenShift Container Platform の後続の更新で OpenStack Cinder CSI を参照するようにデフォルト設定されます。その時点で、OpenStack Cinder CSI ストレージクラスへの移行用に既存の in-tree(インツリー) ストレージクラスを使用してプロビジョニングされるボリュームが予定されます。
OpenStack Cinder CSI ドライバーは、cinder.csi.openstack.org
パラメーターキーを使用して動的プロビジョニングをサポートします。
OpenShift Container Platform で OpenStack Cinder CSI プロビジョニングを有効にするには、デフォルトの in-tree(インツリー) ストレージクラスを standard-csi
で上書きすることが推奨されます。または、永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、ストレージクラスを standard-csi として指定できます。
手順
以下の手順に従ってデフォルトの in-tree(インツリー) ストレージクラスを上書きし、standard-csi
ストレージクラスを適用します。
ストレージクラスを一覧表示します。
$ oc get storageclass
出力例
NAME PROVISIONER RECLAIMPOLICY VOLUMEBINDINGMODE ALLOWVOLUMEEXPANSION AGE standard(default) cinder.csi.openstack.org Delete WaitForFirstConsumer true 46h standard-csi kubernetes.io/cinder Delete WaitForFirstConsumer true 46h
以下の例に示されるように、デフォルトストレージクラスについてアノテーション
storageclass.kubernetes.io/is-default-class
の値をfalse
に変更します。$ oc patch storageclass standard -p '{"metadata": {"annotations": {"storageclass.kubernetes.io/is-default-class": "false"}}}'
アノテーションを追加するか、またはアノテーションを
storageclass.kubernetes.io/is-default-class=true
として変更することで、別のストレージクラスをデフォルトにします。$ oc patch storageclass standard-csi -p '{"metadata": {"annotations": {"storageclass.kubernetes.io/is-default-class": "true"}}}'
デフォルトで PVC が CSI ストレージクラスを参照していることを確認します。
$ oc get storageclass
出力例
NAME PROVISIONER RECLAIMPOLICY VOLUMEBINDINGMODE ALLOWVOLUMEEXPANSION AGE standard kubernetes.io/cinder Delete WaitForFirstConsumer true 46h standard-csi(default) cinder.csi.openstack.org Delete WaitForFirstConsumer true 46h
オプション: ストレージクラスを指定することなく新規 PVC を定義できます。
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: cinder-claim spec: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 1Gi
特定のストレージクラスを指定しない PVC は、デフォルトのストレージクラスを使用して自動的にプロビジョニングされます。
オプション: 新規ファイルを設定した後に、クラスター内にこのファイルを作成します。
$ oc create -f cinder-claim.yaml
関連情報
5.8. OpenStack Manila CSI ドライバー Operator
5.8.1. 概要
OpenShift Container Platform は、OpenStack Manila 共有ファイルシステムサービスの Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 について理解しておくことをお勧めします。
Manila ストレージアセットにマウントされる CSI でプロビジョニングされる PV を作成するには、OpenShift Container Platform は Manila CSI ドライバー Operator および Manila CSI ドライバーを Manila サービスが有効にされている OpenStack クラスターにデフォルトでインストールします。
-
Manila CSI ドライバー Operator は、利用可能なすべての Manila 共有タイプの PVC の作成に必要なストレージクラスを作成します。Operator は
openshift-cluster-csi-drivers
namespace にインストールされます。 -
Manila CSI ドライバー を使用すると、Manila PV を作成し、マウントできます。ドライバーは
openshift-manila-csi-driver
namespace にインストールされます。
5.8.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Container Platform ユーザーに付与します。
5.8.3. Manila CSI Driver Operator の制限事項
次の制限は、Manila Container Storage Interface (CSI) Driver Operator に適用されます。
- NFS のみがサポートされています
- OpenStack Manila は、NFS、CIFS、CEPHFS など、多くのネットワーク接続ストレージプロトコルをサポートしており、これらは OpenStack クラウドで選択的に有効にすることができます。OpenShift Container Platform の Manila CSI Driver Operator は、NFS プロトコルの使用のみをサポートします。基盤となる OpenStack クラウドで NFS が利用可能でなく、有効化されていない場合は、Manila CSI Driver Operator を使用して OpenShift Container Platform のストレージをプロビジョニングすることはできません。
- バックエンドが CephFS-NFS の場合、スナップショットはサポートされません
-
永続ボリューム (PV) のスナップショットを作成し、ボリュームをスナップショットに戻すには、使用している Manila 共有タイプがこれらの機能をサポートしていることを確認する必要があります。Red Hat OpenStack 管理者は、使用するストレージクラスに関連付けられた共有タイプで、スナップショットのサポート (
share type extra-spec snapshot_support
) およびスナップショットからの共有の作成 (share type extra-spec create_share_from_snapshot_support
) を有効にする必要があります。 - FSGroup はサポートされていません
-
Manila CSI は、複数のリーダーおよび複数のライターによるアクセス用の共有ファイルシステムを提供するため、FSGroup の使用をサポートしていません。これは、ReadWriteOnce アクセスモードで作成された永続ボリュームにも当てはまります。したがって、Manila CSI Driver で使用するために手動で作成するストレージクラスでは、
fsType
属性を指定しないことが重要です。
Red Hat OpenStack Platform 16.x および 17.x では、NFS を介した CephFS を使用する Shared File Systems サービス (Manila) は、Manila CSI を介した OpenShift Container Platform への共有の提供を完全にサポートします。ただし、このソリューションは大規模なスケールを意図したものではありません。CephFS NFS Manila-CSI Workload Recommendations for Red Hat OpenStack Platform の重要な推奨事項を確認してください。
5.8.4. Manila CSI ボリュームの動的プロビジョニング
OpenShift Container Platform は利用可能な Manila 共有タイプ別にストレージクラスをインストールします。
作成される YAML ファイルは Manila およびその Container Storage Interface (CSI) プラグインから完全に切り離されます。アプリケーション開発者は、ReadWriteMany (RWX) ストレージを動的にプロビジョニングし、YAML マニフェストを使用してストレージを安全に使用するアプリケーションと共に Pod をデプロイできます。
PVC 定義のストレージクラス参照を除き、AWS、GCP、Azure、および他のプラットフォームで OpenShift Container Platform で使用する同じ Pod および永続ボリューム要求 (PVC) 定義をオンプレミスで使用できます。
Manila サービスはオプションです。サービスが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) で有効にされていない場合には、Manila CSI ドライバーがインストールされず、Manila のストレージクラスが作成されません。
前提条件
- RHOSP は適切な Manila 共有インフラストラクチャーでデプロイされ、OpenShift Container Platform でボリュームを動的にプロビジョニングし、マウントするために使用できます。
手順 (UI)
Web コンソールを使用して Manila CSI ボリュームを動的に作成するには、以下を実行します。
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
結果のページで必要なオプションを定義します。
- 適切なストレージクラスを選択します。
- ストレージ要求の一意の名前を入力します。
アクセスモードを選択し、作成する PVC の読み取りおよび書き込みアクセスを指定します。
重要この PVC を満たす永続ボリューム (PV) をクラスター内の複数ノードの複数 Pod にマウントする必要がある場合には、RWX を使用します。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
- Create をクリックして永続ボリューム要求 (PVC) を作成し、永続ボリュームを生成します。
手順 (CLI)
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して Manila CSI ボリュームを動的に作成するには、以下を実行します。
以下の YAML によって記述される
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを使ってファイルを作成し、保存します。pvc-manila.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: pvc-manila spec: accessModes: 1 - ReadWriteMany resources: requests: storage: 10Gi storageClassName: csi-manila-gold 2
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f pvc-manila.yaml
新規 PVC が作成されます。
ボリュームが作成され、準備状態にあることを確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get pvc pvc-manila
pvc-manila
は、これがBound
であることを示します。
新規 PVC を使用して Pod を設定できるようになりました。
関連情報
5.9. Red Hat Virtualization CSI Driver Operator
5.9.1. 概要
OpenShift Container Platform は、Red Hat Virtualization (RHV) の Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 について理解しておくことをお勧めします。
RHV ストレージアセットにマウントする CSI でプロビジョニングされる PV を作成するには、OpenShift Container Platform は openshift-cluster-csi-drivers
namespace にデフォルトで oVirt CSI ドライバーおよび oVirt CSI ドライバーをインストールします。
-
oVirt CSI Driver Operator は、永続ボリューム要求 (PVC) の作成に使用できるデフォルトの
StorageClass
オブジェクトを提供します。 - oVirt CSI ドライバー を使用すると、oVirt PV を作成し、マウントできます。
5.9.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree (インツリー) ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Container Platform ユーザーに付与します。
oVirt CSI ドライバーは、スナップショットをサポートしていません。
5.9.3. oVirt CSI ドライバーのストレージクラス
OpenShift Container Platform は、動的にプロビジョニングされる永続ボリュームを作成するために使用される ovirt-csi-sc
という名前のタイプが StorageClass
のデフォルトオブジェクトを作成します。
異なる設定の追加ストレージクラスを作成するには、以下のサンプル YAML で記述される StorageClass
オブジェクトを使ってファイルを作成し、保存します。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: <storage-class-name> 1 annotations: storageclass.kubernetes.io/is-default-class: "false" 2 provisioner: csi.ovirt.org parameters: storageDomainName: <rhv-storage-domain-name> 3 thinProvisioning: "true" 4 csi.storage.k8s.io/fstype: ext4 5
5.9.4. RHV での永続ボリュームの作成
PersistentVolumeClaim
(PVC) オブジェクトの作成時に、OpenShift Container Platform は新規の永続ボリューム (PV) をプロビジョニングし、PersistentVolume
オブジェクトを作成します。
前提条件
- 実行中の OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。
-
ovirt-credentials
シークレットに正しい RHV 認証情報を指定している。 - oVirt CSI ドライバーをインストールしている。
- 1 つ以上のストレージクラスが定義されている。
手順
Web コンソールを使用して RHV で永続ボリュームを動的に作成する場合は、以下を実行します。
- OpenShift Container Platform コンソールで、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- 永続ボリューム要求 (PVC) の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
- 結果のページで必要なオプションを定義します。
-
適切な
StorageClass
オブジェクト (デフォルトはovirt-csi-sc
) を選択します。 - ストレージ要求の一意の名前を入力します。
- アクセスモードを選択します。現時点で、RWO (ReadWriteOnce) は唯一のサポートされているアクセスモードです。
- ストレージ要求のサイズを定義します。
ボリュームモードを選択します。
Filesystem
: Pod にディレクトリーとしてマウントされます。このモードはデフォルトです。Block
: ファイルシステムのないブロックデバイスです。-
Create をクリックして
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成し、PersistentVolume
オブジェクトを生成します。
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して RHV CSI ボリュームを動的に作成するには、以下を実行します。
以下のサンプル YAML によって記述される
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを使ってファイルを作成し、保存します。pvc-ovirt.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: pvc-ovirt spec: storageClassName: ovirt-csi-sc 1 accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: <volume size> 2 volumeMode: <volume mode> 3
以下のコマンドを実行して、直前の手順で保存されたオブジェクトを作成します。
$ oc create -f pvc-ovirt.yaml
ボリュームが作成され、準備状態にあることを確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get pvc pvc-ovirt
pvc-manila
は、これが Bound であることを示します。
関連情報
第6章 永続ボリュームの拡張
6.1. ボリューム拡張サポートの有効化
永続ボリュームを拡張する前に、StorageClass
オブジェクトでは allowVolumeExpansion
フィールドを true
に設定している必要があります。
手順
StorageClass
オブジェクトを編集し、allowVolumeExpansion
属性を追加します。以下の例では、ストレージクラスの設定の下部にこの行を追加する方法を示しています。apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass ... parameters: type: gp2 reclaimPolicy: Delete allowVolumeExpansion: true 1
- 1
- この属性を
true
に設定すると、PVC を作成後に拡張することができます。
6.2. CSI ボリュームの拡張
Container Storage Interface (CSI) を使用して、作成後にストレージボリュームを拡張することができます。
OpenShift Container Platform はデフォルトで CSI ボリューム拡張をサポートします。ただし、特定の CSI ドライバーが必要です。
OpenShift Container Platform 4.7 は、CSI 仕様 のバージョン 1.1.0 をサポートします。
CSI ボリュームの拡張は、テクノロジープレビュー機能としてのみ利用できます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
6.3. サポートされているドライバーでの FlexVolume の拡張
FlexVolume を使用してバックエンドストレージシステムに接続する場合は、永続ストレージボリュームを作成後に拡張することができます。これは、OpenShift Container Platform で永続ボリューム要求 (PVC) を手動で更新して実行できます。
FlexVolume は、ドライバーが RequiresFSResize
が true
の状態で設定されている場合に拡張を許可します。FlexVolume は、Pod の再起動時に拡張できます。
他のボリュームタイプと同様に、FlexVolume ボリュームは Pod によって使用される場合にも拡張できます。
前提条件
- 基礎となるボリュームドライバーがサイズ変更をサポートする。
-
ドライバーは
RequiresFSResize
機能がtrue
の状態で設定されている。 - 動的プロビジョニングが使用される。
-
制御する側の
StorageClass
オブジェクトにはallowVolumeExpansion
がtrue
に設定されている。
手順
FlexVolume プラグインのサイズ変更を使用するには、以下の方法で
ExpandableVolumePlugin
インターフェイスを実装する必要があります。RequiresFSResize
-
true
の場合、容量を直接更新します。false
の場合、ExpandFS
メソッドを呼び出し、ファイルシステムのサイズ変更を終了します。 ExpandFS
-
true
の場合、ExpandFS
を呼び出し、物理ボリュームの拡張の実行後にファイルシステムのサイズを変更します。ボリュームドライバーは、ファイルシステムのサイズ変更と共に物理ボリュームのサイズ変更も実行できます。
OpenShift Container Platform はコントロールプレーンノード (別称マスターノード) への FlexVolume プラグインのインストールをサポートしないため、FlexVolume のコントロールプレーンの拡張をサポートしません。
6.4. ファイルシステムを使用した永続ボリューム要求 (PVC) の拡張
ファイルシステムのサイズ変更を必要とするボリュームタイプ (GCE PD、EBS、および Cinder など) に基づいて PVC を拡張するには 2 つの手順からなるプロセスが必要です。このプロセスでは、クラウドプロバイダーでボリュームオブジェクトを拡張してから実際のノードでファイルシステムを拡張します。
ノードでのファイルシステムの拡張は、新規 Pod がボリュームと共に起動する場合にのみ実行されます。
前提条件
-
制御する側の
StorageClass
オブジェクトでは、allowVolumeExpansion
がtrue
に設定されている必要がある。
手順
spec.resources.requests
を編集して PVC を編集し、新規サイズを要求します。たとえば、以下ではebs
PVC を 8 Gi に拡張します。kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: ebs spec: storageClass: "storageClassWithFlagSet" accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 8Gi 1
- 1
spec.resources.requests
をさらに大きな量を表す値に更新すると、PVC が拡張されます。
クラウドプロバイダーオブジェクトのサイズ変更が終了すると、PVC は
FileSystemResizePending
に設定されます。以下のコマンドを入力して状態を確認します。$ oc describe pvc <pvc_name>
-
クラウドプロバイダーオブジェクトのサイズ変更が終了すると、
PersistentVolume
オブジェクトはPersistentVolume.Spec.Capacity
に新規に要求されたサイズを反映します。この時点で、PVC から新規 Pod を作成または再作成してファイルシステムのサイズ変更を終了することができます。Pod が実行されている場合、新たに要求されたサイズが利用可能になり、FileSystemResizePending
状態が PVC から削除されます。
6.5. ボリューム拡張時の障害からの復旧
基礎となるストレージの拡張に失敗した場合に、OpenShift Container Platform の管理者は永続ボリューム要求 (PVC) の状態を手動で復旧し、サイズ変更要求を取り消します。そうでない場合には、サイズ変更要求が管理者の介入なしにコントローラーによって継続的に再試行されます。
手順
-
Retain
回収ポリシーで要求 (PVC) にバインドされている永続ボリューム (PV) にマークを付けます。これは、PV を編集し、persistentVolumeReclaimPolicy
をRetain
に変更して実行できます。 - PVC を削除します。これは後ほど再作成されます。
-
新規に作成された PVC が
Retain
というマークが付けられた PV にバインドされるには、PV を手動で編集し、PV 仕様からclaimRef
エントリーを削除します。これで、PV にはAvailable
というマークが付けられます。 - より小さいサイズ、または基礎となるストレージプロバイダーによって割り当て可能なサイズで PVC を再作成します。
-
PVC の
volumeName
フィールドを PV の名前に設定します。これにより、PVC がプロビジョニングされた PV にのみバインドされます。 - PV で回収ポリシーを復元します。
第7章 動的プロビジョニング
7.1. 動的プロビジョニングについて
StorageClass
リソースオブジェクトは、要求可能なストレージを記述し、分類するほか、動的にプロビジョニングされるストレージのパラメーターを要求に応じて渡すための手段を提供します。StorageClass
オブジェクトは、さまざまなレベルのストレージとストレージへのアクセスを制御するための管理メカニズムとしても機能します。クラスター管理者 (cluster-admin
) またはストレージ管理者 (storage-admin
) は、ユーザーが基礎となるストレージボリュームソースに関する詳しい知識がなくても要求できる StorageClass
オブジェクトを定義し、作成します。
OpenShift Container Platform の永続ボリュームフレームワークはこの機能を有効にし、管理者がクラスターに永続ストレージをプロビジョニングできるようにします。フレームワークにより、ユーザーは基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようになります。
OpenShift Container Platform では、数多くのストレージタイプを永続ボリュームとして使用することができます。これらはすべて管理者によって静的にプロビジョニングされますが、一部のストレージタイプは組み込みプロバイダーとプラグイン API を使用して動的に作成できます。
7.2. 利用可能な動的プロビジョニングプラグイン
OpenShift Container Platform は、以下のプロビジョナープラグインを提供します。 これらには、クラスターの設定済みプロバイダーの API を使用して新規ストレージリソースを作成する動的プロビジョニング用の一般的な実装が含まれます。
ストレージタイプ | プロビジョナープラグインの名前 | 注記 |
---|---|---|
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Cinder |
| |
RHOSP Manila Container Storage Interface (CSI) |
| インストールが完了すると、OpenStack Manila CSI Driver Operator および ManilaDriver は、動的プロビジョニングに必要なすべての利用可能な Manila 共有タイプに必要なストレージクラスを自動的に作成します。 |
AWS Elastic Block Store (EBS) |
|
複数クラスターを複数の異なるゾーンで使用する際の動的プロビジョニングの場合、各ノードに |
Azure Disk |
| |
Azure File |
|
|
GCE Persistent Disk (gcePD) |
| マルチゾーン設定では、GCE プロジェクトごとに OpenShift Container Platform クラスターを実行し、現行クラスターのノードが存在しないゾーンで PV が作成されないようにすることが推奨されます。 |
|
選択したプロビジョナープラグインでは、関連するクラウド、ホスト、またはサードパーティープロバイダーを、関連するドキュメントに従って設定する必要もあります。
7.3. ストレージクラスの定義
現時点で、StorageClass
オブジェクトはグローバルスコープオブジェクトであり、cluster-admin
または storage-admin
ユーザーによって作成される必要があります。
Cluster Storage Operator は、使用されるプラットフォームに応じてデフォルトのストレージクラスをインストールする可能性があります。このストレージクラスは Operator によって所有され、制御されます。アノテーションとラベルを定義するほかは、これを削除したり、変更したりすることはできません。異なる動作が必要な場合は、カスタムストレージクラスを定義する必要があります。
以下のセクションでは、StorageClass
オブジェクトの基本的な定義とサポートされている各プラグインタイプの具体的な例について説明します。
7.3.1. 基本 StorageClass オブジェクト定義
以下のリソースは、ストレージクラスを設定するために使用するパラメーターおよびデフォルト値を示しています。この例では、AWS ElasticBlockStore (EBS) オブジェクト定義を使用します。
StorageClass
定義の例
kind: StorageClass 1 apiVersion: storage.k8s.io/v1 2 metadata: name: gp2 3 annotations: 4 storageclass.kubernetes.io/is-default-class: 'true' ... provisioner: kubernetes.io/aws-ebs 5 parameters: 6 type: gp2 ...
7.3.2. ストレージクラスのアノテーション
ストレージクラスをクラスター全体のデフォルトとして設定するには、以下のアノテーションをストレージクラスのメタデータに追加します。
storageclass.kubernetes.io/is-default-class: "true"
以下に例を示します。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: annotations: storageclass.kubernetes.io/is-default-class: "true" ...
これにより、特定のストレージクラスを指定しない永続ボリューム要求 (PVC) がデフォルトのストレージクラスによって自動的にプロビジョニングされるようになります。ただし、クラスターには複数のストレージクラスを設定できますが、それらのうちの 1 つのみをデフォルトのストレージクラスにすることができます。
ベータアノテーションの storageclass.beta.kubernetes.io/is-default-class
は依然として使用可能ですが、今後のリリースで削除される予定です。
ストレージクラスの記述を設定するには、以下のアノテーションをストレーククラスのメタデータに追加します。
kubernetes.io/description: My Storage Class Description
以下に例を示します。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: annotations: kubernetes.io/description: My Storage Class Description ...
7.3.3. RHOSP Cinder オブジェクトの定義
cinder-storageclass.yaml
kind: StorageClass apiVersion: storage.k8s.io/v1 metadata: name: gold provisioner: kubernetes.io/cinder parameters: type: fast 1 availability: nova 2 fsType: ext4 3
7.3.4. RHOSP Manila Container Storage Interface (CSI) オブジェクト定義
インストールが完了すると、OpenStack Manila CSI Driver Operator および ManilaDriver は、動的プロビジョニングに必要なすべての利用可能な Manila 共有タイプに必要なストレージクラスを自動的に作成します。
7.3.5. AWS Elastic Block Store (EBS) オブジェクト定義
aws-ebs-storageclass.yaml
kind: StorageClass apiVersion: storage.k8s.io/v1 metadata: name: slow provisioner: kubernetes.io/aws-ebs parameters: type: io1 1 iopsPerGB: "10" 2 encrypted: "true" 3 kmsKeyId: keyvalue 4 fsType: ext4 5
- 1
- (必須)
io1
、gp2
、sc1
、st1
から選択します。デフォルトはgp2
です。有効な Amazon Resource Name (ARN) 値については、AWS のドキュメント を参照してください。 - 2
- (オプション) io1 ボリュームのみ。1 GiB あたり 1 秒あたりの I/O 処理数。AWS ボリュームプラグインは、この値と要求されたボリュームのサイズを乗算してボリュームの IOPS を算出します。値の上限は、AWS でサポートされる最大値である 20,000 IOPS です。詳細については、AWS のドキュメント を参照してください。
- 3
- (オプション) EBS ボリュームを暗号化するかどうかを示します。有効な値は
true
またはfalse
です。 - 4
- (オプション) ボリュームを暗号化する際に使用するキーの完全な ARN。値を指定しない場合でも
encypted
がtrue
に設定されている場合は、AWS によってキーが生成されます。有効な ARN 値については、AWS のドキュメント を参照してください。 - 5
- (オプション) 動的にプロビジョニングされたボリュームで作成されるファイルシステム。この値は、動的にプロビジョニングされる永続ボリュームの
fsType
フィールドにコピーされ、ボリュームの初回マウント時にファイルシステムが作成されます。デフォルト値はext4
です。
7.3.6. Azure Disk オブジェクト定義
azure-advanced-disk-storageclass.yaml
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: managed-premium provisioner: kubernetes.io/azure-disk volumeBindingMode: WaitForFirstConsumer 1 allowVolumeExpansion: true parameters: kind: Managed 2 storageaccounttype: Premium_LRS 3 reclaimPolicy: Delete
- 1
WaitForFirstConsumer
を使用することが強く推奨されます。これにより、Pod を利用可能なゾーンから空きのあるワーカーノードにスケジュールするのに十分なストレージがボリュームプロビジョニングされます。- 2
- 許容値は、
Shared
(デフォルト)、Managed
、およびDedicated
です。重要Red Hat は、ストレージクラスでの
kind: Managed
の使用のみをサポートします。Shared
およびDedicated
の場合、Azure は管理対象外のディスクを作成しますが、OpenShift Container Platform はマシンの OS (root) ディスクの管理ディスクを作成します。ただし、Azure Disk はノードで管理ディスクおよび管理対象外ディスクの両方の使用を許可しないため、Shared
またはDedicated
で作成された管理対象外ディスクを OpenShift Container Platform ノードに割り当てることはできません。 - 3
- Azure ストレージアカウントの SKU の層。デフォルトは空です。プレミアム VM は
Standard_LRS
ディスクとPremium_LRS
ディスクの両方を割り当て、標準 VM はStandard_LRS
ディスクのみを、マネージド VM はマネージドディスクのみを、アンマネージド VM はアンマネージドディスクのみを割り当てることができます。-
kind
がShared
に設定されている場合は、Azure は、クラスターと同じリソースグループにあるいくつかの共有ストレージアカウントで、アンマネージドディスクをすべて作成します。 -
kind
がManaged
に設定されている場合は、Azure は新しいマネージドディスクを作成します。 kind
がDedicated
に設定されており、storageAccount
が指定されている場合には、Azure は、クラスターと同じリソースグループ内にある新規のアンマネージドディスク用に、指定のストレージアカウントを使用します。これを機能させるには、以下が前提となります。- 指定のストレージアカウントが、同じリージョン内にあること。
- Azure Cloud Provider にストレージアカウントへの書き込み権限があること。
-
kind
がDedicated
に設定されており、storageAccount
が指定されていない場合には、Azure はクラスターと同じリソースグループ内の新規のアンマネージドディスク用に、新しい専用のストレージアカウントを作成します。
-
7.3.7. Azure File のオブジェクト定義
Azure File ストレージクラスはシークレットを使用して Azure ストレージアカウント名と Azure ファイル共有の作成に必要なストレージアカウントキーを保存します。これらのパーミッションは、以下の手順の一部として作成されます。
手順
シークレットの作成および表示を可能にする
ClusterRole
オブジェクトを定義します。apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: ClusterRole metadata: # name: system:azure-cloud-provider name: <persistent-volume-binder-role> 1 rules: - apiGroups: [''] resources: ['secrets'] verbs: ['get','create']
- 1
- シークレットを表示し、作成するためのクラスターロールの名前。
クラスターロールをサービスアカウントに追加します。
$ oc adm policy add-cluster-role-to-user <persistent-volume-binder-role>
出力例
system:serviceaccount:kube-system:persistent-volume-binder
Azure File
StorageClass
オブジェクトを作成します。kind: StorageClass apiVersion: storage.k8s.io/v1 metadata: name: <azure-file> 1 provisioner: kubernetes.io/azure-file parameters: location: eastus 2 skuName: Standard_LRS 3 storageAccount: <storage-account> 4 reclaimPolicy: Delete volumeBindingMode: Immediate
- 1
- ストレージクラス名永続ボリューム要求 (PVC) は、関連する永続ボリュームをプロビジョニングするためにこのストレージクラスを使用します。
- 2
eastus
などの Azure ストレージアカウントの場所。デフォルトは空であり、新規 Azure ストレージアカウントが OpenShift Container Platform クラスターの場所に作成されます。- 3
- SKU は、
Standard_LRS
などの Azure ストレージアカウントの層になります。デフォルトは空です。つまり、新しい Azure ストレージアカウントはStandard_LRS
SKU で作成されます。 - 4
- Azure ストレージアカウントの名前。ストレージアカウントが提供されると、
skuName
およびlocation
は無視されます。ストレージアカウントを指定しない場合、ストレージクラスは、定義されたskuName
およびlocation
に一致するアカウントのリソースグループに関連付けられたストレージアカウントを検索します。
7.3.7.1. Azure File を使用する場合の考慮事項
以下のファイルシステム機能は、デフォルトの Azure File ストレージクラスではサポートされません。
- シンボリックリンク
- ハードリンク
- 拡張属性
- スパースファイル
- 名前付きパイプ
また、Azure File がマウントされるディレクトリーの所有者 ID (UID) は、コンテナーのプロセス UID とは異なります。uid
マウントオプションは StorageClass
オブジェクトに指定して、マウントされたディレクトリーに使用する特定のユーザー ID を定義できます。
以下の StorageClass
オブジェクトは、マウントされたディレクトリーのシンボリックリンクを有効にした状態で、ユーザーおよびグループ ID を変更する方法を示しています。
kind: StorageClass apiVersion: storage.k8s.io/v1 metadata: name: azure-file mountOptions: - uid=1500 1 - gid=1500 2 - mfsymlinks 3 provisioner: kubernetes.io/azure-file parameters: location: eastus skuName: Standard_LRS reclaimPolicy: Delete volumeBindingMode: Immediate
7.3.8. GCE PersistentDisk (gcePD) オブジェクトの定義
gce-pd-storageclass.yaml
apiVersion: storage.k8s.io/v1
kind: StorageClass
metadata:
name: standard
provisioner: kubernetes.io/gce-pd
parameters:
type: pd-standard 1
replication-type: none
volumeBindingMode: WaitForFirstConsumer
allowVolumeExpansion: true
reclaimPolicy: Delete
- 1
pd-standard
またはpd-ssd
のいずれかを選択します。デフォルトはpd-standard
です。
7.3.9. VMWare vSphere オブジェクトの定義
vsphere-storageclass.yaml
kind: StorageClass apiVersion: storage.k8s.io/v1 metadata: name: slow provisioner: kubernetes.io/vsphere-volume 1 parameters: diskformat: thin 2
- 1
- OpenShift Container Platform で VMware vSphere を使用する方法の詳細については、VMware vSphere のドキュメント を参照してください。
- 2
diskformat
:thin
、zeroedthick
およびeagerzeroedthick
はすべて有効なディスクフォーマットです。ディスクフォーマットの種類に関する詳細は、vSphere のドキュメントを参照してください。デフォルト値はthin
です。
7.4. デフォルトストレージクラスの変更
AWS を使用している場合は、以下のプロセスを使用してデフォルトのストレージクラスを変更します。このプロセスでは、gp2
と standard
の 2 つのストレージクラスが定義されており、デフォルトのストレージクラスを gp2
から standard
に変更する必要がある場合を想定しています。
ストレージクラスを一覧表示します。
$ oc get storageclass
出力例
NAME TYPE gp2 (default) kubernetes.io/aws-ebs 1 standard kubernetes.io/aws-ebs
- 1
(default)
はデフォルトのストレージクラスを示します。
デフォルトのストレージクラスのアノテーション
storageclass.kubernetes.io/is-default-class
の値をfalse
に変更します。$ oc patch storageclass gp2 -p '{"metadata": {"annotations": {"storageclass.kubernetes.io/is-default-class": "false"}}}'
アノテーションを追加するか、またはアノテーションを
storageclass.kubernetes.io/is-default-class=true
として変更することで、別のストレージクラスをデフォルトにします。$ oc patch storageclass standard -p '{"metadata": {"annotations": {"storageclass.kubernetes.io/is-default-class": "true"}}}'
変更内容を確認します。
$ oc get storageclass
出力例
NAME TYPE gp2 kubernetes.io/aws-ebs standard (default) kubernetes.io/aws-ebs