第4章 開発者向けの基本情報
4.1. 開発環境の準備
OpenShift サーバーにアクセスできることが、Fuse on OpenShift プロジェクトを開発およびテストするための基本要件になります。基本的な方法は次のとおりです。
4.1.1. ローカルマシンで CDK (Container Development Kit) をインストール
開発者としてすぐ使用したい場合は、Red Hat CDK をローカルマシンにインストールすることが最も実用的な方法です。CDK を使用すると、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 上の OpenShift のイメージを実行する仮想マシン (VM) インスタンスを起動できます。CDK のインストールは、次の主なコンポーネントで構成されます。
- 仮想マシン (libvirt、VirtualBox、または Hyper-V)
- コンテナー開発環境を開始および管理する minishift
Red Hat CDK は 開発での使用のみ を目的としています。本番環境などの他の環境での使用を目的としておらず、既知のセキュリティー脆弱性に対応しない場合があります。Docker 形式コンテナー内部でミッションクリティカルなアプリケーションを実行するためのフルサポートを受けるには、アクティブな RHEL 7 または RHEL Atomic サブスクリプションが必要です。詳細は、「Red Hat Container Development Kit (CDK) のサポート」を参照してください。
前提条件
Java バージョン
開発者のマシンに、Fuse 7.4 がサポートするバージョンの Java がインストールされているようにしてください。サポートされる Java バージョンの詳細は「Red Hat Fuse でサポートされる構成 」を参照してください。
手順
ローカルマシンに CDK をインストールするには、以下を行います。
- Fuse on OpenShift では、バージョン 3.9 の CDK をインストールすることが推奨されます。CDK 3.9 をインストールおよび使用するための詳細手順は『Red Hat CDK 3.9 Getting Started Guide』を参照してください。
- 「Red Hat コンテナーレジストリーの認証設定」の手順にしたがって、OpenShift クレデンシャルを設定し、Red Hat コンテナーレジストリーにアクセスできるようにします。
2章管理者向けの基本情報 の説明にしたがって、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートを手作業でインストールします。
注記CDK のバージョンには Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートが事前にインストールされている可能性があります。ただし、OpenShift クレデンシャルの設定後に、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートをインストール (または更新) する必要があります。
- 本章の例を参照する前に、『Red Hat CDK 3.9 Getting Started Guide』の内容を読み、理解するようにしてください。
4.1.2. 既存の OpenShift サーバーへのリモートアクセスを取得
IT 部門によってサーバーマシン上に OpenShift クラスターがすでに設定されている可能性があります。この場合、Fuse on OpenShift を使用するには以下の要件を満たしている必要があります。
- サーバーマシンがサポートされるバージョンの OpenShift Container Platform を実行している必要があります (「Red Hat Fuse でサポートされる構成」を参照)。本ガイドの例は、バージョン 3.11 に対してテストされています。
- OpenShift 管理者に、最新の Fuse on OpenShift コンテナーベースイメージと Fuse on OpenShift テンプレートを OpenShift サーバーにインストールするよう依頼します。
- OpenShift 管理者に、通常の開発者権限 (OpenShift プロジェクトを作成、デプロイ、および実行できる権限) を持つユーザーアカウントを作成してもらいます。
-
管理者に、OpenShift サーバーの URL (OpenShift コンソールの閲覧または
oc
コマンドラインクライアントを使用した OpenShfit への接続に使用) と、アカウントのログインクレデンシャルを提供するよう依頼します。
4.1.3. クライアント側ツールのインストール
開発者のマシンに以下のツールをインストールすることが推奨されます。
- Apache Maven 3.6.x: OpenShift プロジェクトのローカルビルドに必要です。Apache Maven download ページから適切なパッケージをダウンロードします。バージョン 3.6.x 以上がインストールされているようにしてください。3.6.x 未満のバージョンを使用すると、プロジェクトのビルド時に依存関係の解決に関する問題が発生する可能性があります。
- Git: OpenShift S2I ソースワークフローに必要で、通常 Fuse on OpenShift プロジェクトのソース制御用に推奨されます。Git Downloads ページから適切なパッケージをダウンロードします。
OpenShift client: CDK を使用している場合、シェルに入力する必要があるコマンドを表示する
minishift oc-env
を使用して、oc
バイナリーを PATH に追加します。oc-env
の出力は、OS とシェルのタイプによって異なります。$ minishift oc-env export PATH="/Users/john/.minishift/cache/oc/v1.5.0:$PATH" # Run this command to configure your shell: # eval $(minishift oc-env)
詳細は、CDK 3.9『Getting Started Guide』の「Using the OpenShift Client Binary」を参照してください。
CDK を使用しない場合は、『CLI Reference』の手順にしたがって、
oc
クライアントツールをインストールします。(任意) Docker client: 上級ユーザーは Docker クライアントツールがインストールされていると便利である可能性があります (OpenShift サーバー上で実行されている docker デーモンとの通信に使用)。オペレーティングシステムに固有のバイナリーインストールに関する詳細は「Docker installation」サイトを参照してください。
詳細は、CDK 3.9 『Getting Started Guide』の「Reusing the docker Daemon」を参照してください。
重要OpenShift サーバーで稼働しているバージョンの OpenShift と互換性のあるバージョンの
oc
およびdocker
ツールをインストールするようにしてください。
その他のリソース
(任意) Red Hat JBoss CodeReady Studio: Red Hat JBoss CodeReady Studio は、Fuse on OpenShift アプリケーションの開発サポートが含まれる Eclipse ベースの開発環境です。この開発環境のインストール方法に関する詳細は、Red Hat JBoss CodeReady Studio の『インストールガイド』を参照してください。
4.1.4. Maven リポジトリーの設定
ローカルマシンで Fuse on OpenShift プロジェクトをビルドするのに必要な archetype とアーティファクトを保持する Maven リポジトリーを設定します。
手順
-
Maven
settings.xml
ファイルを開きます。通常、このファイルは Linux または macOS の場合は~/.m2/settings.xml
、Windows の場合はDocuments and Settings\<USER_NAME>\.m2\settings.xml
に配置されます。 以下の Maven リポジトリーを追加します。
-
Maven central:
https://repo1.maven.org/maven2
-
Red Hat GA リポジトリー:
https://maven.repository.redhat.com/ga
Red Hat EA リポジトリー:
https://maven.repository.redhat.com/earlyaccess/all
上記のリポジトリーは、
settings.xml
ファイルの依存関係リポジトリーセクションと、プラグインリポジトリーセクションの両方に追加する必要があります。
-
Maven central:
4.2. Fuse on OpenShift でのアプリケーションの作成およびデプロイ
以下の OpenShift Source-to-Image (S2I) アプリケーション開発ワークフローの 1 つを使用してアプリケーションを作成し、OpenShift にデプロイして、Fuse on OpenShift の使用を開始することができます。
- S2I バイナリーワークフロー
- ビルド入力が バイナリーソース からの S2I です。このワークフローの特徴は、ビルドの一部が開発者自身のマシンで実行されることです。このワークフローはバイナリーパッケージをローカルでビルドした後、バイナリーパッケージを OpenShift に渡します。詳細は『OpenShift 3.5 Developer Guide』の「Binary Source」を参照してください。
- S2I ソースワークフロー
- ビルド入力が Git ソース からの S2I です。このワークフローの特徴は、ビルドがすべて OpenShift サーバー上でビルドされることです。詳細は『OpenShift 3.5 Developer Guide』の「Git Source」を参照してください。
4.2.1. S2I バイナリーワークフローを使用したプロジェクトの作成およびデプロイ
ここでは、OpenShift S2I バイナリーワークフローを使用して、Fuse on OpenShift プロジェクトを作成、ビルド、およびデプロイします。
手順
Maven の archetype を使用して、新しい Fuse on OpenShift プロジェクトを作成します。この例では、サンプル Spring Boot Camel プロジェクトを作成する archetype を使用します。新しいシェルプロンプトを開き、以下の Maven コマンドを入力します。
mvn org.apache.maven.plugins:maven-archetype-plugin:2.4:generate \ -DarchetypeCatalog=https://maven.repository.redhat.com/ga/io/fabric8/archetypes/archetypes-catalog/2.2.0.fuse-740017-redhat-00003/archetypes-catalog-2.2.0.fuse-740017-redhat-00003-archetype-catalog.xml \ -DarchetypeGroupId=org.jboss.fuse.fis.archetypes \ -DarchetypeArtifactId=spring-boot-camel-xml-archetype \ -DarchetypeVersion=2.2.0.fuse-740017-redhat-00003
archetype プラグインが対話モードに切り替わり、残りのフィールドの入力を要求されます。
Define value for property 'groupId': : org.example.fis Define value for property 'artifactId': : fuse74-spring-boot Define value for property 'version': 1.0-SNAPSHOT: : Define value for property 'package': org.example.fis: : [INFO] Using property: spring-boot-version = 1.5.17.RELEASE Confirm properties configuration: groupId: org.example.fis artifactId: fuse74-spring-boot version: 1.0-SNAPSHOT package: org.example.fis spring-boot-version: 1.5.17.RELEASE Y: :
プロンプトが表示されたら、
groupId
の値にはorg.example.fis
、artifactId
の値にはfuse74-spring-boot
を入力します。残りのフィールドにはデフォルト値を使用します。-
前のコマンドが
BUILD SUCCESS
状態で終了した場合、fuse74-spring-boot
サブディレクトリー内に新しい Fuse on OpenShift プロジェクトが作成されているはずです。XML DSL コードはfuse74-spring-boot/src/main/resources/spring/camel-context.xml
ファイルで確認できます。デモンストレーションコードは、乱数が含まれるメッセージを継続的にログに送信する、シンプルな Camel ルートを定義します。 Fuse on OpenShift プロジェクトのビルドおよびデプロイを準備するため、以下のように OpenShift サーバーにログインします。
oc login -u developer -p developer https://OPENSHIFT_IP_ADDR:8443
IP アドレスは常に同じではないため、
OPENSHIFT_IP_ADDR
は OpenShift サーバーの IP アドレスのプレースホルダーになります。この値を実際の IP アドレスに置き換えます。注記developer
パスワードを持つdeveloper
ユーザーは、CDK による仮想 OpenShift サーバーで自動作成される標準のアカウントです。リモートサーバーにアクセスする場合は、OpenShift 管理者が提供する URL とクレデンシャルを使用します。以下のコマンドを実行し、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートがすでにインストールされ、アクセス可能であることを確認します。
oc get template -n openshift
イメージおよびテンプレートが事前にインストールされていない場合や、提供されたバージョンが古い場合は、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートを手作業でインストール (または更新) します。Fuse on OpenShift イメージのインストール方法に関する詳細は、2章管理者向けの基本情報 を参照してください。
以下のように、
test
という名前のプロジェクト namespace を作成します。oc new-project test
test
プロジェクト namespace がすでに存在する場合、以下のコマンドを使用して切り替えます。oc project test
これで、
fuse74-spring-boot
プロジェクトをビルドおよびデプロイできるようになりました。OpenShift にログインしている状態で、fuse74-spring-boot
プロジェクトのディレクトリーに移動し、以下のようにプロジェクトをビルドおよびデプロイします。cd fuse74-spring-boot mvn fabric8:deploy -Popenshift
ビルドに成功すると、以下のような出力が表示されます。
... [INFO] OpenShift platform detected [INFO] Using project: test [INFO] Creating a Service from openshift.yml namespace test name fuse74-spring-boot [INFO] Created Service: target/fabric8/applyJson/test/service-fuse74-spring-boot.json [INFO] Using project: test [INFO] Creating a DeploymentConfig from openshift.yml namespace test name fuse74-spring-boot [INFO] Created DeploymentConfig: target/fabric8/applyJson/test/deploymentconfig-fuse74-spring-boot.json [INFO] Creating Route test:fuse74-spring-boot host: null [INFO] F8: HINT: Use the command `oc get pods -w` to watch your pods start up [INFO] ------------------------------------------------------------------------ [INFO] BUILD SUCCESS [INFO] ------------------------------------------------------------------------ [INFO] Total time: 05:38 min [INFO] Finished at: 2019-02-22T12:08:11+01:00 [INFO] Final Memory: 63M/272M [INFO] ------------------------------------------------------------------------
注記このコマンドを初めて実行する場合、Maven は多くの依存関係をダウンロードする必要があるため、数分かかることがあります。2 回目からはビルドが速くなります。
-
ブラウザーで OpenShift コンソールに移動し、クレデンシャル (例: ユーザー名
developer
およびパスワードdeveloper
) を使用してコンソールにログインします。 - OpenShift コンソールで下方向にスクロールし、test プロジェクト namespace を見つけます。test プロジェクトをクリックして test プロジェクト namespace を開きます。test プロジェクトの Overview タブが開き、fuse74-spring-boot アプリケーションが表示されます。
fuse74-spring-boot デプロイメントの左にある矢印をクリックし、このデプロイメントの詳細を展開および表示します。
Pod アイコン (青い円) の中心をクリックし、fuse74-spring-boot の Pod のリストを表示します。
Pod の Name (この例では
fuse74-spring-boot-1-kxdjm
) をクリックし、稼働中の Pod の詳細を表示します。Logs タブをクリックしてアプリケーションログを表示し、ログを下方向にスクロールして、Camel アプリケーションによって生成された乱数のログメッセージを見つけます。
... 07:30:32.406 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 985 07:30:34.405 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 741 07:30:36.409 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 796 07:30:38.409 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 211 07:30:40.411 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 511 07:30:42.411 [Camel (camel) thread #0 - timer://foo] INFO simple-route - >>> 942
-
左側のナビゲーションバーにある Overview をクリックし、
test
namespace のアプリケーション概要に戻ります。実行中の Pod をシャットダウンするには、Pod アイコンの横にある下矢印 をクリックします。Scale down deployment fuse74-spring-boot-1? というダイアログが表示されたら、Scale Down をクリックします。 (任意): CDK を使用している場合は、シェルプロンプトに戻り、以下のコマンドを入力すると、仮想 OpenShift サーバーを完全にシャットダウンすることができます。
minishift stop
4.2.2. プロジェクトのアンデプロイおよび再デプロイ
以下のようにプロジェクトをアンデプロイまたは再デプロイできます。
手順
プロジェクトをアンデプロイするには、以下のコマンドを入力します。
mvn fabric8:undeploy
プロジェクトを再デプロイするには、以下のコマンドを入力します。
mvn fabric8:undeploy mvn fabric8:deploy -Popenshift
4.2.3. OpenShift での Fuse Console の設定
OpenShift では、Fuse Console にアクセスする方法は 2 つあります。
- 実行している 1 つの Fuse コンテナーを監視できるように特定の Pod から設定します。
- 集約型 の Fuse Console カタログアイテムをプロジェクトに追加すると、プロジェクトで実行しているすべての Fuse コンテナーを監視できます。
OpenShift Console またはコマンドラインから Fuse Console をデプロイできます。
- OpenShift 4 で Fuse Console で Fuse 7.4 サービスを管理する場合、『7.4 リリースノート』の説明にしたがって、コミュニティーバージョン (Hawtio) をインストールする必要があります。
- Fuse Console のセキュリティーおよびユーザー管理は、OpenShift によって処理されます。
- Fuse Console のテンプレートは、デフォルトでエンドツーエンド暗号化を設定するため、Fuse Console のリクエストはブラウザーからクラスター内のサービスまでエンドツーエンドでセキュア化されます。
- ロールベースアクセス制御 (デプロイ後に Fuse Console にアクセスするユーザーの場合) は現在 Fuse on OpenShift では使用できません。
前提条件
- 『Fuse on OpenShift ガイド』の説明にしたがって、Fuse Console の Fuse on OpenShift イメージストリームおよびテンプレートをインストールする必要があります。
- Fuse Console をクラスターモードで OpenShift Container Platform 環境にデプロイする場合、クラスター管理者ロールとクラスターモードテンプレートが必要です。以下のコマンドを実行します。
oc adm policy add-cluster-role-to-user cluster-admin system:serviceaccount:openshift-infra:template-instance-controller
クラスターモードテンプレートは、デフォルトでは OpenShift Container Platform の最新バージョンでのみ利用できます。OpenShift Online のデフォルトカタログでは提供されません。
4.2.3.1. Fuse Console からの単一 Fuse Pod の監視
OpenShift で実行している Fuse Pod の Fuse Console を開きます。
OpenShift プロジェクトの Applications
Pods ビューで、Pod 名をクリックし、実行している Fuse Pod の詳細を表示します。このページの右側に、コンテナーテンプレートの概要が表示されます。 このビューの Open Java Console リンクをクリックし、Fuse Console を開きます。
注記Pod ビューで Fuse Console へのリンクを表示するよう OpenShift を設定するには、Fuse on OpenShift イメージを実行している Pod が
jolokia
に設定された name 属性内で TCP ポートを宣言する必要があります。{ "kind": "Pod", [...] "spec": { "containers": [ { [...] "ports": [ { "name": "jolokia", "containerPort": 8778, "protocol": "TCP" }
4.2.3.2. OpenShift Console からの Fuse Console のデプロイ
OpenShift Console から OpenShift クラスターで Fuse Console をデプロイするには、以下の手順にしたがいます。
手順
- OpenShift コンソールで既存のプロジェクトを開くか、新しいプロジェクトを作成します。
Fuse Console を OpenShift プロジェクトに追加します。
Add to Project
Browse Catalog と選択します。 Select an item to add to the current project ページが開きます。
Search フィールドで Fuse Console を入力します。
Red Hat Fuse 7.x Console および Red Hat Fuse 7.x Console (cluster) アイテムが検索結果として表示されるはずです。
Red Hat Fuse Console アイテムが検索結果として表示されない場合や、表示されるアイテムが最新バージョンでない場合は、『Fuse on OpenShift ガイド』の「OpenShift サーバーの準備」セクションにある説明にしたがって、Fuse Console テンプレートを手作業でインストールすることができます。
Red Hat Fuse Console アイテムの 1 つをクリックします。
- Red Hat Fuse 7.x Console - このバージョンの Fuse Console は、現在の OpenShift プロジェクトにデプロイされた Fuse アプリケーションを検出し、接続します。
- Red Hat Fuse 7.x Console (cluster) - このバージョンの Fuse Console は、OpenShift クラスターの複数のプロジェクトにデプロイされた Fuse アプリケーションを検出し、接続します。
Red Hat Fuse Console ウィザードで Next をクリックします。ウィザードの Configuration ページが開きます。
任意で、設定パラメーターのデフォルト値を変更できます。
Create をクリックします。
ウィザードの Results ページに Red Hat Fuse Console が作成されたことが表示されます。
- Continue to the project overview をクリックし、Fuse Console アプリケーションがプロジェクトに追加されたことを確認します。
Fuse Console を開き、提供された URL をクリックした後にログインします。
ブラウザーに Authorize Access ページが表示され、必要なパーミッションが表示されます。
Allow selected permissions をクリックします。
ブラウザーで Fuse Console が開かれ、プロジェクトで実行されている Fuse の Pod が表示されます。
表示するアプリケーションの Connect をクリックします。
新しいブラウザーウィンドウが開かれ、Fuse Console にアプリケーションが表示されます。
4.2.3.3. コマンドラインからの Fuse Console のデプロイ
表4.1「Fuse Console テンプレート」 は、Fuse アプリケーションのデプロイメントのタイプに応じて、コマンドラインから Fuse Console へのアクセスに使用できる 2 つの OpenShift テンプレートについて説明しています。
タイプ | 説明 |
---|---|
cluster | クラスター管理者ロールの作成を必要とする OAuth クライアントを使用します。Fuse Console は、複数の namespace またはプロジェクトにまたがってデプロイされた Fuse アプリケーションを検出し、接続することができます。 |
namespace | プロジェクトでの管理者ロールの作成のみを必要とする、サービスアカウントを OAuth クライアントとして使用します。これにより、Fuse Console のこの単一プロジェクトへのアクセスが制限されるため、単一テナントのデプロイメントとして動作します。 |
任意で、以下のコマンドを実行するとテンプレートパラメーターの一覧を表示できます。
oc process --parameters -f https://raw.githubusercontent.com/jboss-fuse/application-templates/application-templates-2.1.fuse-740025-redhat-00003/fis-console-namespace-template.json
手順
コマンドラインから Fuse Console をデプロイするには、以下を行います。
以下のコマンドの 1 つを実行して、Fuse Console テンプレートをベースとした新しいアプリケーションを作成します。コマンドの myproject はプロジェクトの名前に置き換えます。
Fuse Console の cluster テンプレートの場合は、以下のようになります。
myhost
は Fuse Console にアクセスするホストの名前になります。oc new-app -n myproject -f https://raw.githubusercontent.com/jboss-fuse/application-templates/application-templates-2.1.fuse-740025-redhat-00003/fis-console-cluster-template.json -p ROUTE_HOSTNAME=myhost
Fuse Console の namespace テンプレートの場合は以下のようになります。
oc new-app -n myproject -f https://raw.githubusercontent.com/jboss-fuse/application-templates/application-templates-2.1.fuse-740025-redhat-00003/fis-console-namespace-template.json
注記namespace テンプレートの route_hostname パラメーターは OpenShift によって自動的に生成されるため、省略することが可能です。
以下のコマンドを実行して、Fuse Console デプロイメントの状態と URL を取得します。
oc status
- ブラウザーから Fuse Console にアクセスするには、提供される URL (例: https://fuse-console.192.168.64.12.nip.io) を使用します。
4.2.3.4. Fuse Console でデータが正しく表示されるよう確認
Fuse Console のキューおよびコネクションの表示で、不足しているキューやコネクションがあったり、一貫性のないアイコンが表示される場合、Jolokia が応答でマーシャルするアレイの要素の最大数を指定する、Jolokia コレクションサイズパラメーターを調節します。
手順
Fuse Console の右上隅にあるユーザーアイコンをクリックして、Preferences をクリックします。
- Maximum collection size オプションの値を大きくします (デフォルトは 50,000)。
- Close をクリックします。
4.2.4. S2I ソースワークフローを使用したプロジェクトの作成およびデプロイ
ここでは、OpenShift S2I ソースワークフローを使用して、テンプレートをベースとした Fuse on OpenShift プロジェクトをビルドおよびデプロイします。最初に、リモート Git リポジトリーに保存されたクイックスタートプロジェクトを使用します。OpenShift コンソールを使用すると、このクイックスタートプロジェクトを OpenShift サーバーでダウンロード、ビルド、およびデプロイできます。
手順
-
ブラウザーで https://OPENSHIFT_IP_ADDR:8443 の OpenShift コンソールに移動します (
OPENSHIFT_IP_ADDR
は CDK の場合で表示された IP アドレスに置き換えます)。クレデンシャル (例: ユーザー名developer
、パスワードdeveloper
) を使用して、コンソールにログインします。 カタログ検索フィールドに
Red Hat Fuse 7.4 Camel XML
を検索文字列として入力し、Red Hat Fuse 7.4 Camel XML DSL with Spring Boot テンプレートを選択します。- テンプレートウィザードの Information ステップが開きます。Next をクリックします。
以下のように、テンプレートウィザードの Configuration ステップが開きます。Add to Project ドロップダウンメニューで My Project を選択します。
注記この例で新しいプロジェクトを作成したい場合は、上記の手順の代わりに Add to Project ドロップダウンメニューで Create Project を選択します。新規プロジェクトの名前を入力する Project Name フィールドが表示されます。
Configuration ステップの残りの設定では、デフォルトの値を使用します。Create をクリックします。
注記クイックスタートをそのまま実行せずに、アプリケーションコードを変更する場合は、元のクイックスタート Git リポジトリーをフォークし、Git Repository URL および Git Reference フィールドに適切な値を入力する必要があります。
- テンプレートウィザードの Results ステップが開きます。Close をクリックします。
- 右側の My Projects ペインで My Project をクリックします。My Project プロジェクトの Overview タブが開き、s2i-fuse74-spring-boot-camel-xml アプリケーションが表示されます。
s2i-fuse74-spring-boot-camel-xml デプロイメントの左にある矢印をクリックし、以下のようにこのデプロイメントの詳細を展開および表示します。
このビューにビルドログが表示されます。何らかの理由でビルドに失敗した場合は、ビルドログを参照して問題を診断します。
注記リモートの Maven リポジトリーから多くの依存関係をダウンロードする必要があるため、ビルドが完了するまで数分かかることがあります。ビルド時間を短縮するには、ローカルネットワークに Nexus サーバーをデプロイすることが推奨されます。
ビルドが正常に完了したら、Pod アイコンは 1 つの Pod が実行している青い円で表示されます。Pod アイコン (青い円) の中心をクリックし、s2i-fuse74-spring-boot-camel-xml の Pod のリストを表示します。
注記複数の Pod が実行されている場合、この時点では実行中の Pod のリストが表示されます。1 つの Pod のみが実行されている場合は、実行中の Pod の詳細ビューが表示されます。
Pod 詳細ビューが開きます。Logs タブをクリックしてアプリケーションログを表示し、ログを下方向にスクロールして、Camel アプリケーションによって生成されたログメッセージを見つけます。
-
左側のナビゲーションバーにある Overview をクリックし、
My Project
namespace のアプリケーション概要に戻ります。実行中の Pod をシャットダウンするには、Pod アイコンの横にある下矢印 をクリックします。Scale down deployment s2i-fuse74-spring-boot-camel-xml-1? というダイアログが表示されたら、Scale Down をクリックします。 (任意): CDK を使用している場合は、シェルプロンプトに戻り、以下のコマンドを入力すると、仮想 OpenShift サーバーを完全にシャットダウンすることができます。
minishift stop