8.3. バックアップの作成時の考慮事項
ipa-backup
コマンドの重要な動作と制限事項は次のとおりです。
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デフォルトでは、
ipa-backup
ユーティリティーはオフラインモードで実行されるため、IdM サービスがすべて停止します。このユーティリティーは、バックアップ完了後に IdM サービスを自動的に再起動します。 - フルサーバーバックアップは 常に IdM サービスがオフラインの状態で実行する必要がありますが、データのみのバックアップはサービスがオンラインの状態で実行できます。
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デフォルトでは、
ipa-backup
ユーティリティーは、/var/lib/ipa/backup/
ディレクトリーを含むファイルシステムにバックアップを作成します。Red Hat では、IdM が使用する実稼働ファイルシステムとは別のファイルシステムに定期的にバックアップを作成し、そのバックアップをテープや光学式ストレージなどの固定メディアにアーカイブすることを推奨しています。
- 非表示のレプリカ でのバックアップの実行を検討してください。IdM サービスは、IdM クライアントに影響を及ぼさずに、非表示のレプリカでシャットダウンできます。
RHEL 8.3.0 以降では、
ipa-backup
ユーティリティーは、認証局 (CA)、ドメインネームシステム (DNS)、KRA (Key Recovery Agent) などの IdM クラスターで使用されるすべてのサービスが、バックアップを実行中のサーバーにインストールされているかどうかを確認するようになりました。サーバーにこれらのサービスがすべてインストールされていない場合、そのホスト上で取得したバックアップではクラスターを完全に復元するには不十分なため、ipa-backup
ユーティリティーは警告を表示して終了します。たとえば、IdM デプロイメントで統合認証局 (CA) を使用している場合、CA のないレプリカでバックアップを実行しても、CA データは取得されません。Red Hat では、
ipa-backup を
実行するレプリカに、クラスターで使用されるすべての IdM サービスがインストールされていることを確認することを推奨します。ipa-backup --disable-role-check
コマンドを使用すると、IdM サーバーのロールチェックを省略できます。ただし、生成されるバックアップに、IdM を完全に復元するのに必要な全データが保存されなくなります。