5.5. autotailor を使用したセキュリティープロファイルのカスタマイズ
セキュリティープロファイルをカスタマイズして、特定のニーズに合わせて調整できます。たとえば、公式プロファイルとは異なる内部ポリシーを実装できます。プロファイルをカスタマイズする際には、追加のルールを選択したり、別のルールに含めるルールを削除したり、パスワード最小長など、特定のルールのパラメーターを変更したりできます。プロファイルをカスタマイズするときに新しいルールを定義することはできません。
autotailor
ユーティリティーを使用すると、元のプロファイルの変更がすべて含まれた XCCDF テーラリングファイルが作成されます。その後、SCAP プロファイルに従ってシステムをスキャン、修正、またはインストールするときに、このテーラリングファイルを oscap
コマンドラインユーティリティーに渡します。
前提条件
-
openscap-utils
パッケージがシステムにインストールされている。 - カスタマイズするベースライン内のプロファイルの ID がわかっている。ID を見つけるには、設定コンプライアンスのプロファイルの表示 セクションを参照してください。
手順
autotailor
コマンドを使用して、プロファイルのテーラリングファイルを作成します。次に例を示します。autotailor \ --select=<rule_ID_1> \ --select=<rule_ID_2> \ --unselect=<rule_ID_3> \ --var-value=<value_ID_1>=<value_1> \ --var-value=<value_ID_2>=<value_2> \ --output=<tailoring.xml> \ --tailored-profile-id=<custom_profile_ID> \ /usr/share/xml/scap/ssg/content/ssg-rhel10-ds.xml <profile_ID>
$ autotailor \ --select=<rule_ID_1> \ --select=<rule_ID_2> \ --unselect=<rule_ID_3> \ --var-value=<value_ID_1>=<value_1> \ --var-value=<value_ID_2>=<value_2> \ --output=<tailoring.xml> \ --tailored-profile-id=<custom_profile_ID> \ /usr/share/xml/scap/ssg/content/ssg-rhel10-ds.xml <profile_ID>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここでは、以下のようになります。
<customization_options>
はプロファイルの変更内容です。次の 1 つ以上のオプションを使用します。--select=<rule_ID>
- 既存のルールをプロファイルに追加します。
--unselect=<rule_ID>
- プロファイルからルールを削除します。
--var-value=<value_ID>=<value>
-
事前設定された値をオーバーライドします。たとえば、
var_sshd_max_sessions
を10
に設定するには、--var-value=var_sshd_max_sessions=10
を使用します。
-
<tailoring.xml>
は、autotailor
がテーラリングを保存するファイル名です。 -
<custom_profile_ID>
は、autotailor
がカスタマイズを保存するプロファイル ID です (例:custom_cis
)。 -
<profile_ID>
は、システムが準拠する必要があるプロファイル ID です (例:cis
)。
注記すべてのプロファイル、ルール、および変数 XCCDF ID に、完全な名前空間識別子または短縮 ID のいずれかを使用できます。短縮 ID は、
autotailor
により、名前空間接頭辞を使用して自動的に拡張されます。たとえば、cis
はxccdf_org.ssgproject.content_profile_cis
と同等です。--id-namespace
オプションを使用すると、デフォルトの名前空間org.ssgproject.content
をオーバーライドできます。オプション: JSON Tailoring 形式で定義したカスタマイズに基づいてテーラリングファイルを作成します。
autotailor --output=<tailoring.xml> --json-tailoring=<json_tailoring.json>
$ autotailor --output=<tailoring.xml> --json-tailoring=<json_tailoring.json>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下のように置き換えます。
-
<json_tailoring.json>
は、JSON Tailoring 定義を含むファイル名です。
注記--json-tailoring
は、コマンドラインのカスタマイズ--select
、--unselect
、および--var-value
と組み合わせることができます。その場合、コマンドラインのカスタマイズが JSON Tailoring よりも優先されます。-