第2章 IdM でのフェイルオーバー、負荷分散、高可用性
Identity Management (IdM) には、IdM クライアント向けのフェイルオーバーメカニズムと、IdM サーバー向けの負荷分散および高可用性機能があります。
2.1. クライアント側のフェイルオーバー機能
デフォルトでは、IdM クライアントの
SSSD
サービスは、DNS からのサービス (SRV) リソースレコードを使用して、接続先に最も適した IdM サーバーを自動的に決定するように設定されています。この動作は、/etc/sssd/sssd.conf
ファイルのipa_server
パラメーターの_srv_
オプションで制御します。[root@client ~]# cat /etc/sssd/sssd.conf [domain/example.com] id_provider = ipa ipa_server = _srv_, server.example.com ...
IdM サーバーがオフラインになると、IdM クライアントの SSSD サービスが、自動的に検出した別の IdM サーバーに接続します。
パフォーマンス上の理由から DNS ルックアップをバイパスする場合は、
ipa_server
パラメーターから_srv_
エントリーを削除し、クライアントが接続すべき IdM サーバーを優先順に指定します。[root@client ~]# cat /etc/sssd/sssd.conf [domain/example.com] id_provider = ipa ipa_server = server1.example.com, server2.example.com ...