第6章 AD を使用した統合の計画
以下のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux と Active Directory (AD) を統合するためのオプションを紹介します。
6.1. Linux システムの Active Directory への直接統合
直接統合では、Linux システムは、Active Directory (AD) に直接接続されています。次の種類の統合が可能です。
- System Security Services Daemon (SSSD) との統合
SSSD は、Linux システムをさまざまな ID および認証ストア (AD、Identity Management (IdM)、もしくは汎用の LDAP サーバーまたは Kerberos サーバー) に接続できます。
SSSD の統合に関する重要な要件
- AD と統合すると、SSSD は、デフォルトで 1 つの AD フォレスト内でのみ機能します。マルチフォレストを設定する場合は、ドメインのエミュレーションを手動で設定します。
-
idmap_ad
プラグインがリモートフォレストユーザーを正常に処理するには、リモートの AD フォレストがローカルフォレストを信頼する必要があります。
SSSD は、直接統合と間接統合の両方に対応します。また、莫大な移行コストをかけずに、ある統合アプローチから別のアプローチへ切り替えることもできます。
- Samba Winbind との統合
Samba スイートの Winbind コンポーネントは、Linux システムで Windows クライアントをエミュレートし、AD サーバーと通信します。
Samba Winbind の統合に関する重要な要件
- マルチフォレストの AD 設定における Winbind との直接統合は、双方向の信頼が必要になります。
-
リモートの AD ドメインユーザーに関する完全な情報を
idmap_ad
プラグインで使用できるようにするには、Linux システムのローカルドメインから、ユーザーが所属するリモートの AD フォレスト内ドメインへの双方向パスが存在する必要があります。
推奨事項
- SSSD は、AD 統合のほとんどのユースケースに対応し、クライアントシステムとさまざまな ID および認証プロバイダー (AD、IdM、Kerberos、および LDAP) との間の汎用ゲートウェイとして堅牢なソリューションを提供します。
- Samba FS をデプロイする予定の AD ドメインメンバーサーバーへのデプロイには、Winbind が推奨されます。