5.5. GCP PD CSI Driver Operator
5.5.1. 概要
OpenShift Dedicated は、Google Cloud Platform (GCP) 永続ディスク (PD) ストレージ用の Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用して、永続ボリューム (PV) をプロビジョニングできます。
Container Storage Interface (CSI) Operator およびドライバーを使用する場合は、永続ストレージ および CSI ボリュームの設定 を理解しておくことが推奨されます。
GCP PD ストレージアセットにマウントする CSI プロビジョニングされた永続ボリューム (PV) を作成するために、OpenShift Dedicated はデフォルトで GCP PD CSI ドライバー Operator と GCP PD CSI ドライバーを openshift-cluster-csi-drivers
namespace にインストールします。
- GCP PD CSI Driver Operator: デフォルトで、Operator は PVC の作成に使用できるストレージクラスを提供します。必要に応じて、このデフォルトのストレージクラスを無効にできます (デフォルトストレージクラスの管理 を参照)。GCE Persistent Disk を使用した永続ストレージ で説明されているように、GCP PD ストレージを作成するオプションもあります。
- GCP PD ドライバー: このドライバーを使用すると、GCP PD PV を作成し、マウントできます。
5.5.2. CSI について
ストレージベンダーはこれまで Kubernetes の一部としてストレージドライバーを提供してきました。Container Storage Interface (CSI) の実装では、サードパーティーのプロバイダーは、コア Kubernetes コードを変更せずに標準のインターフェイスを使用してストレージプラグインを提供できます。
CSI Operator は、in-tree ボリュームプラグインでは不可能なボリュームスナップショットなどのストレージオプションを OpenShift Dedicated ユーザーに付与します。
5.5.3. GCP PD CSI ドライバーストレージクラスパラメーター
Google Cloud Platform (GCP) 永続ディスク (PD) の Container Storage Interface (CSI) ドライバーは CSI の external-provisioner
サイドカーをコントローラーとして使用します。これは、CSI ドライバーでデプロイされる別のヘルパーコンテナーです。サイドカーは、CreateVolume
操作をトリガーして永続ボリューム (PV) を管理します。
GCP PD CSI ドライバーは、csi.storage.k8s.io/fstype
パラメーターキーを使用して動的プロビジョニングをサポートします。次の表では、OpenShift Dedicated でサポートされているすべての GCP PD CSI ストレージクラスパラメーターを説明します。
パラメーター | 値 | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|
|
|
| 標準の PV または solid-state-drive PV を選択できます。 ドライバーは値を検証しないため、可能なすべての値が受け入れられます。 |
|
|
| zonal またはリージョン PV を選択できます。 |
| 新規ディスクの暗号化に使用するキーの完全修飾リソース識別子。 | 空の文字列 | 顧客管理の暗号鍵 (CMEK) を使用して新規ディスクを暗号化します。 |
5.5.4. カスタムで暗号化された永続ボリュームの作成
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成すると、OpenShift Dedicated は新しい永続ボリューム (PV) をプロビジョニングし、PersistentVolume
オブジェクトを作成します。新規に作成された PV を暗号化することで、Google Cloud Platform (GCP) にカスタム暗号化キーを追加し、クラスター内の PV を保護することができます。
暗号化の場合、作成した新たに割り当てられる PV は、新規または既存の Google Cloud Key Management Service (KMS) キーを使用してクラスターで顧客管理の暗号鍵 (CMEK) を使用します。
前提条件
- 実行中の OpenShift Dedicated クラスターにログインしている。
- Cloud KMS キーリングとキーのバージョンを作成している。
CMEK および Cloud KMS リソースの詳細は、顧客管理の暗号鍵 (CMEK) の使用 を参照してください。
手順
カスタムで暗号化された PV を作成するには、以下の手順を実行します。
Cloud KMS キーを使用してストレージクラスを作成します。以下の例では、暗号化されたボリュームの動的プロビジョニングを有効にします。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: csi-gce-pd-cmek provisioner: pd.csi.storage.gke.io volumeBindingMode: "WaitForFirstConsumer" allowVolumeExpansion: true parameters: type: pd-standard disk-encryption-kms-key: projects/<key-project-id>/locations/<location>/keyRings/<key-ring>/cryptoKeys/<key> 1
- 1
- このフィールドは、新規ディスクの暗号化に使用されるキーのリソース識別子である必要があります。値では、大文字と小文字が区別されます。キー ID の値を指定する方法は、Retrieving a resource's ID および Getting a Cloud KMS resource ID を参照してください。
注記disk-encryption-kms-key
パラメーターは既存のストレージクラスに追加することはできません。ただし、ストレージクラスを削除し、同じ名前および異なるパラメーターセットでこれを再作成できます。これを実行する場合、既存クラスのプロビジョナーはpd.csi.storage.gke.io
にする必要があります。oc
コマンドを使用して、ストレージクラスを OpenShift Dedicated クラスターにデプロイします。$ oc describe storageclass csi-gce-pd-cmek
出力例
Name: csi-gce-pd-cmek IsDefaultClass: No Annotations: None Provisioner: pd.csi.storage.gke.io Parameters: disk-encryption-kms-key=projects/key-project-id/locations/location/keyRings/ring-name/cryptoKeys/key-name,type=pd-standard AllowVolumeExpansion: true MountOptions: none ReclaimPolicy: Delete VolumeBindingMode: WaitForFirstConsumer Events: none
直前の手順で作成したストレージクラスオブジェクトの名前に一致する
pvc.yaml
という名前のファイルを作成します。kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: podpvc spec: accessModes: - ReadWriteOnce storageClassName: csi-gce-pd-cmek resources: requests: storage: 6Gi
注記新規ストレージクラスをデフォルトとしてマークした場合は、
storageClassName
フィールドを省略できます。PVC をクラスターに適用します。
$ oc apply -f pvc.yaml
PVC のステータスを取得し、これが作成され、新規にプロビジョニングされた PV にバインドされていることを確認します。
$ oc get pvc
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE podpvc Bound pvc-e36abf50-84f3-11e8-8538-42010a800002 10Gi RWO csi-gce-pd-cmek 9s
注記ストレージクラスで
volumeBindingMode
フィールドがWaitForFirstConsumer
に設定されている場合は、これを検証する前に PVC を使用するために Pod を作成する必要があります。
CMEK で保護された PV を OpenShift Dedicated クラスターで使用できるようになりました。