38.3. 自動検出と設定


38.3.1. 自動検出の設定

概要

自動検出は、コンポーネントを Apache Camel アプリケーションに動的に追加できるようにするメカニズムです。コンポーネントの URI 接頭辞は、必要に応じてコンポーネントをロードするキーとして使用されます。たとえば、Apache Camel がエンドポイント URI activemq://MyQName に到達し、ActiveMQ エンドポイントがロードされていない場合、Apache Camel は activemq 接頭辞によって識別されるコンポーネントを検索し、コンポーネントを動的にロードします。

コンポーネントクラスの可用性

自動検出を設定する前に、カスタムコンポーネントクラスが現在のクラスパスからアクセスできることを確認する必要があります。通常、カスタムコンポーネントクラスを JAR ファイルにバンドルし、JAR ファイルをクラスパスに追加します。

自動検出の設定

コンポーネントの自動検出を有効にするには、コンポーネント接頭辞 component-prefix の名前の Java プロパティーファイルを作成し、そのファイルを以下の場所に保存します。

/META-INF/services/org/apache/camel/component/component-prefix

component-prefix プロパティーファイルには、以下のプロパティー設定が含まれている必要があります。

class=component-class-name

ここで、component-class-name はカスタムコンポーネントクラスの完全修飾名になります。このファイルに追加のシステムプロパティー設定を定義することもできます。

たとえば、以下の Java プロパティーファイルを作成して、Apache Camel FTP コンポーネントの自動検出を有効にできます。

/META-INF/services/org/apache/camel/component/ftp

以下の Java プロパティー設定が含まれます。

class=org.apache.camel.component.file.remote.RemoteFileComponent
注記

FTP コンポーネントの Java プロパティーファイルは、JAR ファイル camel-ftp-Version.jar にすでに定義されています。

38.3.2. コンポーネントの設定

概要

コンポーネントを追加する場合は、Apache Camel Spring 設定ファイル (META-INF/spring/camel-context.xml) でコンポーネントを設定します。コンポーネントを見つけるために、コンポーネントの URI 接頭辞は Spring 設定の bean 要素の ID 属性と照合されます。コンポーネント接頭辞が bean 要素 ID と一致する場合、Apache Camel は参照されたクラスをインスタンス化し、Spring 設定に指定されたプロパティーを注入します。

注記

このメカニズムは自動検出よりも優先されます。CamelContext が必須 ID で Spring Bean を見つけた場合は、自動検出を使用したコンポーネントの検索は行われません。

コンポーネントクラスで Bean プロパティーを定義します。

コンポーネントクラスに注入するプロパティーがある場合は、これを Bean プロパティーとして定義します。以下に例を示します。

public class CustomComponent extends
  DefaultComponent<CustomExchange> {
    ...
    PropType getProperty() { ... }
    void setProperty(PropType v) { ...  }
}

getProperty() メソッドと setProperty() メソッドは、プロパティー の値にアクセスします。

Spring のコンポーネントの設定

Spring でコンポーネントを設定するには、例38.1「Spring でのコンポーネントの設定」 にあるように設定ファイル META-INF/spring/camel-context.xml を編集します。

例38.1 Spring でのコンポーネントの設定

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<beans xmlns="http://www.springframework.org/schema/beans"
       xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
       xsi:schemaLocation="
       http://www.springframework.org/schema/beans http://www.springframework.org/schema/beans/spring-beans-2.0.xsd
       http://camel.apache.org/schema/spring http://camel.apache.org/schema/spring/camel-spring.xsd">

  <camelContext id="camel" xmlns="http://camel.apache.org/schema/spring">
    <package>RouteBuilderPackage</package>
  </camelContext>

  <bean id="component-prefix" class="component-class-name">
    <property name="property" value="propertyValue"/>
   </bean>
</beans>

component-prefix の ID が付いた bean 要素は component-class-name コンポーネントを設定します。property 要素を使用して、プロパティーをコンポーネントインスタンスに注入することができます。たとえば、前述の例の property 要素は、コンポーネントで setProperty() を呼び出して、propertyValue の値を property プロパティーに注入します。

例38.2「Spring JMS コンポーネントの設定」 は、ID が jms と等しい bean 要素を定義して Apache Camel の JMS コンポーネントを設定する方法の例を示しています。これらの設定は Spring 設定ファイル (camel-context.xml) に追加されます。

例38.2 Spring JMS コンポーネントの設定

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<beans xmlns="http://www.springframework.org/schema/beans"
       xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
       xsi:schemaLocation="
       http://www.springframework.org/schema/beans http://www.springframework.org/schema/beans/spring-beans-2.0.xsd
       http://camel.apache.org/schema/spring http://camel.apache.org/schema/spring/camel-spring.xsd">

  <camelContext id="camel" xmlns="http://camel.apache.org/schema/spring">
    <package>org.apache.camel.example.spring</package> 1
  </camelContext>

  <bean id="jms" class="org.apache.camel.component.jms.JmsComponent"> 2
    <property name="connectionFactory"3
       <bean class="org.apache.activemq.ActiveMQConnectionFactory">
         <property name="brokerURL"
                   value="vm://localhost?broker.persistent=false&amp;broker.useJmx=false"/> 4
       </bean>
    </property>
  </bean>
</beans>
1
CamelContext は、指定された Java パッケージ (org.apache.camel.example.spring) にある RouteBuilder クラスを自動的にインスタンス化します。
2
ID jms の付いた bean 要素は、JMS コンポーネントを設定します。Bean ID は、コンポーネントの URI 接頭辞に対応します。たとえば、ルートが URI でエンドポイント (jms://MyQName) を指定する場合、Apache Camel は jms bean 要素の設定を使用して JMS コンポーネントを自動的に読み込みます。
3
JMS は、メッセージングサービスのラッパーです。JmsComponent クラスに connectionFactory プロパティーを設定して、メッセージングシステムの具象実装を指定する必要があります。
4
この例では、JMS メッセージングサービスの具象実装は Apache ActiveMQ です。brokerURL プロパティーは、メッセージブローカーがローカルの Java 仮想マシン (JVM) に組み込まれている ActiveMQ ブローカーインスタンスへの接続を初期化します。ブローカーが JVM にない場合、ActiveMQ はオプション broker.persistent=false (ブローカーはメッセージを永続化しない) および broker.useJmx=false (ブローカーは JMX ポートを開かない) でインスタンス化します。
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